から揚げが好きだ。

映画とサウナ。

錦織とワウリンカの全米オープン準決勝を観た件。

2016-09-10 11:45:15 | 日記


2016年、今年のテニス全米オープン。
錦織とワウリンカが準決勝で相まみえるということで、観ないと後悔すると思い、前日の深夜に急遽WOWOWに加入した。WOWOWの放送予定コンテンツを確認したところ、興味を引くコンテンツが何もなかったが(海ドラのラインナップが酷い)、約2500円の観戦料と考えれば高くない。

日本時間で7時半ごろから試合が始まって、先ほど試合が終わった。
結果はセットカウント1-3でワウリンカの勝利。

1セット目は錦織が圧倒していたため、錦織の勝利と思われたが2セット目以降から逆転された。ワウリンカファンであるが、相手は錦織なので手放しでは喜べない。

第1セットは6ー4で錦織がとる。結果だけみると僅差のように見えるが内容は錦織の一方的な展開。ワウリンカの弱点であるレシーブの弱さとエラーが頻発。その反面、錦織はほぼ完璧なプレイを見せる。ストローク戦は完全に錦織が支配していた。すべてのストロークに力みがなく、ワウリンカの深い位置にボールを打ち返す。ワウリンカはその猛攻にエラーを繰り返す。第1セットは完全に錦織が優勢だった。

第2セットは5ー7でワウリンカがとる。ようやくワウリンカの調子が良くなり、ショットに鋭さが戻る。ワウリンカの凡ミスも少なくなり、ラリーが続くようになる。ストローク戦ではワウリンカが押し始める。会場の高温が両者の体力を奪っていき、錦織にもミスが目立つようになる。ファーストサーブの確率も下がり始める。

第3セットは4ー6で引き続きワウリンカがとる。錦織の動きが鈍くなる。疲労の色が濃厚に。エラーの数がついにワウリンカを逆転する。途中、雨になり、ルーフが締まり、10分程度の休憩を経て、錦織の動きが復活したように見えたが、後半につれてワウリンカのパワーが錦織を圧倒する。錦織の浅くなった返球が、ワウリンカのウィナーの餌食になる。

第4セットも2ー6でワウリンカが圧倒し、決着がつく。序盤からワウリンカが「ゾーン」に入る。2ゲーム目、錦織のサービスゲームをラブゲームでブレイクしてしまう。手がつけられくなり、昨年の全仏決勝に近い強さをみせる。サービスゲームでダブルフォルトを連発するなど、ワウリンカのミスも目立つが、ストローク戦では引き続きワウリンカが錦織を押し込む。ワウリンカへの返球がアウトか、ネットを超えない。最後のポイントも錦織のミスによるものだった。

試合時間は3時間ちょっと。序盤は錦織の勝利を強く感じたが、ワウリンカの壁を超えることができなかった。ワウリンカファンとしては随所に彼の強烈バックハンドが見られてよかった。
決勝の相手はジョコビッチ。当然、ワウリンカの勝利を熱望するが、またいつものとおり余裕で負けそうな感じがする。試合時間が日本時間で月曜日の午前中というのが残念。会社休めないしな。。。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ライト/オフ 【感想】

2016-09-10 10:00:00 | 映画


怖いのはわかっている。そこで来るのはわかっている。でも怖い。まるでお化け屋敷だ。光を嫌う怪物モノは真新しくないものの、それを昼夜を問わない設定にしたことでオリジナリティが出た。電気1つで形勢がクルクル逆転。恐怖、ときどき笑い。80分というコンパクトな作りながら、ホラー映画の魅力がしっかり詰まっている。劇中何度も普通にビビる。これは拾いモノだ。

暗闇から現れる悪霊(怪物!?)と、その魔の手から家族を守るために戻ってきた一家の長女の戦いを描く。

のっけから怖い。部屋の電気を消したところ、薄暗い目の前に人影が見える。「目の錯覚?おかしいな?」とすぐに電気をつけると、やっぱり何もない。「ひと安心だわ」と、電気を消したら、やっぱり見える。すぐに電気をつける、「いない」。電気を消す、「いる」。。。「いる」、「いない」、「いる」、「いない」の間隔がどんどん狭まり、疑念が確信に変わり、恐怖が不気味に迫る。戦慄。

