そもそも論者の放言

ミもフタもない世間話とメモランダム

続・パンデミック警報雑考

2009-04-30 23:15:57 | Society

米到着機の日本人女性が陽性 成田、周辺乗客も隔離(共同通信) - goo ニュース

やっぱり、これだけ人の移動が激しい世の中だと避けようがないよな…
GW明けの帰国ラッシュではどうにもならんだろう。

今日の日経新聞朝刊、WHO緊急委員会委員を務める田代真人・国立感染症研究所インフルエンザウイルス研究センター長のインタビュー記事から。

ウイルスの毒性は通常の人間のインフルエンザウイルスと同程度で、弱毒性だ。このウイルスが強毒性に変異する可能性はないとみている。ただ従来のH1N1型とは違う新型インフルエンザだと認識している。既知のH1N1型に感染したことがある人でも免疫がないので、感染が広がりやすい。

弱毒性でも世界的な大流行になれば、世界全体で多数の死者が出る。感染した人が気付かないことがあり、かえって感染が広がりやすい。

新型インフルエンザの健康被害の社会的影響は、強毒性のH5N1型の鳥インフルエンザに比べるとはるかに小さい。同じ対策をとる必要はなく、フェーズも定義にこだわらずに柔軟に考える。

もちろん、その道の権威だからといってその発言を頭から信じていいのかどうかは判りませんが、専門家の見解はこのようなものだということは認識しておいたほうがよいと思います。

一方で、こちらの記事によれば…

新型インフル「弱毒性」でも警戒必要(読売新聞 2009年4月30日)

さらに、インフルエンザウイルスは、遺伝子が変異しやすい。大流行して人間の間で感染を繰り返すうちに、弱毒性が強毒性に変わることも考えられる。1918年から19年にかけて世界で4000万人以上の犠牲者を出した「スペインかぜ」も、弱毒性が流行の途中で変化したタイプだった。

ということなので、やはり油断はできそうにないですな。

しかし、この種の話は公的機関からのアナウンスの仕方が難しいですね。
あまり危機を煽るのもアレだし、かといって安心を強調しすぎて気が緩むのもまずいし。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

パンデミック警報雑考

2009-04-29 21:55:03 | Society
豚インフル、米国で初の死者 1歳11カ月の幼児(朝日新聞) - goo ニュース

報道は、新型インフルエンザ一色になっています。
本件について専門的な知識は持ち合わせていないので、以下は素人目線での直観的な雑感です。

今回のインフルエンザは「H1N1型」とみられているとのことで、恐れられていた「H5N1型」とは異なるようなので、仮に日本国内で感染者が出たとしても、毎年冬になると流行するものと事態は大きくは異ならないのではないでしょうか。

かと言って、感染者が出ても構わないということでは勿論なく、老人だとか乳幼児だとか一番弱いところに犠牲者が出ると思われる(米国の例のように)ので、水際でせき止めて蔓延を防ぐことは重要だと思います。

メキシコの死者数が飛びぬけて多いことに関して専門家の間で謎と思われているという話を読みましたが、衛生状態や医療水準などの要因が影響しており、先進国よりも感染者や死者の数が多くなってしまうという面はあるのかな、と。
その点からも、仮に日本で感染者が出ても、メキシコと同じような状況になることはないような気もします。

いずれにしても、今後発生の恐れがある「H5N1型」パンデミックに備える意味でも、今回感染防止対策がどれほど効果を上げられるのかは試金石になるように思います。

しかし、時期が悪いよね。
長期連休で海外渡航者がピークを迎えるタイミング。
メキシコはともかく、他の地域への海外旅行を予定している人がキャンセルするとはまず思えないし。
日本国内でも間もなく感染者が出るのは避けられないように思えます。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

真の問題は世襲なのか

2009-04-27 23:20:59 | Politcs
高まる世襲制限論議 自民政権公約 「2世」逆襲強める(産経新聞) - goo ニュース

こういうふうに議論が局所化してしまうとろくなことがありません。
憲法違反だとか大げさなことを持ち出すのにも違和感があるけど、近親はダメだけど例えば秘書に地盤を引き継ぐのはOK、ということなら実質的には何ら変わらないように思います。
抜け道もいくらでもありそうだし。

