モーツァルトは交響曲からオペラ・宗教曲にいたるまであらゆる分野の音楽を作曲していますが、私の場合、まず協奏曲・オーケストラ曲といういわゆる器楽の分野からモーツァルトの音楽に慣れ親しんでいったので、オペラ・宗教曲という分野の音楽を本当に楽しむようになったのは比較的最近なんです。
尤も、新人時代大変お世話になった支店長から「君は随分クラシック音楽が好きなようだけど、もし無人島に一曲だけ持って行く音楽を選べるとしたら何を選ぶの?」と聞かれて「モーツァルトの魔笛です」と答えたようですから、それなりに昔から魅力を感じてはいたのですが、実際のステージで観たこともなかったし、やっぱり遠い存在だったのですね。
余談ですが、上記の支店長に結婚式の媒酌人をお願いしたところ快諾いただいたのですが、新郎新婦の紹介のときに、しっかりこのことを話されてしまいました。(笑)
さて、そんな私がオペラに本格的に関心をもったのは、10年前にザルツブルクで初めて実際に「フィガロの結婚」を観たときでした。シンプルすぎる舞台装置にはいささかがっかりしましたが、オーケストラ・歌手達が一体になって、本当に生気溢れる音楽を創りあげており、「これって、なかなか面白いじゃん!」とカルチャーショックを受けたのです。
その後オペラをよく観るようになって、今度はオペラと協奏曲(とくにピアノ協奏曲)の類似性を強く感じるようになりました。
随分前置きが長くなりましたが、ピアノ協奏曲の中でも最もオペラティックな印象を私がもっているのが、この18番の変ロ長調コンチェルトです。
第1楽章冒頭、何と素敵なオープンニングだろう。
前口上として「さてさて皆さん、今宵お聴きいただく曲は…」と語りかけているように聴こえませんか?
この優しい雰囲気は、傑作ぞろいのピアノコンチェルトの中でも出色のものでしょう。
第2楽章は、よく知られているとおり「フィガロの結婚」の第4幕冒頭でバルバリーナが歌うカヴァティーナ「ピンをなくしてしまった」と同じメロディです。
私はこのカヴァティーナ大好きなんです。本当に短いカヴァティーナだけど、はっとするくらい美しい。バルバリーナにとって唯一の独唱曲ですが、モーツァルトは心憎いくらいの名旋律を与えています。
このカヴァティーナの美しさは、この楽章でも存分に魅力を放っています。
第3楽章冒頭の主題も、このままオペラにすぐ使えそうです。そして随所でみせるピアノの細かい動きは、まるで子供が自由自在に走り回っているよう。
私はこの楽章を聴くと、童心に返ったモーツァルトの悪戯心をついつい想像してしまいます。
私のお気に入りのディスクはいろいろあるのですが、とりあえずバレンボイムの新盤を。
ベルリンフィルを弾き振りしたライブ演奏で、ピアノ・オケともに溌剌とした表情がとても魅力的。
全集ですが、びっくりするくらいの安価で販売されています。
■モーツァルト:ピアノ協奏曲第18番変ロ長調 K.456
■ダニエル・バレンボイム(ピアノ&指揮)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
■録音:1993年ライブ録音
尤も、新人時代大変お世話になった支店長から「君は随分クラシック音楽が好きなようだけど、もし無人島に一曲だけ持って行く音楽を選べるとしたら何を選ぶの?」と聞かれて「モーツァルトの魔笛です」と答えたようですから、それなりに昔から魅力を感じてはいたのですが、実際のステージで観たこともなかったし、やっぱり遠い存在だったのですね。
余談ですが、上記の支店長に結婚式の媒酌人をお願いしたところ快諾いただいたのですが、新郎新婦の紹介のときに、しっかりこのことを話されてしまいました。(笑)
さて、そんな私がオペラに本格的に関心をもったのは、10年前にザルツブルクで初めて実際に「フィガロの結婚」を観たときでした。シンプルすぎる舞台装置にはいささかがっかりしましたが、オーケストラ・歌手達が一体になって、本当に生気溢れる音楽を創りあげており、「これって、なかなか面白いじゃん!」とカルチャーショックを受けたのです。
その後オペラをよく観るようになって、今度はオペラと協奏曲(とくにピアノ協奏曲)の類似性を強く感じるようになりました。
随分前置きが長くなりましたが、ピアノ協奏曲の中でも最もオペラティックな印象を私がもっているのが、この18番の変ロ長調コンチェルトです。
第1楽章冒頭、何と素敵なオープンニングだろう。
前口上として「さてさて皆さん、今宵お聴きいただく曲は…」と語りかけているように聴こえませんか?
この優しい雰囲気は、傑作ぞろいのピアノコンチェルトの中でも出色のものでしょう。
第2楽章は、よく知られているとおり「フィガロの結婚」の第4幕冒頭でバルバリーナが歌うカヴァティーナ「ピンをなくしてしまった」と同じメロディです。
私はこのカヴァティーナ大好きなんです。本当に短いカヴァティーナだけど、はっとするくらい美しい。バルバリーナにとって唯一の独唱曲ですが、モーツァルトは心憎いくらいの名旋律を与えています。
このカヴァティーナの美しさは、この楽章でも存分に魅力を放っています。
第3楽章冒頭の主題も、このままオペラにすぐ使えそうです。そして随所でみせるピアノの細かい動きは、まるで子供が自由自在に走り回っているよう。
私はこの楽章を聴くと、童心に返ったモーツァルトの悪戯心をついつい想像してしまいます。
私のお気に入りのディスクはいろいろあるのですが、とりあえずバレンボイムの新盤を。
ベルリンフィルを弾き振りしたライブ演奏で、ピアノ・オケともに溌剌とした表情がとても魅力的。
全集ですが、びっくりするくらいの安価で販売されています。
■モーツァルト:ピアノ協奏曲第18番変ロ長調 K.456
■ダニエル・バレンボイム(ピアノ&指揮)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
■録音:1993年ライブ録音
多分27番が目当てだったけれども、18番に聞き惚れてしまって、20番以前の協奏曲の楽しさを知るきっかけを作ってくれた曲です。
丘さまも18番のファンでしたか。
何か同士を得たようで、とても嬉しいです。
実は、お薦めディスクとしてブレンデル盤をあげようかと最後まで迷っていたんです。
私に初めてこの曲の素晴らしさを教えてもらったのも、LPのブレンデル盤でした。
>20番以前の協奏曲の楽しさを知るきっかけを作ってくれた曲です
まったく同感です。
でもモーツァルトのピアノ協奏曲って、とくに12番以降は本当に名品ぞろいですね。
おっと9番ジュノムも素敵な作品でした。
勇気付けられるコメント、ありがとうございました。