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イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

グズ、早くしろ、ヘタクソ

2008-04-20 00:31:25 | アニメ・コミック・ゲーム

昨日(18日)の午後、出先で、別に「ウチで留守録中の『花衣夢衣』はもう録れたかな?ミスないかな?」と考えながら歩いていたわけではないのにもかかわらず、いつもの外回りコースと違うバス通りで“京呉服 よねや”の看板のお店を見つけました。“や”を漢字の屋にしたら、将士(眞島秀和さん)の実家・羽嶋家と同じ。お寿司屋さんの幸寿司、福寿司と一緒で、呉服屋さんにはよくある屋号なのかしら。思わず15話終わりの澪(尾崎由衣さん)のように、“中にはどんな人が?”みたいな姿勢で覗き込んじゃいました。

同じような状況で、“ドラマと同じ名前のお店”に行きあったとして、呉服じゃなく洋服・洋品やアクセの店だったら、十中八九覗くだけじゃなく店内入って見てましたね。あまつさえノリで何か買ったかも。高額かつ“見ても良さがわからない”ジャンルの代表=呉服のお店でよかった、のかな。

帰って勇んで見たその『花衣~』第15話、途中CMを挟んでの後半は、傷物の心身ゆえ将士への恋心を断とうとする真帆(尾崎亜衣さん)と、玉の輿の縁談に姉への遠慮で動揺している澪との、探り入れたり抱いたりさすったりの綱引き合いオンリーで焦れったいだけでしたが、前半、真帆と生き写しの澪を初めて目の前にして、一瞬戸惑う安藤(長谷川朝晴さん)の表情がとても良かった。

安藤は真帆をひそかに想っていますが、自分が友禅職人としてまだひとり立ちできていないことと、真帆がそれに輪をかけて発展途上で、才能はあるけど男からコナかければ動揺挫折してしまうのが一目瞭然、同じ友禅の道に精進する先輩として、志高く見込みある若い者を潰したくないのとで、感情に封印かけています。友禅という至高の技芸を目指す地平においては、安藤の中で男も女もないわけ。ここがまずカッコいい。

そこへ3年前「姉の真帆を弟子にとってやって下さい」と師に泣いて頼んだという妹が訪ねて来た。想う真帆と、顔かたち外見は瓜二つです。入室したとき一瞬「…え?あれ?」の表情、でも安藤にとってはあくまで“真帆を強引に弟子入りさせて、出会うきっかけを作ってくれた人”。当然と言えば当然ですが、想ってもかなわない(と彼は決めている)真帆と、顔が同じ澪を見ても、彼の想いも決意も微塵も揺らぎません。ここでさらにカッコいい。

私見ですが、異性に好意をもつ時「好みの芸能人や売れっ子アイドルに似ている」「元彼・元カノや初恋の人に目元クチモトがそっくり」なんてのを手がかりにする人は、惚れ方も人間性も浅い気がする。

“想う相手と顔だけそっくり”な人と相対した男のリアクションって、安藤のような対応こそノーマルで正当だと思う。実は澪の見合い話の相手は誰あろう真帆に一目惚れの将士その人で、口外できない事件の傷ゆえに真帆に断られた将士が、真帆と顔だけは同じ澪と引きあわされて、真意と誠意が問われる今後のお話になるのですが、昨日15話の段階で安藤が“言葉に出さない誠意と忠実さ”を真帆・澪、両方顔を揃えた場面でちゃんと示していることが興味深い。安藤、ポイント先取です。

このドラマ、真帆と澪の双子姉妹の運命の絡み合いと見せて、さりげなく将士と安藤、個性も境遇も違うふたりの男性のバトルの側面も持っているのではないでしょうか。とかく女のバトルになりがちな昼ドラだけれど、昭和風味“和”ワールドに生きる男2人のせめぎ合い、『仮面ライダー』『スーパー戦隊シリーズ』でおなじみ“カッコいい男同士の対決もの”愛好者の月河としては、これまた大歓迎です。

