そもそも論者の放言

ミもフタもない世間話とメモランダム

球界空洞化と気の毒な松井稼頭央

2012-01-31 23:23:19 | Sports

ダルビッシュ投手のレンジャーズ移籍会見について、冷泉彰彦さんの書かれたコラムが興味深かったのでリンクします。

「ダルビッシュ投手の二つの記者会見、私的感想」(Japan Mail Media)

ホント仰る通り、今回の件で日本プロ野球界が完膚なきまでにMLBの軍門に下ったことを思い知らされます。
冷泉さんが書いているように日本の球界から何のリアクションもないことも含めて。

今後田中のマーくんが大投手になればなるほど、日本の球界は「戦いの場」としてのクオリティの面でも金銭面でも彼を繋ぎ止めておくことができない、というか自ら手離すことになるのは目に見えてますね。

ただ、冷泉さんが、野球とサッカーは違う、みたいに書いている部分はやや認識が違うのかなという気はしました。

「サッカーの場合は所属クラブが欧州であっても、A代表の一員であり、それが優先されるというルールが確立している」
「W杯という最高レベルのサッカーは、クラブではなく国別のA代表が戦うのであり、むしろA代表を強化するために有望な選手は欧州クラブに移籍する」

というのあたりややガラパゴスな誤認が混じっていて、欧州組が増えることで日本代表の編成・招集が難しくなっている事実はあるし、W杯<欧州CLというのがむしろ世界的には常識に近いのではないかと思います。
サッカーの場合においても、Jリーグが欧州リーグを頂点としたグローバル・ヒエラルキーの下位に組み込まれているのが現実かと。

本題ではないですが、へーっと思わされたのは以下の部分。

というのは、メジャーのシーズン開始時には「大事な試合の初球は打たない」という掟があるからです。ダルビッシュ級の「新人」がデビュー先発する際の初球も同じで、一つのセレモニーであって、だいたいが外角高めのコーナーに80%程度の速球を投げるのがお決まり、打者はそれを見送ってストライクのコールで場内を沸かせるというのが「不文律」としてあるのです。例えば松井稼頭央選手(元メッツ、ロッキーズ)などはその文化を知らずに、開幕戦や本拠地開幕戦の初球をホームランして「理解不能の極悪人」だと思われ、尚且つ自分ではそのことに気づかないという悲劇に陥っていたわけです。

そんなん全然知らなかったけど、そうだとしたら松井稼頭央も相当気の毒です。 

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秋入学も横並び

2012-01-26 23:12:04 | Society
東京大学が秋入学へ全面移行を検討しているという件が話題になってますが、ここにきて他大学も追随するだの、野田首相が官民あげて制度改革を検討するだの、政府機関に9月に入省・入庁できるようにするだの、突如として右に倣えという雰囲気になっているのが何だかなあという感じです。
このままいくと、一律春入学・春入社だったのが、単に半年ずれて一律秋入学・秋入社になるなんてアホらしい結果になりそうなところが恐ろしいところ。
日本社会の権威主義的な横並び好きにも困ったもんです。

そもそも東大はグローバル人材の集う国際競争力のある教育機関へと脱皮することを目的に掲げているわけで、そうなった暁に東大卒業して今まで通り日本の政府機関や大企業に入る人間がどれだけいるのか?
一部の人はグローバルに生きることを初めから志向し、そうでない人はそれぞれの道を生きる、そんな多様性のある社会になるべきであって。
やはりどうも「一億総中流」意識がなかなか抜け切れんのですな。
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"Burma"から"Myanmar"へ

2012-01-07 09:53:04 | Society

今朝の日経朝刊国際面、英フィナンシャルタイムズ社説は「ミャンマーへ呼称変更」。
なんのことやらと読んでみると…

旧ビルマを長く虐げてきた軍政が1989年に国名を「ミャンマー」と改称した後も、フィナンシャルタイムズ紙は「ビルマ」の呼称を使い続けた。しかし方針変更の時が訪れた。6日より同国の呼称を公式通り「ミャンマー」に変更する。

日本じゃ割と抵抗なく「ミャンマー」に変わったような印象なので、未だに"Burma"だったんだ~と、ちょっと驚きです。
どうやらFTだけでなく英国のメディアでは"Burma"が使い続けれてたみたいですね。
現時点でBBCガーディアンでは"Burma"が使われているので、FTが他に先駆けて方針変更した、ということなのかな。
日本のメディアの横並び主義とは異なる趣き。

もう一つ、日本と違うなと目を引かれたのが社説の中で、呼称変更のタイミングについて語ったこの部分で…

なぜ今なのかを巡る議論は明快とは言い難い。

と率直に認めているところ。
明快でないものは明快でないときちんと認めたうえで議論を呼ぼうとする姿勢は、無謬的に説明せず押し切りがちな日本におけるメディアや社会の在り方に比べると、清々しく感じられます。

実際、FTのWeb版をみてみると、

What’s in a name? Myanmar or Burma?

と、今回の方針変更について広く意見が求められていたりします。
(上のリンク先で社説の原文も読むことができます。)

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「体制維新―大阪都」 橋下徹・堺屋太一

2012-01-04 23:36:17 | Books
体制維新――大阪都 (文春新書)
橋下 徹・堺屋 太一
文藝春秋


正直、東京に住んでいると、大阪都構想が実現すると何がよくなるのかピンとこなかったんですけど、これを読んで非常によく理解できた。
主張されていることはごくごくシンプルなんですよね。
中央が号令かけて地方を画一的に統制し、恣意的に分配するやり方はもう時代に合わない。
地域地域で、最適な形を自ら選択できるようにすることで活力を生む。
シンプルかつ真っ当な考え方です。

それと、政治と行政の役割分担について。
政治家はビジョンと方針を示し、行政は実務が回るよう細部を組み上げる。
お互いが衝突する際は、とことん議論を尽くす。
これもまたシンプルかつ真っ当。

そして、組織マネジメントの大切さ。
政治家は政策を示すことより、体制・組織をデザインすることに注力すべし。という慧眼。

なんだか拍子抜けするくらいシンプルで真っ当です。
過激なところなんて全くありません。
「ハシズム」だ「独裁」だ、と批判している人はこれを読んだのでしょうか。

とはいえ、職員基本条例や教育基本条例がシンボリックに取り上げられるのは、橋下氏から「仕掛けている」面もあるように感じます。
その点は”小泉流”な「わかりやすい敵を作る」手法の踏襲に思え、ポピュリスティックに感じられるのも事実ですが。

主張がシンプルな分、同じ内容が繰り返されて、読み物としてはやや冗長。
それと、「第三の敗戦」「下り坂」など堺屋氏の時代認識は的を外しているような気が。
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「紅白」の新しい楽しみ方

2012-01-03 22:42:05 | Entertainment
この年末年始はヨメさんの実家で過ごしてました。
大晦日の夜は、茶の間で大型テレビを囲み、酒飲みながら紅白歌合戦を視て過ごしたんですが、片手にスマホ持って自らもツイートしながら、TL上を流れる皆さんのツッコミや感想を眺めているのが実に楽しかった。

長渕剛が石巻の学校の校庭からロケで出演し、長々と一席演説ぶってから熱唱しておりましたが、これに対しては絶賛ツイートと揶揄めいたツイートがTL上を交錯して非常に興味深かったです。
世の中には長渕剛に心酔する人間と受け付けない人間と、二種類の人間が存在することがよく分かったのでありました(自分は勿論後者なのですが)。

それにしても何だかんだ皆さん視てるんですね、紅白。
人それぞれ感受性も違いますし、ウィットに富んだツイートもたくさんあり、大勢でヤイノヤイノ云いながら眺めるにはやっぱし未だに絶好のコンテンツなんですな、と。

ところで、長渕とは対照的に、椎名林檎に対してはほぼ全てが絶賛ツイートといった感じ。
確か紅組の前半のトリだったかと思いますが、自分も視ていて「もしや今年は紅が勝つかも」と思ったのでした。

昨年の年始に『紅組は負け続ける』などというエントリで「たぶんこの先紅組が勝つことは永久にない」なんて書いてしまった手前、(別にどうでもいいんだけど)以下言い訳めいたことを書いてみようと思います。

今回は、上述の林檎さんやユーミンなど、紅組に出色のコンテンツがあったのに対し、白組は相変わらずのSMAPと嵐だのみでマンネリ感が否めず。
おまけに例年なら圧倒的な実力の違いを見せつけるコブクロも不在、前回の桑田圭祐復活と云った目玉もなく、長渕に西田敏行に千昌夫じゃ、そりゃ主婦層には受けませんがな。
一方で昨年「主婦層には大して響かない」と評したAKB48やKARA、少女時代あたりが、一年の間に随分と茶の間に浸透したのが誤算?でございました。

ということで、紅組は負け続ける、なんて書いちゃったことをお詫び申し上げます(どうでもいんだけど)。
コメント (2)
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2012年の抱負

2012-01-03 14:33:16 | Diary
新年明けましておめでとうございます。

自分も、今年ついに不惑の歳を迎えることになりました。
長男は小学校入学、長女は幼稚園入園と家族のイベントも重なります。

個人的には仕事人生の転機となる期間の端緒となる年になりそうな予感がしています。
年末年始にかけて、橋下徹・現大阪市長の『体制維新』を読みましたが、その中で度々触れられている「組織マネジメント」という概念に大いに触発されました。
会社で昨年からマネジメントを行う立場になりましたが、今年はそこに本格的に取り組みたい。

そして、身近でも明らかに大きくなっているグローバル化の足音。
昨年足がかりを作った英語の勉強にもさらに注力したい。

一方で、会社ばかりにエネルギーを割いて疲弊するわけにはいかない。
今年は昨年よりも会社にいる時間をさらに短くすることに挑戦したいと思います。

コドモたちも少しずつ成長して、以前ほど手がかからなくなった分、家族みんなの思い出となるようなイベントをいくつも作っていきたいと思います(スキーに連れていく、海水浴に行く、など)。

仕事もプライベートも、「質」を向上させることが2012年の個人的なテーマです。

**************

本年もよろしくお願いします。
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