そもそも世襲がイカンというよりも、世襲くらいしか政治家のなり手がいないことのほうを深刻に考えるべきではないかと。

江戸時代の国替えみたいに、同じ選挙区からは3回以上連続して立候補できない、とかってルールにしたほうが、地盤と政治家を引き離すには効果があるのではないだろうか。
実現するのは政治的には非常に難しそうだけど。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「羊の目」 伊集院静

2009-04-25 23:48:27 | Books
羊の目
伊集院 静
文藝春秋

このアイテムの詳細を見る


伊集院静の小説を読んだのは初めてだったんだけど…正直、この人、ヘタじゃないですかね。
なんかすべてが説明臭いんだよね。
例えば、人物を表現する際に「器量が大きい」とか「肝が据わっている」とか、そういう修飾をそのまんま使ってしまう。
そんな直截的な表現を使うのではなく、その人物の言動を描写することを通して読み手にその人物像が自然に伝わるようにもってゆく、そこにこそ小説家の技量が発揮されるべきなんじゃないか、と自分なんかは思ってしまう。
ストーリーの進め方にあたっても、背景の説明なんかが実に機能的な印象でケレン味に欠ける。

題材もプロットもきわめて通俗的だし、つまんねぇなーと思いながら読んでいたんだけど、最終章になってようやく大河ドラマ的情感がやや湧いてきて若干盛り返す。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

公然猥褻で家宅捜索

2009-04-23 23:55:15 | Society
草なぎ容疑者宅を捜索=24日送検へ-公然わいせつ容疑で警視庁(時事通信) - goo ニュース

まあ「最低」といえばその一言だけど、酔っ払って全裸で騒ぐ人間なんて世の中にゴマンといそうですがね。
これが一般人なら交番にしょっ引かれて、一晩留置場にぶち込まれ、こっぴどく叱られて「もう二度とやるんじゃないぞ」…てな感じでしょうか。
逮捕されて家宅捜索までとは、「有名税」は高くつきますな。

しかし家宅捜索なんて判断が出てくるのは、やっぱり芸能人だからもしやクスリ…という連想があったからなんでしょうか。
警察権力の専横などというつもりはありませんが、そのあたりの判断が為される力学がどういうものなのか、ちょっと興味あります。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

韓国のロケット打ち上げ

2009-04-21 23:49:51 | Politcs
韓国、7月にロケット打ち上げ…日本政府は静観へ(読売新聞) - goo ニュース

北朝鮮はダメだけど韓国はOK、というのは気持ちとしては大変よく分かるんですが、ロジカルに理屈づけするのはなかなか難しそうです。
ミサイル発射も人工衛星打ち上げも技術的には全く同じものとのことなので。
北朝鮮に揚げ足取りのよい口実を与えなければよいのですが。

今回の韓国は南方に打ち上げるようですが、テポドン問題のときに、人工衛星を軌道に乗せるには東方に向かって打ち上げる必要があるという話をききました。
となると、東方に公海が広がっている日本やアメリカのような地理条件にある国じゃないと、他国に迷惑をかけずに人工衛星を上げるのは困難、ということになりますね。
それも何だかなあという気はします。
まあ、気候条件にしても資源の多寡にしても、国土の地理条件というのは選ぶことができないので仕方ないといえば仕方ないのですが。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

景気対策への評価まとめ

2009-04-20 22:46:27 | Economics

麻生首相が、躍起になって補正予算を通そうとしています。
総事業規模56兆8000億円、真水15兆4000億円となる過去最大の追加経済対策。
果たして、財政支出を拡大することで経済は回復するのか?

池田信夫氏は否定します。
ちょっと前の記事ですが、氏のブログ「不況についての迷信」より。

需要不足には、短期的な要因と長期的な要因がある。前者は金融・財政政策によってコントロール可能なGDPギャップ、後者はコントロール不可能な潜在GDPの低下である。マクロ政策によって達成可能な成長率の上限は、後者によって決まる。今回の日本のように、アメリカの過剰消費が正常化することによる潜在GDPの低下を「一国ケインズ政策」で埋めることはできない。

そして、このような「迷信」が疑いなく信じられている日本は国際的には例外だと。
同ブログ「「史上最大の景気対策」についての懐疑的リンク集」より。

麻生首相の誤解とは異なり、不況になったら財政支出を増やせという「常識」なんか経済学にはもう存在しない。この問題は、上のように世界の経済学者の中でも論争の最中であり、少なくとも潜在成長率を引き上げない短期的なバラマキは有害だという点については、財政積極派のサマーズも含めてコンセンサスがある。

