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イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

マッハで最悪

2008-05-05 23:34:10 | アニメ・コミック・ゲーム

53日土曜日憲法記念日は、2006年から始まった月河のプライベート・インターネット史上最も長い日となりました。

いつもなら出かける前一度は起動させて気象情報や交通情報ぐらいはチェックするのに、当日に限って帰るまでPCに触れなかったのが、そもそもちょっとアンラッキー。

帰宅一番、ネット接続不能に気がつく→ルーターダウン(全消灯)とわかる→424日にひかり電話サポートセンターから聴取した通りの方法(モデムの電源コードを抜く・同じくルーターのも抜く・5分待ってモデムをつなぎ・POWERLINE点灯を確認して23分待ってからルーターをつなぐ)でやってみても、やはりルーター点灯せず。

そこで24日に続き再びひかりサポートセンター(←略してひかサセ)のフリーダイヤル(←略してフリダ)に電話してみると、前回も結構親切な人が当たったひかサセ担当マン、今回は親切プラスえらく愛想がよく、つながるや否や「ご迷惑おかけしております」と低姿勢。どうも、24日の事象とやり取りが、電話番号でぜんぶフリダ側に記録されてデータになっているらしいんですね。

ひと通りの手順をもう一度やってみて、最後の手段で電源差込を抜き、差し込み口に他電気製品を試しにつないでみて(ラジカセでやってみました)問題はここにないとわかるとひかサセマン「では担当の者を伺わせます」とあっさり直接行動へ。「30分では無理ですが1時間ほどで」とのこと。祝日かつ連休初日でもかけつけてくれるのは有難い話で、その間、電話機ルーター類付近のホコリなど拭きつつ待機。

在宅中の高齢家族その1に「原因不明で電話がいまつながらないですけど、原因究明のためにNTTの人がこれから来ますから」…「そうか電話局が来るか」。電話“局”なんて昭和の時代に消滅してるんですが。電話がかかってこないのは静かでいいとかえって歓迎の様子。TVでは『相棒SP』を視聴中で、完全に生返事モード。

電話局、じゃなくNTTひかサセレンジャー「あと10分ほどで伺えると思います」の前フリ後、パンクチュアルに到着。2人編成。「マンションロビーの電話回線集約部を見ないと故障原因特定できない場合、鍵はありますか」…そっそんな。「館内では管理人さんひとりしか持ってないですし、連休で管理室もお休みですけど」「そうですか、まぁ見て見ましょう」…ヒヤッとさせられましたが、まずはルーターのアダプタ外して新しいのと付け替えてみたら、それだけであれだけ頑として点灯しなかったルーターのランプもろもろがあっさりピカピカスタート。

「これ(故障箇所は)アダプタですね、取り替えて行きましょう」うわー。24日の消灯→復旧以後何もしてないのに。指一本触れてないのにアダプタ故障って。昨年のCDラジカセ断線に続き、またもアダプタに泣くか。「アダプタってのは外から見てわからないところに問題が起きるわけですから」確かにねー。アダプタって見た目文字通りブラックボックスですもんね。

……ひかサセレンジャーズ(←若干年齢高め)とそんな話で軽く談笑モードになりかかったら、なんと、いまさっき新アダプタつないでめでたく点灯したばかりのルーターから、もくもくとチャコールグレーの煙が上がっているではないか!「まっまっままままずい、抜いて!モデムも!」シロウトの様にパニクるひかサセレンジャーズ。

一同「………あーービックリした」。語尾に「なぁもう」を付けて、クチの周りに山賊ヒゲ描いたら全員故・三波伸介さんだってな勢いに。危うくLANカードも焦げて融ける寸前でした。アダプタだけではなく、ルーターにも問題が有り有りで、通常通電したらショートするため安全策として“電源が入らない”を機械みずから選択していた様子。

