そもそも論者の放言

ミもフタもない世間話とメモランダム

さようなら2015年

2015-12-31 23:13:59 | Diary
間も無く2015年が終わる。
暖冬で、穏やかな年末年始。

個人的に、この一年を振り返ってみると、激動の年だったと言えるかも。
仕事ではトラブルが多く苦境に立つことも多々あり、プライベートでは秋に父が緊急手術、一時は危険な状態となった。
が、反面、精神的にはけっこう安定していたような気がする。
腹を括ることができるようになったのか、あるいは置かれた環境が安定していたからか。
会社でのポジションや上司部下が基本的に変わらず、コドモたちは二人とも小学生となり手を離れつつあるし。

さて、2016年。
仕事の面では身の回りの環境が変化する予感が。
プライベートでは、父の回復の進展の仕方は気がかりだし、上のコドモは5年生になって思春期に差し掛かり難しい年頃、コドモが育つと今度は家内との関係の取り方も見直さなければならない。
いよいよ安定期から変動期へと足を踏み入れることになるか。


このブログも今年開設10周年を迎え、ますます更新頻度は下がっていますが、ボチボチと続けていこうと思います。
みなさまよいお年を。
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『医療にたかるな』 村上智彦

2015-12-12 12:15:47 | Books
医療にたかるな (新潮新書)
村上 智彦
新潮社


著者は、医師であり、地域医療の専門家。
財政破綻した夕張市の医療再生にも取り組んだ人物。

夕張市を数十年先の高齢化が進んだ日本の「縮図」と見る。
悪化した財政に思い医療福祉支出がのしかかる。
その裏側では、日本社会に巣食う甘えとごまかしの構造が元凶となっていると。
「弱者救済」をタテマエに、自らの不摂生を棚に上げて医療にたかる市民、それに乗っかる行政とマスコミ。
自身が夕張などの地域医療に取り組んだ経験から、この国の病理を暴いていく。

特に強調されるのは、保健・医療・福祉の3つの役割を、きちんと分別して包括的にあるべき姿を考えなければならないということ。

保健とは、予防医療。
住民が健康意識を高く持ち、生活習慣を改善して、定期的に検診を受ける。
それができている地域ほど、一人当たり医療費は低くなる。

医療(キュア)と福祉(ケア)の関係。
「治る病気を治療する」のが医療の役割であり、治らない病気と付き合いながらより良き余命を過ごさせるのが福祉の役割。
高齢化社会になると、この両者の境目が曖昧になっていく。
自宅で介護するのを嫌がり、「社会的入院」が増えていく、それが医療費負担の高騰を加速させる。

かつては殆どの人が自宅で最期を迎えていた。
ところが今では8割の人が病院で死ぬ。
人間は必ず死ぬ、病院にいても治らない病気が治るようにはなるわけではない。
チューブや機械につながれて生命を維持するのと、自宅で穏やかに死んでいくのと、どちらが幸せなのか。

少々「闘う医師」感が強く打ち出されすぎな印象はある(まあ実際苦労されたのだろうけど)ものの、書かれていることは至極真っ当に感じられる。
というか、ここに書かれていることが「真っ当」と考えられる世の中にならない限り、超高齢化社会は乗り切れないのではないか?

今年の秋から、うちの父親が長期入院している。
大きな手術をし、予後にいろいろと問題が発生し、2ヶ月以上今もICUに入っており、少しずつ回復している状況。
父の場合、回復する望みがあるからこそそうしている(と信じている)のだが、個人的にも考えさせられるところが多々あった。
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核心:日本企業が日本でお金を使わないのは

2015-12-05 10:57:34 | Economics
日経朝刊マーケット総合面のコラム「大機小機」、最近はお決まりのリフレ論やら構造改革論やらばかりであんまり面白くなかったのだが、昨日12月4日のは久々に切れ味がちょっと鋭かったので、以下メモしておく。
タイトルは「解せない内部留保課税論」、文責は「冬至」氏。

・企業が内部留保をためて使わないから経済が良くならない。
・放置するなら内部留保に課税する、いやなら設備投資や賃上げをしろ。
・設備投資や賃上げにつながらないなら法人税減税は無駄だ。

筆者は、政治家を中心に語られる、上記のような最近の風潮に疑問を呈する。

・そもそも内部留保課税は二重課税という意味で問題がある。
・内部留保を減らす早道は、配当という形で社外に吐き出すこと。配当増によって個人投資家の懐を潤して経済を活性化する、というのなら解るが、そういう理屈になっていない。
・税制面から設備投資を促進するなら、即時償却を認めればよい。
・賃金を増やせと言いながら、法人税減収の穴埋めに外形標準課税を強化するというのは矛盾。外形標準課税では給与も課税ベースに含まれ、賃金増加の逆風になる。
・法人税減税の目的は、世界と比べて高い日本の法人税率を下げて、ビジネス環境を海外標準に近づけて経済活性化を図るること。設備投資や賃金像を目的にした政策ではない。

まあ、このへんまでは普通の議論なのだが、肝心なのは以下の引用部分だろう。

結局のところ、問題の核心は企業がなぜおカネを使わないかでなく、なぜ日本でもっと使わずに、世界で使うのかである。
カギは投資や雇用を増やしたくなる環境を日本につくりだすことだ。事業コストは低いか。ビジネスがしやすい規制や法制度が整っているか。グローバルに通用する人材や新技術に明るい人材を確保できるか。こうした点が重要になる。
税逃れをしているわけでもないのに「守銭奴」呼ばわりされる。そんな国で企業は投資を増やしたいと思うだろうか。


まさに核心。
どうも安倍ちゃんとその取り巻きの人々の言動を見てると、日本を中国みたいな国にしたいんじゃないかと思えてくるんだよね。
実は憧れてたりして。
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