イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

しげる便秘中

2010-06-24 21:25:23 | 朝ドラマ

昨日『ゲゲゲの女房』サウンドトラックについて書いたら、今日早速、来たんですよ。夕方の当地ローカル局の情報番組、地元特産のグリーンアスパラをこの時期、具に使っているという餃子のお店紹介Vで、M31『コウノトリのしらせ』がBGMに。

何と言うか、“勢いよく成って行く感じ”が合ったのかな。新発のサウンドトラック、各局各番組の音声さんが、同類業種のよしみ?で皆さんまめにチェックしているからなのか、かなり速攻で思いがけず耳にすることがあるのですが、『ゲゲゲ』サントラは料理、グルメ情報など美味しい系の番組にとりわけ向いているかもしれませんね。

個人的にM07『夢見るモロッコ』はスイーツ紹介向き、M04『はじまりの予感』は鍋もの向き、M20『花と自転車』は山菜採り向きじゃないかと思うんですが。

これから、この盤の曲を耳にする機会、増えそうですよ。ドラマの主人公の布美枝さん(松下奈緒さん)しげるさん(向井理さん)夫婦が、美味しい料理や食材に縁が薄くて、もっぱら魚はアラ、野菜は芯や皮、肉は挽き肉専門というのが皮肉なんですけどね。今週は安来に里帰り中の布美枝さん、食料お土産いろいろ持たせてもらえるといいですけど。

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源兵衛さんです

2010-06-23 22:15:28 | 朝ドラマ

先週、616日にリリースされた『ゲゲゲの女房』オリジナル・サウンドトラックに嵌まり中です。ドラマは、如何にNHKの複数チャンネル特権で、地上波・BS駆使して15回の放送があるとは言っても、録画機の前に座らなきゃ視聴できませんが、音楽なら一度圧縮音源に入れ込めば、出先でも移動中でも、作業中でもゲゲゲワールドですから。

NHK朝ドラの劇伴、2008年『瞳』と、記憶に新しい2009年『つばさ』の2作は、放送が終わってからかなり後に、やはり忘れ難くて入手しました。どちらも演奏時間70分前後。今作『ゲゲゲ』は79分少々、全39トラックで税込3,045円。うーーん、どうにか3,000円でおさめてほしかったかなと思いますが、コストパフォ的にはかなり頑張っています。

ダウンロードではなくCDを買うについて、ジャケやライナーノーツも大きな楽しみ。まずは今作、OPタイトルそのままの、しげるさん(向井理さん)愛用のヨーグルト空瓶を使った絵の具壷のスチールでぐっとひきつけられます。何てことはないんだけど、あのカラフルさと空きビン流用という庶民性がいいんですよね。絵を描く人のドラマ、でも貧乏物語、でもアーティスティック、で、希望がいっぱい。いろんなことをワンカットで印象付けてくれるタイトル絵です。

しかも、よく見るとこのジャケ、微妙に年季の入った、黄ばんだ風の仕上げになっているんです。表ジャケはブックレット体裁なので、取り出して裏表紙と見比べると微妙具合がわかります。

ライナーノーツは、ドラマ公式サイト内スタッフブログのまめな更新でおなじみ谷口(やぐち)卓敬チーフP。「窪田ミナさんの音楽、音楽に取り組む姿勢が素晴らしい」以外の、ドラマに関することももうひと声…と思うのは欲のかき過ぎか。窪田さんのプロフィール、ディスコグラフィー、劇伴制作歴も見開き2ページにわたって顔写真付きで詳録されています。

ちょっとね。ドラマから、ドラマ本編が好きで、失礼を怖れずに言えば窪田ミナさん単体には何の認識も興味も無くサントラに来た向きにとっては、74点ぐらいの編集でしょうか。もうちょっと本編に沿った、本編のストーリーや人物に関連付けたノーツが欲しかった気もします。