それでは何故日本では古いケインズ思想がいまだに幅を利かせているのか。
池田氏の盟友・池尾和人氏へのインタビュー記事(ダイヤモンド・オンライン)より、日本において「俗流化されたケインズ思想」に捉われている原因についての見解。

 本格的なケインズ政策を実施して、失敗した経験がないからだ。日本経済は1980年代初頭まで、欧米の背中を追うキャッチアップ型であり、成長し続けた。経済社会が成熟し、長期停滞に陥って、需要喚起策が必要になるという経済構造とは無縁だったから、ケインズ政策は必要なかった。
 日本が戦後初めて、赤字公債発行を伴う財政支出に踏み出したのは1975年、福田政権のときだった。そして、1990年代の長期経済低迷の克服のために財政支出を拡大し続け、膨大な政府債務を背負うことになった。それでも、長期金利は安定している。いまだに、ケインズ政策によってひどい目にあった、という経験がわれわれにはない。
 <中略>
 欧米は第二次オイルショック時にスタグフレーションに見舞われ、塗炭の苦しみを味わったからだ。オイルショックによってサプライサイド(供給側)に大問題が発生したのに、総需要喚起というケインズ政策で立ち向かい、不況を克服できないままハイパーインフレーションを引き起こしてしまったのだ。だから、ケインズ政策に対して、欧米には深い懐疑がある。

一方、同じダイヤモンド・オンラインで山崎元氏は、「現在の状況下で金融緩和と共に財政的措置を取ること自体は適切だし、経済の落ち込みの大きさを考えると規模に違和感はない。」とした上で、政策への評価の基軸を提示しています。

個々の政策への評価の基準は、筆者は三つあると考えている。第一に、公共性だ。この点については、定額給付金や減税を思い浮かべると分かりやすい。今お金が配られても、後から増税されて取り立てられれば(つまり同じ人に支出されて、同じ人から回収されれば)、国民の損得勘定は基本的にプラスマイナスはゼロだ(厳密には手間がかかっている分だけ、マイナスかもしれない)。したがって、国民の皆がメリットを得られるような公共性(公共事業として行う必然性)がなければ、財政支出を行う意味がなく、これは減税に劣る。第二は、所得配分上のフェアネスだ。メリットを受ける人や業界に偏りはないかという点と、あまり行き過ぎてもいけないが、不況が深刻化している状況を考えると、豊かな人よりも経済的に困窮している人に対してサポートになっているかどうかを見定める必要がある。そして、第三は、将来の経済力の発展(成長性)につながるものであるかどうかだ。

山崎氏は、これらの基準に照らして今回の景気対策のメニューを一つ一つ点検していきます。
住宅ローン対策や贈与税減税が金持ち優遇である点、自動車業界や家電業界など特定業界への「エコ贔屓」、就学前児童への一年限定での手当支給の意味不明さなど、同感です(我が家は恩恵を受ける部分もありますが)。

成長力を高めない規模だけのバラマキには効果が無い、という点では各氏の見解は共通しているようです。
池尾氏が述べる「日本人はケインズ政策で痛い目にあっていない」という視点は新鮮でしたが、それに加えて、「お上による差配に頼る」という志向が日本人のメンタリティに合致しているという面もあるのでは。
それと、財政政策信仰が続くことが官僚の権力確保にとって都合がいいという点も考えておくべきなのでしょう。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

満一歳

2009-04-18 23:38:19 | Diary
昨日、下のムスメが満一歳の誕生日を迎えました。
徹夜ドライブで出産に駆け付けた思い出が甦ります。

順調に育ってます。
第二子はたくましく育つとよく言われますが、うちの子もご多分に漏れず。
何より大食いで、離乳食はとっくに卒業、おにぎりを大量にパクついてます。
朝から晩まで食べ続けてるといっても過言ではなく。
その割に太らないので、将来はギャル曽根路線を歩まそうかと。
それ以前に家計が食いつぶされそうですが。

今日はお祝いで、近所のファミレスのサラダバーで食べ放題。
彼女にとっては何よりのプレゼントかと。
といいつつ、一歳児は料金かからないので、元手もかかっちゃいないのですが。

上のにいちゃんの幼稚園通いも今週から本格的にスタート。
今のところ順調な滑り出しを見せているようですが。
幼稚園の他んちの子と比べると、うちの子、やたらとテンション高くてやかましいみたい。
誰に似たんだか…
そんなにいちゃんの影響を受けて、下のムスメも一歳になった昨日からヘッドバンギング始めました。
先が思いやられますわ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「地球と一緒に頭も冷やせ!」 ビョルン・ロンボルグ

