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イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

スクランブル態勢

2008-05-22 23:29:32 | アニメ・コミック・ゲーム

四川大地震被災地に、日本人医療チーム到着。人工透析用の機材や簡易手術装置・超音波診断装置なども持ち込んで、かなり高度なニーズにも対応できる装備とのことです。医師・看護師・薬剤師ら22人編成らしいですが、余震・ダム決壊など二次災害の危険もあり、感染症の拡大などリスクの予測もむずかしい現場を勇躍買って出る。日本にも志高く勇気あるお医者さんや医療技術者はまだまだいるんだ、と心強い…反面、「そんならなぜ当地郡部の地域拠点病院や自治体経営の病医院は、いつまでたっても慢性的に医師不足だ医師不足だ言ってるんだろう」と首を傾げたくもなります。

寝起きや食事、バストイレも思うにまかせないであろう海外辺境の被災地に乗り込む使命感と体力と医療の能力があるなら、頼むからウチの町立病院で半年でいいから診療してくれ、給料は倍はずむから、と訴えたい地方の人は少なくないと思う。

東京発の報道番組などでは夜間救急や小児科、産婦人科の医師が特に足りないことを再三強調して「夜中に赤ちゃんが熱出したらどうする」「安心して子供など産めない」と視聴者ひいては国民の不安を煽っていますが、何をいまさら。そんなのは地方では56年前にすでに通ってきた道。いまや小児科や産科に限らず、一般的な内科を筆頭に、外科も眼科も整形外科も、何科もカニカもぜんぶ、そこらじゅう医師不足です。

地方で拠点病院に医師が不在のため、地方在住者は否応なく大学医学部のあるような大都市の総合病院に押し寄せ、そのせいで都市部の病院、特に腰椎だの痛風だの“なんちゃらの専門医”が常駐する級の有名病院は月~金、朝から晩まで災害直後ぐらい患者が行列ぎゅう詰めです。

今般の日本医療隊、災害現場の最前線に赴く希望はかなわなかったものの、成都市の大学病院を“視察”し現地のスタッフから歓迎と激励を受けた、という報など聞くと、ようするに日本国内で、意欲と技量のある医療者を適切に“配分”する知恵が足りないだけじゃないのか?という気がしてきます。

人手が求められているところに、志ある人が、いないわけではないのになぜ投入されて行かないのか。その知恵は医科大学や大学院などの医療教育養成機関の担当なのか、地方・中央の行政がやるべきことなのか、よくわかりませんが。

『花衣夢衣』39話。東海昼ドラ名物・創作料理登場。今作は澪(吉田真由子さん)が真帆(吉田真希子さん)に作った、夫婦茶碗の破片入りオムレツでした。ガリッガリガリガリクソン(←意味無)。

嫉妬に狂った女が、裏切った男に出して「召し上がれ」がいままでの創作料理の基本(基本ちゅうのもなんだが)でしたが、今回の澪→真帆は嫉妬や嫉妬からくる憎しみというより、幼い頃から苦楽をともに育ってきた(と澪は思ってきた)姉に「私がこんなに悩んで傷ついているのに、なぜ察してくれないの」という訴え「姉さんとの絆より、いまの私にはもっと大切なもの(お腹の子、それによって回復するはずの家庭)があるのよ」との所信表明の様相も帯びているところが新しい。少女時代は、ひとりが危険やつらい目に遭いそうなときは、テレパシーのように離れていてももうひとりに伝わる…という場面も一度ならずあったのに、澪が将士(眞島秀和さん)と結婚し生活・関心の重心がふたり分かれてからは、きれいにテレパシー描写はなくなりましたから。

この場面に先んじて、澪が行き先も告げずに外泊してしまったために、イライラ将士が莉花(伊倉愛美さん)のために朝食にやっつけで焼いた失敗目玉焼きも登場。その頃澪がくだんのオムレツを真帆宅の台所で焼きながら「お父さんが生きていた頃は、卵は貴重品だったわね、万平おじさんが持って来てくれるたびに、私食べたくて食べたくて」と意味深に微笑むなど、“卵”というベーシックかつアットホームな食材を、心かよい合い物質的にも満ち足りる平和な家庭生活の象徴のように使った、なかなかワザありの今作の創作料理プレゼンでした。

