そもそも論者の放言

ミもフタもない世間話とメモランダム

『世界一素朴な質問、宇宙一美しい答え』 ジェンマ・エルウィン・ハリス

2014-07-24 22:34:35 | Books
世界一素朴な質問、宇宙一美しい答え: 世界の第一人者100人が100の質問に答える
ジェンマ・エルウィン・ハリス,タイマ タカシ,西田 美緒子
河出書房新社


子供達から寄せられた100の素朴な質問に対して、各界の学者や専門家が回答する。
基本的には子供向けの本だけど、大人が読んでも学ばされるところも多い。

個人的に印象に残ったのは以下の質問に対する答え。

11 恐竜は絶滅して、ほかの動物は絶滅しなかったのはなぜ?
12 草や木はどうやって小さい種から大きくなるの?
23 ハチはハチを刺せる?
24 どうして食べものを料理するの?
27 どうしてトイレに行くの?
31 どうしてゾウの鼻は長いの?
44 空を飛ぶ動物には(コウモリはべつにして)なぜ羽毛が生えているの?
62 ペンギンは南極にいるのに北極にいないのはなぜ?
81 稲妻はどうやって起きるの?
92 海の水はどうしてしょっぱいの?

やっぱり科学系は知らないことも多い。
最近では「鳥は恐竜の子孫である」というのが定説になっているなんてのも、全然知らなかったですわ。
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次の日本代表にワクワクしない

2014-07-23 23:02:17 | Sports
コロンビアに完膚なきまでに叩きのめされたのが6月25日。
早いもので、そろそろ1ヶ月が経とうとしている。
Jリーグも再開したし、欧州ではビッグネームの移籍やプレシーズンマッチに向けた準備の情報が飛び交っている。

日本代表については、大した総括もないままに、アギーレ氏の新監督就任が既成事実のように語られ、今週あたり正式発表されるのであろう。
しかし、個人的に、まったくワクワクしない。
いや、アギーレがどうこうというわけでなく、新監督がたとえペケルマンやストイコビッチだったとしても、この感覚は変わらない気がする。

ドーハの悲劇の頃から日本代表をつぶさに観てきて20年以上になる。
4年に一度のワールドカップが終わるサイクルで、その都度新生日本代表には期待感を覚えてきたが、今度ばかりはその期待感が湧いてこない。
どうすれば世界に近づけるのか、その道筋がまったく見えてこない。

今回の日本代表メンバー、堕ちたとはいえ欧州主要リーグの名門である、マンチェスター・ユナイテッド、ACミラン、インテル・ミラノの所属選手がおり、ブンデスリーガで得点ランキング7位の15得点をあげたストライカーもいる。
過去の日本代表とは比べ物にならないくらい、トップレベルの経験値は積んでいるはず。
しかも監督は、全盛期のセリエAで華々しい実績を持つ人物。
ここまで陣容がそろって、それでも世界との差はまだ歴然としている、その事実に途方に暮れる思いがする。

しかも、次代を担う若手選手の層にもあまり期待感が感じられない。
今回の日本代表メンバー中もっとも若い酒井高徳は23歳だが、出場機会を得ることはなかった。
他方、他国に目を向ければ、ハメス・ロドリゲスやネイマールは22歳(ロドリゲスは大会中に23歳に)、スイスのシャキリも22歳。
フランスのポグバ、ヴァランは21歳、ベルギーのルカクも21歳、同じくオリジは19歳、オランダのデパイは20歳。
21歳、22歳といえば、宇佐美貴史や柴崎岳、宮市亮と同世代。
そういった年齢層の選手が強豪国の主力として活躍している。
彼我の差を痛感し、希望を挫かれる。

結局、国際舞台の真剣勝負の場での経験値が圧倒的に不足しているのだ。
が、その不足を極東に位置する日本サッカー界が現実的に補う術があるのだろうか。

しばらくすればアジアカップが始まり、次のワールドカップに向けた予選も始まる。
それはそれで厳しい戦いになるのは間違いないが、戦う相手はいつものメンツ(豪州や韓国や北朝鮮やウズベキや中東勢)。
そこでいくら真剣勝負をしたところでなかなか経験値が上がるイメージがわきにくい。

欧州や南米に乗り込んでアウェイのテストマッチを挑めば多少は違うだろうが、所詮親善試合は真剣勝負にはなり得ない。
だがそれでも、コンディションの整わない中堅国を呼んで日本国内で開催するキリンチャレンジで国際Aマッチデーを無駄遣いするよりかはずっとマシだろう。
あとはアジアカップを「コンフェデの予選」だと思って絶対優勝するとか、南米選手権への招待を断るといった愚行を犯さないとか、代表チームとして経験値を積む現実的な方策はそれくらいしかない。