まぁ、『瞳』『つばさ』のそれでも、ドラマPはもっぱら作曲家・演奏家の称揚に夢中といったトーンのノーツだったので、これは朝ドラの伝統なのかもしれない。仲間褒め、お友達褒め。

その代わりと言ってはなんですが、中身の全39トラックはとても内容が濃く、ドラマ視聴者フレンドリーな曲・選曲・曲順になっています。

大雑把に、前半は布美枝(松下奈緒さん)の“こんな家族に囲まれたこんな環境で、コンプはありつつ欠点もありつつ、こんなにおおらかで真っ直ぐな娘に育ちました”、中盤は“そんな娘がこんなにユニークな男の嫁になって、こんな苦労やこんなびっくり、こんな哀歓をかさねました”、終盤→クロージングは“そんなこんなで、こんなに幸せに、こんな記憶を積み重ねて、振り返って、こんな感慨を持つ今日この頃ですよ”に至る、楽曲で織り成されたビルドゥングス・ロマンと思って聴くと幸せになれます。

どこで前半|中盤|終盤|クロージングと境目を切るか、それは聴く人それぞれ。

ドラマ劇伴は“ドラマティックであるべき”という縛りが聴く側にもなんとなくあり、フルオーケストラ、フルバンドの“音の厚み”や“音数の稠密さ”に有り難味を見出すようなところがありますが、このサントラはアイリッシュ・フォークロア調の楽器の単音フレーズが随所で輝いていて、分厚く重々しいオケ調とは違う、とてもさわやかで風通しのいい、童心にかえるようなドラマティック。

ちなみにOP主題歌、いきものがかり『ありがとう』はインストも別ヴァージョンも何も影もカタチも収録されていませんが、この曲はこのドラマ音楽において“取っ手つまみ”なので、言わば、浮いていてナンボ。サウンドトラックCD未収録なのも、手落ちとか例によってのアーティスト所属レーベル問題などではなく“ワザあり引き算”とポジティヴに受け止めるべきでしょう。

しかし、そうは言っても、この曲はドラマのシンボル。筆まめブロガー谷口チーフPによれば、この盤リリース直前の15日に「窪田さんと三回目の音入れの打ち合わせ」なんて記述もあり、全26週を今週第13週で折り返したばかりのドラマ、新作楽曲はまだまだ投入される様子です。ドラマの好調に乗って、23弾も…とならないかな。

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オボアルブミン

2010-06-22 21:58:20 | CM

向井理さん主演の花王の入浴剤“バブ”のCM、アレどうなんでしょう。オリエンタル・バスのコンシェルジュという設定だそうな。癒されたーい女性視聴者は多いのかしらん。ウチでは全員爆笑ですよ。「しげる何やってんだ!」みたいな。クチから花びら吹き出して(掌からか?)、ソレ、新手の妖怪変化の術かという。

先月2週にわたって放送された『鶴瓶の家族に乾杯』安来篇でも、地元の一般市民の皆さんに会うごとに感嘆されていた超のつく小顔に、こざっぱりした目鼻立ち。お鼻だけがわりと隆々としていて、笑うとキュッと口角が上に上がって三日月形、というかゆるめの“く”の字形に白い歯が。「湯上がりすずやか、クールタイプ。」とカンペ通り(カンペないだろうが)に言うときに、顔の右半分が微妙にリフトしてアシンメトリーになる。

 日頃特撮ヒーローウォッチャーなので、“世間の所謂イケメン”“男の端整キレイキレイ顔”には慣れっこ…ってわけでもないけど、あまり感動琴線がインフレしない月河ですが、この人はどう言ったらいいんでしょう。『ゲゲゲの女房』のしげる役では、リアル大物モデルの大役を“飄然”で貫いておられますが、なんか、ナチュラルに、たくまずして“すっとぼけ”と見えるのが持ち味と言っていいのかどうなのか。

もう3年以上前になりますが、ユースケサンタマリアさんと高島彩アナの平成教育なんちゃらで“理系イケメン”ゲストのひとりとして見たのが最初。この時はほかふたりが金子昇さん(=『百獣戦隊ガオレンジャー』ガオレッド。長崎総合科学大学工学部建築学科卒)と市川洋介さん(=『魔法戦隊マジレンジャー』マジシャイン。横浜国立大学教育学大学院卒)で、月河は申し訳ないけどこっちふたり目当てで見ていたので、向井さんがどんなだったかあまり記憶にないのです。

ただ、目当てのふたりがヒーローOBだったこともあって、「特撮変身ヒーロー変身前役を抜擢するオーディションだったら、この人は引っかからないだろうな」と思ったことは覚えていますね。俳優としての個性を出す場面はいっさい無い、お遊びお勉強バラエティでの、映ってる時間正味数分でも、ほかふたりと歴然と空気感が違う。やはり当時から、大欲は無欲に似たり的な“飄々”“おとぼけ”風味、それプラス、誤解を怖れずに言えば“この人、いろんな意味で、大丈夫かしら”と、ちらっと脳裏をよぎらしめるモノはあった。

どう言うか、“独特”という名のスパイスが、局面局面で、過剰に見えることがあるのです。たまさかね。

さて、しげるさん。布美枝さん(松下奈緒さん)が愛娘・藍子ちゃんをおんぶして里帰り、「心配するな、ゆっくりしてこい」とウツワの大きさを見せていますが、着るもの履くモノ、食いつなぐサバイバル能力に関しては、39歳までのロング独身歴を誇る(?)しげるさんには何てこともないはず。むしろ「模型♪」とウキウキしてたりして。病癒えた深沢社長(村上弘明さん)から新しい仕事も来て、ちょっこしフトコロも潤っていますから。布美枝ちゃん、大目に見つつ、早こと帰ってきてあげてごしなさい。

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藍より出でて

2010-06-19 20:38:18 | 朝ドラマ

そうかぁ、原案となったエッセイ本とはまったく違う“藍子”というお子さんの役名は、「藍色の海に向かって歩き出す」という、今日(19日)72話の希望に満ちたクロージングのために用意されていたんですね(@『ゲゲゲの女房』)。

たとえ貧しくても、八方ふさがりでも、視界に希望をもたらさずにおかない最強の使者、それは幼子。幼子の人生の進水式が、お父ちゃんお母ちゃん共作の模型艦隊の、お父ちゃん描く紙の大海原に広がる航路で執り行われたのですから、これはもう、何が何でも“藍子”ちゃんでなければならなかったわけです。

こうなると、しげるお父ちゃん(向井理さん)の戦艦模型好きや、「目標地点」「退却」「再上陸」「被害状況」など軍隊用語を好んで日常会話に使う口癖や、幼い頃海軍士官さんに軍艦で遊ばせてもらい養子にとまで望まれた逸話はもちろん、布美枝さん(松下奈緒さん)の慌しい嫁入り前にミヤコお母さん(古手川祐子さん)がリウマチの手で縫ってくれた着物(←いまは哀れ質草)の青海波(せいがいは)模様まで、“海(航海)”と“生”の大いなる暗喩だったようにも思えてきます。

歴代の“藍子ちゃん子役”さんの中でも、今日の初あんよ藍子ちゃんは表情も、歩き方演技(か?)も出色でした。よくあれだけ愛くるしい顔の子を見つけてキャスティングしたものだし、照明さんカメラさん音声さん、大人がずらり環視するスタジオの中であの頑是ない表情、挙措をよく引き出せたものです。

布美枝さんの「お父ちゃん、ほら、歩いてる」の声に、右腕を差し出して愛娘を見守り、くいっと抱き寄せるときのしげるさんの表情も飛びきりでした。父親が幼い娘に向ける視線を演じたと言うより、ほとんど向井理さんの素に近かった。たぶんリアル水木しげるさんでも、ここまで飛びきりな笑顔でお子さんを構ったことはないのではないかと思うほど。収録現場でも子役さんあやしが上手で、母親役の松下さんもジェラシー感じてしまうという向井さん、まさに“動物、子供、向井”といった趣きですな。

「映画の…あの、看板描きにでもなるか」「もうやめるか、漫画」と風邪の布美枝に切り出したしげるは、きっと布美枝のクチから「やめないで」と止めてほしかったのです。布美枝が化粧品訪問販売の仕事を考えて、帰途「外で働いた経験がない、内気で口下手、やはり私には無理」と思いなおし、止めてほしくてしげるに「あの、ロザンヌクリームって…」と言い出したものの意を尽くせなかったときと、状況が似ています。

「漫画の紙やら本やら、紙ならようけ家の中にあるのに、鼻紙がないとは」これ如何に、と冗談のめしたものの、自分が人生のほとんどすべてをかけて注力している漫画というものが、支えてくれる妻を少しも幸せにしてあげられない、助けになってやれないという現実は、悪魔くんの打ち切りや稿料の遅れ以上にしげるを気落ちさせたはずです。

それでも心のどこかで「そんなこと言わないで、お父ちゃんが大事に思う仕事なら、続けて下さい」と言ってほしい。逆に、「そげですね」と食いつかれ、「もっと収入のある仕事にかわってもらえんと、もう辛抱できんです」と言われたらどうしようと思うから、「……看板描きの口ぐらいならあるだろう」まで一気に言って、速攻「早こと(蜜柑の缶詰)食って寝ろ、寝るのが一番の薬だ」とシャッターを下ろしたのです。

つまり、この弱音は、本気の商売替えプランではなく、しげるの甘えフェイントなんですね。やめるかやめないか、判断を求めているのではなく、判断は自分でもうついている。鼻紙も買えないほどの貧乏しても、漫画を描く以外の人生は自分にはない。その判断を受け容れてほしいだけなのです。これは苦労を分かち合った夫婦にだけ許される美しい甘えです。

互いのことを何も知らない見合いからはじまった結婚生活。世間の荒波、貧乏の寒風、人情のありがたみ、赤ちゃんがくれた幸せ、数々揉まれ味わった約3年の日々で、布美枝はしげるの“たったひとり甘えられる、甘えたい人”にやっとなれたのです。

そして期待通り、布美枝は甘えさせてあげるのですね。夫が模型に夢中なときは、本当は苦しい時と、もう理解している。「夢中になって作っとると、だんだん気持ちが晴れてくる、お父ちゃんの言った通りですね」とその性向をまず肯定してやり、「お父ちゃんは強い人ですけん」と称揚して、甘えを言ったことを咎めない。もう弱音はダメよとダメを出さない。“いままで腕一本でも強かったアナタに、ワタシと合わせて腕三本なら、腕一本で乗り切れなかった事でも乗り切れますよ”と、夫を持ち上げながらしっかり“ワタシという存在も無くてはならないものなのよ”をアピール。右も左もわからなかった新米女房の布美枝が、言葉も根性も、これだけの高スペックに成長したのです。

26週のドラマの、今週が第12週。中盤前半の締めと言ってもいいでしょう。

「気をつけんと、鼻に漫画がうつし絵になるぞ」「鼻水が出とるぞ」とブラフかけて布美枝に慌てて鼻に手をやらせるのは、少年戦記の会ガリ版刷りの「立派なヒゲが生えとるぞ」以来。しげるさんは、ちょっこし顔長めの布美枝さんが鼻に手をやる仕草がことのほか好きなのね。フロイト流の深層心理学者ならここぞとばかりに解説垂れそうですが、しげるがクライマックス執筆中や模型にピピッと来たときの鼻回りクシュクシュッ同様、なんか、愛嬌ありますもんね。

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こっちの世界へいらっしゃい

2010-06-18 19:03:52 | 朝ドラマ

わははっ、出たねーラーメンズ片桐貧乏神(@『ゲゲゲの女房』)。ヒョウゴ、ギフ。ヒョギフ大統領。ヒョギフ大統領の貴重な産卵シーン。しつこい。

“生出演”ならぬ“現物出演”という感じでしたな。業界紙漫画家・只野という設定だけど、片桐仁さんの貧乏神姿、まるごと降臨。

「漫画が刺身のツマほどにも扱われなくても、構うことはありません、カネになればいいのですから」ってアンタ、カネになってないだろうが。見せろよカネ。浅茅が宿みたいなあばら家の、どこにあるんだカネ。「読者に、漫画への理解や愛情がなくても関係ないのです、儲ければ勝ちです」って、儲けてから言えと。青の洞門掘ってんのかっていうアタマ指さして異臭放ちながら「人間のアタマは、金儲けを考えるためにあるのです」って言われても説得力無いにもほどがある。

 貸本漫画をあきらめて、数売ることを考えて業界紙に転じたことどうこうじゃなく、みずから漫画を愛し、より多くの人に愛してもらうために、ワリが合わなくても描き続ける“漫画家魂(だましい)”、スピリットを捨てたら、骨の髄まで貧乏神に乗っ取られてしまいましたという比喩なのでしょうね。ボロ部屋に、化身とか憑き物とかが出る、夢幻能の能面飾ってあったし。

 悪魔ならぬ貧乏神からの手招きに「魂までは売り渡さんぞ!」と一喝して仁王立ちもすればそれこそ絵に描いたヒロイズムですが、そこを「なるほど、結構なアイデアだ、あんた、なかなか大したもんですなあ、わはは」と、相手をエキサイトさせないようソフトに斥けるところが“妖怪慣れ”している(?)しげるさんらしい。

 寒風の中、ヒネ大根(にしては結構育ちが良く見えたが)洗って干して、藍子ちゃんおんぶして国分寺の戌井(梶原善さん)の自宅兼北西出版まで原稿料受け取りに行ったら空振りで、力の抜けた布美枝さん(松下奈緒さん)、とうとう熱を出してしまいましたよ。いやー寒いにつけ暑いにつけ、いままで一度でも寝込まなかったのが不思議なほど。どうする、しげる(向井理さん)…というところで明日に続くになって、そのまま『あさイチ』ゲストインの向井さんが「いや、なんとかなるでしょう」と先バレしてたのには笑いました。

 以前、はるこ(南明奈さん)を俄かアシに徹夜した翌日熱を出して原稿を届けに行けなくなったときのしげるもそうでしたが、このドラマ、“熱を出した”という表現を、頬っぺた赤くするメイクでするので、「うわー大変」と観客に思わせながらも、どこか救いがあるんですよね。微量、コント的に笑える逆境というか。

向井さんも松下さんも、すらっとした体型ながら栄養の行き届いたヴィジュアルなのも絵柄を暗くしない効果大。リアルに貧しげな、青白い虚弱そうな役者さんに、迫真の貧乏話を演じられた日には、朝から耐えられたものじゃない。

ドラマにリアリティは必須ですが、何でもかんでも稠密に、濃厚に、抜かりなくリアルにすればいいというものでもない。敢えて抜からせるというか、“リアリティの引き算”“出し入れ”というのも大事だなと、昼帯ドラマの良作品に出会うとよく思うことですが、朝ドラは一層ですね。

戌井の奥さん・早苗さん(馬渕英俚可さん)の「かなッらず(原稿料)届けさせますからね」にも救われたなあ。こんなに旦那の良いところ悪いところ、良いけれど困ったところ、噛み分けてさばいてくれる女房、布美枝さんとは違った意味で、そうそういないよ。

でも、「いないよこんな出来た人」と思わせつつ、「物語的に、いてくれると心強いよね」と受け入れられてしまう。前半の、vs.生身貧乏神の寓話的ファンタジーに対し、こちらは地に足のついた、市民的なあらまほしファンタジー。

本当に、『ドラマにおけるリアリティの匙加減』という教科書があったら、いの一番に教材として載せたいドラマです。

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