もちろん、この場合、変身しなくても許す(当たり前だ)。

「身を引くことで示せる愛もあるんですね」「私も、愛する人の幸せが自分の幸せだと思えるようになりたい」と真帆が言ったときの安藤のなんとも言い難い表情。将士を思い切ることでいっぱいいっぱいの真帆には察してやれと言っても無理かもしれませんが、恋愛感情というのは視野狭窄なので、しばしばおもしろいくらいきれいにすれ違う。

一方、縁談について真帆に遠慮しながら、相談しようかしまいか迷いつつ金沢に訪ねてきた澪は、初対面で安藤を「親切だけれど、すべてを見透かされているみたい」と看破しました。不幸な傷を負った姉もどうにかして女の幸せを掴んでほしい…と願っている澪には、姉の身近で、厳しくも温かく見守ってくれているらしい若い男性の気持ちが直感できるのでしょう。CM明け真帆の部屋で「ねえ、さっきの人…」と、安藤の印象を姉に切り出す口調は、双子姉妹ということを抜きにした若い娘さん同士の会話なら、暗に「お似合いよ?候補に入れてみない?」を促す甘酸っぱいニュアンスでした。

澪にわかることが、真帆にわからない。真帆が痛感することでも、澪にとっては想像するだけ。「真帆はもうひとりの私」「澪はもうひとりの私」と、事あるごとに2人で確認し合っているうちは、双子独特の濃い結びつきもそれなりのものですが、逆にすれ違い、離反することでより強く鮮烈に浮かび上がり、むしろ離れたいのに互いを縛るようになる。むしろこうなってからのほうが“双子もの”物語の真骨頂でしょう。物語を動かす種は順当に蒔かれつつあります。

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andターン andリバース

2008-04-19 00:35:20 | アニメ・コミック・ゲーム

『爆笑オンエアバトル』172440~)、新年度3週目の回を録画視聴。

初見ではうわぁ…と思った金ピカ王朝風・多色イルミネ使いのステージセットも少し見慣れてはきました。

計量前の新MC小松宏司アナ「楽しく笑って厳しくジャッジする『爆笑オンエアバトル』」。このマクラは実にNHKらしい。

前年度4勝め以来、一気にチャンピオン大会狙って来るかな?の期待もあったノンスモーキンが、2489kbと高評価だったわりには内容はちょっと薄味だった。「レッツ!」「追試!」のあとたたみかけるように盛り上がるかなと思ったけど、菊池の“受験生徒ひとりなのに後ろにひとクラスいるつもり”を引っ張り過ぎた感も。

菊池の白シャツ見て思ったんですが、やはり上着の下、胸にデカデカと“”と大書したシャツを着てきて、中尾生徒が「あれ?数学の中村先生は?」に「見ろ、私だってコレだ」と上前を開き「書いとかなきゃわかんないってどんだけ存在感薄い教師だよ」ぐらいの出インパクトがほしかったですね。

しかも“教”のツクリの“孝”がさりげなく“考”になってて、中尾生徒「しかもあからさまに誤字って」菊池教師「よし!そこに気がついたら追試、現国は免除だ」生徒「小5の漢字っすよ、それに数学の追試だし」みたいなね。

彼らの可笑しさってしゃべくりメインではなく、アンジャッシュのようなシチュエーション重点でもなく、豊富な持ちギャグで連打連打が売りのタイプでもないので、やはり強烈なキャラを冒頭にドンと出して欲しい。また、どんなキャラ設定にしてもそれなりに塗って来れる“地”の透明感、白地感が魅力でもあると思うので。このネタ、この演りで489kb取れるということ自体、好悪が大分かれせず、オンバトの客に総じて歓迎されている証拠。これは諸刃の剣ですが、七:三で有利です。

いつもの感じで安定していたラバーガール3457kb。「冷蔵庫ん中見て来るわ」「冷蔵庫には誰もいないと思うよ」からどんどんトンデモ振幅が大きくなる作りはもう堂に入ってますな。

毎オンエア感心するのは、大水の非常識ボケがどれだけエスカレートして行っても、飛永のツッコミが一定以上高テンションにならず、絶対“アタフタ”“激怒”“キレ”モードにならないこと。これが大水の“ボケてもボケても一貫して両棲類顔”以上に、彼らのコントの品質を保証している。

