2月の芸劇マチネーコンサートに行ってきました。
<日時>平成17年2月11日(祝)
<曲目>
ショパン ピアノ協奏曲 第1番 ホ短調 Op.11
チャイコフスキー 交響曲 第5番 ホ短調 Op.64
指 揮 :アレクサンドル・ラザレフ
ピアノ :スタニスラフ・ジェヴィツキ
1月の芸劇マチネーが残念ながら仕事でいけなかったので、
私にとっては今回が今年最初のマチネーコンサートということになります。
実は、発熱をともなう咽頭炎と診断されたばかりで今日も体調が優れなかったこともあり、正直不安一杯で聴きにいったコンサートでしたが、結果的には本当に行ってよかった。
想い出に残るコンサートでした。
●ショパン:ピアノ協奏曲第一番
ジェヴィツキは初めて聴きましたが、弱冠17歳のロシアのピアニストです。
お母さんがあのタチアナ・シェバノワで、お父さんもピアニストという音楽一家で育ったそうです。
(シェバノワは1980年のショパンコンクールで2位入賞者で、私は優勝したダンタイソンよりもシェバノワの瑞々しい演奏を今でもよく覚えています。余談ですが、このときはポゴレリッチ事件がありアルゲリッチが審査員を降りるという事態に発展したことで有名ですが、そのほかの参加者としてもエバ・ポブウォツカやアンジェラ・ヒューイットという現在の人気ピアニストの名もありましたね)
まず、ジェヴィツキの第一印象ですが、容姿はロシアの貴公子という感じで、はっきり言ってイケメンです。お辞儀の仕草なんかはまだぎこちない部分があるのですが、そのあたりはかえって初々しさを感じます。今後女性のファンがきっと増えるんだろうなあ。(そういえば、今日も、聴衆の中に女性の姿が普段より多かったかなあ・・・。)
肝心の演奏ですが、既にしっかりしたテクニックを持っており、シェバノワ譲りの大変瑞々しいスタイルで、かつとても17歳に思えないような落ち着きがありました。和音がとてもきれいに響くことも、このピアニストの特徴でしょう。
とても清潔なショパンを聴かせてもらいました。
コンチェルトのあととしては珍しく3曲もアンコールにこたえてくれました。
・ショパン:ワルツ第4番「華麗なる大円舞曲」
・リムスキーコルサコフ:熊蜂の飛行
・ショパン:軍隊ポロネーズ
将来がとても楽しみなピアニストだと思います。
●チャイコフスキー:交響曲第5番
ラザレフという指揮者、実は私のお気に入りで、タイプとしてはどこかズービン・メータをほうふつさせます。
とにかく、演奏のスタイルが濃いんです。
多少芝居がかったところもありますが、それがチャイコフスキーにぴったり。
第1楽章冒頭の、あのクラリネットのほの暗い語りかけから、「ああチャイコフスキーだ」と実感させてくれます。第2楽章の冒頭チェロとコントラバスで奏される部分、これは本当に素晴らしかった。真実の心の歌を聴かせてもらい感動しました。今日のハイライトと言っても過言ではありません。
また、今日感じたラザレフの演奏の特徴は、特に中低音で一定のリズムを刻ませる部分を重視していることです。その結果、ビオラ・チェロ・コントラバスの動きが明確になり、全体が濃厚な表情で演奏されているにもかかわらず、内声部の充実した非常に見通しの良い演奏になるのでしょう。
続くフィナーレの主部は大変速いテンポで始まり、どうなることかと思い聴いていましたが、腕自慢の読売日響のメンバーも必死についていきます。プロのオーケストラがこれだけ熱く演奏したら、聴衆も熱くなりますね。コーダではさらにテンポが加速され、私も「何とかついてきて」と祈るような気持ちで、手に汗を握りつつ最後のダダダダーンを迎えました。
指揮者・演奏者・聴衆が一体になった素晴らしいコンサートでした。
演奏後、盛大にブラボーの声がかっていたことは言うまでもありません。
昨年末に聴いたベートーベンの第9で、巷の評判(賞賛の声が多数でした)とはうらはらに私の心の中に残っていたもやもや感が、今日の熱演で完全に取り除くことができました。
ラザレフさん、読売日響のみなさんありがとう。
<日時>平成17年2月11日(祝)
<曲目>
ショパン ピアノ協奏曲 第1番 ホ短調 Op.11
チャイコフスキー 交響曲 第5番 ホ短調 Op.64
指 揮 :アレクサンドル・ラザレフ
ピアノ :スタニスラフ・ジェヴィツキ
1月の芸劇マチネーが残念ながら仕事でいけなかったので、
私にとっては今回が今年最初のマチネーコンサートということになります。
実は、発熱をともなう咽頭炎と診断されたばかりで今日も体調が優れなかったこともあり、正直不安一杯で聴きにいったコンサートでしたが、結果的には本当に行ってよかった。
想い出に残るコンサートでした。
●ショパン:ピアノ協奏曲第一番
ジェヴィツキは初めて聴きましたが、弱冠17歳のロシアのピアニストです。
お母さんがあのタチアナ・シェバノワで、お父さんもピアニストという音楽一家で育ったそうです。
(シェバノワは1980年のショパンコンクールで2位入賞者で、私は優勝したダンタイソンよりもシェバノワの瑞々しい演奏を今でもよく覚えています。余談ですが、このときはポゴレリッチ事件がありアルゲリッチが審査員を降りるという事態に発展したことで有名ですが、そのほかの参加者としてもエバ・ポブウォツカやアンジェラ・ヒューイットという現在の人気ピアニストの名もありましたね)
