そもそも論者の放言

ミもフタもない世間話とメモランダム

『穴』 小山田浩子

2014-06-28 21:41:46 | Books
小山田 浩子
新潮社


芥川賞を受賞した表題作『穴』と『いたちなく』『 ゆきの宿』の3編収録。
『いたちなく』と『ゆきの宿』は登場人物が共通している短編の連作形式。

作中にパソコンやスマホなども登場するので、現代を舞台にしているのは間違いないんだけど、セリフ回しが妙にアナクロだったりして、意図的に現代性を抑制している印象を受けた。
3編いずれも、生き物(動物)が物語のキーファクターとして登場し、人間も含めた生き物の生死を感じさせる、どこか土着的というかアニミズム的な空気が小説に充満している。

『穴』は、SFというかファンタジー的作風で、主人公が日常からシームレスに不可思議なパラレル世界的空間に入り込んでいく。
面白いとは思ったが、やや新鮮みは欠けるかもしれない。
それにしても最近の芥川賞選考ではこういうちょっと捻ったようなのが受けるのだろうか。

個人的には『いたちなく』『ゆきの宿』の2作の方が好みだった。
しし鍋を食しながらいたちの殺生について語る件りや、不妊治療や未熟児の誕生の件りなど、生命の輪廻について暗喩的に意識させられるあたり、うっすら背筋が寒くなるような感覚が秀逸。
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終戦

2014-06-25 21:30:43 | Sports
1-3 オーストラリア (26分☆、84分★、89分★、92分★)
0-0 クロアチア
1-4 ブラジル (34分☆、46分★、53分★、59分★、81分★)

1-2 コートジボワール (16分☆、64分★、66分★)
0-0 ギリシャ
1-4 コロンビア (17分★、46分☆、55分★、82分★、90分★)

上が2006年ドイツ大会、下が今大会の日本代表の戦績。
()内は得点経過、☆が得点、★が失点。

驚くほど似ている。

かといって、日本代表がこの8年間まったく成長しなかったかと言えばそんなことはないだろう。
ただ、成長しているのは日本だけではない、対戦相手の国々も成長している。

コロンビア戦の出来は悪くなかった。
が、悪くないのにこんなスコア差が出てしまう(しかも相手はメンバー落ち)ところに実力差が如実に出ている。

ボールを狩って攻め込んでも最後のところで得点機を創れない。
ボールを持った選手がキョロキョロと味方の選手を探している間に相手は陣形を整えてしまう。
苦し紛れのパスはカットされ、カウンターにつなげられる。
とにかくスピードが足りない。
足の速さという意味のスピードではなく、判断のスピードが。

せっかく前半終了間際に岡崎の泥臭い同点ゴールが決まってよい展開になったのに、肝心の後半立ち上がりにペースを落としてしまう。
ハメス・ロドリゲスひとりが入っただけで必要以上に浮き足立つ。
ドログバのときと全く同じ。

繰り返すが悪い試合ではなかった。
選手たちはよく戦ったと思う。
が、一方で実力不足は明白。
ダメなところは明らかなのだから、そこを重点的に強化すればよい。
ザッケローニと協会はそれをやってこなかった。
次はもっと現実的な指導者にきてほしい。

本気で代表の強化をするのなら、キリンチャレンジカップは縮小すべきだ。
あれは興行であって強化にはまったくつながらない。
日本代表の試合の三分の二はアウェイでやるべき。
そうせずに相変わらず興行優先でいくなら、4年後も8年後も大して変わらない結果で終わるだろう。
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『決算書がスラスラわかる財務3表一体理解法』 國貞克則

2014-06-22 21:41:16 | Books
決算書がスラスラわかる財務3表一体理解法 (朝日新書)
國貞 克則
朝日新聞出版


Kindle版にて読了。

貸借対照表(BS)、損益計算書(PL)、キャッシュフロー計算書(CS)の財務3表を一体的に捉え、3表それぞれの「どことどこが繋がっているのか」という観点にポイントを絞ることで財務会計の全体像を動的に捉える見方を解説した一冊。

個人的には既知の内容がほとんどだったけど、体系的に頭の整理をする上ではなかなか役に立ちました。
特に、事業活動を「お金を集める」「投資する」「利益を上げる」という3つの基本活動と捉え、各々が、「BSの右側」「BSの左側」「PL」、並びに、「財務CF」「投資CF」「営業CF」に該当する、という整理は簡潔かつ重要な視点であると思う。
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自分たちのサッカー、という呪縛

2014-06-20 20:43:19 | Sports
日本0-0ギリシャ

コートジボワール戦の敗戦後、監督も選手も口を開けば「自分たちのサッカー」と発言するのが気になっていた。
「日本らしいサッカー」ができなかったことが相当悔しかったのだろう。
メディアも世間もそれを当たり前のように受け止める。

しかし、「自分たちのサッカー」をすることが目的なのだろうか?
目的は勝つことではないのか。
自分たちのサッカーをすることは勝つための手段でしかないはず。
目的と手段をはき違えているように思えてしまう。

ギリシャ戦。
前線からよくプレスし、ボールポゼッションでも圧倒、チャンスも多く作った。
そういう点では「自分たちのサッカー」はある程度できたと言えるのかもしれない。

だが、それはギリシャがそういうサッカーをさせてくれたから、とも言える。
カツラニスが退場になる前、序盤から守備を固めて前に出てこない。
日本にボールを持たせてくれるサッカー。
いくらボールポゼッションで圧倒していても、客観的に見てあまり面白い試合とは言えなかった。

サッカーは相手があって成立するもの。
コートジボワール戦で、日本らしい自分たちのサッカーができなかったのは相手がそうさせてくれなかったから。
ギリシャ戦でできたのは相手がそうさせてくれたから。
その視点を忘れてはいけない。

結果の出ない、独りよがりな「自分たちのサッカー」に価値があるとは思えない。

で、それだけ「自分たちのサッカー」にこだわっていながら、コートジボワール戦に続いて最終盤になって吉田を前線に上げてパワープレイに走ったのはまったく解せない。
あれのどこが「日本らしいサッカー」なのだろうか?
日本代表の試合はほとんど観てきたが、パワープレイを有効なオプションになるほど試した経験はほぼ皆無なはずだ。
慣れないことを泥縄でやったところでうまくいくわけがない。
しかも相手は体格に勝るギリシャ。
ザッケローニの選択は理解に苦しむ。
選手たちは本当に納得しているのだろうか?
ザッケローニは試合後の会見で「スペースが無かったので」と話していたようだが、ベンチには狭いスペースでもドリブルで勝負できる齋藤学も残っていた。
結局3枚目のカードは切らずじまい。

個人的にはコートジボワール戦以上に失望を感じた試合だった。

初戦がショッキングな逆転負け、2戦目がスコアレスドローと、ジーコ監督の時の2006年ドイツ大会と同じ展開になってきた。
あの時は3戦目でグループ最強のブラジルに大惨敗。
コロンビア戦では違いを見せられるのだろうか?
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問題なのは2失点目

2014-06-15 15:06:33 | Sports
日本1-2コートジボワール

2失点とも、右SBのオーリエのニアへの早いクロスをヘディングで決められたという点では全く同じ形だったが、そこに至る過程を振り返ると違いがある。

1点目は、ゴール前ピンチから日本の逆襲カウンター、香川がピッチ中央をドリブルで駆け上がり、本田とパス交換しようとしてうまくいかずボールロス、それをオーリエに繋がれ、香川も遠藤も中央にいたので日本の左サイドの守備が人が足りずにフリーでクロスを上げられた。
ボニーにヘディングを決められてしまったが、森重がついてはいた。

2点目は、カウンターではなく、コートジボワールの最終ラインからのビルドアップが起点。
左SBボカからのフィードを吉田が頭で跳ね返すが、バイタルエリア右寄りでフリーになっていたジェルビーニョにボールが渡ってしまう。
最前線(日本のディフェンスライン)には、中央にドログバ、左寄りにカルーがいて、その後ろ(日本のディフェンスラインとボランチの間)にボールを持ったジェルビーニョとその左にボニーがいた。
ジェルビーニョに遠藤がプレスをかけるが、かわされてボニーへパスされる。
この動きに、ディフェンスラインに入っていた長友と、前方から戻ろうとしていた香川が釣られる。
で、ボニーから右サイドライン際でフリーになっていたオーリエにダイレクトパス。
日本の選手は誰もついていけずオーリエがどフリーでクロス。
長友はボールウオッチャーになってしまっていてジェルビーニョから目を離してしまい、これまたフリーでヘッドを決められた。

逆襲逆襲で人が足りなくなっていた1失点目よりも、人数は足りていたのに適切なポジショニングとプレスができなかった2失点目の方が問題が大きい。
ドログバが入ってコートジボワール前線のポジションが入れ替わったのと、同点に追いつかれて意気消沈していたことも要因にあったように思う。
この弱点(左サイドの守備が弱い、立て続けに失点する)は最早日本の伝統とでも言うべき何度も見た光景だが、結局対策をしてこなかったツケが回ってきてしまった。
まあこれはこれでスタイルなので、下を向いていても仕方が無い。

それにしても我ながら驚いたのが、「コートジボワール戦のスタメンは」に書いた予想スタメンが一人残らず的中したこと。
遠藤・大久保・柿谷という選手交代も予想通りだった。
ただ、遠藤の投入は思ったような効果を生むことができなかった。
リードした試合で効果を生む交代要員がベンチにいない、というのがこのチームの弱いところの一つ。

中田英寿は「やろうとしているサッカーがまったく見えなかった」と厳しい言い方をしていたが、全体的にはそんなに悪いゲームではなかったように思う。
テレビで見ててもわからなかったが、相当蒸し暑かったみたいだし、初戦の固さもあったろうし、前線からプレスを繰り返すというわけにはいかなかっただろう。
ボールをロスして攻め込まれる場面は多かったが、粘り強い守備は(失点の場面を除けば)けっこうできていた。
むしろそのボールロスを頻発させた、コートジボワールの想像以上の守備の強力さに個の力で勝てなかったことが大きい。
そして、ドログバという絶対的切り札をベンチに置かれていたことが最大の敗因。

後がなくなったギリシャも必死でくるだろう。
正念場を迎える。
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スペイン惨敗

2014-06-14 22:13:08 | Sports
オランダ5-1スペイン

スペインの1トップ先発はディエゴ・コスタ。
知ったときにはちょっと驚いたのだが、結果的には、まったくフィットしていなかった。
故障上がりの本人のコンディションの問題だけでなく、周囲のプレーヤーとのコンビネーションが機能しない。
他の攻撃陣(ダビド・シルバ、イニエスタ、シャビ、シャビ・アロンソ)は、それこそEURO2008の頃から変わらぬメンバーでコンビネーションを築き上げており、いくら今シーズンのリーガエスパニョーラMVP級の怪物ストライカーとはいっても、急ごしらえで連携を形作るのはやはり無理があったのか。
しかも、故国を捨てたストライカーへブラジルの観衆は容赦ないブーイングを浴びせかけ、苛立ちを隠せていなかった。
デルボスケの選択は裏目に出た。

ここ一番で頼りになるセルヒオ・ラモスはロッベンにぶっちぎられ、カシージャスは考えられないキックミスで得点を与える。
まだ結論を出すのは早いが、黄金時代の終焉を感じさせる一戦だった。

一方のオランダ。
ファンペルシー、ロッベン、スナイデルのアタッカー陣は豪華だが、それ以外にビッグネームは見当たらず、ナイジェル・デ・ヨングらを除けば国内リーグの若手中心の守備陣。
正直、今大会のオランダはあまり期待できないと思っていた。
ところがどっこい、規律の整った守備から一瞬のロングパス、それをファンペルシー、ロッベンが卓越した技術と得点能力で確実にしとめる。
ゲームプランが嵌りに嵌った快心の勝利だった。

こういうことがあるからW杯は面白いんだよな~
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『戦争の日本中世史』 呉座勇一

2014-06-13 23:13:54 | Books
戦争の日本中世史: 「下剋上」は本当にあったのか (新潮選書)
呉座 勇一
新潮社


本著で扱われている時代は、鎌倉末期から室町時代、元寇から応仁の乱くらいまでの期間。

一通り日本史は学んできたつもりだが、鎌倉末期から室町時代というのは正直なところ印象が薄い時代である。
建武の新政、南北朝、北山文化・東山文化、応仁の乱くらいで、そこから先は戦国時代、あんまり明確なイメージが無い。
大河ドラマなどテレビの史劇でも、戦国時代や幕末を舞台にしたものは圧倒的に多く、あとは源平もので、室町時代を舞台にしたのは本著でも取り上げられている91年の大河ドラマ「太平記」くらいか(観ていなかったので覚えていないが)。
この時代がここまで影が薄くなってしまったのは、建武の新政や南朝正統論が戦前の皇国史観で特別な意味を持っていたことの反動もあるのかもしれない。

