ETUDE

~美味しいお酒、香り高い珈琲、そして何よりも素敵な音楽。
これが、私(romani)の三種の神器です。~

バッハのフルートソナタ

2005-01-19 | CDの試聴記
●バッハのフルートソナタ(全曲)

<演奏者>
エッカルト・ハウプト(フルート)
クリスティーヌ・ショルンスハイム(チェンバロ)他

ドイツシャルプラッテン


出張帰りの新幹線の中で、例によって<ipod+愛用のB&Oのイヤフォン>のコンビで、久しぶりにこのアルバムを聴きました。
冒頭のBWV1030のロ短調のソナタ、本当にいい曲ですね。
疲れが一度に消えて、思わず聴き入ってしまいました。
曲も良いけど、ハウプトのフルートがまた素晴らしい。
ハウプトはドレスデンシュタッツカペレの名奏者の誉れ高い人ですが、その音色は暖かく、フレージングが清潔なので決してべたべたしない。
清潔なフレージングを意識しすぎると冷たい演奏になりがちだし、暖かな音色を前面に出しすぎると輪郭があいまいになりがちです。この難しい二つのテーマを両立させている稀有な演奏だと思います。
だからこそ、聴き手を本当に幸せな気分にさせてくれるのでしょう。

BWV1030以外の曲も見事な演奏ですが、このアルバムには、ハ長調のソナタBWV1033が、ソロ用と通奏低音つきの2種類収録されています。こうやって聴いてみるとソロの方も十分楽しめますね。実はこのソナタは、高校時代リンデのフルートとラゴスニックのギターのコンビによる演奏がとても気に入って、よく聴いていました。

また、ハウプトのフルートを聴きながら、何故か日本のフルート界の重鎮だった吉田雅夫さんのことを思い出しました。
私はフルートは全く吹けないのですが、高校時代にNHK教育テレビで吉田先生が講師をされてたフルート教室はかかさず見ていました。
先生の人柄もあるのでしょうが、大変密度の濃いレッスンだったことを覚えています。
フレージングやアーティキュレーションについても、この番組で初めて勉強させてもらいました。
そういえば、吉田先生のレッスンでは当時東京芸大の現役の学生であった美しい人が生徒で登場していました。確か名前は神崎敦子さんだったと思います。今は女優さんでありフルーティストとしても活躍されているようです。
女優さんの名前ですか?そう、神崎愛さんです。

●追記
インターネットで「バッハ:フルートソナタ」について検索しておりましたら、素敵なBlogに出会いましたので、ご紹介させていただきます。
バッハのフルートソナタBWV1030
コメント (8)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ベームのブラームス | トップ | ジェヴィツキ(ピアノ)/ラ... »
最新の画像もっと見る

8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
悪戦苦闘中です (桜桃)
2005-01-21 14:32:15
今、夫がぴよぴよトライしております曲がまさに1030です。自動的に私がチェンバロパートをやらされる羽目になる^^; す、すばらしすぎてついていけないです。それにしてもバッハさんはどうして一人なのにあんなにたくさんの楽器のよさを完璧に引き出せるのかと、曲に触れるたびに感じます。吉田さんの放送は私もほとんど見ておりました。なつかしい。音楽のすばらしさ、音楽への情熱が静かに伝わってきましたね。
返信する
レッスン中でしたか・・・ (romani)
2005-01-22 10:43:38
桜桃様

コメントありがとうございました。

ご主人がこのソナタにチャレンジ中でしたか・・・。

でも、こんないい曲がご夫婦で練習できるなんて羨ましいなあ。バッハの曲は、テンポを落として練習してもなかなかごまかしがきかないので少々疲れますが、やっぱり充実感がありますよね。音の跳躍が多いので素人目にも難しい曲だと感じますが、是非がんばってください。

バッハは、元来決してメロディーメーカーではないと思うのですが、きっと究極の職人なんでしょうね。どんな曲でも、ひとつの小さな宇宙にしてしまいますものね。

返信する
TB有り難うございます。 (mozart1889)
2005-05-30 22:16:53
romani様

TB、有り難うございました。バッハのフルート・ソナタ、好きなんです。ニコレはDENON盤もアルヒーフ盤も好きです。グラーフのフルートもレコードでよく聴いています。心が洗われるようです。すでにromaniさんがエントリーしているのは存じませんでした。ボクもTBさせていただきますね
返信する
いい曲ですよね (romani)
2005-05-30 23:06:56
mozartさま

いつもありがとうございます。

いい曲ですよね。私もipodを友としてよく聴いています。とくに、BWV1030が好きです。ニコレのアルヒーフ盤、デンオン盤、いずれも甲乙付け難い名演だと思います。自己主張があまり強すぎない真摯な演奏のほうが、この曲の場合いい結果になるような気がします。
返信する
フルートソナタロ短調 (calaf)
2005-05-31 05:07:16
こんにちは。フルートソナタロ短調、吉田雅夫さんの話が出ていましたので、懐かしく思いました。この番組は「フルートとともに」でした。吉田さんは2回のシリーズ、後を受けて森正(もり ただし)さんの1回のシリーズがありました。テキストを3冊とも持っています。神崎敦子さんは、美しい音色の持ち主でしたね。仲代達也さんとNHKの食堂で、遭遇し無名塾に誘われたそうです。話が古くなりますが、私もロ短調が吹きたくてフルートを始めましたが、敢えなく挫折、聴く側に回っています。ラリューとプヤーナの盤が好きでこればかり聴いています。理由はプヤーナのチェンバロがリズミックなのです。後年吉田雅夫さんは神戸国際フルートコンクールの審査委員長を務められておりましたが、第2回でしたか?エマニエル・パユが優勝しています。このときの第3位が、私の知り合いのお嬢さんです。
返信する
吉田雅夫さん (romani)
2005-05-31 06:12:40
calafさま

ありがとうございます。

吉田先生のレッスン、calafさまも見ておられたのですね。

私のようにまったくフルートが吹けない者が見てても、本当に興味深く勉強になりました。

それから、神戸国際フルートコンクールでパユが優勝したときは結構話題になりました。

その後のパユの活躍を考えると、コンクールってやはり登竜門なんですね。
返信する
バッハのトリオソナタ (calaf)
2005-05-31 20:46:00
フルートソナタが出たところで、もう一つ書かせて下さい。バッハに「音楽の捧げもの」という曲がありますが、ここでもフルートは大活躍します。 トリオソナタですが、いろいろな人を聴きましたが、クルト・レーデルの地味な音色を私は好んでいます。
返信する
Unknown (romani)
2005-06-02 09:19:47
calafさま

ありがとうございます。

「音楽の捧げもの」、いつきいても心が洗われるような気がして、私も大好きです。レーデル盤はLPのときによく聴いておりました。久しぶりに聴いてみようと思います。

返信する

コメントを投稿

CDの試聴記」カテゴリの最新記事