一方、ツッコミがアタフタしてキレる芸風の代表・ランチランチ4393kbは、営業マンネタ途中で海野が「先輩と上司」と言い間違えなかったらもう少し玉入ったかな。あまり変わらなかった気もするな。

部長刑事張り込みネタで藤崎の“ヘラってるほうが部下”はもう見ているので、「はいっおはよー、じゃねさっそくね…」と偉そう芝居が始まった段階で速攻読めてしまう。また、「ほらほら来る、例のアレ、来た!」とおなじみお約束感を楽しめるような類いのネタでもない

今回は、2連敗から一気の1493kb LLRと、同じく3回目の挑戦で初オンエア5385kbぼれろ、新顔2組が新鮮でした。15位、108kbというほどの差は実質無かったと思う。LLRはやはりここまで未オンエアの緊張のせいかちょっとつかみから駅伝話に入るつなぎや細かいところがギクシャク固かったし、ぼれろは逆に上っ滑り空回りしかけたところもあったけど、両者よく踏ん張った。3度目の正直、是非オンエアされたいとかなり練習を積んで来たことが窺え好感が持てました。

LLRの冒頭、伊藤の10人兄弟話は、もし使ったとしたらヒカリゴケ6365kbオフエア)の叔父甥話からだいぶパイを切り取ったんじゃないかな。コンビ名が、90年代に『Bye』『Day by Day』などを歌っていた黒沢兄弟らのユニットLRを思い出させますが、ぼれろ共々、最近の若手くんたちはネタ中で積極的に歌うなあ。

新年度第一週は気がつかなかったのですが、冒頭のアナウンス「ボールを入れる基準は…」が「…この笑いを、全国に届けたいか否か」から「ネタがおもしろいか否か」に変わっていました。意味としては一緒なんでしょうけど、微妙にもったいない。何と言うか、番組のスピリット継承に悖るような気がするのです。

少なくとも01年に月河が審査員一度だけやった頃は、お笑い好き素人の集まりと言えども“使命感”“責任感”のような空気は客席にありました。自分がこの玉一個入れるか入れないかで、おもしろい芸人おもしろいネタが全国の視聴者にご披露できずに終わったり、逆につまらないネタが放送に乗ってしまったりするかもしれない。新アナウンス文言通り「自分が笑えれば入れる」「オレは、ワタシはつまらなかったから入れない」というスタンスは、お笑い観客たるもの結局はそれでいいのですが、それじゃ玉入れる/入れないが審査を伴わない一般の公開番組の、拍手や歓声やブーイングと一緒の意味になってしまう。

さりげないけど“ネタ”って言葉をNHKも当たり前のように使うようになった、これも大袈裟に言えば隔世の感あり。

ハマカーンのオチ前スタッフミス暗転で棄権という、いかにも年度替り担当替え直後らしいアタフタ感あふれるアクシデントも今週はありましたが、びっくりしたのは本編後の“オンバトヒーローズ”コーナーに登場したダンディ坂野

04年ぐらいからのピン芸ブームを基準にすると“生まれてくるのが早過ぎた”ひとりかもしれないけど、おかげで波田陽区レイザーラモンHG風に“公開人体実験の如く衆人環視の中で磨耗し去った”イタさは免れた人でもあります。

それにしても白スーツで「ライドオン!ゲッツ!」しながらカメラの前に登場すると、怖ろしいばかりの“現役感希薄さ”。なんか、“かつてコメディアン(←‘ピン芸人’よりこちらのほうが似つかわしい人でもある)やってた洋菓子喫茶オーナーが昔を語る”みたいだった。出の「ゲッツ!」も、その昔を知らない若者たちにこんなんだったんだよとなぞって教えてるようなテンション。

「あなたにとってオンバトとは?」→「“現実”」「誰も落ち(オフエア)ようと思ってやってるわけではない」って、リアル過ぎ真っ当過ぎ。いっさいトークで笑い取る気もない様子。