02年の『真珠夫人』束子コロッケに始まって、いつの間にかこの枠の“伝統”“お約束”になってしまった仰天創作料理ですが、月河は毎作、さほど突飛ともネタ臭いとも思わずに視聴しているんです。なんだかんだ言っても“料理”は女性、特にビジネスや芸術などで自己を解放し評価されるすべを持たない専業主婦にとっての、ほとんど唯一の自己表現手段だということは否めない事実でしょう。財布ステーキや携帯ケーキを実際作る女性はさすがにいないと思いますが、ハラの立つ男に手料理を用意するとき、「辛子かワサビごっそり仕込んでギェー飛び上がらせてやっか」ぐらい一度は考えたことがある人は多いと思う。普通の女性の、普通の情動の延長線(長い延長線だが)上にちゃんとあるのです創作料理。

先鞭をつけたのはもちろん『真珠~』以下の脚本を書かれた中島丈博さんですが、女性の情念主導の物語である昼ドラに、まさにピンポイントなモチーフをうちたててくれたと思います。

もちろん、定まってコンセンサスを得た“お約束”を、以後、それこそどう“料理”するかは、後続作を製作する側のセンスと知恵にかかっていますが。

……澪が意味深スマイルでジュワー卵を溶いている場面で、脳内に連(片岡信和さん)が登場、「火が通り過ぎないうちに手早くかき混ぜるのがポイントっスよ」と声が聞こえてしまうのはもちろん『炎神戦隊ゴーオンジャー』の見すぎです。

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切るぞ、おやすみ

2008-05-20 19:18:16 | アニメ・コミック・ゲーム

『炎神戦隊ゴーオンジャー』GP1418730~)を通して見てもうひとつ、これ最高だなと思ったところがあります。

カマ蛮機をヒューマンワールドに差し向け、セイレーンの歌声よろしく、疲れた人間たちを仮想温泉に取り込んで抜けられなくさせ、骨抜きにしようというケガレシア様(及川奈央さん)の作戦を「なんだこのマヤカシは!だらしないー!!」一喝でふっ飛ばした謎の道場主・藤尾万旦(『555』ではスネークオルフェノク海堂の最初で最後の犠牲者となった町工場社長・永田耕一さん)の道場に、ケガレシア様がカマを伴って偵察に入るも、結局実質何の謎も秘伝もなかったというところ。

変身ヒーローものとして見れば、変身戦闘能力のない一般人である藤尾万旦に、一般人だからこその、体を苛めてつかんだ何かの奥義があって、それがガイアークの強力作戦を破るヒントになり、ゴーオンジャーたちも敬服して「オレたちも装備や武器だけに頼らないで、精神を忘れずにこれからも闘わなきゃな」「忘れがちなことを思い出させてくれて先生、ありがとうございました」で終わったほうが古典的で据わりがよさそうに思いますが、我らが『ゴーオン』、そんな陳腐な転結にしませんよ。

この藤尾先生「日常の中に極意あり!」「いっさいの楽しみを捨て去り、つらさや苦しみを喜びとする、強い心を育てる修業を授ける!」と謳いつつ、範人(碓井将大さん)たちに薪割りさせて自分はグースカ居眠りしているような、ただの標語倒れな迂回ドM?オヤジだったのでした。もちろん夜は夜でグースカ、ウサ耳つきピンクの着ぐるみナイティで眠ってるし。ドMというより微量変態かもしれない。

結局、ガイアーク体に戻ったケガレシア様のパンチ一発でノビてしまい、外でゴーオンとカマが駆け足戦闘やってる間じゅうノビていて、終わった頃に目が覚め、「冷奈さーーん!(←ケガ様人間体)」と飛んで戻って来た範人に踏んづけられてまたノビてる始末。どこが修業やねん。ゴーオンジャーが学んだのは、藤尾先生よりむしろ“どんな状況でも楽しんだ者勝ち”といういつもの範人の姿勢のほう(軍平だけは最後まで「オレはそんないい加減なの認めないぞ!」と言い張ってましたが)。

そもそもケガ様のカマ蛮機作戦自体、人間に“疲れた、怠けたい、のんびりしたい”という弱さがあることが前提になっていて、ほとんどそれだけにかかっているので、藤尾先生のような「つらさや苦痛を喜びとする!」てなヘソ曲がりドMな人間がいたら、変身装備なんかなくても「だらしないー!!」怒声一発で幻想温泉が崩壊する、脆弱と言えば脆弱な仕掛け。

もちろん冷奈さんと出会って心うきうきの範人のように「温泉で癒されるより、もっと楽しいこと見つけたんだ」でも崩壊。要は人間が元気で何につけ楽天的でさえあれば効かないという、他愛無い作戦だったのです。

逆に藤尾先生の提唱する「修業の最後は、滝に打たれるのだ!」を“これがワラワの作戦を破った秘密か”と勘違いしたケガ様の命令で滝修業させられたカマ蛮機が、根拠なく「雑念を捨て!…悟った!…ような気がするワ~」と本当にパワーアップしてしまうなど、敵もヒーロー側もすべて“気の持ちよう”で攻勢かけたり、劣勢になったり優勢になったりしているという爆笑ものの筋書き。それこそ『湯屋番』じゃないけど、古典落語にこういうのありませんでしたっけ。むしろ昔話の『裸の王様』と発想が近いかな。

GP11のアンテナ蛮機もそうでしたが、“邪悪方面に特化した機械文明”であるガイアークの作戦が、不思議に物的ハード的よりも、人間の心・精神のほうにターゲットを絞って攻撃を仕掛けるものが多いのも興味深い。今GPも、人間化したケガ様=冷奈を、炎神スピードルが「あの女、どこかで見たような気がしないか?」と言っているのに、走輔(古原靖久さん)は「あんな美人なら一度見れば忘れないはずだけどな?」と、“ものを見る、考える、いちばんしっかりしなきゃならないのは人間というメッセージをさりげなく織り込んでいます。

それにしても、範人が冷奈に道場のバルコニーで告白する差し向かい場面などを見るにつけ、範人役の碓井さんはこの3ヶ月ぐらいでも目に見えて身長が伸びました。平成3年生まれ、昨年の暮れに16歳になったばかり。いまなら毎日ご飯食べて寝て起きたら伸びてる、ぐらいの勢いでしょうね。

走輔役の古原さんは、放送開始前に撮ったOPでは、抜けるような色白お肌のせいもあって、戦士、それもレーサー出身にしてはちょっと顔が丸いかな?と思ったのがどんどん小顔に、締まって来ている。ヴィジュアルもかっこよくなる一方のゴーオンジャーたち。次回からガイアーク勢にも新キャラ参加ですって。ヨゴシュタイン様の副官とか。「ルネッサーンス」の髭男爵みたいになるのかな。ますます目が離せません。

『花衣夢衣』37話。真帆(吉田真希子さん)は「澪(吉田真由子さん)には知られないように」「私たちの愛は、2人だけ一生の秘密よ」と将士(眞島秀和さん)と言い交わしてはいますが、本音は“早く何もかも露見して将士さん&澪の家庭もぜんぶゼロ、カオスになってほしい”“誰か気づいて暴露してほしい”のでしょうな。でなければ36話でのようにあんなにバレやすい近場で待ち合わせラブラブ不倫旅行出発したり、将士が澪に電話していると察した途端後ろからガー抱きついたりしないはず。不倫を不倫のままもたせるのに必要なのは情熱より計算力、行動制御力なのです。それが無いなら壊すしかない。

いま思えば、水上先生(宮内洋さん)がすすめた見合い相手の家紋職人・西山(山崎秀樹さん)は、20歳真帆(尾崎亜衣さん)に「もっと自分を大事にしろ、きっといい仕事ができる」との思いやりがあったなら、どんな声出して泣かれようが、なだめすかして1回は抱いてあげとくべきでしたね。不幸な米兵暴行事件以降、男の体を怖れ遠ざけ、肌を触れ合う味を知らないまま、33歳で初めて初恋の人と結ばれてしまったから、もう真帆、ブレーキがかからないんだよ。

いちいちチェックしていたら俳優さんたちの演技力以前に、脚本がスカスカだということがいくらでも検証できるこのドラマですが、とりあえず、“異性を好きになったら会いたい、結ばれたい”“結ばれたら別れたくない、捨てられたくない”という男も女も共通の自然な感情、情念に正直に筋立てが組まれてる分、月河は一応好感を持って視聴続けています。

この枠前作の『安宅家の人々』や06年『紅の紋章』のような、主人公たちが思想信条先行の頭でっかちで、“大切なもの(家族・家業・親友・故人の遺志など)を守るため”“余命が短いから”などのこじつけ理由で、「人間、普通この状況でそうは思わない考えないだろう」「その行動はないだろう」という言動を善意でし合っては状況をいよいよ複雑に、解決困難にしていくドラマは、堂本剛さんじゃありませんが正直しんどい。

とことんいっちゃえ真帆。暴れちゃえ澪。頑張れ将士、祐輔(溝呂木賢さん)、安藤(長谷川朝晴さん)の男性陣。人間の隠し看板無い情熱や嫉妬、悪意、欲求をぶつけ合ってこそのこの枠です。

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卯の花の匂う垣根に

2008-05-19 16:49:46 | アニメ・コミック・ゲーム

中国・四川大地震の建物倒壊惨状のもととなった“おから建築(豆腐渣工程)”の話をネット解説記事で読んでいたら、怒りと恐怖とともにむらむらとおからが食べたくなり、デパ地下の行きつけの豆腐屋さんを3軒ほど回って買い集めてきました。

おからはご存知の通り大豆からにがりを使って豆腐を作る過程で出る副産物なので、当然のように各製造元ごと、使う大豆の品種やグレード・製法が違うごとにおからの風味や匂い、食感も違います。よっていくつかのお店のおからをひとパッケージずつ買ってブレンドして作るのが我が家流、というか月河流。

しかしこのおから、お値段も優等生ではありますが、料理として完成するまでに要するエネルギーもスペシャルでありまして、まず牛蒡・人参・薄揚げ・コンニャクと具材をトンカラ刻み根菜系はアクを抜き、ヒジキや高野豆腐・干し椎茸などは水でもどしつつ、おから本体は水気を完全に飛ばしながらも焦げないギリまで炒りに炒り、一方では鰺(あじ)節でダシをとり生姜も細かーーく刻んで残りは下ろし、汁を絞ってダシに混ぜ…月河が自宅でどうにかイチから作って人サマに晒せるレパートリーの中で、手間ヒマ・火力・水力・時間、全種目制覇の完全優勝に限りなく近い存在でありましょう。

フルマラソンの選手は42195㌔走る中で何度も「自分はなぜこんな思いしてまで走ってるんだろうか」と自問自答するといいますが、月河もおからを作るたびに「自分はなぜおからなんて作ろうと思ったんだろうか」という疑問が必ず脳裏を去来します。今回はとにかく四川大地震が悪い。悪いっつったら悪い。

もう何十年前だったか忘れましたが、家庭科か社会科の先生だったと思うのですが、「乳製品を作る過程で出る“スキムミルク(脱脂粉乳)”の消費量をいまの倍にできれば、生乳をはじめバター・チーズ・ヨーグルトなどの乳製品の売値は半分にできる」という話を聞いたことがあります。しかしスキムミルクは飲んで不味いし料理法のバラエティもあまりないので売れない、それがネックで乳製品の価格を下げ渋らせているのだ、と。

まぁ原料乳生産調整ミスだっつって全国の店頭から一斉に家庭用バターが消えるような2008年の日本では、スキムミルクが多少どうこうなったぐらいで乳製品の値段を下げてくださる、人のいい乳業メーカーは無いと思いますが、“製造加工工程で出てくる残滓”を商品化することで製品の価格が下げられるというなら、“おから”のもっと手間ヒマ火力消耗しない、かつ美味しくおシャレで見映えするレシピがもう50品目ぐらいあれば、豆腐や揚げやガンモドキ等の大豆製品も相当安くできる筈です。

食料自給率の低さ、諸表示の信憑性をはじめとする“食の安全”がいまさら問題になっている昨今、安くなればいいってもんじゃないですけどね。

そう言えば何年か前、鳥取県だかの町議会か村議会議員選挙で「オカラ」と書かれた投票を「オレは“オカダ”だからオレの票だ」「いやいつも牛の餌にオカラを与えていて、村の人がみんな知ってるからオレの票だ」と争って裁判になった、って話題があったように思いますが、アレ結局どうなったのかな。

『炎神戦隊ゴーオンジャー』GP1418730~)。飛ばすねぇ。この番組のどこが好きだって、出すと決めたら出し惜しみしないことです。今話も炎神ソウルとキャストの入れ違い→ゴーオンジャー、相棒ソウルの入ったキャストに搭乗するも、操作の勝手が違って苦戦…というモチーフだけで1エピないし2エピいける濃さがあるのに、惚れた彼女に早く会いたいために急ぐ範人(碓井将大さん)の「元に戻してる時間が惜しい、いいや、このままいくよ!」で走る走る。

カマ蛮機の攻撃にエンジンオー横転、走輔(古原靖久さん)「やっぱダメだ!」にも範人だけ「大丈夫ダイジョーブ、いけるいける!」「やっぱり真ん中(のコックピット)は気持ちいいなー!」、スピードルのキャストに入っちゃったバルカも「ボクもなんだかえらくなった気分バル~!」、キャストが違ってると気がついたときの炎神たちも、ベアールV(バスオンに入ってキャストはキャリゲーターに)「乙女のカラダ返してぇ~!!」、ガンパード(バルカに入ってキャストはバスオンに)「ス、スパゲッティ・ウエスタン?…」と美味しいリアクション続々。乏しいアイディアをふくらませてふくらませて、つないでつないで1話もたせるのではなく、1話いっておつりの来るアイディアを終盤クライマックスの23分にぎゅう詰めしてしまう贅沢さ

ピンチになるとおカマ言葉になる風呂釜型・カマ蛮機、横転したときにお湯がこぼれて空焚きで自滅してしまいましたが、最後に落語の『湯屋番』よろしく「お湯屋の兄さん、カマがこわれて早じまい」って言ってほしかったな。小さいお友達も大きなお友達もさすがにわからないか。

範人=グリーン主役のお話とは言え、実質の主役は、汚石冷奈(けがれいし・れな)として、初めて人間体も見せてくれたケガレシア様(及川奈央さん)だったと言ってもいい。萌えメガネにタイトスカートの人間体1stシーンで、チャームポイントのお鼻のホクロだけでは識別できなかったお友達のために、次のカットではカメラが背後に回って後頭部のホイール型髪留めを見せてくれるという親切さ。あの髪留め、グッズとして売ってくれたら欲しいですね。

「美しく清らか」という褒め言葉が死にまさる侮辱になるらしいガイアーク乙女のケガレシア様。なんだか“愛する男と交わると、その男を食い殺さないと人間体を保てない”『キャット・ピープル』を思い出します。ちょっと極端か。

ラスト、最後まで自分をケガレシアと気がつかなかった範人の言葉を思い出し、水に映ったガイアーク体の自分に「清らかだと…フンッ!」と鞭をくれしぶきを上げる彼女の1人映りから即エンディングテーマへ。置き去りにされたような終わり方に一種の余韻を感じた大人の視聴者は多かったと思います。これで範人との間にフラグ立った?なんてのは小さな問題。

もっぱらグラビア・AVと成人男性向けフィールドで活躍してきた及川奈央さん、『ゴーオンジャー』のこの役が決まったときは「子供番組にレギュラーで出られる」と郷里のお母さんに電話して泣いて喜び合ったそうです。気持ちわかるなぁ。モーパッサン『脂肪の塊』とかデュマ・フィス『椿姫』なんか思い出してしまう。需要のあるものを供給して、喜ばれたはずなのに、喜んだ層の人たち(元・青年→おじさま)から一段低く見られ、軽んじられるってせつないよね。

その意気込みのせいもあるのか今作の顔出しキャストの中では及川さん、いちばん演技が本気だと思います。今作をきっかけにお茶の間やゴールデンのメジャーな分野でも活躍が増えるといいですね。

そのほかにも軍平(海老澤健次さん)の「オレたちは戦士だ!喜びも悲しみも、楽しみも気持ちよさも、ぜんぶ昨日に捨ててきたんだ!(←赤青黄誰も同調せず)」→(カマ蛮機の仮想温泉に取り込まれて)「キモチよすぎる~」→(冷奈に逃げられた範人に)「…カッコ悪すぎる」のほか、温泉帰りで寝惚けモードの青黄黒「えんじんそうる、せっと(低テンション)」、ケガレシア様の作戦むなしく初戦敗退したカマ蛮機を前に、叱るどころか「人間に負けて帰ってくるとはァッハッハ~」「“3日で人間どもを消して見せるで汚じゃる”と言ったナリな~?」「腹筋が痛い~」まで笑い転げるヨゴシュタイン様・キタネイダス様の根アカ明朗快活ぶりなど、見どころ味出しどころ満載でした。

…って、“明朗”も“快活”も、ガイアークには侮辱になっちゃうのかな。「陰湿でヒネクレてて底意地悪い」って言ってあげたほうが褒め言葉になるかしら。

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やったぜ$$

2008-05-16 19:27:13 | アニメ・コミック・ゲーム

いきなり昨日の記事に訂正。オリンピック競泳日本代表の水着を改良仰せつかっているのは、“アディダス”じゃなくて“アシックス”でした。あとデサントですか。SPEEDOのドーピング水着に対抗できる新作、間に合うかな。ものづくり立国・日本の意地にかけて頑張ってほしいものですね。

この訂正のために手もとの新聞記事類を遡って読むと、くだんのSPEEDO製品、商標はLASER RACER(レーザーレーサー)というらしいですね。うわぁ『ゴーオンジャー』っぽい。SPEED KING走輔とスピードルのレッドコンビが対抗意識燃やしてそうだな。「レーサーってのに泳ぐのかよ!泳げねぇよオレ!(←設定知らないけど)」「まーた錆びちまうよ、帰ろうぜドルドル!」みたいな(………)。

ものすごい伸縮強度の高い素材で、肌が透けて見えるくらいめいっぱい伸ばして伸ばして着用するので、身体の締め付け感が半端なく、競技が終わるとあたりかまわず背のファスナーを下ろす女子選手も多いとか。オリンピックの見どころがひとつ増えましたぜ、お父さん。

 出かける前にこんなことを調べようといつもより少し早起きしてTVをつけると、NHK朝の連続テレビ小説『瞳』に安田顕さんの顔が見えました。地元ではFMラジオのレギュラー番組や中央競馬札幌シリーズの重賞スタジオゲストでおなじみ、チームナックスの顕さん。実は数少ない“地元で見かけた有名人”の1人です。

もう56年前になるかもしれませんが、市内を車から降りて営業中、横断歩道の向こうに立っているのは…アレ?ヤスケンさん?似ている別人?でもそう言えばここ、ナマ放送を毎週やっている放送局の近くだし…と考えている間に信号が青になり、向こうはこっちへ、こっちは向こうへ、歩いて距離がせばまっていくうちに、あぁやっぱりご本人だわ、と確信した瞬間バチッと目が合ってしまい、思わず「……(ジロジロ見てて不快に思われたかも…ええいこの際!)こんにちは!」と元気一杯笑って会釈してごまかそうとしたら、あちらも「…どうも!」と、微量“よくわかんないけどとりあえず”なニュアンスではありましたが笑って会釈返してくれました。

