「あいうえお」は、なぜ「あ」から始まるのでしょうか?
子供の視聴者からの質問に、NHKの「ことばおじさん」の回答がありましたのでご紹介します。
「あいうえお」という50音図は日本語の基本ですが、この50音図は母音が同じものを同じ段に、子音が同じものを同じ行に並べた5段×10行の「音節表」なのです。
50音図の成立に大きな影響を与えたのが、奈良時代に仏教と共に伝わった「悉曇(しったん)」と言われています。
悉曇(しったん)は、古代インド文字の発音をまとめた「音節表」のようなもので、7000もの文字が、子音+母音の組み合わせで合理的に配列されていました。
奈良時代以降、それを日本語の音に置き換え、整理する研究が続けられ、母音が「アイウエオ」順であること、子音が「カガサザタダナハバマヤラワ」の順であることを解き明かし、子音の濁音を除くと「カサタナハマヤラワ」の順となります。
つまり、50音図は悉曇(しったん))をベースに作られたのです。
この悉曇(しったん))が「あ」で始まり「ん」で終わったために、50音図も「あ」から始まることになったと考えられているそうです。
50音図を最終的に作り上げたのは、江戸時代前期の国学者、契沖(けいちゅう)といわれています。
しかし、江戸時代の寺子屋では、仏教の「諸行無常」の教えが組み込まれている「いろは歌」が教えられていたそうで、50音図が一般的に普及したのは明治時代になってからのようです。 「気になることば」より
子供は意外なところに、素晴らしい疑問を持ちますね。
私は(他の人もそうだと思いますが)このような疑問を持つことなく、「あいうえお」を覚えたように思いますが、この子供さんのおかげで、50音図が「悉曇(しったん):(梵語(siddham))」というインドの音声に関する学問が影響していることを初めて知りました。
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