戦後初の衆議院選挙で当選し、タレント議員第1号となった石田一松(1902年~1956年)と言う芸能人がいました。
彼が歌った「のんき節」は社会風刺を取り上げて一世を風靡し、世相を「「はは、のんきだね」としゃれこみました。
子供の頃、意味も分からずに「はは、のんきだね」と歌ったことを記憶しています。
参考までにその歌詞の一部を書いておきます。
「のんき節」
〽むかし郭(くるわ)で 一番稼ぐのは
オショク女郎といいました
今は官吏で 一番稼ぐのを
汚職官吏と申します
はは、のんきだね
のんきな父さん お馬の稽古
お馬が走り始めて 止まらない
子供が面白そうに 父ちゃんどこへ行く
どこへ行くのか お馬に聞いとくれ
はは、のんきだね
今日は私の性格が「のんき」な事もあって、「のんき」の語源について調べました。
「のんき」とは、ご存知のように【気分や性格がのんびりしている】【苦労がなく気楽なこと】をいいます。
漢字では「呑気・暢気」と書いていますが、これは当て字で、本来の書き方は「暖気」と書きます。
「暖」を「のん」と読むのは、室町時代頃に中国から伝わった読み方で、例えば「暖簾(のれん)」も、「のんれん」から変化した読み方なのだそうです。
ところで、この「のんき」と云う言葉は、元々は今と意味が違っていました。
「暖気(のんき)」の「暖」は【日光で暖めてゆとりを与える】ことで、“体を温めれば心もゆるむ”ということからか、日本では【気晴らし】の意味になり、室町時代には野山に遊びに出かけることを「のんきをする」といったようです。
江戸時代後期になると、気晴らしをして気楽になった状態も「のんき」というようになり、人柄を表す言葉として定着したそうです。
人柄の「のんき」は微笑ましくて良いにしても、政治の「のんき」は国民が不幸になります。
「のんき節」に歌われているような汚職官吏はいないと思いますが、政治家には大衆受けするようなパフォーマンスに走ることなく、国家・国民のための政治を機敏に願いたいものです。
最新の画像[もっと見る]
- 「蛇の道は蛇」の由来 4ヶ月前
- 身近な野鳥「ムクドリ」 4ヶ月前
- 身近な野鳥「ムクドリ」 4ヶ月前
- 身近な野鳥「ムクドリ」 4ヶ月前
- ニゲラの花「蕾から種まで」 5ヶ月前
- ニゲラの花「蕾から種まで」 5ヶ月前
- ニゲラの花「蕾から種まで」 5ヶ月前
- ニゲラの花「蕾から種まで」 5ヶ月前
- ニゲラの花「蕾から種まで」 5ヶ月前
- ニゲラの花「蕾から種まで」 5ヶ月前
はは、のんきだねぇ。
「のんき節」を聴いたことがありますが、それを歌った人が石田一松氏であるとは気にかけたことがありません。
タレント議員第1号とは、やはり世相の後押しがあったのですね。
「のんき節」で風刺した汚職官吏はいないと思いたいですが、案外とそのような心がけでのお役人気質の人は
いそうです。