スーパー戦隊ウォッチャーなら誰でも承知ですが、1年1作のこのシリーズ、1作ごとにモチーフがざっくり「科学←→ファンタジー」「メカニカル←→自然」と交代するのがつねです。
引き合いに出した2003年の『爆竜戦隊アバレンジャー』が、しゃべる古生物という地質時代ファンタジーとしたら翌年の『特捜戦隊デカレンジャー』は宇宙警察、エイリアンもの。
さらに翌2005年『魔法戦隊マジレンジャー』は直球でハリー・ポッターシリーズやナルニア国ものがたり要素を盛り込み、次の『轟轟戦隊ボウケンジャー』ははたらくくるま大活躍のモーターメカ主役。
2007年『獣拳戦隊ゲキレンジャー』は主人公が密林の野生児、動物体の師匠、敵役もたくさん出てくる一種のネイチャーワールドで、翌年『炎神戦隊ゴーオンジャー』は一転マッハ全開のモーターデバイスワールドでした。
2009年の戦隊から2010年『天装戦隊ゴセイジャー』→11年『海賊戦隊ゴーカイジャー』への3年間はちょっと“かわりばんこ”感がうすいかもしれません。09年は時代劇の伝奇武術もの、『ゴセイ』は天文ファンタジー、『ゴーカイ』は航海冒険ジュヴナイル的で、メカ、科学という理系要素が3年続けて後退していた期間でした。その分2012年の『特命戦隊ゴーバスターズ』がメカメカ大行進のゴリゴリ時空SFで…と言うより“ネイチャー度、ファンタジー度ほぼ皆無”で3年分を取り返しました(?)。
その反動で黒木司令が『相棒11』で強盗殺人逃亡&児童誘拐凶悪犯人になってしまった(というわけではない)。
……そしてやってきた本年2013年の『獣電戦隊キョウリュウジャー』は待ってましたとばかり、ブレイブでワイルドで生き物感にあふれています。
この順番でいくと2014年はメカ科学SF優勢の戦隊になりそうですが、『デカレン』のような“警察”モチーフが、似たテイストの『ゴーバス』から間隔が近すぎてやりにくいなら、1999年の『救急戦隊ゴーゴーファイブ』以来の“レスキュー”戦隊はどうでしょう。東日本大震災でも大活躍で、救急救命士の皆さんをリスペクトするお子さんは多いと思います。
いっそ全員お医者さん設定にするか。内科、外科、眼科、耳鼻科、皮膚科に追加戦士が歯科医の“総合病院戦隊”。ナビィ、データスハイパー、ボンパー…のポジションで薬剤師さんも。
でもレッドもブルーもいない“ホワイト”だけの戦隊になってしまうな。
命を救う仕事である医師が、敵怪人とは言え物をしゃべって意思を持つ生命体を“滅ぼす”のはまずいと、企画不成立かな。
医師にせよ救命士にせよ、時節柄災害救助に特化した戦隊もいいかなと思ったのですが、ここのところ地震に津波、台風豪雨、豪雪と洒落にならない人身災害が続発しているだけに、災害遺児の皆さんのトラウマに塩を塗らない様にネタを作るのはキツそう。
“復興大河”『八重の桜』じゃないけれど、こういうデリケートな方面への配慮は、「無し」じゃ当然ダメですが、あまりに「配慮のための配慮」化すると逆撫で、ヤブヘビになります。何より作品がカチコチのスカスカになります。まずは作るほうが楽しく自由にのびのびと。
理系のターンから外れますが、そろそろ格闘技戦隊も見たい。スーツアクターさんたちの熟練の体技を、崩し無しで見られる。2007年『ゲキレン』以来の“東洋徒手格闘技”テーマで、喩えが適切かどうかわかりませんが(たぶん不適切だと思いますが)いろんなタイプの『紅三四郎』が5人、みたいなのできないかしら。
全員“レッド”じゃ困るけれど。
『柔(やわら)戦隊イッポンジャー』…いやその、ロンドン五輪での男子金メダルなしに続いて女子代表の体罰問題と、柔道界いま苦境に立たされ続けていますから、ここらでイメージアップ巻き返しのためにもひとつ。
日本の国技と言えば大相撲。こちらも主にモンゴル方面からの“外圧”に抗戦中。『土俵戦隊ドスコイジャー』…自分のタイトルセンスの無さに倒れるな。全員“肌色”の戦隊ってのもカッコよくない。て言うか気持ちが悪い。
戦隊が“苦戦分野のテコ入れ広報”ツールに使われるのも気持ちよくないですね。いま、どこの業界、何の種目より苦戦中で明日が見えないのは“政治”だったりしますが(ここで記事タイトル↑↑↑に戻る)………なんだ、普通に安倍総理の言う“国防軍”に限りなく近づいてしまうではないか。気持ちよくないのなんの。
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