暗闇に対する恐怖は、とても日常的で身に覚えのある感覚だ。何も見えない先に、何かが自分を見ていたらと思うとゾッとする。自分の子ども時代はその想像力ゆえに、就寝中にたまたま目が覚めると、闇と光の具合から窓際に人の形が見え、激しく動揺したものだ。しかし、その一方で良く見れば目の錯覚と認識することは容易だった。しかし、それが動き出して、本物の幽霊だったとしたら大変なことになっていたと思う。そのもしもの恐怖体験が本作のベースになっている。

一家を襲う悪霊、あるいは怪物の名は「ダイアナ」という(女子)。彼女は昼夜、場所を問わず、暗闇があればどこにでも出現するようだ。明るい場所でも暗闇スポットがあれば問題なし。逆に光ある場所には彼女が現れず、光を当てれば彼女を撃退することができる。この「光」と「闇」のルールに徹し切ったことが本作の成功要因だ。彼女を撃退したいヒロインたちは光を灯し続け、彼らを襲うダイアナはその光を消し暗闇を作ることに努める。その攻防に一種のゲーム性があってワクワクすると共に、ユーモアも仕掛けられていて楽しい。また、恐怖をよりわかりやすいものにするために「ダイアナ」に物理的な攻撃力を持たせている。本来であれば「幽霊なのに」とツッコミどころではあるものの、本作のテンポの良さが不思議と違和感を持たせない。光と闇と繰り返しによりドンドン近づいてくる「だるまさんが転んだ」攻撃は、監督の演出の妙といえる。思わず怖くて笑ってしまう。

主人公のヒロイン演じるのは久々に見るテリーサ・パーマーだ。恐怖のなか、命がけで幼い弟を守るヒロインを熱演している。本作は彼女演じるヒロインの成長物語としても見ることもできるが、それよりもインパクトを残すのはやはり「ダイアナ」の存在だ。彼女の隠された背景は、「リング」などのジャパニーズホラーの内容に酷似するものの、その振り切った凶暴性がまったく異なる。彼女に同情の余地を持たせず、「悪」として描き切ったことにアメリカ映画の娯楽性を感じる。

どう転ぶか予想がつかないクライマックスが展開するなか、最後の決定打に「そうくるか~」と唸ってしまった。
今年はまだ劇場でホラー映画を観ていなかったので大いに楽しめて良かった。

【65点】
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

リップヴァンウィンクルの花嫁 【感想】

2016-09-10 08:00:00 | 映画


新作DVDレンタルにて。

劇場鑑賞を見逃してしまった1本。3時間だったのか。。。。

結婚に失敗した女子が、「何でも屋」の仲介によって参加したバイト先で知り合う女子と、奇妙な共同生活を送るというもの。

岩井俊二映画の中で一番好きな「リリィシュシュ~」のようなリアリティ寄りな作風かと思いきや、ファンタジーな岩井ワールド全開だった。その世界観が昔から苦手だったので、本作も受け入れにくかった。結婚式での「代理出席」から始まり、SNS、AV女優などの設定を散りばめ、不可思議な出来事を前に「正体」を探求させようとするストーリーだ。「悪意」と「良心」が共存する現代社会のワンシーンを透明度の高い映像で切り取る手腕は岩井俊二ならではといったところ。「人の真心で潰されないためにお金が存在する~」など、監督のユニークな視点が随所に見られて興味深い。黒木華演じる主人公が、不幸のドシャぶりに見舞われ、行き場をなくしていく前半パートまではついていけたが(それもかなり寓話だが)、Cocco演じる謎の女子との共同生活が始まるあたりからついていけなくなる。現実世界から逃避するように、女子2人がひたすらじゃれあう姿に居心地の悪さを感じる。良くも悪くもビジュアル志向が強い監督であることを再認識し、本作についてはそれが自分にとって悪いほうに振れた。結果、後半からの時間が長く感じられた。

不思議な世界に迷い込んだ黒木華のリアクションはさすがの巧さだが、彼女の「おろおろキャラ」のイメージは想定内。掴みどころがなく本作のスリルとユーモアの源泉となった綾野剛のパフォーマンスが秀逸だ。本作のキーパーソンを演じたCoccoは無二の存在感が光るものの、AV女優という設定に「嘘だ~」と一蹴される弱さあり。

劇中、カメオ出演の紀里谷和明を発見。あとで調べたら岩井俊二と親交があるとのこと。相性良さそうに見えないんだけどな。

【60点】
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ジ・アメリカンズ シーズン3 【感想】

2016-09-09 08:00:00 | 海外ドラマ


「ジ・アメリカンズ」のシーズン3をNetflixで観終ったので感想を残す。全13話。

安定の面白さだが、エピソード平均の引力は過去2シーズンと比べると最も低い。
しかし後半、大きなイベントを待ち受けていた。

フィリップ夫妻は引き続き、諜報活動と子育ての両立で多忙を極める。昼間は旅行代理店の仕事をして、家に帰れば子どものケアをして、夜になれば諜報活動に出向く。そのサイクルが毎日ではないにせよ、寝ている時間はほとんどなさそうだ。本シーズンでの諜報活動は、当時実際にあったソ連によるアフガン侵攻や、南アフリカの反アパルトヘイト活動に繋がっている。アメリカの情報を奪うというこれまでの活動とは違い、彼らが大義として掲げる「世界を変える」活動に近い。2人のお馴染の変装プレイは、シーズン3を迎えても過去の内容とは全くビジュアルが被っておらず、面白いを通り越してもはや凄いの一言である。凄腕スパイとしての彼らの鮮やかな手並みや、人間相手ならではの予期せぬ事態、ときに遠慮のない冷徹で残酷な人物描写など、ドラマの魅力は本シーズンでも健在。しかし、過去シーズンで感じたようなスケール感は乏しく、フィリップたちの諜報活動と、お隣さんであるスタン率いるFBIの動きがほとんど交錯しないのも面白くない。



本シーズンをみて、改めて思うのは諜報活動において重要なスキルは「他人を利用する」ことだと感じる。利用する人間を操るために最も原始的で手っ取り早いのが、相手と恋愛関係になることだ。色恋は人を盲目にする。前シーズンに続き、フィリップはCIA秘書のマーサと「偽装」結婚を続けているが、本シーズンで新たなターゲットが出現する。その相手は娘のペイジと同世代のティーネイジャーの女子だ。フィリップにメロメロになった女子は「私のコト、欲しくないの?」とフィリップに迫るが、彼はさすがに応じることができない。このあたりのシークエンスで挟まれる過去の回想シーンが印象的だった。フィリップがアメリカに来る前にソ連で体験していた訓練の様子が断片的に描かれる。それはセックスの訓練で、老若に関わらず、異性だけではなく同性をも相手にする訓練を受けていたようだ。相手と肉体関係を持つことはフィリップにとっては仕事の一部であるということ。それは妻のエリザベスも同じだ。スパイも楽じゃない。

本シーズンで大きなターニングポイントとなるのが、前シーズンよりフィリップ夫妻を悩ませていた娘ペイジの存在である。そのペイジはシーズン2から一気に垢ぬけた印象で、どんどん綺麗になっている。確信がないものの、不穏な家庭状況を察知し、自身の生きる道を別の場所に見出そうとしたペイジは、いよいよ本格的に信仰へとのめり込んでいく。非情な現実世界で生きるフィリップ夫妻にとって、信仰はまやかしに過ぎず、信仰に囚われるペイジを強く懸念する。ソ連の諜報本部からはペイジを新たな諜報員として育てるように圧力がかかるなか、フィリップたちは愛する娘ペイジの意思を尊重することを優先する。スパイ活動を抜きにしても、ホームドラマとして相変わらず見応え十分だ。そして、本シーズンの後半でペイジがいよいよフィリップたちの正体を知ることになる。まぁ、いつかはわかることであり来るべき時が来た感じだが、その衝撃はかなり大きかった。両親の秘密を知ったペイジのリアクションが誠実であり、本作の脚本の完成度を改めて実感する。



その一方で想定外だったのが、マーサのパートだ。FBIに仕込んだ盗聴器が見つけられ、フィリップの存在がマーサにバレる。絶対絶命の危機だったが、その危機をつなぎ止めたのがマーサの「情」だ。その2人の掛け合いのシーンが個人的には本シーズンの1番のハイライトだった。利用されていると知りながら、愛する男を裏切れない切なさ。。。マーサに初めて同情してしまった。「新たなステージ」に入ったフィリップとマーサの関係が、以降のシーズンでどう進展していくのか楽しみである。



