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心に映りゆくよしなしごと書きとめどころ

新聞拾い読み 7月5日「朝日新聞」から

2015-07-05 15:22:47 | 日記
 興味のあったものをアト・ランダムに・・・。

 

長良川河口堰(中) 3回連載
 
 無用の長物であることはもはや明らか。給水は水余りでどこも持て余し。洪水対策にもほとんど用をなさない。かえって危険性の指摘も。塩害対策も眉唾。
 デメリットは歴然。周辺のヤマトシジミはほぼ全滅。鮎のメッカ長良川も、魚苗センターを強化し人工孵化の鮎を放流しているが、漁獲量は1,000トンから300トンに。海から遡上する純天然鮎に至っては、ついに岐阜市が絶滅危惧に指定。
 加えて、河口近くのヨシ原がかつての10分の1以下に減少とか。下流域へニギスを釣りに行った際、両岸に伸びやかにそびえるヨシ原を目撃し、記憶に焼き付いているだけに、まことに残念。
 ヨシ原の減少は、それ自身のみではなく、そこを棲家とする水生動物や昆虫、鳥類をも駆逐し、生態系全般に大きな損害をもたらしているはず。
 現代の社会は、まことにもって「未来の搾取」の領域にまで土足で踏み込んでいると痛感。

          

スポーツ欄、高校野球のネタ

 各地で夏の大会(今年は百年目)の予選が始まっているが、各県などの予選参加校の数が載っていた。最激戦地は愛知で189校。東京や北海道のほうが多いのだが、こちらは南北や東西に分かれているのでこの結果。最小は鳥取県の25校。
 選挙の「一票の格差」をそのまま反映しているようだが、こちらの方は人畜無害。むしろ、最小県から出た高校が全国制覇をしたら痛快だと思う。
 ちなみに、鳥取県、夏の全国大会は、これまで5回の準決勝進出。春の大会では決勝に2度進んでいるが、優勝は果たせず。

          

文学全集の発刊が上向き 飾るから読むへ

 かつてのようにハードカバーの重々しいものではなくソフトで実用向きとのこと。しかも全巻揃えるというより好みのものをセレクトするのが主体という。
 この種の全集が一番売れたのは70年代という。しかも、建築ブームが背景にあるというから、備品としての装飾の要因が多かったようだ。
 そういえばその頃、ある人から家を新築し、応接間(書斎ではないことに注意)に全集を置きたいが、どこのものがいいか相談を受けたことがある。この場合は中身よりも装丁を重視。特に背中のデザインが重要だった。
 今回の読む全集は、出版界にとっても読書界に取っても歓迎すべきだろう。

             

「九州大学生体解剖事件」

 続いて読書ネタ。標題の本が出版された。当時の状況などを実証的に検証したものらしい。
 これがあったことはうっすらと知っていた。しかし、8体ものそれが実施されたことは知らなかった。時期は戦時中、対象は米軍捕虜。もちろん、軍部と大学側の共謀(「きょうぼう」と打ったら「凶暴」と出たがまんざら誤変換ではない)によるもの。
 日本が近隣諸国に対して加害者であったことを認める人たちも、アメリカに対してはあちらが加害国でこちらは被害国と思っている人が多い。確かに、無差別空爆や原爆投下を見るとそれは否定できないが、真珠湾奇襲から始まるこの国のやり口、そして、この生体解剖を頂点とする捕虜虐待は、こちらが被害者とは決していえないことを示している。
 この国がまた、積極的平和とか集団的自衛権とかを振りかざし、加害者になりかねない時期だけに立ち止まって考えて見る必要があるだろう。









 
 
コメント (3)
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