イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

ダラヅの時間

2010-04-16 23:23:04 | 夜ドラマ

先週末(911日)の三夜連続『わが家の歴史』、さすがに連日フル視聴というわけにはいかず、録画で数日がかりで観るには観ましたが、いただけない作品でしたね。『古畑任三郎』第3シリーズに八嶋智人さん扮する花田がいろんな職業であらゆる現場や打ち合わせ場所に出てくる、あのノリを全篇“家族”でやりましたという感じ。

あるいは映画『フォレスト・ガンプ』のパスティーシュの、センスのない版とでも言うか。いずれにせよ“すでに斯界で名があって好き放題できる人がアタマで考えてこしらえた‘名もなき人々’”のお話。

『みんなのいえ』『ラヂオの時間』など、三谷さんが突き離した様なアバウトなタイトルを敢えてつけるときには、チカラは入ってるっぽいんだけれどもどうも狙い過ぎのひねこびた笑いになってしまう傾向が昔からありましたが、単発の劇場映画ならともかく三夜連続の延べ7時間近くはブレイク限界。

特に今季は、名もなきどころかしっかり名のある漫画界の大御所・水木しげるさんご夫妻の、奥様視点での実話に基づく物語が、何の衒いもケレン味もなく素直に映像化されて、きちんと笑わせぽっちり泣かせる良質のドラマ(『ゲゲゲの女房』)になっているので、“作り込んでなんぼ”“虚構虚構しててなんぼ”の三谷さんワールドはいかにも分が悪い。

先月の『遠まわりの雨』の山田太一さんといい、どうもTV脚本界ビッグネームの皆さん、“片隅に生き、地味に汗して働く名もなき人々”というイメージを、脳内でヘンに称揚しすぎ、こねくり回しすぎな気がします。TV業界そのものがそういう気分に浸されている時期なのかもしれませんが、もっとちゃらんぽらんで、やくたいもない、それこそ“だらず”な世界でいいと思うんですけどね、TVドラマって。

コメント
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