弁理士『三色眼鏡』の業務日誌     ~大海原編~

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【書評'23-01】「特許やぶりの女王」(南原詠)

2023年01月09日 09時44分53秒 | 書評
おはようございます!
今日も快晴な@湘南地方です。
今朝は4時起き…も布団でモゾモゾモゾモゾ。。。寒いんだもの。

で、5時過ぎに意を決して起き上がり、朝の部活⛳を済ませて現在執務中。
今日も多分「電池切れ」早そうだな。

さて、昨年の書評の数が惨憺たるもの。。。
今年は、せめて月に1本は書きたい。
※一応言うと、本を「読んでいない」わけではない(少ないけど)。
 きっちり人に伝える程の読み方をしていなかった、ということ。

そんなわけで2023年一発目は、「特許やぶりの女王」。
同業者(企業内弁理士)が2022年このミステリーがすごい! 大賞を受賞した作品。

Vtuber、5Gなど今どきの話題を盛り込みつつ、本来難解な特許侵害訴訟を題材にしつつドラマ仕立てに展開。
娯楽作品として許容可能な範囲のリアリティ…まあ、実際の業務はこんな(外観上判る意味では)ドラマティックではないけど、娯楽作品なのであり。
スピード感があり、それぞれのキャラが立っている。
同業の目線から見て思わず「わかるわかる」と納得するところも(ベンチャー企業の社長のいでたちあるあるとか)。

おそらく単行本として発刊するにあたり修正が入ったのであろう、普通は使わない用語(たぶん原文では「冒認出願」→「無断出願」としていたり、「差止」→「中止」としていたり)。
まあそこまで気にならないが、そのあたりは注記を別掲して通常の用語でやった方が良かったんじゃないかな。
半沢直樹だって結構テクニカルタームだらけだったし、あれに比べたらまだとっつきやすいような気も。

結局こういうビジネスものの小説って、「職業に対する純粋な遵奉精神」とか、「絶体絶命な場面で大逆転するための、あれが伏線だったのか」とか、そういうところで気持ちよさを感じるもので。
主人公の弁理士はもとパテントトロールという設定だが、今後の続編でそのあたりの背景事情とかが描かれるのかな…?と期待。

以前読んだ「それってパクリじゃないですか?」よりはハードボイルド寄り。
続編もDLはしているので、お仕事が少し落ち着いたら読み始めることにしよう。

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