そもそも論者の放言

ミもフタもない世間話とメモランダム

2011年の回顧

2011-12-28 23:43:31 | Diary
2011年も暮れようとしています。

2005年に開設したこのブログ、年が明けたら吃驚することに足掛け8年目を迎えることになります。
最近ではすっかり更新頻度も落ちました。
世間一般でも一時のブログブームはすっかり落ち着いたようです。

どこかで誰かが書いていてなるほどと思いましたが、TwitterやFacebookが世になかった頃は「本来はブログに書くべきでないこと」まで皆ブログに書いていた。
TwitterやFacebookの出現により、「ブログに書くことって実はそんなに無いんじゃね?」と気が付くようになった。
そういうことなんでしょうね。

このブログも、かつては日記的な内容も社会の出来事に対するツッコミもごっちゃに書いていましたが、最近では前者はすっかりTwitterに移行、後者も脊髄反射的なコメントはTwitterで、たまにまとめて何か書きたくなるテーマがある時やブックレビューのみになってきました。
そりゃ更新頻度も落ちるわな。

とはいっても、年の終わりですので、たまには個人的な出来事も含めて振り返りなど時系列でまとめてみようと思います。

<1月>
仕事始めの初日から大きなトラブルが発生。いきなりの徹夜対応(10年以上ぶり)。収束するまでいやはや大変でした。
日本代表アジアカップ優勝。李忠成の決勝ゴールには深夜に興奮。
<2月>
世間は大相撲八百長問題と京大入試Yahoo!知恵袋カンニング問題で騒然。平和だったなあ。
<3月>
大震災。当日はたまたま休みで家にいたので幸運にも帰宅難民を回避。その後しばらくは計画停電、某メガバンクのシステム障害、原発不安など、体力と神経をすり減らす日々が続きました。
<4月>
管理職になった。夜が暗くて、スーパーには納豆が売ってなくて、CMはACばかりでしたなあ。
<5月>
この頃、菅首相(当時)に日々イライラさせられてた印象…
<6月>
父親が45年に及ぶ会社生活にピリオド。完全リタイア。ささやかながら親族で祝宴を設けました。
<7月>
組織変更で部下が増え、殺人的に忙しくなる。以前と同じ仕事の仕方では最早もたないことを実感。
両親が山奥に隠居。
初めての本格的な家族旅行で北海道に。コドモたちは飛行機初体験。
<8月>
節電の夏。スーパークールビズ、ポロシャツ・チノパンでの出勤がクセになる。
13年ぶりにTOEIC受験。全盛期より200点もスコアが落ちて、ちょい愕然。
<9月>
久々の大型台風首都圏直撃、なんてこともありました。帰宅難民を危うく逃れる。
<10月>
父親のすい臓に腫瘍の疑いが発見され、家族に緊迫感が流れる。結局、疑いは完全に晴れたのだけど、ちょうどスティーブ・ジョブスの訃報と時期が重なったりして、一時期はナーバスになりました。
長男の幼稚園最後の運動会。3年間の成長を実感。
W杯で久々にラグビーにハマりました。
<11月>
願書提出に朝5時前から並び、下のムスメの幼稚園入園無事決定。
長男(5歳)、長女(3歳)の七五三参り。大雨に見舞われるも、それもまたよい思い出。
毎年のことながらポストシーズンのみプロ野球中継にハマる。落合ドラゴンズはユニークなチームだったなあ。
<12月>
クラブワールドカップで柏レイソルにハマる。
祖母の認知症が悪化。いろいろと年齢を感じざるを得ないことが多い。
バタバタのうちに仕事納め…

こうしてみると今年もあっという間に過ぎていったような。

年の初めに「2011年の抱負」なんてエントリを書きました。
そこで挙げた「今年やりたいこと」。

1.家族旅行に行く
 ⇒北海道旅行を実現。達成。
2.減量する
 ⇒双方の実家に行くたびに御馳走で太る。それが戻らなくなってきた。運動も習慣化せず。未達成。
3.英語を勉強する
 ⇒細々とながら自習を実行。語彙制限の洋書を読んだり。TOEICも受けたし。ひとまず達成。

まあまあですかね。

時間の使い方を少し変えるという点では…

スマホで情報アクセスを効率化
 ⇒これはかなり変わった。テレビの視聴時間はますます減り、新聞は斜め読みに。
読書量をセーブ
 ⇒昨年の読了数は42冊。今年は28冊。急き立てられるような乱読は脱却。
映画鑑賞は、月5本(劇場1本、自宅4本)ペースを維持して年60本を想定
 ⇒劇場20本、自宅50本で計70本。劇場観賞が思った以上に多かった。