本シーズンで個人的に物足りなかったのは、前シーズンでソ連に送還されたニーナのパートを、これまでのシーズンと変わらぬボリュームで描いている点だ。極刑を待つ絶望的なニーナの状況を、本作の脚本家は救済する。祖国を裏切った者のリアルな現実として、ニーナはそのまま本シリーズから居なくなっても良かったと思う。その代わりに新たなキャラクターを投入すれば良いわけであり、変わり映えのないキャラクターで無理やり回しているような窮屈さを感じる。このあたりは「ホームランド」や「ハウスオブカード」と比べて作りがヌルい。彼女を愛したスタンとオレグはもっと他のことをやってほしいのに、ニーナを救出しようと余計な時間をかける。しかも結局、彼らの苦労は全くニーナには届かずに終わる。無駄じゃないか。。。。

これまでのシーズンの中で最も不満が出たシーズンだったが、ありがたいことに北米での放映タイミングから間を開けず、次のシーズン4が既にNetflixで配信されている。オリジナルドラマじゃないのに、スゴいぞ、Netflix!!
日本でこのドラマを見られるのは、Netflixだけなのにどうしてもっと宣伝しないんだろ。海ドラファンを取り込めると思うんだけどな。。。

その最新シーズンであるシーズン4は、今月開催されるエミー賞で作品賞、主演賞などで堂々の初ノミネートを果たしている。ファンとしてはめちゃくちゃ嬉しい。授賞式までにシーズン4を見ておかなければ。

【70点】
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

カンフー・パンダ3 【感想】

2016-09-08 09:00:00 | 映画


Netflixにて。
日本では鉄板ヒットが多い洋画アニメシリーズのなかで、どうしてもヒットしてくれない「カンフーパンダ」が、3作目にして劇場公開スルー。シリーズのファンである自分は非常に残念だったが、まさかのNetflix配信ということで喜び勇んで自宅鑑賞した。

物語は龍の戦士となったパンダの「ポー」が、「気」を操る新たな強敵に立ち向かうというもの。
前作からの大きな変化は、ポーが生き別れた本当の父親と再会し、自身の生まれ故郷に帰るという点だ。そこは「パンダの里(?)」であり、丸っこいパンダたちで溢れ返り、パンダ萌え必至な舞台設定になっている。

冒頭から目を奪われるのは映像の彩度と画質の圧倒的な高さだ。浮き出るような毛皮の描写や、本シリーズならではの蛍光色を多用した色彩が実に鮮やかだ。4K端末の力もあったかもしれないが、今年観たアニメーション作品のなかで文句なしに1番綺麗な映像だった。カンフーを扱ったアクションコメディでありながら、万華鏡のような映像美も本シリーズの魅力であり、3作目にしてさらなる高みに達した感じがする。ドリームワークスのアニメもディズニーに負けちゃいない。

「カンフーが調和をもたらす」というテーマは本作でも健在。自身の過去と向き合い受け入れることで「龍の戦士」へと覚醒した前作から、本作ではさらなる進化をみせる。カンフーという「武術」に加え、「気功」の領域まで足を踏み入れる。「気」はその力を他人に与えることができるが、同時に奪うこともできるという発想がユニークだ。本作の敵役は、その気功の力に気づき、他人から奪うことで力を増していく。それに対抗するのは「与える」気の力であり、ポーのさらなる覚醒の大きな足掛かりになる。

「自分らしくあれ」という本作で新たに打ち出したメッセージは、「ありのままの~♪」から続く昨今の流行であるが、登場するキャラクター個々のオリジナリティの肯定と強化が、クライマックスのアクション描写に巧く活かされていて非常に楽しい。冷静にみるとやや出来過ぎな展開だが、ファンタジーアニメの中では違和感のない仕上がりだ。

絶体絶命の危機を大逆転で勝利する展開はこれまでと同じ。しかし、その大逆転に至るまでの経緯が「気」という曖昧な要素を用いたため大雑把に映ってしまった。その結果、前作のような強いカタルシスは感じられず。まーそれでも十分に面白い映画であり、コメディに密着したハイスピードアクションは見応えたっぷりだ。

日本での劇場未公開により、日本のいつものタレント声優は誰も出演していないようだ(オリジナルの声優陣は相変わらず豪華だけど)。アメリカ本国ではシリーズ最低数字ながらそれでも1.4億ドルのヒットで、お隣の中国はそれを上回り1.5億ドルのヒットを記録(スゴい!)。全世界興収では5億ドルを超えているので、また続編が作られると予想する。ポーの進化の過程は、ドラゴンボールの「スーパーサイヤ人」のバージョンアップに近いものがあり、続編によってマンネリになることを心配する。

【65点】
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2016年サマームービー BEST/WORST

2016-09-07 08:00:00 | 勝手に映画ランキング
8月が終わり9月に入った。

現在「君の名は。」が予想通り特大ヒットになっている模様(2週目で興収38億!!)で、まだまだサマーシーズン映画の勢いは衰えていないが、一旦、7,8月の公開作の映画のなかでBESTムービーとWORSTムービーを勝手に決めてみる。劇場で観た本数は12本。「死霊館エンフィールド事件」と「トランボ ハリウッドに最も嫌われた男」を見逃したのが悔やまれる~。

BESTムービー:「ジャングル・ブック」
WORSTムービー:「アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅」


「ジャングル・ブック」は動物たちと仲良しこよしな外見ながら、映像の圧倒的なクオリティとボイスキャストの妙技、子どもから大人まで響くシンプルなメッセージ、物語のまとまり具合などなど、満足度が一番高かった。減点要素がなかったいうのも大きい。
「アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅」は、どれもこれもダメだった。第1作目の魅力が継承されておらず(といっても1作目もたいして面白くはないが)、成長したはずのアリスがひたすらトラブルメーカーに徹し、終始ウザく、CGで作られた無機質な世界観が受け付けなかった。

一応、他タイトルを含めて順位付けしてみる。

1位 ジャングル・ブック
2位 ブルックリン
3位 シン・ゴジラ
4位 シング・ストリート
5位 ロスト・バケーション
6位 君の名は。
7位 ゴーストバスターズ
8位 X-MEN:アポカリプス
9位 ウォークラフト
10位 ファインディング・ドリー
11位 ターザン:REBORN
12位 アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅

期待とおり素晴らしかった「ブルックリン」。予想以上に面白かった「シン・ゴジラ」「ロスト・バケーション」。予想よりもつまらなかった「X-MEN:アポカリプス」「ウォークラフト」「ファインディング・ドリー」。「X-MEN:アポカリプス」「ウォークラフト」は特に期待値が高かっただけに残念だった(普通に楽しめたレベルだけれど)。

2016年は残すところ4か月となった。今のところ、今年のベスト候補!といえるタイトルの出現はなく、これから日本で公開予定のタイトルラインナップを見ても、期待できるものがあまりない。今週末公開の「スーサイド・スクワッド」は前評判がとても低いしな。。。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

君の名は。 【感想】

2016-09-02 08:00:00 | 映画


時空を越えた運命の赤い糸を描いたラブストーリー。過去と現在の時間が交錯し、よじれて絡まり、切れて、そして繋がる。劇中登場する「組紐」を、目に見えない運命のメタファーにした脚本が秀逸だ。男女入れ替わりの軽快なコメディタッチから、予想だにしないシリアスな展開になだれ込む。壮大なテーマを広げながら、身近で普遍的なメッセージに落とし込む。こんなストーリーをオリジナルで生み出した新海誠の作家力に唸る。但し、映像作品としては、あと10分で良いのでもう少し説明描写が欲しい。想像力に乏しい自分には、必然的な流れとして受け止めにくいことも多かった。主人公演じた神木隆之介と上白石萌音が声優にして渾身の演技を見せる。ドラマに密着した音楽と、その使い方も非常に効果的で巧い。

公開初日で劇場満席。エンドロールでも席を立つ人がほとんどおらず、満足度はかなり高そうだ。大変なヒットになりそうな予感。。。。

見ず知らずの高校生の男女が朝目覚めると体が入れ替わるという話。男子の「瀧」は東京のど真ん中に住み、女子の「三葉」は飛騨地方の山奥に暮らす。それぞれの体と生活環境はそのままに、意識だけが入れ替わる格好だ。その現象が起こるのは不定期で、そのタイミングも全く予測できない。2人はお互いの体を行き交うだけだ。実際に交わることのない2人がその状況を理解し、ルールを作り、メモを残しておくことでコミュニケーションをとっていく。このあたりが本作の個性だろう。男女入れ替わりによる思春期の高校生ならではのリアクションも面白く、自分が実際に同じ状況になったらどうするかと想像を巡らす。

お互いがすれ違う生活を送るなかで、その本人に会ってみたいと欲するのは当然の流れだ。先に動いたのは瀧で、山奥に住む三葉に会いに行こうとする。ここから予想外の展開を含め、SF的な要素が一層強まっていく。