まず、ジェヴィツキの第一印象ですが、容姿はロシアの貴公子という感じで、はっきり言ってイケメンです。お辞儀の仕草なんかはまだぎこちない部分があるのですが、そのあたりはかえって初々しさを感じます。今後女性のファンがきっと増えるんだろうなあ。(そういえば、今日も、聴衆の中に女性の姿が普段より多かったかなあ・・・。)
肝心の演奏ですが、既にしっかりしたテクニックを持っており、シェバノワ譲りの大変瑞々しいスタイルで、かつとても17歳に思えないような落ち着きがありました。和音がとてもきれいに響くことも、このピアニストの特徴でしょう。
とても清潔なショパンを聴かせてもらいました。
コンチェルトのあととしては珍しく3曲もアンコールにこたえてくれました。
・ショパン:ワルツ第4番「華麗なる大円舞曲」
・リムスキーコルサコフ:熊蜂の飛行
・ショパン:軍隊ポロネーズ
将来がとても楽しみなピアニストだと思います。
●チャイコフスキー:交響曲第5番
ラザレフという指揮者、実は私のお気に入りで、タイプとしてはどこかズービン・メータをほうふつさせます。
とにかく、演奏のスタイルが濃いんです。
多少芝居がかったところもありますが、それがチャイコフスキーにぴったり。
第1楽章冒頭の、あのクラリネットのほの暗い語りかけから、「ああチャイコフスキーだ」と実感させてくれます。第2楽章の冒頭チェロとコントラバスで奏される部分、これは本当に素晴らしかった。真実の心の歌を聴かせてもらい感動しました。今日のハイライトと言っても過言ではありません。
また、今日感じたラザレフの演奏の特徴は、特に中低音で一定のリズムを刻ませる部分を重視していることです。その結果、ビオラ・チェロ・コントラバスの動きが明確になり、全体が濃厚な表情で演奏されているにもかかわらず、内声部の充実した非常に見通しの良い演奏になるのでしょう。
続くフィナーレの主部は大変速いテンポで始まり、どうなることかと思い聴いていましたが、腕自慢の読売日響のメンバーも必死についていきます。プロのオーケストラがこれだけ熱く演奏したら、聴衆も熱くなりますね。コーダではさらにテンポが加速され、私も「何とかついてきて」と祈るような気持ちで、手に汗を握りつつ最後のダダダダーンを迎えました。
指揮者・演奏者・聴衆が一体になった素晴らしいコンサートでした。
演奏後、盛大にブラボーの声がかっていたことは言うまでもありません。
昨年末に聴いたベートーベンの第9で、巷の評判(賞賛の声が多数でした)とはうらはらに私の心の中に残っていたもやもや感が、今日の熱演で完全に取り除くことができました。
ラザレフさん、読売日響のみなさんありがとう。
こんばんは、おさかな♪です。
チャイコ5番は、初オケ曲だったのでとても思い出深いです。
今日のブログにオケのパート譜の作成方法をUPしたのですが、チャイ5の4楽章で主題が元気良く繰り返されるところ(ちゃ~んちゃちゃ、ちゃ~んちゃちゃ、ちゃん!ちゃん!・・・ってこれじゃ分からんですよね。。)で、バイオリンはただでさえ大忙しのフレーズなのですが、ファーストバイオリンは更にここで「譜めくり」があるんです♪(おさかな♪はセカンドでしたので、ここで楽譜を大忙しでめくるファーストさん達を見て、練習中思わず笑ってしまいました。)
管楽器は主題なのですが、バイオリンは上がって下がって(しかも速い!)のジェットコースターみたいな音階です。なので、オケでチャイ5の主題を歌っている人がいると、「あー、管の人だな~」って思います。もしも演奏をまた見る機会があったら、ファーストバイオリンのあわあわぶり(?)を楽しんで下さいね♪
>特に中低音で一定のリズムを刻ませる部分を重視していることです。その結果、ビオラ・チェロ・コントラバスの動きが明確になり、全体が濃厚な表情で演奏されているにもかかわらず、内声部の充実した非常に見通しの良い演奏になるのでしょう。
この評は本当にすばらしい評だと思います!あと、ついでに心の中だけで良いので、セカンドバイオリンも仲間に入れてあげてください(笑)。
演奏のスピードについてなのですが、同じく4楽章で「元の速さに戻る」と指示がある個所があります。指揮者の先生が「盛り上がる個所で、『うわ~、どこまで速くなるんだろう~!』って思わせといて、ふっとテンポを緩めるのが効果的なこともあるんですよ。」とおっしゃっていました。カラヤンはそうしてました。でもホント微妙でCDを聴いただけだと分からないくらいなのですが、いつか詳しい記事を書く予定です♪
こういう指導を聞くと、ホントわくわくします。
楽しいコメントありがとうございます。
>チャイ5の4楽章で主題が元気良く繰り返されるところ(ちゃ~んちゃちゃ、ちゃ~んちゃちゃ、ちゃん!ちゃん!・・・)
よーく分かりますよ。元気がでるフレーズですよね。でもここで譜めくりがあるんですか。それは大変だぁ。自動譜めくり機のようなものが出来ないですかねぇ。
>ついでに心の中だけで良いので、セカンドバイオリンも仲間に入れてあげてください(笑)。
了解しました。セカンドの音の動きは、ヴィオラとあわせていつも追っかけるようにしています。残念ながらときどき見失いますが(汗)・・・。
テンポを揺らす話、大変興味深く拝見しました。
2回やるとあざとい感じですが、ここぞの場面で使うと劇的な効果があるでしょうね。
また、おさかな♪さんの記事を楽しみにしています。