これまであんまりやったことなかったけど、こうして年の初めに計画を立てて宣言するというのも、結構いいかも。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「謎とき平清盛」 本郷和人

2011-12-25 22:02:05 | Books
謎とき平清盛 (文春新書)
本郷 和人
文藝春秋

今年の大河ドラマは視る気が微塵も起きなかったけど、来年の『平清盛』は今のところ視てみようかなという気になってます。
その予習も兼ねて、ということで手に取りました。
著者の本郷氏は、来年の大河の時代考証を務めている学者さんです。
『平清盛』の時代考証は2名が務めているそうで、本郷氏はセカンダリ。
プライマリ時代考証役の高橋昌明氏とは見解を異にする部分もあるらしく、そのあたりの裏話も本著の中で少し紹介されたりもします。
そのへんも含めて、系統だった歴史書というよりもエッセイっぽく書かれている感じです。

著者は、歴史を叙述する際の手順を以下の4つの位相で考えているとのこと。
 1.史実(歴史事実)
 2.史像(歴史像)
 3.史論(歴史理論)
 4.史観(歴史観)
このへんはなるほどなーと思わされました(十分に消化はできてないけど)。

大河ドラマの中でも大きなクライマックスになるであろう保元・平治の乱。
大学入試で日本史を学んで以来、すっかり忘れてしまってましたが、記憶が甦りました。
皇室・貴族・武士が二手に分かれ、血族同士が争い滅ぼし合った大内乱。
本著では、次のように評されます(第6章)。

保元の乱を語る際、「AとBが対立している、CとDが手を組んだ、Eがいつ、こんな行動に出て、Fはこれに対抗してこう動いた」と説明がされる。それは歴史を実証的に認識するために大切なことです。けれども、そうした小さな史実を漠然と積み重ねるだけで、史像が自然と形成されるわけではない。

ここで何に注目すべきかと言えば、それまでは陰謀とか暗躍とか、外の人間にはまるで分からぬ所謂「コップの中の嵐」として行われていた宮中の権力抗争が、「武力を駆使しての戦闘」という、誰の目にも明確なかたちで解決された、ということ。軍事力が政治をドラスティックに変革する時代が到来したのだ、ということです。これこそが平安時代末、朝廷の政治における史像になり得るのです。

ここで書かれていることこそが、この本が示唆している最大のポイントだと思います。
この後、七百年にわたり続くことになる「武士の時代」の端緒となるエポックメイカーとしての平清盛。
大河ドラマが楽しみになってきました。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

交付国債という名の粉飾

2011-12-20 23:26:51 | Politcs

昨日来、金正日死去の話題で持ちきりですが、個人的に今朝の新聞で読んで目を疑ったのが以下のニュース。

年金財源に交付国債…消費増税後まで負担先送り(読売新聞) - goo ニュース

年金交付国債を発行、国庫負担分に充当 政府方針(日本経済新聞)

日経記事から引用すると、

政府は19日、2012年度予算編成で焦点になっている基礎年金の国庫負担割合を2分の1に維持するための約2.6兆円の財源について「年金交付国債」(仮称)の割り当てで賄う方針を正式に決めた。交付国債は発行額を予算総則で定めるだけで、実際にお金を支出するのは先になる。これに伴い、12年度予算案での新規国債発行額は中期財政計画に定めた44兆円以下となる。

新規国債発行額は中期財政計画に定めた44兆円以下となる…要するにこれが狙いなわけですね。
「問題先送りとの批判を呼びそうだ」みたいにまとめてる記事もあったけど、問題先送り以外の何物でもない。
財政規律のための歯止めであるはずの44兆円枠を形だけ守ろうという。
いやー姑息な手段過ぎてビックリですわ。

ていうか、粉飾でしょ、これ。
民間には内部統制だのなんだの押し付けといて、腹立つな―。

交付国債ってのが素人にはよくわかんないんだけど、ウェブで調べてみると…

交付国債とは(コトバンク)

国が現金を払う代わりに発行する債券。受け取った側が必要な時にその都度、現金化できる。利子が付かず、発行時に全額予算計上する必要がないため、国の財政悪化を当面、防ぐことができるのが利点。国際機関への出資や、預金保険機構による金融機関の破綻(はたん)処理で使われてきた。他人への譲渡は原則的に禁じられている。( 2011-05-13 朝日新聞 夕刊 1総合 )

それを「利点」と言うか?とツッコミたくなる解説ですが…

譲渡性がないわけですね。
そんなリスキーなもの誰が引き受けるんでしょうか?