瀧は三葉の住所を知らない。「記憶を留めておくツールをいろいろ使っているのにどうして知らないんだろ?」と一旦思うが、後から考えると入れ替わった先に記憶を残しておくことはできても、その記憶を持ち帰ることができず、夢と同じように不鮮明な情報として残るだけと理解する。ただ、そのロジックを持ってしても説明するには不十分な描写がちょいちょい頭を出す。とりあえずスルーだ。

微かな記憶を頼りに瀧が三葉を見つけだそうとする道中、知られざる事実が明らかになる。ここからが本作の本領である。壮大で美しい情景描写をバックに、奇跡を追い続ける2人の姿に目が離せなくなる。黄昏時の美しさが胸に迫る。「忘れてはいけない人」「出会うべきだった人」と、一見キレイゴト過ぎて気恥かしい「運命」というメッセージだが、多くの伏線を回収する勢いが助走となり、2人が紡ぐロマンスがドラマチックに昇華した。奇跡の存在を肯定させる力を持った映画だ。ラストのカットが本作の全てという見せ方も素晴らしく、あの結末のためにこれだけの物語があったと思うと感動が一層深まる。

しかしながら、SFをベースにした複雑な構成と、新海監督らしいキャラ描写によって、劇中多くの違和感が残った。週が明けて、原作と映画を両方知っている会社の同僚に「答え合わせ」をしてもらい、ある程度、疑問点は解消されたが、それでも視覚で表現する映像作品としては描写不足だったように思う。

瀧と三葉の恋愛感情の芽生えのタイミングが良くわからず、実感として素直に感じさせる伏線や経緯が欲しい(黄昏時「そこは名前じゃないのか!!」とツッコミ)。「口噛み酒」の力はわかったが、それを飲用することの理由づけが弱い(衛生的嫌悪が上回る)。本作の世界観で、高校生によるダイナマイト爆破シーンはエッジが効き過ぎていてバランスが悪い(他のやり方がいくらでもあったと思う)。クライマックスからラストに繋がる「奇跡」の経緯が不明確で、「結果的にそうなった」で済まされた感が強い。。。。などなど、こちらも物語のツジツマをいちいちチェックして観ているわけではないが、時間と精神の交錯という複雑な構成にした以上、必然的な流れとして受け止めるためにはもっと描くべきことがあったはずだ。

同監督映画を知っているのは「秒速~」以降なので、すべてを知るわけではないが、ジブリや細田映画などが「シンクロ」型のキャラ描写に対して、新海映画は「思いやり」型のキャラ描写であると感じる。観る側と劇中のキャラクターの感覚が、近接しながら展開する前者に対して、キャラクターの反応を目撃してから、観る側がキャラクターの心情を思いやる流れだ。とりわけ新海映画はキャラクターの「泣き」シーンが多く、「なんでそこで泣くの!?」と想像しながら見ていくことが多い。本作においては、キャラ描写に留まらず「描きたいこと」が先にあって、そのパーツをパーツを後から繋げた印象を強く感じる。自分は細田映画のほうが好みだ。(「バケモノ~」は別にして)

アニメーション作品としては文句のつけようがない完成度だ。もともと背景描写が素晴らしい監督だが、作画監督に安藤雅司を迎えたことが功を奏したようで、繊細な映像にダイナミズムが加わった。また、キャラデザインを田中将賀が担当したことで、誰もが好印象を持つクセのないビジュアルに仕上がり、一気にメジャー感が出たように思う。主人公を演じた神木隆之介と上白石萌音は、1人2役という難役をクリアし、本業と見まごうばかりの素晴らしいパフォーマンスで引きつける。ホント良かったな~。

東宝製作による本作だが、完成した本作を見た首脳陣(?)は「コレはイケるぞ!!」と色めき立ったに違いない。テレビメディアを中心としたケタ外れの大量プロモーションは、本作への自信も大きく影響したと察する。テレビドラマの劇場版が映画ファンたちに見限られつつある昨今で、脱「テレビ」によって東宝が「シン・ゴジラ」に続き、映画を優れたクリエーターの手に戻したことが、作品の完成度に結実した。

あくまで初見の感想。リピートすれば、読み取れなかった余白が見えてくるかもしれない。原作を知る同僚の解説を聞いたらいろいろと確かめたくなってきたしたな。。。

【70点】
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする