バイオの故里から

バイオ塾主宰・Dr.Kawanoの日々、収集している情報(DB原稿)をバイオ塾メンバー向けて公開しています。

共生工学によるヒアルロン酸生産Biotechmix)

2005年08月05日 | 医療 医薬 健康
 山田 隆
  生物工学会誌 83(7)328-330(2005)

クロレラ培養によるヒアルロン酸及びキチンの製造法
  山田 隆(科学技術振興機構)
  特開2004-283095
【課題】本発明は、クロレラ培養によりヒアルロン酸及びキチンの両多糖類を同時に且つ効率よく安価に製造する方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、宿主クロレラ細胞にヒアルロン酸及びキチンの両多糖類を生産させるクロロウイルスに関する。
また、本発明は、上記クロロウィルスを宿主クロレラ細胞に感染させることを特徴とする、ヒアルロン酸及びキチンの製造方法に関する。
本発明の方法によれば、極めて短時間(2~4時間)に高純度のヒアルロン酸繊維、キチン繊維を生産できる。得られたヒアルロン酸繊維、キチン繊維は、どちらも電子顕微鏡測定により長さが0.5~1.0ミクロンにも達しており重合度が非常に高い。

ヒアルロン酸又は/及びキチンの分離・精製方法
  山田 隆(科学技術振興機構)
  特開2004-283096
【課題】本発明は、ヒアルロン酸又は/及びキチンを効果的に分離・精製する方法、就中、クロロウィルスを宿主クロレラ細胞に感染させることによりクロレラ細胞上に生産されたヒアルロン酸又は/及びキチンを、容易に且つ効果的に分離・精製する方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、クロロウィルスを宿主クロレラ細胞に感染させることによりクロレラ細胞上に生産されたヒアルロン酸又は/及びキチンを、分離・精製する方法であって、ヒアルロン酸繊維又は/及びキチン繊維を細胞表面に蓄積したクロレラ細胞に、機械的な振動を加えることによりヒアルロン酸繊維又は/及びキチン繊維を細胞から遊離させ、回収することを特徴とする、該ヒアルロン酸又は/及びキチンの分離・精製方法に関する。

三菱ガス化学、コエンザイムQ10を年70トンへ増強

2005年08月05日 | 菌類 細菌

 三菱ガス化学は、コエンザイムQ10の製造能力を増強する。新潟工場で年産能力40トンのプラントを新設し、既存プラントと合わせ年産能力を70トンに引き上げるもので、2006年中の完工を目指す。急速な需要増大に対応するためで、今回の増強に加え、さらに第2期工事として同規模の設備増強を実施することも視野に入れている。
化学工業日報2005-08-05 

三菱ガス化学:プレリリース http://www.mgc.co.jp/news/2005/050804.pdf

補酵素Q-10の製造法
  皆川俊一郎ほか(三菱瓦斯化学)
  特許公告 平5-27385
Paracoccus denitrificansに属するQ-10生産菌株を,メタノールなど低級アルコールを基質とする発酵法。

補酵素Q-10の製造法
  浦上貞治ほか(三菱瓦斯化学)
  特許公開 昭63-317092 
 Oligomonas methanolica の培養菌体から抽出する。


微細藻類ヘマトコッカスによるアスタキサンチンの製造

2005年08月05日 | 菌類 細菌
◇バイオジェニック、昆明で抗酸化物質の培養工場稼働

 環境・水処理大手の荏原実業グループのバイオベンチャー、バイオジェニック(東京都中央区)は四日、中国・雲南省昆明市で建設を進めていた抗酸化物質の培養工場が完成し、操業を開始したと発表した。 詳細>>本文FujiSankei Business i. 2005/8/5

公開番号 : 特許公開2004-129504 公開日 : 2004年4月30日
出願人 : サントリー株式会社 発明者 : 東山 堅一 外2名
発明の名称 : アスタキサンチン含有脂質の製造方法

【課題】緑藻ヘマトコッカス・プルビアリスの培養方法を改善することによって、暗所条件下でシストを形成かつ成熟させ、効率よくアスタキサンチン含有脂質を製造する方法を提供する。
【解決手段】緑藻ヘマトコッカス・プルビアリスを暗所でかつ0.01~0.5vvmの相対通気量の通気下で培養することからなる、シストにアスタキサンチンを40~700pg/cell以上蓄積させた緑藻ヘマトコッカス・プルビアリスの藻体の製造方法、および該藻体からアスタキサンチン含有物を得ることを特徴とする、遊離型アスタキサンチン、アスタキサンチン脂肪酸モノエステル、アスタキサンチン脂肪酸ジエステル、およびこれらの混合物からなる群から選択される成分を主成分として含む、アスタキサンチン含有脂質の製造方法。


公開番号 : 特許公開2004-33070 公開日 : 2004年2月5日
出願人 : ヤマハ発動機株式会社 発明者 : 近藤 裕 外1名
発明の名称 : 緑藻ヘマトコッカスへの外来遺伝子導入方法

【課題】緑藻類に外来遺伝子を導入する場合の課題を解決する。
【解決手段】抗酸化剤アスタキサンチンを生合成することで工業的にも有用性の高い緑藻ヘマトコッカス(Haematococcus)に外来遺伝子を導入・発現させる場合に有効な方法である。遺伝子を導入できた細胞を多くの細胞の中から選び出す方法として、高感度検出が可能なレポータータンパク質(緑色蛍光タンパク質GFP)を発現する遺伝子、Phleomycin 系抗生物質Zeocin 耐性遺伝子、抗生物質ハイグロマイシン耐性遺伝子を緑藻ヘマトコッカス(Haematococcus)に導入し、安定に発現維持させる。

公開番号 : 特許公開2001-61466 公開日 : 2001年3月13日
出願人 : ヒガシマル醤油株式会社 発明者 : 古林 万木夫 外3名
発明の名称 : アスタキサンチンの製造方法

【課題】 緑藻ヘマトコッカス・プルビアリスの培養方法を改善することによってアスタキサンチン含有量を早期に増加させ、効率よくアスタキサンチンを製造する方法、特にヘマトコッカス・プルビアリスを暗所で培養することを含むアスタキサンチンの製造方法を提供すること。
【解決手段】 ヘマトコッカス・プルビアリスの培養物に活性酸素生成物質を添加して明所下で培養することを特徴とするアスタキサンチン含有藻体の製造方法


公開番号 : 特許公開2000-60532 公開日 : 2000年2月29日
出願人 : 大日本インキ化学工業株式会社 発明者 : 太郎田 博之 外1名
発明の名称 : アスタキサンチン含有ヘマトコッカスの製造方法

【課題】 本発明が解決しようとする課題は、屋外培養池で捕食あるいは寄生生物の影響を軽減せしめた、高いアスタキサンチン含有ヘマトコッカスの工業的な製造方法を提供することにある。
【解決手段】 藻類ヘマトコッカスを閉鎖型培養装置で増殖させ、次いで屋外培養池において、ヘマトコッカス中にアスタキサンチンを生成蓄積させ、ヘマトコッカスを補食あるいは寄生する生物が培養池中に夾雑、増殖する前に培養を完了することを特徴とする、2段階培養法によるアスタキサンチン含有ヘマトコッカスの製造方法。


公開番号 : 特許公開平8-103288 公開日 : 1996年4月23日
出願人 : ヒガシマル醤油株式会社 発明者 : 古林 万木夫 外4名
発明の名称 : アスタキサンチンおよびアスタキサンチン含有物の製造方法

【目的】 ヘマトコッカス属の緑藻類のアスタキサンチン含量を増加させる培養方法を提供すること。
【構成】 ヘマトコッカス・プルビアリスに乾燥ストレスを加えることにより、アスタキサンチン生産を伴うシスト化を誘発させ、必要に応じて、乾燥ストレスを加えると同時に、乾燥ストレスを加える前および/または後に、植物ホルモンを培養基に添加する。
【効果】 安全性の高い天然品のアスタキサンチンを高収率、高純度で製造できる。


公開番号 : 特許公開平7-39389 公開日 : 1995年2月10日
出願人 : ヒガシマル醤油株式会社 発明者 : 古林 万木夫 外3名
発明の名称 : アスタキサンチンの製造方法

【目的】 緑藻ヘマトコッカス・プルビアリスの培養方法を改善することによってアスタキサンチン含有量を短期間で増加させ、効率よくアスタキサンチンを製造する方法、特に、ヘマトコッカス・プルビアリスに温度ストレスを加えて培養することを含む、アスタキサンチンの製造方法を提供する。
【構成】 ヘマトコッカス・プルビアリスを温度ストレス下で培養することにより、アスタキサンチン生産を伴うシスト化を誘発させ、さらに、温度ストレスを加え、同時、その前、および/またはその後に、活性酸素生成物質と炭素源を培養基に添加することによりヘマトコッカス・プルビアリスのアスタキサンチン生産を促進させ、該培養物からアスタキサンチンを採取する。


公開番号 : 特許公開平5-68585 公開日 : 1993年3月23日
出願人 : ヒガシマル醤油株式会社 発明者 : 古林 万木夫 外3名
発明の名称 : アスタキサンチンの製造方法

【目的】 緑藻ヘマトコッカス・プルビアリスの培養方法を改善することによってアスタキサンチン含有量を早期に増加させ、効率よくアスタキサンチンを製造する方法、特にヘマトコッカス・プルビアリスを暗所で培養することを含むアスタキサンチンの製造方法を提供する。
【構成】 ヘマトコッカス・プルビアリスを暗所でかつ好気的条件下で培養することにより、アスタキサンチンを含有するヘマトコッカス・プルビアリスを生育させた後、活性酸素生成物質と炭素源を培養基に添加して明所下で培養し上記ヘマトコッカス・プルビアリスのシスト化を誘発し、アスタキサンチン合成を促進させ、該培養物からアスタキサンチンを採取する。得られたヘマトコッカス・プルビアリスをプロテアーゼ処理し、かつ細胞壁に浸透圧ショックを加えることにより細胞が破壊され、アスタキサンチンが採取される。


公表番号 : 特許公表2000-513938 公表日 : 2000年10月24日
出願人 : アクアサーチ インコーポレイテッド 発明者 : レオナード、アレグザンダー ビー.ピー. 外3名
発明の名称 : ヘマトコッカス種の成長プロセスの制御方法

水系ヘマトコッカス種(例えば、H.プルビアリス)微生物成長プロセスを稼動させるための制御方法であって、これまで商業的に価値のある質で容易に増殖させることができていないこの微生物の実施可能な成長条件を維持することが可能な方法が開示される。主な制御パラメータは水系成長培地における乱流の程度及び、最適な成長に必要とされる条件に直接影響を与える水系培地で部分的に充填されている容器中の乱流渦の規模に対する装置の規模;露光、栄養物の供給、沈降速度、バルク温度、気体交換率及び細胞の統合性である。これらの制御要素は、ヘマトコッカスの種の作動性クロロフィル成長段階及びそのアスタキサンチン産生光活動段階に応じて、レイノルズ数(NRe)、pH、温度、入射光の量、及びNO2濃度の形で計算することができる。

緑藻ヘマトコッカス属 http://protist.i.hosei.ac.jp/taxonomy/Chlorophyta/Genus/Haematococcus/

ムチンとピロリ菌について

2005年08月05日 | 医療 医薬 健康
<バイオ塾>サイトへのSeed-GRさんからの投稿です。
最近ピロリ菌の話題をよく聞くことがあります。
電車広告の中吊りでもよく見られる、ピロリ菌を殺すと評判のLG21乳酸菌が注目されていますね。
しかし、人間の体にもピロリ菌に対して抗菌活性を示すものがあるのです。
人間の胃の粘膜にはムチン型糖たんぱく質があって、それがピロリ菌に対して抗菌活性を示してるということです。
いままでピロリ菌だけに対しての抗菌剤というものはなく、よい菌も一緒に除菌してしまう抗生物質が主でした。
もし、このムチン型糖タンパク質のピロリ菌に対して抗菌活性を持っている最小単位である糖を合成できれば、人間には無害でピロリ菌だけに対して効果のある薬ができます。
おもしろいことだけど、難しいですね。
また商品として売り出されるまで時間もかかりそうですし。 Seed-GR

第2世代の抗ピロリ菌についてですが、糖質を絡めた考え方で研究開発は進んでいます。ライオン㈱のムチンの活用事例を紹介します。

出願番号 : 特許出願2002-383533 出願日 : 2002年12月25日
公開番号 : 特許公開2004-203850 公開日 : 2004年7月22日
出願人 : ライオン株式会社 発明者 : 物井 則幸 外5名

発明の名称 : 胃腸用組成物及び口腔用組成物

【課題】粘膜底部に存在するヘリコバクター・ピロリ菌の炎症誘発物質リポポリサッカライドに対して高い毒性抑制作用を有し、胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍などの胃腸疾患の予防又は治療、並びに口臭、歯周病などの口腔疾患の予防等に効果がある胃腸用組成物及び口腔用組成物を提供する。
【解決手段】ヘリコバクター・ピロリ菌毒性抑制剤(A)と非FGF糖タンパク質(B)とを含有することを特徴とする胃腸用組成物及び口腔用組成物。

ムチンの検査キットに繋がる研究開発も始まっています。

出願番号 : 特許出願平10-134272 出願日 : 1998年4月30日
公開番号 : 特許公開平11-313669 公開日 : 1999年11月16日
出願人 : 関東化学株式会社 発明者 : 栗原 誠 外4名

発明の名称 : 抗ヒト胃ムチンモノクローナル抗体

【目的】 ヒトの胃表層型粘液の測定に使用可能な新規なモノクローナル抗体の提供。
【構成】 ヒトの胃の表層型粘液細胞が産生するムチンと特異的に反応するIgG1クラスモノクローナル抗体および該モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ。

出願番号 : 特許出願平11-351405 出願日 : 1999年12月10日
公開番号 : 特許公開2000-229865 公開日 : 2000年8月22日
出願人 : 株式会社ゲン・コーポレーション 外1名 発明者 : 兒玉 義勝 外1名

発明の名称 : ヘリコバクター・ピロリ定着阻害剤

【課題】 安全で効果的なヘリコバクター・ピロリの定着阻害剤を得て、食品に添加して消化性潰瘍等に対する予防、改善用食品を提供する。
【解決手段】 ムチン、特に牛乳汁または鶏卵卵白由来のムチンを有効成分とするヘリコバクター・ピロリ定着阻害剤、およびムチンと胃酸分泌抑制剤を含有するヘリコバクター・ピロリ定着阻害剤、並びにムチンを含有する抗ヘリコバクター・ピロリ機能性食品や医療用食品などの食品。