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心に映りゆくよしなしごと書きとめどころ

小さくとも多彩な節分草 あえてこの日に・・・・

2012-03-11 03:00:50 | 花便り&花をめぐって
 今日は地震や津波、それに原発事故について書くべきかも知れません。おそらく各メディアはこぞってそれを言い立てるでしょう。
 となるとへそ曲がりなこの偏屈ジジィ、誰がそんな大合唱に加わるものかとほかのことを書いてしまうのです。理由はそればかりではありません。以下に書くのは昨日(10日)のことです。早く書かないと忘れてしまうのです。

         
           節分草を地域ぐるみで保護している奥伊吹・大久保地区

 場所は岐阜から一般道をゆっくり走って一時間半ほど、その辺り一帯は奥伊吹といわれているのですが、日本海から来る北風が伊吹山あたって雪を降らせるとあって、かなりの積雪量です。
 初めは木々の間に残雪が残っているぐらいに見えたのですが、次第に白い部分が増し、目的地へ着いた頃は一面の銀世界でした。

         

 ついでながらこの北風のルートは、この辺では伊吹おろしといいます。岐阜の市民団体がつい先日、福井県の海岸から風船を飛ばす実験をしたところ、それらの殆どは2時間以内に、岐阜県の西濃、中濃、東濃、そして愛知県の一部にまで至ることが判明しました。

         

 ということは、全国54基の原発のうち、実に13基を抱える福井県において原発事故が発生した場合、数時間を経ずして岐阜県の美濃地方や愛知県、三重県などへも放射性物質が飛散するとうことです。したがって、もし福井県の原発再稼働のアセスメントを求める際には、福井県民のみならず、隣接する滋賀県はもちろん、岐阜県をはじめ東海地方をも対象にすべきだと思います。

      
 
 あ、原発については書かないといってたくせに書いてしまいました。
 そうそう、節分草についてですね。
 この花、身の丈数センチ、花の大きさは一センチ強と、なかなか写真に収まりにくいのですが、よく見ると5枚の花びらの中央にある花芯の部分が実に多彩で、黄色、青、コバルト、紫、赤紫などと賑やかなのです。

         

 しかもこの花、自生の群落はここを含めて全国で数箇所しかない希少種で絶滅危惧種(いわゆるレッドリスト)に近いのだそうです。
 写真を撮っていると、地域の人がやってきていろいろ説明をしてくれました。それによると、地域ぐるみでその保護活動を行なっているようで、その群落地には不届き者が踏み込まないように綱を張ったりしてありました。ただし、この辺りに出没する鹿や猪にはこの綱も通用しないと嘆いていました。

         

 このところぐずついた天候が多いなか、次第に晴れ上がってきたのはひとえに私の心がけの良さという他はありません。しかし、晴天で陽射しがあってもシンシンと寒さを感じました。標高はある程度あるし、それに雪の天然冷蔵庫の中みたいなものですから致し方ありませんね。

         
               伊吹山 これは帰途、関ヶ原側から

 末尾ですが、私の撮ってきた節分草の拙い写真を、昨年の今日、あの地震と津波でお亡くなりになった全ての方々への供花にしたいと思います。
 (何やかや言いながら、地震、津波、原発、みんな触れたじゃないか・・・・でも、この時期、これに触れないで何かが書ける?)

コメント (2)
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