リプレイされていた朱赤総ラメパンタロンスーツでのオンエア時は、227勝のうちいちばんブイブイ言わせてた頃というチョイスでしょうが、036月。余勢を駆って?『特捜戦隊デカレンジャー』でオズチュウ星人イーアルに扮したのが1年後の046月。そしていま、084月。そんなに昔のことではないんですけどね。まさに駆け抜けましたね。

「では、次回挑戦するのは、この10組です!」ってジャンクションしてくれてるのが、なんとも生木を剥がしたような距離感で少し物悲しかった。こうなると、逆に真っ白に燃え尽きて跡形もなくなるってのも、芸人としてひとつの幸福かもしれません(“逆に”って何だよ)。

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美しいものは美しい

2008-04-16 20:45:22 | アニメ・コミック・ゲーム

『花衣夢衣』14日(月)~の3週めから金沢篇に入って、それらしい家並みや雪景色などのロケシーンも増えてきました。

昼ドラで屋外ロケ、特に交通整理や多数の通行人エキストラが必要な街頭シーンは、全60余話を通じて数えるほどしかない作品もあります。もちろん製作費と撮影時間と撮影量との三つ巴バトルである昼帯ゆえの制約ですが、ある意味監督さんや編集スタッフの腕の見せどころなんですね。

たとえば資料などとしての有りモノ街頭映像を12秒マクラにしてから“ビルのエントランス”や“邸宅門扉”のセットでのシーンにつなぐと、俳優さんやカメラ録音機材をいっさい“外”にお運びすることなく、スタジオに居っきりで結構な“街頭感”を映像に盛り込むことができる。

その意味では今作、東海テレビ開局50周年記念ドラマにふさわしく、資金やハード面はかなり通常作より潤沢に投入しているなということはすでに画面から窺い知れます。

ただ、「そんなところにおカネ使ってもらっても…」といまいち“有難み”が薄いことも否めません。

月河が日舞や茶の湯や華道書道などの“和”方面の造詣に乏しいので、“和だから高級”“和だからセレブ”“和だから色気がある、情感に富む”といった、“和だからこそ”をプラスに評価する感覚の回路を持っていないせいもある。幼い頃から着物を着るお母さんやお祖母ちゃんが身近にいて、着物にあこがれて育ち、呉服や畳紙の匂いがしただけで胸がときめく…といった女性視聴者なら、そこそこ素直に嬉しい絵柄に仕上がっているドラマかもしれません。

逆にそういう人は、真帆や和美(萩尾みどりさん)らが劇中で着る着物の製品レベルや着付けセンスのアラが見えてあまり楽しめないかな。

こちらはとにかく、和だろうと洋だろうと中華だろうと(←またトータルテンボスか)“人物の情念のぶつかり合いで衝き動かされるダイナミックな物語”をひたすら期待しているので、13日(火)放送の第12話での真帆(尾崎亜衣さん)と将士(眞島秀和さん)との路上遭遇はちょっと説得力が薄い感もありました。

身ひとつで加賀友禅作家である伯父(仮面ライダーぶいすりゃー宮内洋さん)に弟子入りして3年修業ひとすじ、「アンタは姪でも従妹でもない、お弟子さんなんよ」「和美さん(萩尾みどりさん)も生活に困って、真帆をうちに寄越したんやわ」と冷たい伯母に女中仕事まで課される日々の真帆は、米兵レイプの一件以来異性との接触をことさら避けてきたふしも窺えるので、免疫がないゆえに東京から来た垢抜けた御曹司に、迷惑がり戸惑いつつも心が揺れ動いて…というのは結構ありそう。ここまではいい。

昭和28年、戦後の窮乏から復旧しつつある東京から、加賀友禅の仕入れに来た老舗呉服店総領(長兄は戦死?早世して繰り上がり跡取りらしい)、もちろん商用と見学がメインでしょうが、“女主人としてうるさい母の目のとどかない地方でちょっと羽根伸ばしたい”気持ち含みの金沢出張だったはず。旅がもたらすハイテンションは夜目遠目傘の内とは言え、地味で野暮ったく色気封印な真帆に、あっさり目がハートになるかな。

やはり路上でぶつかったときに真帆が取り落として、拾ってあげた白生地の「シボのないなめらかな手触り」に、まず着物・織物のプロとしての“触覚”がラブモードになり、それを大切に抱えていて「少しでも汚れたら使いものにならないんです、気をつけてください(プンプン)」とマジおかんむりな真帆に“これだけの素晴らしい生地の価値を愛しめる感性のひとなら、どんなにセンスある、情こまやかなイイ女だろう”と転移した、というのが正直なところなのでは。

今日(16日)放送の13話では、「とにかくこの店を切り盛りしていけるしっかりしたお嫁さんを早く」と母(田岡美也子さん)からの見合い攻勢で“いい家のご令嬢”に飽き飽きしている描写もあり、偶然出会ったお地味な真帆の“友禅作りで頭がいっぱい、結婚も色恋も念頭にない”雰囲気が新鮮に感じられたのかも。

眞島さん扮する将士、そういう“運命的一目惚れ”の説得力にちょっと欠ける。将士は軽く軟派寄りで、東京人の商家倅らしく、玄人女相手ならば遊び慣れてますよという雰囲気や、おとぼけ浮わっついた調子もあっていいキャラだと思うのに、眞島さんがどちらかと言うととことんシリアス・もの悲しさを背負った役を得意としている、そのギャップも影響しているかもしれない。「ボクとは二度と会いたくないですか?」とテンパった告白の最中に「あ!時計忘れてきちゃった!オヤジの形見なのに!」とズッコケて真帆が思わず噴き出すくだりはいかにもムリヤリでいただけなかった。ボケても可笑しくないし、取ってつけたみたいに笑うほうもどうかしてるだろうと。

主役ふたりのいまいちっぷりに比べて、真帆の従姉に当たる友禅家娘の淳子(民部洋子さん)のわかりやすい意地悪さは実にいいですな。安心して見ていられる。

昨日12話で着ていた、カットワークレースの飾り衿が中原淳一スタイルブック風。加賀友禅の家のひとり娘なのに洋服ばっかり、という時点で“人生に何の目標も持たない、頃合いみてそこそこの嫁入りする以外親から期待もされてない、ヒマもてあましたプー娘”感ありあり。真帆の兄弟子で色入れ担当の安藤(長谷川朝晴さん)にラブだけど振り向いてもらえない…という状況のようですが、一応当時としては恵まれた境遇のお嬢さんなのにビタ一文幸せそうに見えず、羨ましくも思えない感じがよく出ている。

演じる民部さん、他局のドラマで拝見したことあるようなないようなですが、劇中で“この人物を快からず、敵意を持っている”って設定与えられると役者さん、俄然精彩を増しますね。真帆も澪(尾崎由衣さん)も、和美なり万平(斉木しげるさん)なりに噛みつくシーンはやたら元気がよく声も出ていたもの。

将士の病弱な弟・祐輔に『仮面ライダー555の善良一般人代表・溝呂木賢さん。この枠では『新・風のロンド』のヴァイオリニスト以来2年ぶりで、役に合わせて?減量して頬もコケさせ青白めのメイクでの登場ですが、真帆&澪ヒロイン姉妹の相手役には、むしろこちらのほうがお似合いの年格好。ちょっとボケたりズッコケたりの芝居も『555』以来得意そうで、心臓を患って寝たり起きたり動きの少なそうな役どころはもったいなかったかな。

まぁキャスティングは決まってしまったことなんで、“コノ人じゃなくアノ人だったら…”なんて無駄な妄想してもしょうがない。現行キャストでどれだけ見せてくれるかです。

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ラブコメかっ!

