意味を誤解している人が多い言葉に「憮然(ぶぜん)」があります。
文化庁の平成19年度の「国語に関する世論調査」で「憮然」の意味を尋ねたところ,「腹を立てている様子」と回答した人が約7割という結果でした。
インターネットなどでも、「○○が憮然たる面持ちで怒り出した。」とか「……と憮然とした表情で述べ、不快感を示した。」などと使われているのが見られますが、これらを書いた人は、「憮然」と言う言葉の意味をどのように捉えているのでしょうか?
いつものように広辞苑で「憮然」を調べると次のように説明しています。
憮然(ぶぜん)・・・①失望してぼんやりするさま。失望や不満でむなしくやりきれない思いでいるさま。「―として立ちつくす」
②あやしみ驚くさま。
辞書が示すように「憮然」の意味は、失望や落胆、又は驚きのためにぼんやりしたり、呆然とする様子を言うのです。
ところが、平成19年度の国語に関する世論調査によると、全ての年代を通して「腹を立てている様子」を選んだ人が多くなっているのです。
「国語に関する世論調査」では「憮然として立ち去った。」という例文を挙げて、「憮然」の意味を尋ねました。
その結果は下記の通りです。
「全体の結果」
(ア)失望してぼんやりとしている様子・・・・・17.1%(これが本来の意味です)
(イ)腹を立てている様子・・・・・・・・・・・・・・・・・70.8%
(ア)と(イ)の両方・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2.0%
(ア)、(イ)とは全く別の意味・・・・・・・・・・・・・・0.7%
分からない・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9.5%
「年代別の結果」
年代別の結果は以下の通りです。
このグラフからも分かるとおり、この言葉については全ての年代を通じて本来とは違う「腹を立てている様子」という意味で使う人が多くなっています。
16~19歳を除いた年代では「腹を立てている様子」が6割弱~7割台後半になっており、本来の意味である「失望してぼんやりとしている様子」を大きく上回る結果となっています。
「腹を立てている様子」という意味で用いられるようになってきた原因としては、「憮然」の「ブ」という音が「ぶうぶう言う」などの「ぶうぶう」(小言や苦情を言い立てるさま)や「ぶつぶつ」などを連想させる可能性があること。
また,「ぼんやりとしている様子」としては「呆然」などを使うのが一般的であるために,「憮然」という語「ぼんやりとしている様子」という意味が結び付きにくいことなどがあるのではないかと言うことです。
「憮然」の本来の意味は「失望してぼんやりとしているさま」です。
使用する時は間違わないようにしたいですね。
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そんなことはなく、この言葉は使わないですが、「失望してぼんやりするさま」よりも「腹を立てている様子」の意なニュアンス
を抱いていました。(^▽^;)
>JR西日本のICOCA(いこか)カードを使用していますが、オートチャージではないので残高管理だけして自分でチャージしています。
関西が「行こか」で、九州が「凄か SUGOCA」の地域弁なのが愉快です。
この記事投稿の背景は、千葉に旅してオートチャージされなかったのが、有効期限を過ぎていたためでした。 このことは帰って
調べるまで不可解なままでした。案内は郵送されていたらしいです。