先月27日に昭和天皇の末の弟宮で今上天皇の叔父にあたる三笠宮崇仁親王殿下が薨去されました。
新聞やテレビの報道では、「薨去」と報じていましたが、昭和天皇の時は「崩御」でした。
兄の天皇陛下と弟の宮様の報じ方にどのような違いがあるのでしょうか?
調べてみました。
人が亡くなられた場合に使用する言葉には、「逝去」「崩御」「薨御」「薨去」「卒去」がありますが、これらの言葉は共通して「人が亡くなること」を意味しています。
では、それぞれにはどのような違いがあるのでしょうか?
1.「逝去(せいきょ)」
意味は人が亡くなることであり、その尊敬語が「逝去」、つまり、亡くなった人を敬う時に使うのが「逝去」なのです。
従って、身内に対して「逝去」を使うのは間違いです。
例えば、「先日、祖父が逝去しました。」とか、ビジネスなどの場面で、社内の人間が亡くなった時、社外に伝える際に「弊社の○○が逝去しました。」という使い方も間違い
なので、注意が必要です。
2.「崩御(ほうぎょ)」
崩御という言葉は使う場面がかなり限定された言葉です。
日本では、天皇陛下をはじめとして皇后、皇太后、太皇太后などが亡くなられた時に「崩御」という言葉を使います。
また、皇帝、国王、君主など特別な位に位置する方が亡くなられた時にも使用され、昔は上皇、法皇にも使用していました。
つまり「逝去」よりも敬った表現が「崩御」となります。
3.「薨御(こうぎょ)」
難しい漢字ですね。読み方は「こうぎょ」です。
意味は共通して「人が亡くなること」ですが、皇太子や大臣が亡くなられた時に使う表現となります。
大臣は内閣の大臣などを指すのでは無くて、皇族に位置している大臣のことです。
4.「薨去(こうきょ)」
これも薨御と同じく、特定の身分の人に対して使う言葉となります。
薨去については少しややこしいですが、皇太子妃や親王・親王妃や内親王などの皇族、または位階が三位(正三位・従三位)以上の人が亡くなられた時に使う表現
です。
5.「卒去(しゅっきょ、そっきょ)」
読み方は「しゅっきょ」又は「そっきょ」です。
これについても特別な身分の方が亡くなられた時に使う言葉で、位階が四位(正四位・従四位)・五位(正五位・従五位)以上の人が亡くなられた時には、この表現を
使います。
以上のように区分されていることから、冒頭の昭和天皇と三笠宮親王殿下の報道の表現が異なっているのは、「2」と「4」の違いからでした。
人が亡くなられた時の表現は難しいですね。
おぼろげに、崩御は天皇にのみ用いると思ってましたから意外でしたが、らいちゃんの詳しい説明によくわかりました。
>「くす玉」の成り立ちが種々の薬を束ねて作られていたということなので、「薬玉」も納得です。
お互いに知識の補強をしあったようでした。(^_^;)