2008-04-15 19:59:17 | アニメ・コミック・ゲーム

昨日(14日)夜は月曜日。『くりぃむナントカ』がゴールデン進出(23日~らしい)で空いたスペース(テレ朝系2315~)に開店したのが『お試しかっ!』なんですね。タカアンドトシがメインで、いろんなことを“もしも~~だったら”と“お試し”してみる、というフォーマットの番組らしい。

開始17分ぐらいから出会いがしら視聴。お笑いブーム去りし後に生き残った数少ない組の中では、タカトシに結構、シンパシーあるんだな月河。やっぱりご当地パワーかな。土日、それも昼しかTV見られないような時期がちょっと続いても、マルちゃん焼きそば弁当おかか味と、鈴木商会のCMだけは目にするしな。

“もしも相方が○○になったら?”トシは南海キャンディーズしずちゃん、タカは小島よしおと急造コンビ。この相方決めの部分を見逃したんだな。何がどうなってこういうコンビになったんだか。とにかくネタ打ち制限時間、設定1時間。

わかってないようでちゃんとわかってるしずちゃん相手に「女優か!」「乳頭か!」を節目~オチに使って無難にまとめたトシコンビに比べて、ネタ打ち段階では「ツッコミで入ったほうがボケに回り、ボケだったほうがツッコむ」みたいな高等戦術を高らかにうたいあげていたタカコンビは本番絵に描いたようなダダすべり。

でもTV的見ものとしちゃタカ&小島のほうが笑かしてくれましたね。原稿用紙まで出して放送作家並みのノリでネタ書き込んだ打ち合わせの段階では、小島がTシャツ短パンで着衣。それが本番行っていつもの全裸ブリーフじゃ、観客が“おっぱっぴー待ち”モードになっちゃうのも無理ないですわねぇ。

「ピンじゃ、売れても不安。がっちりツッコんでくれる相方がほしい」と小島に言わせ、「任せてよ、13年漫才ばっかりやってきたんだから」とタカ。おい13年かい!でもオマエボケだったじゃん!と、これだけで、タカアンドトシのブレイク前を知る者には爆笑です。

タカ「オマエなんだいつまでもそんなカッコウで!服を着ろ服を!」と最後のほうは、“キレついでに脱いじゃったカンニング竹山”みたいだった。んでまた、一応筋肉締まってるのが売りの小島が穿くとメタボリック・タカの短パンブカブカズルズルなんだな。いちいち爆笑。

M1チャンピオンOBということで、楽屋ネタ打ちモニターだけブラックマヨネーズがコメンテーターとして出演。これは意味がわからないしもったいなかった。『くりぃむナントカ』からの、言わば残業と取られても仕方がない。ふだん視聴者・観客の目に触れない“ネタ打ち”にどれだけ可笑しさがあるかは年末年始の『ドリームマッチ』で一般的に立証済みなので、お笑いの楽屋裏を商品化するならもう少しハラくくってほしいところ。

それにしても、073月に『爆笑オンエアバトル』3連覇成らずで“野に放たれた”タカアンドトシにとっては、“ガチ漫才ネタ披露できないフィールド”(←ヒナ段馴れ合いトークやバラエティ賑やかし役)でも、“まるっきし使えないわけじゃない”をどうにかプレゼンして“ギリ踏ん張った”1年間だったような気がします。

踏ん張るについてどれだけプレッシャーかかったかは、キレ脱ぎタカの“人間としてギリ”なカラダの輪郭線に見事に現われていましたね。頑張れタカ。2年後ぐらいに最愛のトシを“若くしてクモ膜下出血で相方を失って就職活動”なんて立場にしないであげてね。焼きそば弁当おかか味、醤油味、塩味、ぜんぶ買って食べてるからさ。おかげでこっちも軽くメタボ付き合ってあげてる(特に非高齢家族)からさ。

 彼らが1年間表舞台から忘れ去られず失墜せず“踏ん張り切れた”原因は、もちろん若手の中で数少ない“露骨関西吉本臭のなさ”もありますが、先輩や同僚に“あんまり嫌われ叩かれなかった”、つまりはオリエンタルラジオみたいなポッと出天狗っぽい、ブイブイ言わせてるっぽい空気を身に纏わなかったから、それに尽きると思うのです。

しかしこのことは、言い換えれば“「漫才うまい、できる」の評価のわりにはさほど誰からも興味持たれなかった”からとも言える。

テレビ朝日がくりぃむしちゅーの後を“お笑い技量のわりにあまり興味持たれてない”彼らに託したのは、ある意味チャレンジだし、タカトシ自身にとっては『黄金伝説』でのサバイバル披露もろもろは「この日のための長く辛い伏線だった!」ってぐらいのラストチャンスでしょう。

さまぁーずの「××かよ!?」にも対抗でき得る「××かっ!」というタイトリング語尾を持てただけでも一目(もく)もらい。4月スタート、9月まで、いや夏休みまでがヤマか。ご当地タレントくん、積極的に視聴しましょう。BBSにも書き込みましょう。

いやしかし、そんなにタカトシ好きだったかな月河。

『花衣夢衣』は第12話。金沢に友禅修業に出た真帆(尾崎亜衣さん)と運命の人・呉服店息子羽嶋将士(真嶋秀和さん)の出会い。路上でぶつかってドンピシャ「なんて感じ悪い、イヤな男(or女)だろう」→恋愛感情、ってそれベタなラブコメコミックじゃん。時代設定は昭和28年ですが、お話を前に進ませる方法論は、かなりバブル期です。

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ナウなヤング

2008-04-14 20:02:28 | アニメ・コミック・ゲーム

『炎神戦隊ゴーオンジャー』13日がGP9でした。同じスーパーヒーロー枠の『仮面ライダー』では「現場で78話を撮影している頃、第1話が放送される」と、スタッフさんのインタヴューで読んだことがあるので、1話を観ての視聴者の反応食い付きがスタッフキャストの耳に入ってきて、現場にフィードバック第一弾として反映されてくるのがまさに今頃ということになるのでしょう。戦隊は仮面ライダーより人工的な合成シーンが多いイメージがあるので、CGなどに回すタイムラグも考慮してもう少し先行して撮っているかもしれない。ジャンクワールド屋外シーンでは範人(碓井将大さん)の息がまだ白かった。

レンズ蛮機に瞬間移動させられてゴーオンジャーに変身できないという設定のもと、その範人と早輝(逢沢りなさん)が生身アクションでウガッツ相手に大活躍。ともに91年生まれで16歳の碓井さんと逢沢さん、闘うヒーロー&ヒロインとしては手足が長いほうではなく、格闘アクションに最適な体格とは言えませんが、ジャンクワールドの隠し工場の狭い空間限定という演出上のサポートがあったとは言え、身体の切れはなかなかです。特に碓井さん、手すりを平行棒にして身体を支えての両脚キックは吹き替え?と何度も巻き戻してみましたが、どう見てもノースタントらしいラッチ(←レンズ蛮機が伝染った)。

おふたりとも“変身できなくても強い!”と見えるように撮ってもらってるという快感にも後押しされて、リハーサルの倍以上身体が動いたのではないでしょうか。生身俳優さんたちがこれだけ動ければ、今後のエピソードでも、変身しないことを前提にいろんな脚本のバリエーションができそう。

いままでのエピソードで、こんなとき何やってんの?と思うこともあった早輝のクチ癖「スマイル、スマイル」も、ケーキ屋さんを目指して入門した製菓専門学校で味オンチと言われ中途挫折…など「こうなればいいな、と思ったことがたいていうまくいかない」というネガティヴ体験連続の裏返しだったんですね。一緒にジャンクワールドに飛ばされたのが、逆風のときほど「明日は明日の風が吹くさ」「なんとかなるよ!あきらめなければね」とポジティヴな範人で良かった。レギュラー5人の中でこの2人が“年少組”という設定も効きました。

チームヒーローである戦隊における、女性戦士のキャラづけって結構、難しい部分があると思います。月河が久しぶりに戦隊を復帰視聴した04『特捜戦隊デカレンジャー』ではイエローとピンクが女性、以後05『魔法戦隊マジレンジャー』06『轟轟戦隊ボウケンジャー』と女性2人体制は3年続きました。

『デカレン』塚田英明Pのインタビューだったと思いますが、「チームで女性メンバーを1人にすると、“女の子”的要素をすべて1人が背負わなければならない」という話があり、なるほどなと思った記憶も。

確かに『デカレン』ではデカピンクが、「ワタシがリーダーよ!」という上昇志向と「寿退職あこがれちゃう」というちゃっかり面、わかりやすい“女の子要素”を持ちつつ、デカイエローが“クールでミステリアスだけど悲しい過去も持ったミス・不思議”を表現してくれたため、ふたりともまったくバッティングせず、かつ埋没しなかった。

 『マジレン』は家族・きょうだい設定を存分に活かし、奔放で発展家で楽天的な姉マジピンク、家族思いで努力家で忍耐強いが本気で怒ると怖い妹マジブルー、しかもオクテの妹の方が言わば“居候”の先生・ヒカルと恋愛して先に結婚…と、“母性”“家政性”“妹属性”“色気”をうまく住み分けさせた。

『ボウケン』では、男女メンバーを通じていちばんシビアでプラウドなキャリア志向に設定されたピンクが、プロ意識から徐々にチーフにラブ、天然ちゃんのイエローが、兄ポジションをともすれば踏み越えそうになるブラックと“お守り”したりされたり、とこれまた初期設定キャラと相反する意外性を随所で使って渡り切った。

今期の我らが『ゴーオンジャー』イエロー早輝は、彼女たちに比べるとやはり塚田Pが『デカレン』の時点で危惧していた“男の中に女がひとり”の息苦しさからは自由になりきれていませんが、GP9まで見る限り、“料理好きで世話焼きの擬似お母さん”をブルー・蓮(片岡信和さん)が(たとえばバイトのほうに熱くなっちゃうなど)戦闘モティベーションがあやふやで危なっかしいけど、局面では意外に頑張り屋でムードメーカー”の“お転婆妹キャラ”をグリーン・範人が、それぞれ引き受けてくれているおかげでずいぶん荷が軽く、風通しよく、観やすくなっている。

今回見せた“スマイルアピールに秘めた寂しさ挫折感”“落ち込みやすさと立ち直りの早さ”“甘い物好き、作るのも好きだけど腕が伴わない”などは、“わかりやすい女の子っぽさ”の中でもいちばん、見てて疲れない、好感が持て反感を買わない要素だけエッセンスのように集めました。脚本としてはかなりのグッジョブです。

あとは演じる逢沢さんが早輝をどれだけ魅力的にプレゼンして、脚本演出をインスパイアできるかにかかっているとも言えます。

そして『ゴーオン』のもうひとつの楽しみは毎回の蛮機獣。レンズ蛮機くんも“マニアックな老写真屋さん”を思わせる風貌でなかなかキュートでしたよ。日本に写真機が入ってきた幕末~明治時代は「魂を吸われる」と怖れていた人も多かったようですが、「はいっバター」でシャッター切られると人間が消失、実はジャンクワールドに転送されていた、という設定は、当時の日本人の“魂吸われる”観と相通じるものがある。

レンズ蛮機くんがいきなりアナログカメラ前提の造形で、「~~ラッチ、パパラッチ」をクチ癖としながらも、携帯でデジタル写真秒殺撮られる時代の我々が“写真”に対して持つ悪いほうのイメージの代表=“覗き”“盗撮”“肖像権やプライバシーの侵害”といった要素を一個も持っていないのがおもしろかった。フィルム型のシッポで鞭打グルグル巻き攻撃なんて、アナログを通り越してアナクロで笑っちゃいました。

ショウキャク蛮機には煙突塞いで「お通じが…」、スプレー蛮機には噴霧レバー=アゴ粉砕、今回のレンズ蛮機には「カメラがいちばん苦手なのは…」「そうかよっしゃ!」→(太陽背にジャンプ)「逆光は苦手でショ?」と、ゴーオンジャー諸君、弱点をプラグマティックに、即物的に衝いて来ます。斬らば日は背に。ちょっと『眠狂四郎・悪女狩り』なんか思い出させます。

害気大臣キタネイダスの“ウガッツ補完計画”で光線?を当てられ原料スクラップにされかかった人たち、転送されたときの服装のまま顔と手・足元だけスクラップ、という描写も、始祖・石ノ森章太郎さんワールドでなかなかそそられました。本当に細かいところまで手を抜かない番組です。

毎回「あーおもしろかった、次が楽しみ」で30分を締めくくってくれて、一週間後にはその「楽しみ」に必ずこたえてくれる、日曜ごとの幸福な相互循環。TV番組はこうでなくっちゃね。

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