あとは個々の選手がいかに経験値を上げるか。
W杯期間にも、柿谷曜一郎、原口元気、田中順也といった選手たちが新たに欧州移籍したが、海外移籍できるならどんどんしたほうがよいのは確か。
ただ、スペイン、ドイツ、イングランドといったトップクラスのリーグの上位チームか、欧州CLである程度勝ち進めるくらいのチームでレギュラークラスにならないと、本当にトップレベルで通用するための経験はできないのかもしれない。

一方で、残されたほとんどの選手たちが所属するJリーグのレベルアップ。
正直、W杯直後に、再開したJリーグの試合を観ると、パスや判断のスピード、球際の厳しさに、格段の違いを感じてしまう。
トップクラスの日本人選手が海外移籍しているのだから、優秀な外国人選手を入れなければ全体のレベルは落ちる。
外国人枠はさっさと撤廃してしまった方がよい。
それとACLにもっと注力すること。
中国の金満クラブには、Jリーグにはいないようなハイレベルの外国人選手がいるので、彼らと対戦するだけで経験値を積むことができるはず。

本当は、日本がAFCの枠から飛び出てしまうのが一番よいのだが。
TPPの一環?で北中米や南米の仲間に入れてもらえないかな…
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ブラジル大会 私的ベスト11

2014-07-15 22:55:32 | Sports
ここ1ヶ月、わずかなノーマッチデイを除いてほぼ毎日5時起き、夜は11時には寝る、という生活を続けてきて、ついに昨日の決勝は4時起き。
終わってしまった。
自分が初めてつぶさに観たワールドカップは1990年イタリア大会。
決勝の顔合わせはそのときと同じ、ドイツとアルゼンチン。
そして、その1990年大会以来、24年ぶりにドイツが戴冠。

前回南アフリカ大会の決勝、スペインvsオランダ戦と同様、スコアレスで延長に入った試合は、延長後半に美しい決勝点が入り、息詰る激戦にピリオドが打たれた。
勝敗を分けたポイントについてはいろんなところで語り尽くされているので、ここでは触れないが、一言でいって層の厚さの違い。
ドイツの決勝点は、シュールレ→ゲッツェの途中出場コンビから生まれ、そしてそのときシュールレが破った右サイドをが守っていたのが今大会信じ難いほどの粘り強い守備を続けてきたサバレタとマスチェラーノであったことに象徴的な意味を感じてしまう。

さて、今大会も、およそ3分の2のゲームを(部分的にでも)テレビ観戦したので、恒例の私的ベスト11を。

GK
GKの活躍が目立った大会、ということは散々云われているが、やはりノイアーは別格。
アルジェリア戦で見せた守備範囲の広さ、フランス戦で見せた神々しいまでのセーブ。
コスタリカのナバス、メキシコのオチョア、チリのブラボ、米国のハワード、アルジェリアのエンボリなど、小柄な(180cm台の)GKの活躍も印象深い。

DF
ここぞというところで個の強さを見せたフンメルス
171cmのサイズでチリの鉄壁守備の中心となったメデル
攻守に隙なく安定感抜群だったサバレタ
左SBは強い印象を抱かせた選手がいなかったので3名にしておきます。
次点は、オランダの守備陣を粘り強く支えた鉄人フラール。

MF/FW
守備的MFは文句なくマスチェラーノ。勲章をあげたかった。
決勝戦の実質MOMシュバインシュタイガーと、若さに似合わず多才な活躍を見せたクロースのドイツ・コンビ。
スター誕生、得点王ハメス・ロドリゲス
えげつないまでのスピードで別次元の突破力で暴れ回ったロッベン
相手のいやなところに必ず入ってくるポジショニングセンス抜群のミュラー
途中出場で結果を出し続けたシュールレ
もちろんメッシとネイマールも入れたかったんだけど、メッシは決勝戦で輝けなかったのと、ネイマールはチーム共々ちょっと痛々しくって…

今回あえてMFとFWの区別をつけなかったが、全員で攻め、全員で守る(除、メッシ)ことをスピーディに切り替えるという新しいサッカーのトレンドを強く感じた今大会。
やはり、「自分たちのサッカー」「攻撃的なサッカー」なんて言い続けるのは独善的なんだよなぁ。

(参考)
南アフリカ大会 私的ベスト11
総括らしきことを(2006年ドイツ大会回顧)
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『寂しい丘で狩りをする』 辻原 登

2014-07-12 22:37:03 | Books
寂しい丘で狩りをする
辻原 登
講談社


現代の社会において、ストーカー犯罪の標的になることがどれほど危険で恐ろしいことなのかを実感させられる。
社会は頼りにならず、自分で必死になって身を守るしかない。
私刑による解決をどう捉えるか、倫理的な問いかけとしての意義はある小説と思う。

辻原登の小説は他に読んだことがないのだけれど、20年以上前(1990年)に芥が賞を受賞した人なんだね。
ということはもともと純文学系の作家なのか、こういう犯罪小説のサスペンスを描くのには慣れていない印象を受けた。
描写のトーンが一定しなかったり、人称がころころと入れ替わったりで、どうにも安定しない。
山中貞雄など映画ネタが豊富に登場するのは個人的には興味深いんだけど、あんまり小説のテーマと関係ないよね。

加害者の男たちの執念深い計画性を描く一方、加害者が映写技師で、被害者が映画編集者で、発掘された貴重な映画フィルムにより二人が結びつくというあまりにご都合主義的な偶然性(しかもそのご都合主義があまり作劇に活かされない)が配されるあたりのアンバランスもいまいち据わりが悪い。
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つかみ所のないアルゼンチン

2014-07-10 23:20:32 | Sports
アルゼンチン0-0(PK4-2)オランダ

今大会のアルゼンチンはかなり異彩を放っている。
スペインのポゼッションサッカーの時代が終焉を迎え、守備ブロックを固めながら攻守の切り替えを速くしてショートカウンターを繰り出す新時代のサッカーが脚光を浴びる中、けっして守備的というわけでもないのに守備は強固で、かといって攻撃的というわけでもないのにほとんど歩いてるばかりのメッシの一撃で最小限の点を取ってしまう。
組織的とも言えないが、個人プレーに走っているわけでもない。
なんともつかみ所のない、一言でいって「したたか」なサッカー。

このオランダ戦でいたく感心したのはマスチェラーノとサバレタ。
マスチェラーノはロッベンを完全に封じていて実質MOMの活躍だったが、サバレタとともにどんなに苦しい場面でも的確なパスを出して変なボールの失い方をしないことに感服した。
真に凄い選手とはこういう選手たちのことをいうのかもしれない。

決勝は、普通に考えてドイツ優勢だが、このつかみ所のないアルゼンチンが優勝して、変な余韻を残すというのもまたオツなもの、という気もしてくる。
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ベロオリゾンテの惨劇

2014-07-09 22:33:32 | Sports
準決勝 ドイツ7-1ブラジル

ドイツが5点目を入れる前半30分までを改めて録画で観たのだけれど、正直ブラジルの試合への入り方は悪くはなかった。
あの感動的な国歌斉唱の高揚感そのままに一気に前がかって、コロンビア戦のように勢いで先制すればまた違った試合になっていたのかも。
ただ、結果を知った上で観ると、やはり危なっかしい。
マルセロとダビド・ルイスとマイコンが同時に上がっているタイミングがあったりして。
冷静なドイツは、だんだんとそこを効果的に衝くようになってくる。
特にマルセロの背後はがら空きになっていることが多く、ドイツは右サイドをショートカウンターで駆け上がる。
本来マルセロが守るべきスペースに誰も守備者がいないので、ダンテがサイドにつり出され、その分中央のバイタルが空く。
ドイツの攻撃陣は代わる代わるそのスペースに入り、パスを回しているうちに、ブラジルのディフェンスラインが混乱する。
そんな状況だからブラジルのディフェンスにはラインコントロールといった概念が全くなく、クローゼが2点目を入れたシーンでも、マルセロがラインを意識していればサイドから中に入ってきたミュラーはオフサイドの位置にいた。

どうしてあんなことになってしまったのか。
やはり、ネイマールがいない分、人数をかけて攻撃しなければいけないという意識はあっただろうし、チアゴ・シウバ不在によりディフェンスの統率が乱れたという面は大きいのだろう。

ここまで完膚なきまでにやられると暴動すら起きないだろう。
しかし、ブラジルですらこんな悲惨な目に遭うのが現実なのだから、日本代表もちょっとばかりうまくいかなかったからといって下を向いていてはいけないね。

♯NHK実況の内山アナがハーフタイムに言った「歌を忘れたカナリア」は名言でした。
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