2009-04-17 23:33:06 | Books
地球と一緒に頭も冷やせ! 温暖化問題を問い直す
ビョルン・ロンボルグ
ソフトバンククリエイティブ

このアイテムの詳細を見る


「温暖化問題を問い直す」との副題がついていますが、著者は地球が温暖化していること自体を否定しているわけではありません。

確かに温暖化はしているし、温暖化に人為的な要因が影響しているのもおそらく間違いないし、CO2を削減すれば温暖化が緩和されるのも事実だろう。
だけど、物凄いコストをかけてCO2削減に取り組むことが、本当に賢明な策なのか、立ち止まって冷静に考えてみようよ、という本です。

著者の主張点は大きく2点。

地球温暖化が進んだとしても、アル・ゴアやメディアが喧伝するような暗黒の未来―氷河融解による海面上昇、ハリケーンの強大化による被害の甚大化、メキシコ湾流が止まることによる欧州の寒冷化、伝染病の蔓延-が到来する恐れはないということが1つ。
冷静なデータ分析と、専門家の学説を紐解きながら、その根拠が説明されます。
温暖化がこのまま進めば、暑さで死ぬ人は確かに増えるかもしれないが、寒さで凍え死ぬ人がそれ以上に減る。
ハリケーンの被害額や海面上昇により危険にさらされる人々が増えているのは事実だけど、それは温暖化のせいというよりも、危険な地域に住む人口が増えていることの影響の方がずっと大きい。

そしてもう1つは、温暖化による悪影響を減らすための方策として、CO2削減はきわめて費用対効果が低い対策である、ということ。
京都議定書を実現したところで温暖化は止まらず、効果が出るのはずっと先の話だし、しかも数年先延ばしをするだけ。
その程度の効果しか生まない京都議定書ですら、各国は削減義務を守れないでいる。
なぜなら、京都議定書を守るには莫大な社会的コストが発生するから。
そんな大した効果を生まないCO2削減なんかにコストをかけるよりも、もっと別な方法―社会政策や世界の貧困層の所得を上げる経済成長―を優先したほうがずっとよい結果を得られるだろう、ということ。

この本に書かれていることと、温暖化の危機に警鐘を鳴らす世間の論調の、どちらが正しいのかを判断することは自分にはできません。
が、著者の説明が冷静で客観的であることはこの本を読めば伝わってくるし、何よりCO2という「手段」が「目的」化しているようにしか思えない今の風潮の異常さが際立って感じられるようになります。

著者の主張で、もっとも共感するのは、すべては「トレード・オフ」だと考えている点です。
温暖化を防ぐことも、CO2を削減することも「よいこと」であるのは確か。
「よいこと」ならやればいいじゃないか、というのは正しい。
だけどそれには莫大なコストがかかる。
限りあるコストを投下するには、「何が優先するか」をよく考えるべき。
CO2削減のためにコストを使い切ってしまったら、もっと費用対効果の高い他の対策に手をかけることができなくなってしまう。
優先度や公平性を考えずに、「やらないよりやった方がいいんだから」という考え方が盲目的にまかり通ってしまうのは、今の「景気対策」なんかを見ても同じですね…

というわけで、なかなかの良著だと思いますが、データ分析や解説が丁寧に行われる分、同じような話が繰り返し出てきて、「読み物」としてはやや冗長な気もしました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

入園

2009-04-09 22:42:59 | Diary
今日は長男の幼稚園入園式で、仕事を休んで出席しました。
夏のような陽気で、しかも桜も盛りは過ぎたもののまだ花びらを残している、入園式としては最高の日和。

120人の新園児が集まる光景はなかなかの壮観。
集団行動をほとんど経験していない3歳児の集まりにしては、意外に統率は取れている印象でしたが、やはり泣き叫ぶ子はおり。
うちのコドモも頑張っておとなしく座ってましたが、両隣の子に泣かれてしまってつられそうになる場面も。
家を出発する前には「行きたくない」と言い出し制服に着替えるのに強烈に抵抗してたし、暫くは苦労しそうです。
年少組はクラス担任2人制ですが、つくづく幼稚園の先生って大変な仕事です。

明日は休みで週明けから通園。
毎日が休日だった彼も、これから長く続く就学生活に入ります。
そう考えると感慨も湧きますな。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする