弁理士『三色眼鏡』の業務日誌     ~大海原編~

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【実務関係(四法)】審査の質に関するユーザー評価報告書

2022年10月13日 08時41分21秒 | 実務関係(特・実・意)
おはようございます!
小雨降る@湘南地方です。

昨日はCSファイナル第1戦(こう書くと「最初」なんだか「最後」なんだかわからんな)。
ハーフスイングを巡っての判定が物議を醸していた模様。
その時間運転中だったのでラジオでしか聞いておらず映像は見ていないけど、おおかたの声は「誤審(ノースイング)」。
流れが変わる場面だったかもしれないが…まあタラレバですわな。人間が審判しているわけだし。

さて、今日はこんなリリース

(経産省HPより)
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ユーザーの声を生かし、審査官の判断の均質性向上を図っていきます
令和4年度審査の質についてのユーザー評価調査報告書を公表します

特許庁は、ユーザーの声を把握し、品質管理施策に反映させるため、審査の質についてのユーザー評価調査を毎年度実施しています。
今回の調査では、審査官の判断の均質性について、多数の意見が寄せられ、ユーザーの関心が高いことがうかがえました。
特許庁は、具体的な課題の把握、審査官間の協議等を通じて、判断の均質性の向上を図ってまいります。
================================
(引用終わり)

野球のハーフスイング、実は公認野球規則には明確な基準は記載されていないらしい。

これに対して、特許庁の審査基準って、かなーり細かいところまで文書化されていて。
それでもまあ審査官ごとの個人差があることは排除はしきれない。
人間が人間の書いたものを見るわけで、時と場所と人を変えれば異なる結論に至ることは、好ましいかどうかは別として一定割合で起きる。

思うに、審査の均質性が問題になる理由って、先行例に基づく予測の前提が覆されてしまうから、というのが多いと思う。
その他には、行政としての同一取扱の原則に反する、とか。
そりゃあ、自分の(あるいは自分の代理する)案件だけが不利益に取り扱われたら納得はいかないわけで。

各法域のコメント、判を押したように
「審査官間の協議等を通じた審査官相互の知識の共有を進め、判断の均質性の向上に努めてまいります。」
とのこと。ま、そう言うしかないよね。


冒頭のハーフスイングの話。
こういう話題になると必ず"だから審判にもAIを導入すれば"という意見が出てくるけど、
それ、ただの責任の外部化だと思う。
審判が恣意的に、或いは怠慢により、あるべきものとは異なるジャッジをすることは厳に謹むべきだけど、
勢いとか、気迫とか、気合とか、何か脳筋ワードの羅列で申し訳ないけど、
そういうものに煽られて判定が微妙に揺れることは、あって良いと思っている(マイノリティかもしれないが)。

人が人とやっていることだもの。機械的判断に基づく合理的結論しか生まれないんじゃ、つまらない。
審判だってスポーツを構成する一要素。審査官だって産業の発展に貢献する一要素。どちらも人間。意思が合ってプロの矜持があるからできること。

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