イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

浮き輪に納豆

2009-10-01 19:55:08 | 朝ドラマ

新作朝ドラ『ウェルかめ』はタイトルの確信犯的ダサさと反比例して快調ですね。ヒロイン波美ちゃん(小酒井円葉さん)と、気になる転校生from東京・果歩ちゃん(金子舞優名さん)の、決して互いに虫が好かないわけではない、“あのコに認められたい、「やるわね」と言わせたい、一目おかれたい”合戦がなかなかうまく描写されている(波乗りレッスン取材での波美パパ「果歩ちゃんか、なかなかスジがええ」に反応した、2人のアイコンタクトシーンが出色)し、OPの子ガメのCGキャラクター“かめっ太くん”も、初見ではちゃっちいしグロテスクだし…と思えたけれど見慣れるにつれ可愛くなってきました。

波美パパ哲也役・石黒賢さんのハイテンション根アカ演技が当初、かなりイタい?と思われましたが、2時間ドラマ真野あずささん主演の『着物デザイナー黛涼子推理紀行』シリーズでの越後屋若旦那役を思い出せば、結構“つながる”。

今日(101日)放送の第4話で、砂浜で孵化し海に入って行く子ガメの群れを見送りながら「溺れんなよ!溺れそうになったら、浮いてるものにしがみつき!しがみついて救助待て!」と妙なエール送りつつ涙ぐむシーンはよかった。『だんだん』でもそうだったけれど、地方生まれ地方育ちの朝ドラヒロイン父には“若き日の夢ついえ、野心やぶれて帰郷”という哀愁がしっくり来る様子。

何より、旦那とは正反対に堅実しっかり者で働き者の嫁さん・加代(羽田美智子さん)と、“静かなラブフェロモン”がしっかり通い合っている風情なのが好感持てますね。ここのところの朝ドラは基本、昔の“女の一代記”というより、発展途上ヒロインの青春物語なので、とかく“ヒロインと仮想王子さま役”にフォーカスが偏りがちですが、親世代が、父親と母親でありながら“お似合いのカップル”でもあるという、これは実に連ドラの舞台を明るくする要素なんですね。

「“お父さんと一緒に、カメが孵るとこ見たことある”って、お母さんが言ってた」…ということは、“2人きりで砂浜で夜明かしした”ということ。石黒さんと羽田さんなら、若き日のこういうロマンチックが無理なく想像できる。“カッコよくておもしろい、級友に自慢したいお父さん”“美人で親戚ご近所でもモテモテで、頼りになるお母さん”。これだけでどれほど据わりの良い、毎朝の視聴が心地よい物語世界になることか。

月河は実質、昨年春のGW明けからの朝ドラ視聴入りなので、あまり的確な腑分けはできないのですが、贔屓だった『瞳』と『つばさ』は、この点であらかじめ敗色濃厚、分が悪かったかなと、ちょっと気の毒になります。親世代・大人世代人物がヴィジュアル的に優秀だというのは、やはり序盤の大きな魅力。瞳もつばさもヒロインは頑張ったのですが、大人たちの、“目の保養度”はいまいち、いま二、いま三ぐらいでした(ついでに“仮想王子さま”も微妙)。

こなた『ウェルかめ』は、波美の幼なじみで勘違い熱血海の男ジュニア・一平(三田村陽斗さん)は成長後武田航平さんに、カメ好きの天然ひとり旅少年from大阪・勝乃新(福島快利さん)は大東俊介さんにバトンタッチされる模様。しかもパパ役石黒さんって。これズルいだろう。反則だろう。共感できるヒロイン以上に、“カッコいい男”こそが朝ドラには必須と、NHKも遅ればせながら気づいたかな。ちょっと遅すぎ、気づきすぎ。

心配なのは、子役さんたちがあまりにも嵌まり役でキャラに馴染んでいるので、来週から早くも大人篇になるのが、木に竹を接いだ様になるのではないかということ。大人波美役・倉科カナさんはスチールで見る限り小酒井円葉さんと姉妹のようによく似ていて、ヴィジュアル上の違和感はなさそうですが、動き出したらどうだろう。『土曜スタジオパーク』のコーナー担当で一度、『ケータイ大喜利』ゲストで一度、それぞれ見た記憶があるだけですが、顔のこじんまり具合に比べてカラダの肉づきがやたら豊かでキャピキャピな印象だったがなあ。小酒井さんが確立した波美の、潮の匂いのするローカルっぽさや、“不器用な才気煥発さ”を出してくれるカナ?

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ハングリートータス | トップ | 南米かっ! »

コメントを投稿

朝ドラマ」カテゴリの最新記事