そんな影の薄い時代だが、本著により詳細に振り返ってみると、こあれが酷い内戦の時代であったことが分かる。
内戦といっても、天下統一のロマンだとか、或いは憎悪の連鎖だとか、わかりやすいドラマチックな構図ではなく、武士も公家も僧侶もただただ生き延びるための戦いで疲弊していた時代。
しかも戦場は東国から九州まで広範囲に及び、各陣営は遠くはなれば場所への遠征を余儀無くされていた。

経済的な負担の大きさや、死や一族の滅亡が隣り合わせであったという時代背景を考慮に入れて、この時代の政策や社会制度を捉え直す試みもされている。
例えば、
・徳政令は、御家人救済策というよりも、御家人の所領取り戻しを認めて彼らが軍役負担をできるようにするため、幕府の軍事上の必要性から採られた政策である。
・一族のサバイバルのために、養子を早期選定したり、兄弟で均分に相続するなどの対策が採られた。
など。

著者の前著「一揆の原理」と同様、戦後歴史学が傾倒していた「階級闘争史観」を忘れ、この時代を生きた人々の「現実的な事情」を想像することに基点をおいたクールな視座が展開されます。

それにしても、細川、畠山、斯波、山内、大友、赤松、山名、大内といった有力氏族が、時に兄弟・親族間で争い、陣営をくっついたり離れたり、しかも同じような紛らわしい名前の人物が多く、とても覚えきれない。
そのあたりもこの時代がとっつきにくくなってしまっている理由の一つかもしれません。
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西村主審のPK判定

2014-06-13 21:49:29 | Sports
ブラジル3-1クロアチア

「誤審」かと言われれば、誤審ではないだろう。
フレッジは確かにシミュレーションっぽい動きをしていたが、そうとも決めつけられない微妙さ(それだけ巧妙だったとも言える)。
一方で、ロブレンの手は間違いなくフレッジを押さえつける位置にはあった。

問題なのは、1-1の同点だったあの場面で、PKを取るのと取らないのとで、どちらがゲームを面白くしたか、ということ。
最終的な勝敗がどうなったかに関わらず、あの場面ではPKを取らずに流したほうが展開は面白くなっただろう。
あくまで結果論だが、その点で残念なことになってしまった。

一方で、あの判定は、ただでさえ開催国有利な「見えない力」が働くとされている中、ホームタウンディシジョンを疑われてもおかしくないもの。
必要以上に波紋を呼んでしまった面もある。
(その後のオリッチのキーパーチャージを流して「バランスを取る」のかとも思ったが…)

しかし、そういう要素をすべて考え合わせて、一瞬で判断を下すというのも、とてつもなく難しいことだよね。
西村さん本人も今頃いろんな思いを抱いているのだろうな。

それにしても、クロアチアは予想以上に強かった。
ブロックを固めて、パスを引っ掛けてカウンター速攻という立ち上がりの展開は嵌っていた(それが先制オウンゴールにつながる)。
序盤攻め手のなかったブラジルも、トップ下に入ったネイマールが低い位置に下がってきて、それを後ろの選手を追い越していくという展開を繰り返す中で少しずつ盛り返していく。
オスカルはキレていたが、早めに交代させられたフッキとパウリーニョのパフォーマンスがイマイチ。
マルセロの起点力は貴重。
最後にオスカルがダメ押し点を取るあたりが底力とは言える。
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コートジボワール戦のスタメンは

2014-06-07 16:40:48 | Sports
本田2発&香川&大久保弾で乱戦制す…W杯前最終戦飾り、5連勝で本大会へ(SOCCER KING) - goo ニュース

本番前の強化試合はすべて終了。
振り返ってみれば、キプロス戦(1-0)、コスタリカ戦(3-1)、ザンビア戦(4-3)と、何と無傷の3連勝である。
が、その結果と裏腹に、まったくスッキリしない。
相手が相手だから、というのもあるし、主力のコンディションはイマイチ、何より簡単に点を与えすぎる。
セットプレーには相変わらず弱いし、カウンターやサイドチェンジで崩されると、あっさり失点してしまう。
ただ、考えてみればザックJAPANの守備はずっとその弱点を抱えていた。
それに対して抜本的な対策(選手を替えるとか、守り方を変えるとか)を打ってこなかったのだから当然といえば当然。
あと一週間で劇的に守備が改善するはずもなく、本番でも各試合2~3点を失うのはスタンダードとして覚悟したほうがよい。
運が良ければ(相手がシュートミスするとか、GKが神懸かり的セーブするとか)1失点くらいに抑えて、で、それよりたくさん得点できれば勝てるというくらいの感じか。
それでも結果を出していることは評価すべきだと思うし、強いんだか弱いんだかよくわからないと思えば、過度な期待を持たずに気楽に楽しめて却ってよいのかもしれない。

ザンビア戦後のインタビューで、ザッケローニ監督は、初戦のコートジボワール戦のスタメンは自分の中で固まりつつあるというようなことを言っていた。
ここ3試合の選手起用と各選手のパフォーマンスをもとに、初戦のスタメンと交代選手起用を予想してみよう(期待も込めて)。

★GK
ザンビア戦では西川が起用されたが、1失点目は内田との連携に問題があったし、3失点目(ミドルシュートが山口に当たってコースが変わった)は仕方ないにしても、あれを弾き出すくらいの強烈なアピールが欲しかったところ。
実績からして川島がスタメン当確か(川島も決して万全の信頼感という感じではないが)。

★CB
森重、吉田、今野の3人が組み合わせを変えつつ試されたが、ザンビア戦3得点目のオーバーラップからのアシストを含め、森重の充実ぶりが目を引く。
吉田も故障明けを感じさせない程度のパフォーマンスは見せており、高さ対策ということを考えても森重吉田のコンビと考えるのが順当か。
今野はCBまたはSBのバックアップの位置づけか。

★SB
日本でもっとも層が厚いポジションだったはずだが、ここにきてコンディション不安を抱えた選手が増えてしまっている。
とは言っても長友は確定だろう(守備面はちょっと不安だが)。
内田はザンビア戦はフル出場するのかと思っていたが3試合連続で酒井宏に途中交代した。
それをどう考えるかだが、ザックの頭の中での序列が逆転しているとも思えず、内田スタメンの確率は高いのでは。

★ボランチ
長らく遠藤・長谷部が不動のコンビだったが、ここにきて山口が最優先で起用され、またその起用に応える活躍ぶりを見せている。
山口のスタメンは間違いなく、相方をどうするか。
勘でしかないが、2試合全休だった長谷部が本番ではスタメン起用されそうな気がする。
遠藤は最初から出るとイマイチで、途中交代で入ってリズムを変える役割を担ったほうがよい結果が出ている。
青山もザンビア戦で後半アディショナルタイムに投入されていきなり大久保へのロングパスで決勝点アシストと印象的な活躍はできているので、途中交代で起用されるチャンスは大いにあるだろう。

★攻撃陣
大久保がメンバーに入ってチーム内競争が活性化されているが、香川本田岡崎という2列目の並びをザッケローニが変えることはなさそう。
岡崎のワントップ起用というのも見てみたかったが、強化試合では一度も試されなかったのでザックの頭の中には無いのだろう。
本田はあれこれ言われているが、じゃあ本田を外して攻守が改善するかというと、そういうイメージも湧かない。
あとはワントップを誰にするかで、大迫・柿谷・大久保が候補だが、柿谷はアピール不足。
大久保はサブから入って、攻撃のリズムを変えたいときに早めに投入される、という起用がされそう。
大迫も好調なので、大迫がスタメンか。

まとめると、予想スタメンは以下の通り。

    大迫
香川  本田  岡崎
  山口  長谷部
長友 吉田 森重 内田
    川島

大久保が戦術的交代の第一候補。
スタメンの選手のパフォーマンス次第で、遠藤・青山・今野・酒井宏を投入。
柿谷も交代で出るチャンスはあるだろう。
清武・斎藤・伊野波・酒井高・西川・権田は、よほどアクシデントがない限り出番は巡ってこないかもしれない。
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