から揚げが好きだ。

映画とサウナ。

リアリティ 【感想】

2013-08-30 01:17:04 | 映画


映画をDVDで観る。

イタリア映画の新作「リアリティ」が面白かったので感想を残す。

ナポリの田舎町で魚屋を営む男(ルチャーノ)が、
イタリアのTV番組(リアリティーショー)への出演を夢見て妄想が止まらなくなるという話だ。
妄想する男の危ない世界を描いた話ではなくて、妄想する男の陽気な日常を描いている。
この手の映画って妄想が止まらなくなった挙句、それが狂気に変わり、
ダークサイドに陥るみたいなことが多いのだが、本作では不幸な(不幸に見える)男の顛末を、
楽観的に映しているのがユニークだ。なので、本作は紛れもないコメディ映画。笑えて楽しい。
デニーロの「キングオブコメディ」に似ている感じだが、自分は本作のほうが飽きずに見られた。
主人公に閉じた世界の話ではなく、それを取り巻く人たちの反応をひっくるめて描いている。
舞台となるナポリの田舎町が清々しい。太陽光が燦々で、そこに住まう人々もみな陽気だ。
近所に住むルチャーノの親戚や近所の友人たちは、人情味たっぷりでとても世話焼きだ。
「かけがえのない仲間たちがいるぜ!」的な暑苦しさは微塵もなく、日々の近所づきあいの中に
自然と思いやりが存在している。このカラッとした人間関係がナポリの風ともシンクロする。
イタリアというと、おしゃれでシュッとした人たちを連想していたが、
本作では生々しくデブった人たちが多く出演している。人間腐さが増して良い。
カメラの視点が終始主人公ルチャーノの視点に近いところにあるので、
やや窮屈な画になる反面、妄想する男に映る世界を現実感たっぷりに見せてくれる。
ラストのクライマックスはまさかの展開だった。打って変わって幻想的なラストが憎い。

【70点】

ほかDVDの感想。。。。

【ダイ・ハード/ラスト・デイ】(40点)
劇場観賞をスルーして正解。酷い。マクレーンが望まない状況に巻き込まれて、
創意工夫でサバイブしつつ、悪をやっつけるシリーズの魅力が本作では希薄過ぎる。
用意周到のアクションや、「愛してる」などと湿っぽい親子愛はいらない。
タイトルの「死なない」ことを言いことに、芸のない大味アクションはシリーズへの甘え。

【10人の泥棒たち】(60点)
「面白くなかったらポイントバック」というTSUTAYAの文句に踊らされてレンタル。
韓国版オーシャンズイレブンといったところだが、言うほど面白くない。
2転3転する予測不能な展開がウリっぽいが、ばら撒いた伏線が綺麗に回収されない。
クライマックスのアクションはさすがの見応えだが、それまでは冗長。
シニアカップルのロマンスは不要。

【テッド】(70点)
劇場公開で見たが、吹き替え版見たさで再見。
有吉のテッドは良くも悪くもと言った感じ。キャラの馬鹿さ加減は字幕版のほうが際立って良い。
DVDではメイキングが見られてラッキー。セス・マクファーレンの多才ぶりに驚く。
ジョヴァンニ・リビシの腰振りダンスは何度見ても気持ち悪くて最高。