イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

ムダムダ弾

2009-03-17 21:06:48 | 特撮・ヒーロー

『侍戦隊シンケンジャー』第五幕(3月15日)は、外道衆アヤカシ・ヤナスダレがよかったですね。

今作、正義のメインキャラは、変身後の顔面に若干の抵抗があったものの、全員強いし変身前からカッコいいし可愛いし文句はなかったのですが、敵側がホレ、前作『炎神戦隊ゴーオンジャー』ではいちいちみんなユニークで、キュートな造形と決めゼリフを持っていたじゃないですか。ガイアーク&蛮機獣に比べるといまいち敵キャラが暗くて魅力が薄いなあ…と思っていたところ、前週第四幕のナミアヤシで造形的にモリモリ盛り返し、ヤナスダレは「ムダだムダムダ!」と都心で大筒リボルバー=柳糸連打銃を連射するアナーキストっぷりが素晴らしかった。いやー、渋谷や新宿の駅前の雑踏を目にすると、ランボーのようにバリバリ機関銃撃ちまくって蟻みたいな人間どもがバタバタ倒れるところ見てみたいと一瞬、月河でも思いますもんねえ。虚無への本能。やりませんけど。

ヤナスダレには国会議事堂とか議員会館とか、永田町界隈に向けて「ムダだムダムダ!」砲を撃ち放ってもらいたかったですね。攻撃されても“柳に風”と受け流せる体質、及び三途の川の水分を吸収していないと“この世”で暴れられないという外道衆の宿命が、あまりやる気のないニヒルな性格を生み出したのでしょうか。

どこかの総理大臣も、次期総理大臣心得(誰だ)もあやかりたいだろうな。柳に風。ムダだムダムダ。自分がいちばん最初に吹っ飛ばされたりして。

「自分が強くないと、臣下のシンケンメンバーが恐れを抱いて士気が下がる」と思い、志葉家伝来の秘伝ディスクを使いこなすモヂカラを得るべく、花形満の鉄球鉄バットみたいな特訓に夜通し取り組む丈瑠(松坂桃李さん)。ノブレス・オブリージュ。

メンバー間の“序列”が、後天的な訓練や努力によらず“出自によってあらかじめ決まっている”というのも、近年の戦隊ではあまり使われなかった『シンケン』独自の設定と言えるでしょう。

「私ひとりでは不安だからサポートしてくれ」とぶっちゃけちゃったほうが、少なくとも、友達として友情に訴えてくれれば意気に感ずるタイプのグリーン千明(鈴木勝吾さん)と、弱ってる男の天使・ピンク茉子(高梨臨さん)は先頭に立って「それなら私たちが殿の足りない分を頑張ります」と意気上がってくれそうなんだけど、家臣たちへのそういう対し方は殿、まだできないのね。甘え下手。これまたTVの前のママさんたちが日曜の朝、全国でウルウルしてそう。

シンケンジャーは生まれつき、先祖代々シンケンジャーたることを世襲しなければならないと決まっている、究極の“宿命戦隊”。背負い込み体質の殿の本心を、他のメンバーが早く成長して察知してくれるといいですが、いつか、“成り上がり参入者が下剋上を企てる”エピソードなんかもやらないかな。

コメント
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