結局アダプタのほかルーター本体も交換。電話回線は真っ先に復旧させてもらったはいいけど、PCは「無線LANなんで、いまショートした古いルーターの中身を見てからじゃないと」と危うく足かけ2日の仕事になりかけましたが、ひかサポレッド(←ま、リーダーってことで)が携帯で「詳しい者を呼びます」と追加戦士(←やっぱり年齢高め)を召喚して、この人がまた、詳しいのか詳しくないのか小1時間デスク⇔ルーター間往復して格闘した挙句どうにか設定やり換え終了。かなり深い時間になったものの、通常通りのネット接続が可能な段階まで漕ぎつけました。

「あとは夕食と入浴補助と寝るだけ」の時間から始まったトラブル。実に長い1日だった。

アダプタ、ルーターまるごと入れ替えっつうことは幾らかかるんだ…とヒヤヒヤしていたら、冷静になって考えればルーターもモデムもNTTからのレンタルだったではないか。忘れてましたよ。接続機器料として毎月ナニガシ取られているから交換料金は要らないのでした。設置使用開始して2年半足らず、機械の寿命は本当に当たり外れがある。24日のハング時に改めて気がついたのですが、ものすごくホコリを吸い寄せやすい機械でもあるので、それも関係があるかもしれません。

伝票にサインするとハヤテの様に去るひかサセレンジャーズ。本日もこの後、決まっているだけでも3件回るのだそうです。

それにしても、オーブントースターやアイロンなど“ヒーター系”以外の電気製品から煙噴いてるの見たのはいつ以来だろう。えらくマガマガしい、邪悪な感じの眺めですな。“ザ・誤作動”って感じ。つい、「…ルーターバンキ(蛮機)(@『炎神戦隊ゴーオンジャー』)の最期?」と脳裏をよぎってしまいました。

 その『ゴーオンジャー』は4日にGP12。レッド走輔(色白の古原靖久さん)の顔芸と、ハツデン蛮機の着ぐるみでゴーオンレッド勢揃いの名乗りモーション決めたスーアクさんお見事。「人格入れ替わってる」を最初に読んだのが炎神スピードル、“スピードルしか知らない、言えば他メンバーもそうか!と納得する走輔だけの癖や特徴”というモチーフがもうひとつあればなおよかったですね。

戦隊メンバーの人格入れ替わりや憑依で、ヒーロー俳優さんが悪役演技を披露するエピはほぼ毎年1回はあるのですが、今年は第12話と一年クールのまだ浅い時期に来たせいもあり、他メンバーが蛮機姿で盾にされる走輔をあっさりスルー、最初からヨゴシュタイン様を標的にするなど、全体にライトタッチのコミカルな味。「こっこんな姿になってどうしよう??」とはまったく悩まない走輔の楽天的なキャラあってこそのお話でもありました。

ボンパーくんは、自身気がついていなかったけど2話に続いてドライバーで分解されかける危機。2話の軍平(海老澤健次さん)はもちろんブラフでしたが。みんなあの66センチボディ見て、壊すイメージを思い浮かべる時「重量鈍器でグシャ」とは考えないのね。結構メカニックマインド。

最近、ボンちゃんが炎神キャスト転送するとき、タッチパネル押すのにあのC型ハンドじゃうまく押せないんじゃないのかな?って気になってます。ギンジロー号内は多少時空が歪んでいるそうなので、プッシュもタッチも必要ないのか。

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父よ 母よ 妹よ

2008-04-30 21:17:57 | アニメ・コミック・ゲーム

329日にNHK BS2で放送された『とことん石ノ森章太郎 仮面ライダーシリーズよ永遠に』、HDDに録画したはいいんですけど何せ7時間、421分の長尺だもんで、もちろん茶の間の高齢家族用TVで再生している暇はありませんから、チャプターに分けてDVDに落とし込むタイミングを探るのに約1ヶ月かかりました。ふぅー。