まあでも邦銀は引き受けちゃうんでしょうね。
我々から集めた預貯金がそんなよくわからん紙っぺらに変わるわけです。

「消費税率引き上げが実現した時点で交付国債を現金化する仕組みだ」って、あわわ、消費増税できるかなんてまだまったくわからないのに。
取らぬ狸の皮算用とはこういうことをいう。

なんだか恐ろしいことになってきてますな…

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「昭和天皇伝」 伊藤之雄

2011-12-05 23:47:52 | Books
昭和天皇伝
伊藤 之雄
文藝春秋


昭和天皇の評伝としては、以前に『畏るべき昭和天皇』を読みましたが、本著は、側近の日記など一次資料を丹念に検証しながら、昭和天皇の「畏るべき」側面だけでなく、弱さや蹉跌にもスポットを当てている点が特徴的です。

20歳代半ばの若さで即位した昭和天皇は、張作霖爆殺事件や満州事変などの処理に躓き、軍部に対する威信を築き上げられないまま太平洋戦争への突入に消極的同意をすることになります。
生来の生真面目さゆえに軍部や政治家との、或いは皇室内での確執に悩みながらも次第にその政治手腕に円熟みを増し、戦争終結に政治力を発揮。
そして、終戦後連合軍占領下、戦争責任や退位問題に揺れながらも新憲法下における象徴天皇としての自らの在り方を模索し確立していきます。

改めて印象深く思わされるのは、昭和天皇が、戦後象徴天皇となってからも含め生涯通じて政治的存在であったことです。
象徴天皇となって政治からは切り離された存在になってもなお、国内政治・国際政治に関心を抱き、内奏を受け続けたとのこと(そんな中で増原内奏問題が起こったりもするのですが)。

もちろん平成の今上天皇も我々の知らないところで内奏を受けてはいるのでしょうが、やはり生きてきた時代が違うだけに政治的な重みが昭和天皇とは違うのは致し方のないところ。
昭和天皇という重しを失ったことが、現代の日本における政治の軽さや混迷の一因となっているのではないか、そんな気もしてきます(当然のことながら今上天皇が悪いと云いたいわけではありませぬ)。

著者による評伝を読むのは『伊藤博文 近代日本を創った男』以来だけど、600頁に迫る大著は読み応え十分。
8月の終戦記念日の頃に購入して、少しずつじっくりと読み進め、開戦記念日間際のこの時期に読了しました。

改めて、昭和天皇は日本という国の現代史そのものを体現する偉大な存在であります。
日本史の教科書よりもこれ一冊を読み込んだほうがよっぽど日本現代史の理解を深めることができましょう。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ガラパゴスな生態系を打ち破る川内優輝

2011-12-04 14:54:27 | Sports
公務員ランナー川内、福岡国際3位…日本勢最高(読売新聞) - goo ニュース

川内選手がまたやりました。
抜群の勝負強さと、感動的なまでの粘りでまたもや日本人トップ。
五輪代表も夢ではなくなってきたようです。

組織の力を一切頼ることなく、全てを自分自身で考え、実行し、目標を実現していく。
川内選手の姿には心から感動します。
いろいろあった2011年、あらゆる日本人の中からMVPを一人選べと言われたら、個人的には迷いなく川内優輝の名前を挙げたい。

しかしその一方で、素質や環境、優秀な指導者に恵まれながら、川内選手に敗れ続ける他の日本人選手たちの姿には複雑な思いもします。
彼らを「情けない」と断罪するのは容易だけど、それだけではない。
その後ろに隠れている日本陸上界の、というより日本社会の構造的な問題に思いを致さざるを得ません。

日本のマラソンが弱くなったことと、箱根駅伝やニューイヤー駅伝などの国内駅伝イベントがテレビ局の有力コンテンツになったことの間には大いなる相関があるように感じます。
テレビ局は、長時間にわたりチャンネルを専有できる魅力的なコンテンツである駅伝を派手にPRする。
大学や企業にとっては知名度を上げる有効な手段として駅伝強化にのめり込み、好待遇で有力選手を囲い込む。
その流れの中で「国内の駅伝に勝つ」ことを最大目標にした強化が行われていることは想像に難くありません。
で、国内レベルの駅伝では抜群に強くても、国際レベルのマラソンでは通用しない選手ばかりができあがる。
今回川内選手との競り合いに敗れた今井選手も箱根駅伝山登りのスターでしたね。

そういった日本国内のガラパゴスな生態系とは関係ないところで頑張っている川内選手が、現在最も世界で戦うことのできるマラソン選手であるという事実は、日本の社会に対して大きな教訓を与えてくれます。
「公務員なのに」「市民ランナーなのに」といった浅薄なレベルでしか伝えることのできないメディアのなんとアホなことか。
これから様々な分野で川内選手のような人材が出現するのではないか、そう期待します。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする