成瀬シリーズ第二作。
受験を経て京大生となり、近所のスーパーでバイトを始め、びわ湖大津観光大使に選ばれる成瀬あかり。
幼馴染の相方・島崎みゆきが東京に引っ越して距離が遠くなる代わりに、成瀬と出会い、その特異なキャラに戸惑いながらも魅了され影響を受けていく人々の輪も広がっていく。
そんな成瀬を取り巻く人々が最終話では一堂に会し、またその中で島崎との絆も改めて確かめられる。この構成が実に心地よい。
そして、こんな侍みたいな喋り方をし、あらゆる方面で才能を発揮し、ブレずに定めた道を真っ直ぐに進む女子は、どんな家庭で育ったのだろうという前作以来の疑問に、本作は成瀬父の視点に立ったエピソードを設けることで応えてくれる。
これがまた平凡な、愛情に溢れた家庭なのが嬉しい。
一方で、成瀬母については本作終了時点で未だミステリアスさを残しており、この点については続編に期待。