イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

さてと さてと

2007-04-24 21:02:22 | コスメ・ファッション

北国の春は温もりより光からと言いますが、まだ1日の最高気温はやっと二桁安定してきたばかりでも、高緯度地方の当地は晴天の日の日差しの強さがすでにほとんど初夏。近隣のお買い物主婦や犬の散歩族も“コート着てスカーフ巻いて手袋はめて日傘”姿が普通に見られるようになりました。

日差しと言えば紫外線。最近は、ここ10年ぐらい使っているSPF34の肌色サンスクリーンを、落ちを気にしてつけ足し、つけ足ししながら外出するより、SPF15ぐらいでもファンデーションを薄く伸ばしてパウダー叩くほうが持ちも見た目もいいような気がしているんです。

今日も朝10:00台に塗って、粉叩いて、まだ日が山の稜線に隠れない17:00過ぎまで一度も塗り足しも直しもなし。屋外で過ごす時間が少ないからこれでもってるんでしょうね。

昨日『麗わしき鬼』では初登場金子さやかさんの女子高生役が老け…いやその、ちょっとアダルト過ぎじゃないかという話でしたが、いやいや、まだまだ。

確か77年、いまから30年前、三浦綾子さん原作のドラマ『天北原野』でヒロイン貴乃(きの)に扮した山本陽子さん、放送当時実年齢35歳にして、序盤は編み下げ髪に袴の女学生を立派に演じておられました。当時すでに大女優さんですから設定の無理は演技力でカバー…とは言え初回放送日のラテ欄では「アップは少々きつい」と書かれていた記憶が。

ドラマの虚構世界と生身の俳優さんの間に橋を架けるのは、観るほうの善意の想像力しかないようで。ちなみに『天北原野』では山本さんの相手役たる主人公が、つい先頃まで阪神銀行頭取だった北大路欣也さん、当時34歳でしたが、こちらは詰め襟学ラン学帽姿があったかどうかは覚えていません。

『麗鬼』では英矢父・鞆泰役の津嘉山正種さんがいい具合の老けを演じてくれています。もう病院実務は息子の英矢に実質お任せ、「午前中一度顔を出せばいい」悠々自適のご身分も「昼寝はいかん、ボケる」…やっぱりボケるのはイヤなのね。かつての愛人の子で立派なゲイに育っちゃったみちるくんがお店の改装資金の保証人を頼むとこころよくハンコ捺してくれるし「どうしてそういう…ゲイみたいなものになっちまったのかねぇ」「ゲイ“みたいなモノ”じゃないわヨ、ゲイなのヨッ!」「怒るなよ、怒らなくたっていいだろ」のやりとりは爆笑でした。

鞆泰先生の世代の男性にとって、“息子がゲイ”を受け容れるのはかなり大変なエネルギーを要するし、実際修羅場なケースも多いと思うんですが、このドラマでは中島丈博先生マジックでそこがとてもスマートに処理されていますね。

現実だったらこんな甘いもんじゃないよね、とは重々わかっているのですが、逆にこういうスマートな甘さを、ドラマだから見せてもらいたいわけです。ゲイであることをリアルに暗く悩むみちるちゃんや、ゲイゆえに毛嫌いされたり拒否されたりする成り行きは、当然ありがちなことだからこそドラマでは見たくない。

津嘉山さんの、老け入ってからの何とも言えない口角下がり具合、顔面筋の脱力ゆるみ具合も、奥さん役・東山明美さんの、髪はアップでマダムメガネで“年いってからのほうが色っぽい”ムードとナイス対照。リタイアド年齢になって以降、こういうマッチングのご夫婦って多いよね。

英矢の再婚相手候補に『偽りの花園』栄さまの艶姿も記憶に新しい鮎ゆうきさんが、今度は才女メガネで登場したかと思えば、紹介の労をとる大学教授夫人?はポーラテレビ小説ヒロイン出身の泉晶子さん「あ、あの人見たことある」「○○に出てた」と要所要所で視聴者に膝を打たせるのもサービスのうち。このドラマ、特別新鮮味はない筋立てながら、このたぐいのサービス精神で、ずいぶんポイント稼いでると思います。

