そもそも論者の放言

ミもフタもない世間話とメモランダム

グローバル・グレーイング

2010-07-30 23:23:06 | Economics
数日経ってしまったけど、7月27日日経新聞朝刊、投資・財務面のコラム「一目均衡」から以下引用。
見出しは「危機があぶり出す「世界の老い」」、筆者は小平龍四郎編集委員。

オーストラリアやブラジルを対象にした債券ファンドが人気になっているところに、6%成長を達成している国、インドネシア国債を組み入れた投信の募集が始まった、との話題から…

 新しいもの好きで異国趣味の強い個人のお金は、国の勢いの違いにも引きつけられ、ますます足早に世界を駆けるのだろう。
 こうしたマネーの風景の輪郭は、金融危機の前に描かれていた。
 米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は、2007年9月、「グローバル・グレーイング(世界的な老い)」という調査を発表している。少子高齢化による税収減や年金・医療関係の支出増が、先進国の政府の信用力に与える長期的な影響を予測したものだ。
 それによると、2030年にギリシャとポルトガルそして米国が「投機的」に。40年は英国やフランスなど、大半の先進国が「投資適格」から滑り落ちる。
 予測は各国の政府がまったくの無策で、財政再建や構造改革に手をつけないという極端な前提に基づく。あくまで仮説という断り書きもある。しかし、2年に及ぼうとする金融危機は、リーマン・ショックの1年前に発表された筋書きに真実味を与えている。
 「先進国の政府の信頼が揺らいでいるのは、金融危機が原因ではない。危機は高齢化という先進国の構造的な弱さを、早めにあぶり出しただけだ」
 みずほ証券のチーフクレジットアナリスト、香月康伸氏がS&Pの報告書を引っ張り出して、こんな主張を市場に問うたのは7月12日だった。

ちなみにS&Pの仮説によれば、日本が「投機的」になるのはギリシャやポルトガルよりも早い2020年だそうな(10年後!)。

先進国の経済低迷の根源を少子高齢化に置くのは適切なように思える。
が、少子高齢化も原因ではなく結果ではないだろうか。
要は、経済・社会が成熟・飽和するとそうならざるを得ないということだと思う。

成長施策云々と言われていますが、日本のような成熟社会になってしまうと「成長」って正直もう無理なんじゃないかという気がします(ある程度の成長は必要でしょうが)。
成長しなくってもみんなが幸せに暮らせるように、社会のあり方を変えるのが進むべき方向ではないでしょうか。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 歩く速度も落ちる夏 | トップ | 包括利益は企業経営にゆがみ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

Economics」カテゴリの最新記事