から揚げが好きだ。

映画とサウナ。

マン・オブ・スティール 【感想】

2013-08-31 08:30:05 | 映画


新しい伝説の始まりだ。

「マン・オブ・スティール」というスペクタルな映像の波に、
ただ呑み込まれればよい。

「観賞」というより「体験」という言葉が、この映画には相応しい。

試写で3D、公開初日で2Dで観る。2回目でもっと好きになる。

開始5分で映画の世界に埋没する。
冒頭繰り広げられる、クリプト星で起きる事件の始終に、
この映画への期待が確信に変わる。。。

そして夢中のままにエンディングを迎える。

興奮の余韻で、ハンス・ジマーの音楽(ジマー史上最強!)が頭の中で鳴り止まない。
アドレナリンを注入されたように体が冴える。
しばらく「鋼鉄の男」になったような錯覚に陥る。。。
帰宅して、ジマーのサントラ聞いて、腕立て100回やって、筋肉痛になる。

本作は誰しもが知る「スーパーマン」のリブート(再誕生)作だ。
本作のスーパーマンは、クリストファー・リーヴが演じた赤パンのスーパーマンを刷新した。
この刷新具合があまりにも鋭角なため、全米での反応は好評と不評の真っ二つに分かれた。
過去のスーパーマンも悪くなかったと思うが、ファンタジーだけでなくリアリティを併せ持つ、
本作の新しいスーパーマンを自分は支持したい。何しろカッコいいし。

本作で描かれるのは、地球人として生きることになった異星人の物語であり、
なぜ彼が「スーパーマン」と呼ばれるようになるのか、その経緯まで描かれている。

超人的な力を持つ異星人が地球人として生きようとすると、どんな事態が待ち受けるのか、
それを迎える地球人たちはどんなリアクションをするのか、
その視点が終始一貫している。このあたりの描き方はアクションだけでなく、
一級のストーリーテラーである監督ザック・スナイダーの色が濃く出ている。

予告編で観たとおり、(製作)クリストファー・ノーランの映画ではなく、
全編通じて(監督)ザック・スナイダーの映画だった。

生身のヒーローを描いた「ダークナイト」とは違うアプローチをして当然だと思う。
実物主義のノーランに対して、視覚効果で魅せるスナイダー。
超人の活躍を描く本作においては、後者のスナイダーで間違いなく正解だった。
バトルアクションではスナイダー節が炸裂する。やりすぎ感たっぷりだが全然OKである。

映像の特殊効果を最大限に活かし、荘厳さを湛えた迫力の映像の数々で畳み掛ける。
新たな物語の序章として強烈なインパクトを残すことに成功した。

「ノーランの脚本なので、ドラマがしっかりしている」という話を聞いていたが、
1回目はそのビジュアルに興奮してしまったあまり、ドラマの印象はさほど残らなかった。
2回目でようやく噛み締めることができた。親子愛にグッときてしまった。

人物描写がしっかりしている。
これは脚本力というよりキャスティングによるところも大きいと思う。

脇役にガチな演技派俳優たちを揃えてきた。製作陣の本気度がハンパない。
エイミー・アダムス、マイケル・シャノン、ラッセル・クロウ 、
ローレンス・フィッシュバーン、ケビン・コスナー、ダイアン・レイン・・・

ヨダレものの豪華共演だ。
ケビン・コスナー、ラッセル・クロウ、マイケル・シャノン、さすがです。。。
個人的に一番印象的だったのは上記の誰でもなく
ゾット将軍の女副将「ファオラ」演じたアンチュ・トラウェというドイツ人女優。
彼女の演技というよりは「ファオラ」というキャラが非常にカッコよい。
「道徳をなくすことは進化だ」と素晴らしい悪役ぶり。
冷徹な眼差しと言動に加え、戦慄が走るほどのスピードと強さだ。

主役のヘンリー・カヴィルも本作での大抜擢に見事応えている。
漫画を超えるほどの肉体美と、知的で精悍な顔立ち。その容姿だけでほぼ合格だ。
少しキュートな唇と劇中見せる笑顔には、スーパーマンならではの温もりが同居する。

ラストシーンの彼の姿には思わず笑みがこぼれ、次作への期待が無条件に高まる。

大気を切り裂く音速の滑空描写や、衣装や船体などのデザインも思いっきりツボに入った。

ダークナイトシリーズ、ロードオブザリングシリーズと肩を並べるほど、
大好きなシリーズになりそうだ。

重力なき異次元の空中バトルと、宇宙規模のアクションを目の当たりにして、
ドラゴンボールの実写は本作の2番煎じになるので、もはや無理だろうと思った。

【92点】
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする