イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

平凡という名の非凡

2009-10-09 17:01:32 | 再放送ドラマ

『嵐がくれたもの』で本編とは別に印象深いのは、節子(岩崎ひろみさん)・順子(三浦透子さん)親子の靴みがき仲間=文子役の前沢保美(やすみ)さんですね。

いやー、この人の顔を『相棒』で何度見たことか。Season4『殺人講義』での、毒殺された女子大生が住むマンションの管理人さん(管理人さんの奥さんかな?)が、月河としては初見だったかな。

その後、season何か忘れましたが、『正義の翼』で脅迫される大手メーカーで、爆発のとばっちりを受ける掃除のおばちゃん、『犯人はスズキ』で「豆腐の好きな人に悪人はいないよ」と言葉たくみに?右京さん(水谷豊さん)に買わせてしまう下町豆腐屋の奥さん(店主で旦那は丸岡奨詞さん)。前season、昨秋放送の『隣室の女』では聞き込み先の結婚情報サービス会社の、これはちょっとキャリアウーマン風なスタッフでキリッとしたいでたち。『ピルイーター』では常連客だった被害者の異性関係(…)を語る、ややお化粧濃いめのスナックママ。

ほかにも何かあったかな。昨年春の連休前頃、劇場版PRのための、当地ローカルでの旧season再放送ラッシュから『相棒』視聴始めた月河でもこれだけ覚えてるんだから、土曜ワイド時代からの熱心な“アイボウラー”ならもっと記憶あるかもしれません。

前沢さん、舞台中心に活動されているベテラン女優さんですが、きっと『相棒』製作スタッフが、前沢さん個人か、所属劇団と懇意なのでしょうね。

言葉としてはあまり良くないけど、端役、チョイ役級で、ひとりの俳優さんが同じTVシリーズの複数のクールにわたって、その都度違う役でこれだけ頻回ゲストキャスティングされている例を寡聞にして知りません。

毎話、犯人とか共犯とかキーパーソンといった重い役どころではないものの、事件捜査の中で警察が接点を持つ“市井の一般人”のムード、柔和でさばけていて協力的な中にも一抹の警察への警戒心、猜疑心や毛嫌い感を出すのが実にうまいのですよ。普通ににこやかに聞き込みに応じているだけの場面でも、「愛想良さとか人あたりのよさって、庶民のなけなしの武器のひとつだよなぁ」なんてことを考えさせる。

だもんで、『嵐がくれたもの』で、よそ者(伊勢湾台風の混乱から東京に逃れてきた)の新入りで、路上商売としては商売がたきのはずの節子母娘に「一卵性親子だもんねぇ」なんて優しく接してくれている靴みがき業界先輩?の文子さんも、“何か知ってて隠しているのでは?”とつい思ってしまう。

ドラマ、特に事件もので、“出てきただけで犯人っぽい”“黒幕っぽい”と思われる、歩くミスリードみたいな俳優さんは結構いますが、前沢さんのような、あからさまに怪しくはないけど、いや怪しくはないからこそ、“凡人ならではのウラオモテ”を秘めていそうなキャラって貴重ですよ。

それにしても、前沢さんが出ていると、客のふりして右京さんか亀ちゃんか捜一トリオの誰かが聞き込みに現われそうな気が、どうしてもしてしまうなぁ。ドラマ的には、現われるとすれば節子の、放棄逃亡した前の職場・櫻警察署の丹波副署長(清水綋治さん)でしょうけど。

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