らいちゃんの家庭菜園日記

家庭菜園、家庭果樹栽培及び雑学日記

お供えの由来

2022-01-08 | 季節


神社やお寺でお馴染みのさい銭箱。
現在では神様にお願いごとをするときに捧げるものとしては賽銭が最もポピュラーですが、金銭を奉納するようになったのは、貨幣経済が発達してからのことです。
元々は穀物や酒、布、武具などをのうのうしたのが始まりだと言われています。
季節ごとの行事や祭りでは神様に様々な食べ物を供えています。
米。、野菜、くだもの、魚介類、菓子、酒など様々です。
こうした食べ物の中で最も重要視されているのが米です。
米は神様と関りのある行事の際には姿形を変えて登場し、大切な役割をはたしています。
例えば、正月に飾る鏡餅、祭りや戦前結婚式で使われるお神酒、彼岸の時に作るおはぎなど、いずれも米を原料とした食品です。
しかも弁当の定番になっているおむすびは本は神様に供えるための食べ物だったそうです。
古代の人々は米を紙から授けられた穀物だと見做していました。
それゆえ、大きなパワーを秘めた神聖な食べ物として扱ったそうです。
特にその年最初に収穫した稲には強い力が宿ると考え、最も大切な供物とされました。
ところで神様に供えた食べ物は行事が終わった後で人間が頂きますが、これを直会(なおらい)と呼びます。
祭の後の直会と言えばまるで打ち上げのように思われるかも知れませんが、これも神事の一部なのだそうです。
神様が召し上がった食事には神様の力が宿ると信じられていました。

直会にはその神のエネルギーを身体に取り込むという意味があります。
供物は神と人とをつななぐような存在と言えます。
おむすびも餅も今では日常生活に馴染んでいますが実はありがたい食べ物だったのです。



























七草粥の由来

2022-01-08 | 季節

令和4年が明けて早くも1週間が経ちました。
昨日は七日正月とも言われている、五節句の一番目の「人日(じんじつ)」の節句でした。

「五節句」
節句の「節」は、唐時代の中国の暦法で定められた季節の変わり目のことです。
暦の中で奇数の重なる日を取り出して、奇数(陽)が重なると 陰になるとして、それを避けるための邪気を祓う行事が行われたことが五節句の始まりです。
そして、五節句とは1月1日の元日(後に1月7日の人日)、3月3日の上巳(じょうし)、5月5日の端午、7月7日の七夕(しちせき)、9月9日の重陽(ちょうよう)をさし、この日はすべて奇数の同じ数字が重なっています。
なお、1月だけは1日(元旦)を別格とし、7日の「人日」を五節句の中に取り入れています。

「人日の節句」
「人日」とは、文字通り「人の日」という意味で、古代中国から伝わりました。
古代中国では正月の1日を「鶏の日」、2日を「狗(犬)の日」、3日を「猪(豚)の日」、4日を「羊の日」、5日を「牛の日」、6日を「馬の日」とする慣わしがあり、それぞれの日にはその動物を殺さないようにしていました。
そして7日は「人の日(人日)」とする慣わしにより人を尊重する日として定められ、犯罪者の刑罰は行わないようにしたそうです。
「人の日」には、中国では七種菜羹(ななしゅさいのかん=七種類の野菜のあつもの)を食し、無病息災を祈る習慣がありました。



「七草粥」
この中国の習慣が奈良時代の日本に伝わりました。
日本では古来、冬に不足しがちな栄養をとる為、年初に若菜を摘んで食べて生命力をいただく「若菜摘み」、7種類の穀物でお粥を作る「七種粥」の風習がありました。
これは、旬の生き生きした生命再生の象徴である若菜の「七草」を粥にして食べれば、自然界から新たな生命力をもらい、1年を無病息災で過ごせ、長寿を得られると信じられていたのです。
この風習と中国の「人の日」の習慣が結びつき、「人日」に七草粥を食べると言う現在の形になったと言われています。

なお、七草は元来、7種類とは限らず数はまちまちでしたが、現代では「せり」「なずな」「ごぎょう」「はこべら」「ほとけのざ」「すずな」「すずしろ」が春の七草とされています。