画質のあまり劣化しない120分程度に分けられる箇所を、早送り巻き戻ししながら手探り足探り。リアルタイムで観られなかった70年代の『仮面ライダーアマゾン』辺りができるだけ高画質でダビれるように分けたら、終盤2時間8分超が1ディスクになってしまいました。でもこうやってムーヴしないと、夜半、部屋でPCでゆっくり観られないのですよ。

ダビング成功確認かたがた、前半約2時間を昨夜再生視聴。漫画…いやさ“萬”画部分の解説役『逆境ナイン』の島本和彦さんが熱過ぎてウザい。言ってることはごもっともだし石ノ森さんへのリスペクトはじゅうぶん伝わってくるんだけど。この人のレクチャー聞いてると、納得しても、意地でも「だから?」と言いたくなる。

対象との適度な距離感、是々非々感を湛えていた『BSマンガ夜話』の夏目の目・夏目房之介さんは感じがよかったなぁ。

スタジオスペシャルゲストに『仮面ライダーV3』風見志郎・宮内洋さん。登場時にV3「ぶいすりゃーー!!」変身ポーズも披露してくれました。ポーズのフィニッシュに往時ベルトがあったウエストラインにカメラがフォーカスし、“小メタボ”暴露したのがちょっといただけなかったけど、70年代前半のカッコいい系俳優さんとしてはじゅうぶん“原型”をとどめておられるし、とかく“シリーズ黄金時代の頂点にいた人の自慢ホラ話”に堕しがちな文脈を辛うじて踏ん張って、誠実に当時の状況を語ってくれたと思います。

いま宮内さんのお顔を拝見すると、「そんなことより真帆と安藤さんを何卒…(@『花衣夢衣』)」と思ってしまいますが。ライダー~アオレンジャー~ズバット~ビッグワンに至るキャラ模索と演じ分けの苦労が、いま友禅師匠の渋みと“ナマグサ世事には疎い職人肌”に活きていると思うと、“TVレギュラー視聴は昼ドラとスーパーヒーロータイムのみ”の月河には有難くも感慨深いものがあります。

平成ライダー組代表が、昭和歌謡と超高層薀蓄で最近NHKに重宝されている555半田健人さんひとりというのが、平成からのライダー復帰ウォッチャーとしてはちょっと食い足りなかった。半田さん、顔が細くなり過ぎてナチュラル斜視が目立ってきていますね。『555』乾巧として走り出したのが18歳、現在23歳。体躯も込みでもう少しビルドアップしてほしいかな。

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バカだからかもしれません

2008-04-29 00:40:28 | アニメ・コミック・ゲーム

『炎神戦隊ゴーオンジャー』が毎話、素晴らしい牽引力なので、つい後送りになってしまいますが、スーパーヒーロータイムのもう一方の雄『仮面ライダーキバ』も、1986年時制の紅音也(武田航平さん)に“戦う動機”が固まってきてからめっきりライダーシリーズらしいテンションになってきました。やはりライダーは“正・邪両陣営のライダー能力争奪戦”“ライダー能力と一般人生活との間で肉体的精神的に葛藤するヒーロー”というモチーフが物語に織り込まれてこそ。

それにしてもキバの3rd強化変形フォームたるドッガフォーム、パープルアイド・パープルアームドで王蛇(@『龍騎』)よろしく首も回してたし、ライノセラスファンガイア(人間体がやはり『龍騎』香川教授・神保悟志さん)戦でのキバットくんのアドバイス「力にはチカラだ!」通りパワー主体の強化だってのはわかるんだけど、キャッスルドランからでっかい紫の握りコブシが降臨してきたときには「おいおい、いくらなんでも」って思いましたよ。しかも客室乗務員のおねえさんが空港内移動するときのカートみたいにゴロゴロ地面引きずって運ぶという。

もともと仮面ライダーって敵組織や怪人のあの手この武器に対しても、素手のキックパンチで応戦して最終的には倒してしまう、というところにライダーのライダーたる所以があったと、いまだに月河世代は潜在的に思っているので、ライダーが“いかにも武器然”としたツールをえっさこらさと携行していると、“ライダーのパロディ”みたいで微苦笑してしまいます。ま、どんなにスットンキョーに強化変形しようと、お話としておもしろく、キャラとして魅力がありさえすれば、まったく構いませんけどね。

『花衣夢衣』は第21話。真帆(尾崎亜衣さん)が暴行されたときはお皿割れたりテレパシーに近いくらいの姉妹間感応力があるのかと思った澪(尾崎由衣さん)、自分の結婚話が現実化し幸福に目が眩むと、相手=将士(眞島秀和さん)の写真を見せたときの真帆の異常な反応にまったく気づきませんね。

もともと澪には、たぶん思春期序盤から“同じ顔で同じ環境なのに、真帆のほうが明るく機転がきいて人に好かれ評価が高い、男の子にもモテる”というコンプレックスと焦りがある。レイプ事件以降「真帆は私のせいで傷を負い女の幸せをあきらめたのだから、私ひとり幸せになっては申し訳がない」と母にも自分にも、当の真帆にも言い張ってやまないのはエクスキューズであって、実は“何もなければ真帆のほうが先に恋人ができて愛されて結婚し、私は取り残されるはず”という潜在的恐怖の裏返しなのです。

だから「好きな人がいたけどきっぱり別れて、あなた1人を愛するよ」と宣言してくれた将士は、澪にとってたぶん生まれて初めての“真帆より前に出ることができた”輝かしい経験のシンボル。でも“自分のせいで負った傷がために真帆が女の幸せからリタイアしたままでは、先んじる幸せも美味しくない”から「真帆がお見合いするって言うからワタシもその気になったのよ」「一緒に結婚しようって約束したのに」と駄々をこねるわけ。澪としては是が非でも真帆に“戦線”にとどまって、なおかつ自分の後ろにいてほしいのです。

そもそも“客観的に見て自分より幸福度が落ちる人”が近くにいてくれないと、人間、幸福を実感はできないものです。

“真帆が納得し満足したうえで、格的にもルックス的にも将士さんほどはステキじゃない人と結婚してくれる”のが澪にとっていちばん喜ばしい着地。物語としては、傷を負って友禅の道にいそしみ、心かよわせる恋人をやっと得たのに身を引かざるを得ない真帆に視聴者の同情が集まるところでしょうが、人間の心の有り様、生き様のサンプルとしては澪のほうがずっと興味深い。

基本は男女の恋愛メロドラマですから、将士→真帆、将士→澪の恋心の芽生えと盛り上げ方、もう少しなんとか…という食い足りなさもありますが、全体的には堅実な描写で中盤にさしかかってきています。

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パラパラボラボラ

2008-04-27 18:02:07 | アニメ・コミック・ゲーム

先週の木曜朝、一本電話をかけて、切ったら間もなく別の相手からかかってきて、12分通話して切って、あと何もしてないのに、30分後ぐらいにふと電話台を見ると、いきなりルータが全部消灯していました。停電?でも照明器具も冷蔵庫も何事もなく点灯稼働中。まさかと思ってPCに走ってみたら、やはり同じインターネット回線、朝イチはひと作業できたのに、見事に不通になっている。

電話のそばに常時貼ってあるひかりサポートセンターのフリーダイヤルにSOSしたら、24時間稼動しているルータ、ときたま“ハング”=PCで言うフリーズみたいな状態になることもあるらしい。懇切丁寧にルータのリカバー再認証手順を教えてくれて、10分ほどで復旧しましたが、コレ、月河本人が在宅のときでせめてもラッキーでした。高齢家族ばっかりだったら、「電話かけようと思ったら通じない」って大騒ぎして、早朝ならマンションの管理人さん叩き起こしたりしてたかも。

それより何より、固定電話がネット回線のひかり電話だと、こういうトラブル不通時にはどうしても携帯電話が家に一個はないと、お助けフリーダイヤルにすらかけられないってことが身にしみてわかりました。うちのルータ単独でハングする今回のようなケースだけじゃなく、地震や天災で広範に停電の場合もありますしね。面倒くさいから、紛失置き忘れが怖いから、使用頻度低いのに定額料取られるのバカバカしいから、だけの理由で、ウチじゅう全員携帯持たない主義では、もう安心して暮らせない環境になってしまったのかも。

とりあえず一家に一台、ぷりコールだけでも存続させとこうという結論になりました。

『炎神戦隊ゴーオンジャー』GP1127日)。もちろん我らがゴーオンジャーズ5人が影薄いというわけじゃないけど、それにも増して敵キャラたちがどんどん味出して来るじゃありませんか。三大臣のキャラ立ち具合は、そもそも造形が実に高レベルなところへもってきて、俳優・声優さんやスーアクさんのいい仕事っぷりで、回を追うごとに魅力が増して来てます。大御所然としてどこか浮き世離れヌケてる害地大臣ヨゴシュタイン様と、現場叩き上げっぽくちょこまかしている害気大臣キタネイダス様紅一点にエロカッコオトナな愛嬌担当害水大臣ケガレシア様

なんとなく、キャラ棲み分け方が『超星艦隊セイザーXの宇宙海賊デスカル三将軍にも通じていますね。天然熱血怒りんぼ・火将軍ブレアードオトナでドSな小悪魔・水将軍アクアルナルな発明オタク・風将軍サイクリさん…じゃなくてサイクリード。アイツらもキュートな連中で、結局いろいろあってセイザー側と歩み寄って、三人誰も倒されることなく最終話で揃って宇宙に帰って行ったっけ。ブレアード様なんかは味方側キャラ以上の人気者になって、温泉浸かって納豆ご飯食べたりしてた。

我らが(←いつの間に)三大臣は“大臣”てくらいだから、上層部に大統領とか、総統とか、さもなきゃ帝王とか皇帝とかがいて、後半やおら画面に登場してくるんでしょうね。意外とトップと合わなくて“加藤の乱”みたいな単独行動起こしたり寝返ったりするヤツも出たりして。“まだ体勢決してないのに乾杯(中身が飲尿療法みたいな色)→酒盛り”は、上層部が出てきても続けてほしいな。

それにしてもアンテナ蛮機の「♪見つかっちゃって~困るの~」は小さいお友達に理解できたのだろうか。マスプロアンテナの例の金字塔的なお色気CM、まだ流れている地域はあるらしいですが。先週GP10のミラー蛮機がビックリウムガス欠になったときの「ちょっと…ヘン…リーミラー北回帰線…」なんかも爆笑したな。お子様がお父さんに「ねーどういう意味?」と訊いて、日曜朝から親子・家族の会話密接化という狙いか。大人のスタッフが「お子様でもこれくらいはいけるだろう」「じゃあコレもいけるんじゃないか」と楽しんで脚本作ってそう。

“テレビから催眠電波を放送してゴーオンジャーには使命を忘れさせ、一般人には環境汚染行動を取らせる”というガイアークの作戦。レッド走輔(古原靖久さん)にはモナコGP出場、イエロー早輝(逢沢りなさん)はコンテスト優勝で人気アイドル、ブルー連(片岡信和さん)はクイズ王、グリーン範人(碓井将大さん)は大富豪の孫と、日頃のそれぞれの「こうなれたらいいな」願望をお誂え向きにTVから「叶ったよ」と提示されれば一も二もなく盲信して乗っかってしまう、という展開がなかなかブラックで、子供番組の域を越えた知的なお話になりました。

人間って、自分に不利なことや痛いことはいくら真実でも信じず目を背けようとするけど、うまい話や耳に心地よいことは、そんなに巧妙でもない、低レベルなウソでも、それこそ信じられないくらい簡単に信じてしまうもの。

排煙や家庭ゴミ不法投棄といった反エコ習慣・行動にしても、“人間はエコが本能ではない、ともすればちきゅうにやさしくない方向にどんどん堕したい生き物なんだ”という本質的指摘を含んでいる。

ブラックといえば軍平(海老澤健次さん)だけを、“TVを盲信した人々から被害をこうむる側”においたのもプロットとして実に斬新TVが映し出しコイツが悪だよと喧伝する“容疑者”に、「テレビで言ってたぞ、オマエは死刑だ!」と大挙してつかみかかる警官隊、街頭TVに「死刑死刑!」と野次る群衆、という描写は、先日の光市母子殺人事件差し戻し審判決の直後だけに、怖れず画面に乗せた制作陣の勇気侠気を感じました。

月河がグッと来たのは、アンテナ蛮機が軍平の「ブザマな姿を世界中にナマ中継してやる」とウガッツ使ってカメラ回して、洗脳された走輔たちもそれぞれの場所でその映像を見ているにもかかわらず、変身解除されてひとりで攻撃を食らいながら、仲間を信じて必死に大見得を切っている軍平が、“ナマ中継を利用して訴えてやろう”という意識をまったく持っていなかったところ。軍平がカメラ目線で「見てるかー走輔、早輝…聞こえてるかー連、範人!」ってやっちゃったら、意味が全然違ってくるのです。

誰も見ていないかもしれない、振り向かないかもしれない、それでも叫ぶ、訴える。この愚直さこそがガイアークの“電波洗脳作戦”への最終兵器だった。ヘンな言い方だけど、TV局・TVのプロさんたちが作ったとは思えない、実にナイス着地。

“カメラの回っていない、台本もQシートもないところにこそ日々真実がある”って、TV屋さんたちもわかっているんでしょうね。TVは真実の一部を切り取って提示するだけなんだと。

警官隊をなぎ倒して逃れるとき軍平「…すまない」も元・警察官らしくてなにげなく良かった。ゴーオンジャーズ、ヒーローだけど軍平と、いつもバイト上等の範人を筆頭に“市民感覚”をしっかり持っているのが気持ちいいですね。

軍平役・海老澤さんには『ゴーオンジャー』終わったら刑事ものドラマのオファーが山のように来るだろうなぁ。ご本人・事務所的には刑事のイメージが固定するのはちょっと避けたいかな。『富豪刑事』に『特捜戦隊デカレンジャー』のレッド・載寧龍二さんが出たような、あれくらい違った地合いの作品と役なら、むしろ積極的に見たいですけどね。

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吸う気にもなれず

2008-04-24 18:31:34 | アニメ・コミック・ゲーム

総合病院の、通院部門を“外来(がいらい)”と呼ぶの、だいぶ前から思っていたんですが失礼じゃないですかね。

いや、失礼とは言わないまでも、あまりにも愛想がないというか。病院としては、入院して院内に寝泊りしている(させられている)患者に対して、まさに院の“外から来る”患者という概念で、何の気なしに呼びならわしているんでしょうけど、なんだか最近悪評嘖嘖たる“こーきこーれーしゃ医療制度”みたい。

”で働いたり通学したりそれなりに生きている人が病院へ“”るのは、診察であれ検査であれ救急であれ、ご家族の付き添いや介助であれ、“まかり間違っても好きこのんで、来たくて来たくて喜び勇んで来るわけじゃない”“苦痛に耐えかねて不承不承仕方なく、武運つたなく無念の涙をのんで(大袈裟か)来ているのである”ってことへの配慮と思いやりが、微塵も感じられない事務的な言葉だなあと思うわけです、“外来”

各地の、特に公立病院や大学病院で、いつまでたっても“待ち時間のいつ果てるともない長さ”や“医師以下、看護師や事務方の無愛想不親切スパイラル”に関する不満苦情が絶えないのも、“外から来る患者だからガイライ”という、味も素っ気もない思考が根底にあるからじゃないでしょうか。

“外”と“内”という区分は、主体をどこに置くかで決まってくる。この場合、病院側の人間が、自分らが居て組織して衣食のタネにしているテリトリーを最初から“ウチ”と決めてかかって胡坐かいて微動だにしない姿勢が、コロモの下のヨロイの様にちらつくから、患者としては常にではないけど随所で「…あれ?」「おい!」という気分にさせられるのだと思う。

お医者さん看護師さんスタッフの皆さんにとっては、当該病院も医療界全体も、このご時勢に少なくとも薄給ではない給料がもらえ、ボーナス諸手当もそれなりにもらえ、最新知識を摂取し職場ロマンスのきっかけもあり、ご家族ぐるみの福利厚生優待もあり、勝手知ったる居心地良い場所に違いない。しかし“外”から“来”る患者にとっては、“こんな所にこんなに時間を割いて、交通費もつかって来ないですめばどんなにいいだろう”と恨めしい、いまいましい場所なのです。

もう10年以上前ですが、久米宏さんの『ニュースステーション』で、多胎妊娠だか異常分娩だか、とにかく産婦人科医学分野の話題を専門家をゲストにフリップ図解しながら解説した日があって、「久米さんは再三、膣口のことを“口”“口”と言及されていたけど、あれは“口”です」と、特に既婚女性視聴者から抗議と訂正要求の電話が殺到した…なんて話もありました。

まぁそんなことはどうでもいいけど、どうなんだろう。“外来”じゃなく“在宅”患者じゃいけないのかな。なんか、“世の中はオレたち私たち医療界を中心に回ってる”みたいな、天動説的な思考をやめて、“病院にも医療にも縁なくそれぞれの家族とともに職業や趣味や生活を全うするのがいちばん幸せであって、来院する人は来院の時点でもれなくなんらかの敗北感と不幸感を背負って来るのだ”という、患者の身になった惻隠の情が全面にあふれた呼び方を考えてもらいたいと、切に願うものです。

そう言えば、昔、谷村新司さんたちアリスが歌っていた『狂った果実』の2番の歌詞♪ ポケットで折れていたハイライト が、何度聞いても 保健所(ほけんじょ)で漏れていた外来の に聞こえた時期がありました。てっきりその、クチで…えっと何だ、オーラル行為の結果、性感染症に罹っていろいろあせった、みたいな、陰惨ポルノチックなストーリーの歌詞だとばかり脳内翻訳。……この話、前にもここで書いたかな。

さて『花衣夢衣』は第19話。一昨日の17話でいより(田岡美也子さん)が澪(尾崎由衣さん)に将士(眞島秀和さん)の写真(←コレ女の子がいきなり見たら引くだろってぐらい首上だけド正面の、証明写真拡大モノクロ版というか、“生前笑顔の少なかった人の遺影”みたいのが、表紙開いたらドーンとこっちを細目で睨んでるという。気の弱い子なら泣くかも)を見せて「年はあなたより三つ上の23歳」と言うのを聞いてちょっとびっくり。眞島さん(実年齢31歳)の将士、267にはなってそうなたたずまいに見えたもので。

真帆(尾崎亜衣さん)の求婚固辞の理由をなんらか察してやれないところ、もう一度会ってくれと「凍え死んでやる」脅迫まがいに雪の河畔で立ちんぼしたりする弁えのなさなどは、確かに“若さゆえ”と絵解きするのがいちばんシンプルだったのでしょうが、眞島さん持ち前の考え深げで悲愴な空気感のせいもあり、どうも“ガラに似合わず”感がここまでのところ強かった。そうか23歳だったのか。

『仮面ライダーキバ』の世界観で言えば、1986年時制の紅音也(武田航平さん)と同い年です。あーーそりゃ女に惚れたら無鉄砲だわ。空気読めないわ。なんだ、こう考えるとやけに腑に落ちるな。

設定の昭和28年に23歳なら、昭和4年か5年生まれ。月河の実家父や伯叔父たちとほぼ同世代で、兵役召集には若年過ぎひっかからなかったものの、10代半ばからの中等教育以降は戦争でいちばん混乱直撃された世代です。呉服屋のせがれ、しかも長兄は早世(戦死?)したらしくもあり、将士は最終学歴どのへんまで行けたのだろうか。大学は志望したのだろうか。入学して全うできたのだろうか。この年代、特に男性は、多かれ少なかれ高等教育に関して「もっとやりたかった」「世が世ならやれたのに」という残念感、不完全燃焼感を引きずって大人になった人が多い。

戦後の荒廃→がむしゃら復興期に嫁取り好適年代を迎え、いちばん浮わつきたかった青春期の盛りを“意に反して無駄にされた、もったいなかった”無念がやはり影を落としたはずです。「せめて結婚ぐらいは、親や世間の言うなりではなく、自分が心から好きになった人としたい」という気持ちは強かったのではないかな。

今日19話では、先頭に立って将士と澪をくっつけようとしていたいよりが、澪母=和美(萩尾みどりさん)の身上を「旦那さんが亡くなる前から画商と通じていてメカケになった女」と調べ上げ、「金沢で修業している双子のお姉さんも男に狂って大変だったらしい」「あーあ失敗したよ」とこれまたずかずかと破談に。

「真帆、キミはなぜボクの愛を拒んだ?いつか後悔させてやる」と陰にこもってた将士、これを聞いて「真帆さんは自分の母親のそういうふしだらを恥じて拒んだのか、そうだったのか納得」ぐらい想像できないかな(違うけど)。

先立って、澪との見合いの後、真帆(尾崎亜衣さん)の本心を尋ねに金沢の工房に押しかけた将士、いっそ玄関先で止めに出た安藤(長谷川朝晴さん)が将士の粘着嘆願一部始終を聞いて「沢木は子供が産めないカラダなんだぞ!だからキサマと別れる決心をしたんだ、ガタガタ言うなおととい来やがれ!」って言っちゃえばよかったのに。真帆がいちばん傷に思う“子供が産めない身体(しかも原因はレイプ妊娠中絶)”、心ある人はクチにのぼせず、彼女に良かれと思って胸にしまっておく。心なく悪意ある伯母なんかは他人の前でもびゃーびゃー暴露しちゃう。

心やさしく思いやりある人が、自分さえ良ければいい人、自分に都合よくない相手は恨む憎むキレる、エゴい人の被害者になるという皮肉な図式が続いています。

それにしても解せないのは呉服屋女主人いよりの狭量。せっかく澪の仕立て仕事ぶりから誠実さや裏表のなさを汲み取ったのに、“母親がメカケ”だけで破談とは。

女性の色気や虚栄心を煽ってなんぼの呉服店なら、そういう立場の女性も少なからず顧客にいるはず。いより自身は戦災死した夫に代わって2人の息子(うち1人は病弱)を育てつつ商売を建て直してきた根性の女ですから、世間で言う“妾”=金満男に囲われの女とは思想が相容れないには違いない。しかし“前近代の残滓濃厚な敗戦国日本で、女が生きて行く身過ぎ世過ぎの様々な有り様”にいちばん理解があるべき稼業のはずです。

顧客の中でも堅気の商家や、勤め人の夫人・子女なら“水商売やお妾衆が贔屓にする店”で着物を買うのを嫌がるかもしれない。しかし呉服商売って店頭にお客さんを雑多に来店させて買わせるものじゃなく、似合いの色柄や価格帯の商品を見立てて持参訪問する言わば“外商”がメインじゃないのかな。あちらの奥方にはいつ何日頃コレを、あすこの小唄師匠には旦那が泊まって御手当くれた後のいつ頃コレを、みたいな仕切りは、やり手女主人ならお手のものだろうに。

ま、金ずくの商売と、息子の嫁選びは別だってことかな。娘は娘時代にはひとりの娘でも、人の妻となり子の親となり中年になる頃には、いつの間にか“自身の母親が子の親となった頃”に似るもの。将士と結婚するのは真帆でも澪でも前途多難そうです。

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