高校の履修洩れ、単位不足、芋蔓式に全国で続々バレ…いや、明らかになっていますね。
いじめ問題とも時期が重なって、最近、テレビで学校の先生が映るとたいてい謝ってるか言い訳してるか。
まあ、受験科目外のスルーなんてのは、いまに始まったことじゃなく、’70年代の私の高校時代から似たり寄ったりでした。特にバリバリの進学校でもなかったけれど、三年生ともなれば、先生も「この科目で受験しない者は、眠ければ寝ててよし。内職も感心はしないが、静かにやれば咎めない。ただし、受験科目の者の迷惑にならないように、私語雑談は厳禁、寝るのもイビキ・歯ぎしりは厳禁」なんて公言していました。
このニュースで思い出したのは、春日三球・照代さんの“地下鉄漫才”。一世を風靡した「地下鉄はドコから入れたんでしょうネ?」に代表される“眠れなくなっちゃう”シリーズの中に、「渋滞の先頭のクルマはいったい何してるんでしょうネ?」ってあったんです。
三球「先頭の前は誰もいないのヨ?なんにもないのヨ?」
照代「そりゃアナタ、先頭ですからね。」
三「考えたら眠れなくなっちゃう。」
照「寝ないで下さいよ、運転してるんですから。」(←オチ)
昨年も、一昨年も、たぶん十年前も二十年前も行われてきたのであろう“履修洩れ”と言うか“洩らし”と言うか、何故今年に限って、それも三年生の受験シーズン本番直前のこの時期を待っていたかのように露見し、報道されたのか。
テレビや新聞で弁明にこれつとめる先生たちの顔色を見ればわかる通り、学校というのはこの上なく閉鎖的な組織で、校門の中で行われていることはほとんど外部には伝わりません。そんな中で、最初のひと言、最初の一報を、学校の外に持ち出し、媒体を通じて世間に知らしめようとした人が必ず一人はいる。その人の“前にはなんにもなかった”のです。
生徒か、父兄か、卒業生か。現職の教員か、OBか、教育委員か。
動機は恨みか、不満か、多忙な時期を狙って現場を混乱させようという愉快犯か、それとも「これではいけない」という義憤、善意の告発なのか。
「考えたら眠れなくなっちゃう。」