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大瀑布三角形

2007-04-23 22:56:57 | CM

『麗わしき鬼』は第3週に入り、いよいよ母世代ヒロインに代ってメインヒロインがフロントへ。

でも洵子(富弓=川上麻衣子さんの娘)に扮する金子さやかさん、登場初日の今日はちょっとカラ回り気味でしたねぇ。

設定が高校3年生。父・英矢を「お話したいことがあるのぉ♪」と部屋に連れ込み…いや、引っ張り込み…じゃなくてその、「来てちょうだい」と言って、“ワタシはパパが大好きなのに、学校の友達はお父さんが汚らしくて臭くて大嫌いと言う。ワタシが中学までパパとお風呂に入ってたと言ったら、おかしいと言われた。ワタシおかしいのかしら?”と質問する場面は(日本全国から「そうだ!おかしい!」というツッコミが聞こえてきそうではあったが)、先の展開を考えると、かなり重要なシーンだったと思うのですが、実年齢24歳の金子さん、“無邪気な女学生っぽさ”を意識するあまりか声を張り過ぎて、英矢役・増沢望さんと芝居の地合いがまるで合わず浮きっ放し。

「仲良くしなって」「洗わなって」…いちいちアクセント置くべきじゃないところに置いてるから、なんだか幼くして母親に去られた分、父への愛慕が強すぎる娘と言うより、若々しい中年男性(増沢さんがまた、設定50代のはずなのに若くてしょうがないんだコレ)に媚を売るませギャルみたい。

20代中盤になっても少女っぽいコスプレが似合う女優さんは確かにいますが、金子さんのミニスカ紺ハイソはまぁ…ギリギリですな。OP映像のスチールにもある通り、洵子ともうひとりのヒロイン悠子(時子=大沢逸美さんの娘)との学園生活でのからみは今作の売りのひとつのはずですが、ヴィジュアル的には暑苦しいというか、キツそうな予感。悠子役は遠野凪子さん、『冬の輪舞』で昼ドラ向きの演技をすでに披露してくれていて、その点は安心できるものの、やはり高校生時代はunder20の女優さんを起用すべきだったような気がします。

一方、2週めに入った『暖流』のほうは、さとうやすえさんのマンガ的な演技があまり目障りでなくなって来ました。何と言ってもこちらは実年齢相応ではあるし、世間知らずで、人からリスペクトされるのが当たり前で育ってきたセレブお嬢が高学歴高キャリア身につけるとあんな感じになるかも、という納得性も徐々に生まれてきた。脇の俳優さんたちの力もありますが、実在のクラシック建築を撮影場所に使っていると思しき、志摩総合病院の外観・内陣の大時代性が効いています。

1話でセリフ無し、介抱されるだけの役でもったいないなぁと思った雪代敬子さんが、今日は改めて啓子をお礼訪問で再登場。無礼だと思っていた日疋が実は迅速な救急通報でサポートしてくれていたことを啓子に知らせる大切な役回りでした。高齢家族が雪代さんを見たら「あんな素敵なおバアちゃまになりたい!」と絶対言いそうだけど、手遅れだね、っと。

先週の第5話では、病院ロビーで元ヤン風患者に「ワタクシのお財布盗んだでしょ」とあらぬ疑いをかけて騒ぎを起こす高慢な代議士夫人役で、元宝塚娘役トップにして資生堂81年冬のキャンペーン『A面で恋をして』イメージガールだった美雪花代さんも(年齢相応に)衰えぬ美貌で出演されていました。

やっぱり毎日必ず何かかんか進展とサプライズのある昼ドラの待ち時間が、月河は好きなんだなぁ。

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スポイトで水

2007-04-22 17:35:46 | テレビ番組

日本経済新聞の土曜版『NIKKEI プラス1』21日付けの“何でもランキング”は『夫に言われて傷ついた一言』。

1位「君も太ったね」。…分析によれば、20代後半で結婚1年以上5年未満の妻に特に多い解答とか。

ま、このくらいで傷ついてるうちはマダマダでしょう。いろんな意味で。

2位:(体調悪いのに「ごはんはないの?」3位「家にいるんだからヒマだろ」、4位:「片付けがヘタだ」、5位:(手伝って欲しいと言ったら「仕事で疲れているんだ」

以下「うるさい」「しつこいな」「誰のおかげで生活できているんだ」「俺の金を俺が自由に使って何が悪い」、(子供の素行悪さを)「お前に似たんじゃないのか」…などが続きます。

中には「うちの親の悪口は言うな」15位)など、言葉よりソレを言わせる状況がすでに問題だろ、と思うようなのも“自分の”親のことを“うちの”親とためらいなく言われる時点で、いまの奥さんて結構カッチーン来るんじゃないかな。

並べて書いて、ぜんぶ順に読み上げると、「そんなに酷いことはオレ言ってないよ」と夫諸君は思うかもしれませんが、“単品”では相当、普通に言ってますぜ。皆さん。

中で、面白いなと思ったのは「で、結論は何?」9位)。6位7位の「うるさい」「しつこいな」と同系なのですが、コレ、要するに「もう聞くの疲れた、早く話終わらせろ」という意味ですよね。

東京学芸大教授で精神科医の田村毅さんによれば「男性は報告や結論を求めて話すが、女性は過程に重点を置くので結論はなくてもよいことが多い。それを理解せずに夫が話をさえぎると、妻は不満を感じる」。

…オマエなぁ。女が「相談に乗って」と言うときは的確な答えや賢明なる助言を求めているんじゃなくて、“ただ話を聞いてほしい”“できれば「気持ちはわかる」と共感してほしい”だけだって、結婚する前に骨身にしみてるだろうがよ。結婚するとせっかくの学習成果忘れちゃうのか。あ、それ以前に、結婚すると女と思わなくなるのか。

総じて、コレ言ったら相手がどんな気持ちになるか、ちょっと考えれば、と言うより考えなくても皮膚感覚でわかるようなフレーズを、いまだにヒョイヒョイ口にしてる夫諸君も夫諸君なら、この程度で「傷ついた」と思う奥さんたちも奥さんたちだなぁという感じ。赤の他人が起居を共にし生計まで一緒にしたら、互いに傷つけ傷つく毎日に決まっているのに。

ちなみに『夫に言われて嬉しかった一言』も小さめに下段に載っていまして「おいしいね」「ごちそうさま」「ウチのごはんが一番おいしい」「いつもありがとう」「がんばってるね」「君と結婚してよかった」「(夫の友人や姑に対して)よくやってくれる」「えらいと思うよ」「今日は一段と可愛いね」……おいっ、この程度で嬉しかったって言うなよ!

この調査、全国の20代以上既婚女性にネットで質問し、1,030人から回答が寄せられたそうですが、最も傷ついた言葉は?に293人が「傷つけられたことはない」最も嬉しかった言葉は?にも212人が「ほめられたことがない」と答えたとのこと。

…月河はこの記事中、ここにいちばんホッとしました。結婚生活なんてそんなもんじゃないのかな。

『わたしたちの教科書』第2話(19日22:00~)の録画を視聴。視聴者の“待たせ方”はこのドラマ、かなりじょうずだと思います。ただ、待った先に得られる答えが、中学校でのいじめの実態、リビドー持て余す思春期生徒たちの意図せぬパワーゲーム、教師たちの欺瞞と隠蔽、血のつながらぬ親子関係の心理模様及びそれらから敷衍される人間の精神的二面性…などだとしたら、お世辞にも楽しみとは言えない待ち時間です。

特に珠子(菅野美穂さん)が明日香をネグレクトし自ら施設送りにした8年前の回想シーンでは、小学生明日香に扮した子役さんのあまりにいたいけな演技もあって「…結局子役でカワイソがらせる系のドラマかぁ」といたく脱力しました。

擬似オタクで醒めた言動の数学教師八幡役・水嶋ヒロさんの存在が唯一の光でしたが、「そういう演技もできるのね」とわかったところで…何か楽しいか?この2話の「学校は砂漠だよ…」が八幡最大の見せ場で、この先はもう用意されてないような気もします。

(それにしても指導記録入り段ボール4函、あの狭いアパートにひとりでよく運び込めたな八幡。ワゴン車みたいので通勤してるにしても駐車場から部屋のドアまでの間、近隣住民に見られたら目立ってしょうがないだろうに。やっぱりどっかで変身してる?)

伊藤淳史さんの“ひたむきで共感性高いゆえに流されやすい、満更バカじゃないからますます苦労する不器用キャラ”がよくはまっています。俳優として『電車男』『海猿』の頃から伊藤さんに好感を持っている人が、いちばん待ち時間を楽しめているかもしれない。

あと、理屈抜き「セーラー服10代女子を見ているとそれだけで眼福」という嗜好の人も。

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ご注文お決まりですか

2007-04-21 16:14:22 | テレビ番組

このブログを始めたのが昨年秋、別に季節を意識して作ったわけではないけれど、北国の当地もぼつぼつ桜が咲くの咲かないの(咲かないことはないが)って話題もちらほら、ここらでブログの衣更え=デザイン変更をしてみようかと思い、数日前から試みているのですが、どうにもこうにも。

どうしちゃったのブログ人テンプレートビルダー。新規デザイン作成をクリックしお約束通りまずは〔レイアウト選択〕から始めて、現行と同じ両サイドバーを選択したら、イメージ確認すべく確認ボタンをクリックしても、両サイドバー型に表示されない。

何だか、この世のものとは思われない、崩れまくった表示が出現するのです。

左サイドバーか右サイドバーを選択すると、一応イメージ通りに表示はされますが、次のステップ〔表示項目の選択〕でいくつかチェックマークを付けたり外したりしてから確認クリックすると、たちまち崩れている。

左サイドバー型だけは、何度めかの挑戦で奇跡的に〔項目選択〕を“無傷”で通過できましたが、3番めのステップ〔並べ方の変更〕で、カレンダーと時計を上に持ってきて最近の記事を最近のトラバ・コメントより上にして…とドラッグ&ドロップして行くと、待っていたかのように崩れる(爆)。

コレ、どこかの段階まではセーフで、ある特定の1項目いじることによって崩れるのかな?ならばその特定項目さえ移動しなければオッケーなのかもと思い、最初に移動かける項目をカレンダーにしたり時計にしたりコメントにしたり…いろいろやってみたけれど、どれからでも一緒。1項目いじれば、速攻ヨヨと崩れる(激爆)。

一応、両サイドバーのフォーマットと、項目並べ順は現行通りにして、ここ半年ほどでバリエがめっきり増えたブログ人テンプレの中から春らしいものを選んで“ドレスチェンジ”してみようかと思っていたのですが、まったくダメダメ。

昨年10月以前の状況はわかりませんが、以降で言えば、数回のメンテのたびに、サーバーの重さはブログ人、着実に改善していると思います。とは言え夜21:00頃以降、特に週末は若干の反応遅さが感じられるので、絶対負荷が少ないとわかっている平日午前中にやってみたら違うかなと思い、今日は朝食の片付けもそこそこにパソコン起こして取っ組んでみたものの、ムダもいいとこ。

こうなったら早朝5:00起きぐらいでやってみるか!?とも脳裏をよぎりましたが、これでムダだったら1日損するみたいで、いまのところチャレンジする元気がありません。

思い返せば、昨年10月、現行のこのデザイン“黄色月影風”と名づけている)を組み立てるときも(特に表示項目選び・並べ方の段階が)すいすいスムーズとは行かず、1度ならず頓挫しては、同じことをもう一度やってみるとアラ不思議クリアできた、という不可解な進捗で、どうにかここまでたどりついた記憶が。たぶん、時間帯によってサーバーが混んでるどうこうの問題ではないのでしょう。

いっそ一度すべてを削除してゼロから立ち上げればどうということはないのかもしれませんが、さすがにここまでロゴ集積してくるとそれも惜しい。…結局、衣更えはあきらめました。

あきらめて、忘れた頃突然もう一度同じことをやってみたら、サクサク組み立てられるのかもしれません。ネットをやっていると、そういうわけわからない突発事態、わけわからないまま自然復元、結果オーライ、みたいなことには頻繁に遭遇するらしい。最近わかってきました。

ちなみに、18日朝に慌てた、Norton AntiVirus 2007のいきなりライセンス切れ表示、アクティブ化不可の事態は、テレフォンサポート中国人男性スタッフの言う通り「ヨースみて」いたら半日少々で本当に消滅しました。

爆笑オンエアバトル』(20日24:10~)、町田立てこもり事件の報道で今日は繰り下げかなと思ったら、通常通りの放送。ハイキングウォーキングのツッコミ松田くんは、肉付き良くなってくる前のスキマスイッチ大橋さんにも、『超星神グランセイザー』弓道天馬→NHK朝ドラ『ファイト』→大河『風林火山』武者震いがするのぉ瀬川亮さんにも似ていますね。ボケQちゃんのキモネタが最近多いけど、“キモ”より“ズレてる”をもっと前面に出したネタのほうが気分良く笑える。

いつもの感じだった東京03が過去最高のバトル数を叩き出したように、全体的には低調な日でした。03のネタ後トークでの神田愛花アナいじりがむしろ一番笑えました。ネタ後トークもお飾り文字つきテロップで拾われるようになったんですね。なんだこのコは」“コ”“娘”と表記されるのがNHKっぽいっちゃぽいけど、だんだん、民放のネタ番組に味が接近してきたなぁ。

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待つ事のヘタな人が増えた

2007-04-20 16:47:21 | テレビ番組

映像作品で何かを主張したり訴えたりする上で、瞬発力においては、やはり、TVのドラマでは劇場映画には敵わないと思います。2時間なり3時間、“映画を観る以外何もすることがない”非日常の映画館というハコにカンヅメになって、大画面大音量でガンガン喜怒哀楽、ドンパチアクションに恋愛にエロ、泣いたり爆笑したりと攻められたら、幕が降り場内再点灯の頃には、どうしたって何かを考えさせられます。

しかしTVドラマ、特に連続ものなればこその力というのも確かにあります。月河はその一つは“待ち時間”ではないかと思うのです。

第1話を見て「この先どうなるんだろう」という期待をどこかに持ったまま、週一のドラマなら一週間、帯ドラマなら24時間、仕事や家事や付き合いなど、面白くもなんともない日常どっぷりの時間がはさまる。

学校と遊びだけの無邪気な子供には子供なり、逆に世俗の身すぎ世すぎにまみれた大人には大人なりの時間があって、その間はトラブルや冠婚葬祭や試験や金策に忙殺され、TVのことなんか思い出しもしない嵐のような時間になることもあります。

一週間後、どうにか無事同じドラマの続きを観られる運びになったときには、自分の中で何かが変わっていて、好感持てなかった人物が意外に同情できるようになったり、逆に、先週まで切実に心配していたヒロインと相手役の問題が何だか些末なことのように思われて「おまえら自分のことばっかり考えてないで、(脇の)○○や××に気遣えよ」と客観的に見えてきたりもします。

ドラマという非日常の世界が、待ち時間を媒介にして観る人それぞれの日常と接ぎ合わされ渾然一体となる。劇場映画ならば上映時間内、せいぜい館を出てからの帰途ぐらいで完結してしまう号泣や哄笑、感動や思うことあれこれが、10週、11週ないし3ヶ月以上もの間、生活という“地”の中に陰に陽に織り込まれて、あるときはガツンと、あるときは微弱にじんわりと続くのです。これはTVという、日常に融け込んだ媒体を使った映像作品でなければ持ち得ない力だと思います。

だからドラマを作るときには「次回この人、この問題、この状況どうなるのだろう」という視聴者の期待に、言葉は悪いですがとことんつけ込むべきだし逆に、期待を裏切ったり、軽視したり、疎外したりしては絶対にいけないと思います。

観る人が「この人のこの先を見届けたい、見守りたい」という気持ちになれるように人物は造形しなければいけないし、「この先どうなるんだろう」に確実に答えを与え、「さらにその先は?」と興味が繋がるように事件や事象を構成し叙述しなければならない。

これを、作るほうも観るほうも、まだるっこしいとか遠回しだとか思わずに、待ち時間も込みで楽しみ楽しませることができなければ、良いドラマは誕生しないのではないでしょうか。

近年のTVドラマの慢性的不作は、巷間よく引き合いに出されるネット・ケータイ普及による娯楽の多様化云々ばかりではなく、1話と次の話との間の待ち”を、作る側も観る側もじょうずに利用できなくなったことが大きいように思います。

………って、結局それもネット・ケータイの影響なのか。

『孤独の賭け ~愛しき人よ~』第2話、とりあえずいまは、堺雅人さん扮する蒔田が「この人の行く末見届けたい」のメイン担当ではないでしょうか。足が不自由になった経緯も、いまのところ説明されそうでされない、いい具合の引っ張りになっていますね。

終盤のパーティーシーンでの、百子(長谷川京子さん)の同僚デザイナー信子(田畑智子さん)とのツーショットがとてもお似合いカップルに見えました。百子は千種(伊藤英明さん)にもうお任せして、信子と付き合って幸せになっちゃえばいいのにな。

それに比べいちばん“先を見届けたくなる”ヒロインであるべきはずの百子は、イヤな女臭がきつくなってきた。敵視している叔父の娘・美香への対応を見ていると、野心と才能を秘めた美人が過去のトラウマを引きずって…というより、単なる、人の痛みがわからないエゴいヤツっぽい。脚本や演出のこれも計算のうちだとしたら、残念ながらハズレでしょう。どうなんだろう、五味川純平さんの昭和の原作を読み咀嚼して臨んだはずのこのドラマのスタッフ、百子という人物に“いまいち惚れ切れない”でいるのではないかな。

いまこのドラマの“待ち時間”を楽しめているのは、蒔田に肩入れしている、もしくは堺雅人さんのファンの人たちだけだと思います。

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