イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

芹セリ

2009-06-19 20:59:54 | 再放送ドラマ

先日の記事で、『オリエント急行殺人事件』と並べて引き合いに出したら、ちょっと気になってきて、録画を探したら出てきました『相棒 season4“黒衣の花嫁”(本放送200510月)。

地上波再放送で、背中で観流していたエピソード、ときどきBS朝日で再々放送されているようなので、毎回というわけにはいきませんが気がついたらチェックしているんです。

そしたらアナタ、虫の知らせってやつですか?捜一ヤング芹沢くん(山中崇史さん)(←本放送時は“たかシ”)の大学ゼミ仲間のひとりとして、『夏の秘密』の夕顔荘在住20引きこもり博士・柏木役でご出演中の坂田聡さんの顔が見えましたよ。仲間の結婚式場で電話連絡を受ける最初の登場がいきなりバストアップであッと思いました。うわー、これは気がつかなかった。『夏の~』では3週めの今週から柏木さん、台詞も言うようになりだんだん出番も存在感も増して来ているんですけどね。

こちらでの坂田さんは、芹ちゃんと同ゼミ卒業後8年、いまは少壮のやり手弁護士・田村役。詳しく言うとネタばれになってしまいますが、芹ちゃん同期仲間でも結構、重要な役回りです。弁護士らしく終始バチッとスーツ姿なので、ますますわからなかったんですね。心なしか柏木さんより低身長で小柄に見えますが、これはゼミ仲間役に、より長身の人たちを揃えた対照効果かもしれない。それプラス、柏木役前に若干増量されたかな。でもって柏木って、夏のドラマなのにいつも浴衣の上にドテラみたいな、季節感のない格好してるしな。

タイトル“黒衣の花嫁”の元ネタであるコーネル・ウールリッチ作古典ミステリの本歌取り、換骨奪胎と見られなくもないこのエピソード、オリジナルに沿って復讐企図?と劇中、目される悲劇の花嫁役に遠野凪子さん。約2年後の07『麗わしき鬼』の悠子役ド迫力熱演の頃よりだいぶスレンダーで薄幸そう。05年と言えば、13月に『冬の輪舞』しのぶ役で主演されていますね。

坂田さん扮する田村弁護士はと言えばですね…うん、これだけ書いてもいいかな。2時間ドラマで、“出てくればほぼ犯人役”の俳優さんに注目しててください。坂田さんの田村弁護士も、彼つながりで重要な立場です。何か隠して芝居打ってそうな、それにしては臆病そうな、それでいて傲岸エゴそうな、坂田さんの“逆・目ヂカラ”みたいのがよく活かされたキャスティングだと思います。

そう言えば同じ“ジョビジョバ”メンバーの長谷川朝晴さんも、02『season1“仮面の告白”にゲストイン済み。のちにセミレギュラーとなる、松下由樹さん演じる武藤かおり弁護士の初登場エピで、彼女の、時には権力やマスコミとの敵対も辞さぬ人権派法曹としての辣腕ぶりを印象付ける意味でも、なかなか重要な役でした。

ジョビジョバと言えばマギーさん扮する元・暴力金融取り立て屋若杉などは、亀山(寺脇康文さん)に逮捕されたことでいったん更生後、再び悪の道に舞い戻り、夫婦の危機を迎えるも亀ちゃんの尽力で復縁、北海道で堅気に暮らしていたかと思いきや、職場の先輩と東京出張して来てまたもや事件に巻き込まれるという波乱万丈の人生で、月河が再放送で覚えているだけでも3つぐらいのエピに登場しているはず。亀ちゃんに恩義を感じるあまり、愛嬢に“薫”子と名づけた若杉、亀夫婦が東南アジア・サルウィンに渡ったと聞いてたまげただろうなぁ。

サルウィン!そうそう、亀ちゃん渡サル決心の、そもそものきっかけを作った高校時代の旧友・兼高役、四方堂亘さんが『夏の秘密』では、それこそ怖い暴金の社長雉牟田(きじむた)に扮して、蔦子姐さん(姿晴香さん)の浮舟で子分にひと暴れさせ、止めに入った伊織(瀬川亮さん)の利き腕を負傷させたり、サルウィンで兼高を待っていた奥さんと学校の子供たちが知ったら悲しむような悪行三昧。

昼帯と『相棒』再放送しか、大人向けドラマと言えるものはちゃんと観てないんだけど、これだけ俳優さんが往来している。こうしてみると『エゴイスト egoist~』並みに、リアル芸能界、俳優界、狭いのかもしれません。

さて『夏の秘密』は第3週、第15話まで終了。その柏木からの、事件前夜のみのり×伊織の諍い目撃情報に一抹の疑惑の種を蒔かれた紀保(山田麻衣子)ですが、真偽定かでないまま直後の杏子(松田沙紀さん)の裏切り判明で奈落の底へ。いっそ杏子が「私も龍一さんが好きでした、紀保さんと結婚させず奪いたかった」と言ったなら、杏子を「不潔」「卑劣」となじれる分まだしも傷が浅かったかも。「事件以降紀保さんは龍一さんのことばかり、昔のように私とアトリエに専念してほしかった」のみならず、「龍一さんと別れさせるため、同じく婚約破棄を望む羽村社長と、アトリエ経営支援追加を条件に結託していた」まで加わったから、紀保の孤立感は最悪に。

15話の冒頭、紀保は夕顔荘2階で柏木から思いがけず、伊織は紀保に黙って拘置所接見室で頭を下げて龍一から聴取して、それぞれ聞き捨てならぬ情報を得る場面のカット相互切り替えがよかったですね。一緒にいて会話しているときより、別々の場所で別々のベクトルに向かって前がかりになっているときのほうが、紀保と伊織、互いの距離が縮まっていく感。「あるいはみのりの方から、薬剤を使って龍一に行為を迫って?」という疑念に裏付けがとれてきて、龍一を一途に信じる紀保にすまなかったと思いはじめていた矢先だけに、伊織には紀保の涙がしみたことでしょう。

拘置所で二度めの接見するや、伊織の腕の包帯を見とがめた龍一が持ち出したラガーマン時代の怪我の話は、出かけて来る前に紀保が語って涙していた思い出と同じ話。「紀保さんが打ち明けることには嘘偽りはない」という実感が、改めて伊織の胸を領したはず。

雨漏りの修理後もまた雷雨。冷たい雨、そして暖かいシャワー。事件の夜も豪雨でした。前季までのこの枠の夏クールより1ヶ月早く、6月から走り出したドラマに、“”は重要なファクターになりそうですね。1週めから2週め、さらに3週めと、どんどん週末が長く感じられるようになってきましたよ。

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