アメリカ中を震撼させた超大型ハリケーン「カトリーヌ」の被害は、想像以上に甚大なようです。ニューオリンズの町の大半が冠水するなんて、およそ信じられません。一日も早い復興をお祈りするとともに、あの明るいニューオリンズ・ジャズのメッカとしての活気を取り戻してほしいものです。
今日は、諸井三郎の交響曲を聴きました。
<曲目>
諸井三郎 作曲
■こどものための小交響曲 変ロ調 作品24(1943)
■交響的二楽章 作品22(1942)
■交響曲第三番 作品25(1944)
<演奏>
湯浅卓雄(指揮)
アイルランド国立交響楽団
諸井三郎さんが高名な作曲家であり、また同じく作曲家である諸井誠さんのお父さまであることは知っていたのですが、実際に曲を聴くのは今日が初めてです。
まさにドイツ風の作風ですね。いずれの曲も、正攻法でかつ誠実に書かれた曲だと思いました。特に素晴らしかったのは、交響曲第三番です。
太平洋戦争末期の1944年に作曲されたこのシンフォニーは3つの楽章からできていますが、それぞれ、「静かなる序曲~精神の誕生とその発展」「諧謔について」「死についての諸観念」といったサブタイトルが付けられています。
第1楽章は、主部に入る前のオスティナートが大変印象に残りました。
第2楽章は、短いスケルツォ。最後はブラスと打楽器で豪快に終わります。
さて、この曲の中で最も感動したのが終楽章です。実はここまで、コーヒーを飲みながら本を片手に聴いていたのですが、この楽章の冒頭部分を聴いた瞬間、思わず本を閉じ背筋を伸ばしてスピーカーのほうを見つめてしまいました。
何と素晴らしい音楽。
アダージョ・トランクィロの指定ですが、本当に静かにゆっくり開始され、徐々に高揚していきます。オルガンが実に効果的。その後7分50秒くらいに弦楽器とオルガンで奏でられるテーマの美しいこと。柴田南雄さんが「人類の祈りの歌」と呼んだそうですが、このテーマは、その後トランペットと弦楽器で再現された後、最後のコーダではさらにオルガンも加わって名残惜しげに奏されます。その崇高さに、私は鳥肌がたつほど感動しました。
哀しみを深く胸に刻みながらも、何かそれを超越した境地にたったとしか考えられない不思議な静けさをもったこの音楽は、やはり戦争の末期であり、死と直面していた時代背景と切り離して考えられないと思います。
素晴らしい音楽を聴きました。
今日は、諸井三郎の交響曲を聴きました。
<曲目>
諸井三郎 作曲
■こどものための小交響曲 変ロ調 作品24(1943)
■交響的二楽章 作品22(1942)
■交響曲第三番 作品25(1944)
<演奏>
湯浅卓雄(指揮)
アイルランド国立交響楽団
諸井三郎さんが高名な作曲家であり、また同じく作曲家である諸井誠さんのお父さまであることは知っていたのですが、実際に曲を聴くのは今日が初めてです。
まさにドイツ風の作風ですね。いずれの曲も、正攻法でかつ誠実に書かれた曲だと思いました。特に素晴らしかったのは、交響曲第三番です。
太平洋戦争末期の1944年に作曲されたこのシンフォニーは3つの楽章からできていますが、それぞれ、「静かなる序曲~精神の誕生とその発展」「諧謔について」「死についての諸観念」といったサブタイトルが付けられています。
第1楽章は、主部に入る前のオスティナートが大変印象に残りました。
第2楽章は、短いスケルツォ。最後はブラスと打楽器で豪快に終わります。
さて、この曲の中で最も感動したのが終楽章です。実はここまで、コーヒーを飲みながら本を片手に聴いていたのですが、この楽章の冒頭部分を聴いた瞬間、思わず本を閉じ背筋を伸ばしてスピーカーのほうを見つめてしまいました。
何と素晴らしい音楽。
アダージョ・トランクィロの指定ですが、本当に静かにゆっくり開始され、徐々に高揚していきます。オルガンが実に効果的。その後7分50秒くらいに弦楽器とオルガンで奏でられるテーマの美しいこと。柴田南雄さんが「人類の祈りの歌」と呼んだそうですが、このテーマは、その後トランペットと弦楽器で再現された後、最後のコーダではさらにオルガンも加わって名残惜しげに奏されます。その崇高さに、私は鳥肌がたつほど感動しました。
哀しみを深く胸に刻みながらも、何かそれを超越した境地にたったとしか考えられない不思議な静けさをもったこの音楽は、やはり戦争の末期であり、死と直面していた時代背景と切り離して考えられないと思います。
素晴らしい音楽を聴きました。
いつもありがとうございます。
この一週間、日本人作曲家の曲を結構集中的に聴きました。そしてとても好きになりました。
何か必死さが伝わってくるんですよね。でも、この諸井さんの第3シンフォニーが特に素晴らしいと思いました。
やはり「ドイツ系+日本人的な味付け」が私の好みなのかもしれません・・・。
古い記事ですがトラバさせて頂きました。
いつもありがとうございます。
諸井さんの音の作り方は、ちょっと渋いけど好きです。3楽章構成ということ、最後が祈りの歌で終わること、オルガンのイメージが強いことを考えると、やっぱりブルックナーの最後のシンフォニーとの共通性を感じます。
>ナクソスのこのシリーズは廉価な価格で実に素晴らしい企画をされていますね。
全く同感です。私も応援したい気持ちでいっぱいです。