チームナックス一の“ルックス(だけ)二の線”押しの顕さん、競馬番組などでのキャラは若干天然バカっぽいけど、愛想のある、いい人だ。

暖色と寒色の争い。意味ないにもほどがある。朝っぱらからウケたなぁ。脚本家さんも安顕さんの持ち味をある程度わかってくれてるみたい。

瞳(榮倉奈々さん)のダンススクールパートナー・純子役で、06年の東海テレビ昼ドラ『紅の紋章』の満島ひかりさんのお顔も見えました。気の強い、ちょっと喧嘩ッ早い?女の子のキャラがよく似合っていて、オーディションのダンスシーンでは大柄で手足の長い榮倉さんよりキレよく決まっているように見えましたよ。『紅紋』では後半、何を考えているのかよくわからない、魅力の薄いキャラになってしまいましたが、ハリのある小さなお顔の輪郭にくっきりしたパーツ、南国系の美貌は、朝の時間帯に見るとまぶしいほどです。朝ドラヒロイン役オーデで榮倉さんに僅差競り負けてこの役?と思えるふしもあり、ぜひ飛躍のきっかけになってほしい。

その昼枠で現行放送中『花衣夢衣』35話。最近の真帆(吉田真希子さん)が、20歳の年に思い切ったはずの将士(眞島秀和さん)と思いを遂げて以降、結局不倫密会ズブズブでれでれ以外何もしていない、下半身の腐った女に見えてしまうのは、放送前さんざん強調され真帆少女時代もお話の中で称揚されていた“友禅作家”の部分が軽視され過ぎなせいもあると思う。

前にもここで書いたことがありますが、昼ドラって毎作“ビジネス”“会社”“生業”などの描写がウルトラ空疎なので、なおさら登場人物が“人間関係をドロドロ複雑にさせること以外何も仕事のない大バカ野郎&大バカ女の集まり”に見えてしまうことが多い。

そもそもこの時代に独立した友禅作家って、月間、年間に何作ぐらい、一作当たり何日ぐらいかけて、おいくら程度のギャラで、どういう層の顧客からのどんな注文で製作して、どんな場面でどういう人たちから評価されて生計が成り立つものなのか。

一流の作家と二流の作家、二流の作家と三流以下の作家では、仕事の技量、客層、オファーされる案件の契約額やグレードに、どれだけの差があるものなのか。

いまの真帆の生活費、将士とカレーを作るなどの食費、着物代、住まいは空き家を買ったから家賃は不要としても(昭和25年時制でパンパンガール・ゆかりが間借りしていた2階もあるはずですがノータッチ)電気水道代、固定資産税住民税、健康保険料などの原資は、目下かよっている安藤(長谷川朝晴さん)の工房から固定給プラス歩合ででももらっているのか。

別にいちいち画面で仕訳帳、損益計算書示してほしいわけじゃありませんが、真帆の友禅作家としての志の高さと、その道の才能が非凡な(らしい)ことは一部の尾崎亜衣さんで一応提示したのだから、高度経済成長時代ながらも若い女性の洋装化が進む昭和40年代初頭に、大消費地東京でひとり、大量生産の繊維工業とは一線を画し、手描き友禅一本で自立しようとする真帆の苦闘と切磋琢磨っぷりを、ちゃんと見せるべきではなかったでしょうか。

それがいっさい無いから、真帆が“昔の恋人の求愛に乗っかって下半身快楽と愛人気分に溺れる、倫理観ゼロのバカ女”にしか見えない。

思うに、このドラマ、脚本家さんや演出の監督さんが、特に昭和41年時制からの真帆に、人間として女性としてさっぱり惚れてないまま原作からの流し込み惰性で作ってるのだろうな。“(数々の悲運と逆境に耐えて腕を磨いてきた)新進女流友禅作家・沢木真帆”を愛して彫琢して書いていたら、こんな脚本になるはずがないもの。

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悲しい女になっちまったよ

2008-05-12 22:15:24 | アニメ・コミック・ゲーム

『炎神戦隊ゴーオンジャー』GP1311日)、謎の親分さんドックーゴ(極道の逆さ読み。『特捜戦隊デカレンジャー』世界では当然アリエナイザーでしょうな)役でとてもVシネチックな目ヂカラ俳優さんが登場!と思ったら菅田俊さんでした。

菅田さんと言えば、TV化はされなかった『仮面ライダーZX』よりジャンパーソンより、月河は吉右衛門さん版『鬼平犯科帳』第2シリーズの『本門寺暮雪』“凄い奴”役がいちばん印象深いんです。すごいでしょうクレジットの役名が何の誰兵衛でもなくいきなり“凄い奴”ですからね。

長谷川平蔵の剣友で托鉢無宿井関録之助(夏八木勲さん)は池上本門寺の石段に後頭部をぶつけて昏倒したことで危うく難を逃れましたが、無敵を誇る平蔵でさえ決め太刀を辛くも受け止める瞬間に鼻緒が切れて、あわや上段からばっさりいかれるかを、先刻参道の茶屋で餌を与えてあやした柴犬が駆け寄ってきて、凄い奴の足元に吠え付いてくれたため、間一髪隙を見つけて斬り抜けたのです。

ドラマ化された鬼平シリーズ百十何話中に登場した数々の剣豪・剣客の中でもこの“凄い奴”、『下段の剣』松岡重兵衛(吉右衛門版では江原真二郎さん)・『雲竜剣』堀本伯道(同じく露口茂さん)とその不逞の息子虎太郎(同じくスマートブレイン花形社長…じゃなく中康治さん)と並ぶ、最強の使い手のひとりと言っていいと思う。

その凄い奴菅田俊さんと、若干腰つきが胸騒ぎとは言え五分にわたり合ったんだから偉いよ連(片岡信和さん)。ブルー連のキャラは、世話好きで弱者に優しくて料理上手で頭がよくて、そのうえイケメンで、望ましい“夫”“ボーイフレンド”“息子”の要素をぜんぶ兼ね備えていますから、全国のママさん視聴者はランチャースターターずばりいちコロでしょうな。

ドックーゴも娘のぶーこりん(小野明日香さん)も実は本当に宇宙人。「ばいびー」とUFOに乗って帰っちゃいましたね。早輝「こんな展開アリー!?」走輔「なんでもアリだろー!」のように、もともとファンタジーなゴーオンワールドに、デカレンワールド(?)をもひとつオンした劇中劇ならぬ“ファンタジーinファンタジー”構造。こんな屋上屋なら大歓迎です。

菅田さんのドックーゴをケガレシア様(及川奈央さん)が接待中、陰で見守るヨゴシュタイン様がキタネイダス様を「なあ、キタネイよぉ」とさりげなく極道口調伝染ってるのもおもしろかった。

ただ、ブルー連以外のメンバーのファンにはちょっと物足りないお話だったかな。ヒキガネ蛮機が「ガイアーク一のスナイパー」を自称していたことだし、軍平&(ターゲットははずさないぜ!)ガンパードとのガチ対決エピを期待した向きも多かったかもしれません。

月河は“マシンガン”蛮機でも“ライフル”“リボルバー”蛮機でもなく“銃爪”蛮機を名乗ってきた時点で、(OPテーマ曲がロカビリーだし)「“ツイスト”ネタで来るんじゃないか」とかなり確信を持って見ていたんですが、意外や『デカレンジャーvs.アバレンジャー』のサウナギンナン同様、名古屋ネタで来ましたか。ドラゴンズ2年連続日本一、そりゃ見たかったぎゃー(意味不明)。2年連続わが地元・北海道日本ハムファイターズがお相手できるかどうかは、いま現在きわめて微妙な状況になってますが。

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