そもそも論者の放言

ミもフタもない世間話とメモランダム

球界ガラパゴス化

2008-08-28 23:28:52 | Sports

北京五輪が終わって早や数日が経とうとしてるわけですが、今回の五輪、「盛り上がった」と表現できるんですかね。
どうも個人的な感覚では、あまり盛り上がったとは言えないんじゃないかという印象です。
もちろん人によって感覚は異なるでしょうし、自分自身、そして周囲にいる人の反応を見た限りでの話ですが。
今回の五輪での日本にとってのビッグ・イシューといえば、北島の二冠連覇かソフトボールの金メダルか、といった感じでしょうか。
が、世間の反応を観察する限り、野球の惨敗という話題がもたらしたショックのほうが日本人により大きな衝撃を与えているような感じです。
このブログでも取り上げるのは2回目ですが、ちらちら寄らせてもらっている政治・経済系著名ブロガーのブログでも多く触れられています。
この国における野球というスポーツの存在の大きさということもあるでしょうが、日本代表の負けっぷりが、ビジネスの世界でよく言われる日本の「ガラパゴス化」「パラダイス鎖国」といった現象に相通じるものが感じ取られているという点も影響しているような気がします。

さて、今日の日経新聞朝刊スポーツ面のコラムで、豊田泰光氏が五輪野球での日本惨敗についてテクニカルな観点から論じていたので、以下メモしておきます。
豊田氏の見立てでは、今五輪での日本野球惨敗は、「国際球より飛ぶボールを、おもちゃみたいな軽いバットで打ってきたツケが回ってきた」結果とのこと。
以下、引用。

飛ぶボールに慣れ親しみ、本塁打を”水増し”してきたことで、日本の打撃は退化した。金の韓国、銀のキューバはもちろん、米国のマイナー選手に比べても、日本の打者のスイングは弱々しかった。
日本に限ったことではないが、バットを際限なく軽くしていることも問題だ。バットの重さよりスイングスピードで飛ばす考え方が定着し、計量バットが主になった。
手先だけでも振れるから、それなりにバッティングの格好にはなるのだけれど、腰が入っていない。だから、たまにフルスイングすると転びそうになる。日本の打者のフォームは洗練されて美しいが、力強さが決定的に欠けていた。飛ぶボールの享楽的な野球はいつの間にか、ひ弱な打者を生み出していたのだ。

打撃の不振だけでなく、G・G・佐藤の落球に代表されるような拙守についても、ボールの違いにより打球の伸びを見誤ったことが原因ではないか、と推測しています。

まあ、この人のコラムはいつも「昔はこうじゃなかった」的な回顧論ばかりなので、すべてを鵜呑みにしてよいかどうかは判断しかねますが、特に打撃の弱さについては現象面からすると肯かされるものがあります。

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「思い出トランプ」 向田邦子

2008-08-26 23:03:33 | Books
思い出トランプ (新潮文庫)
向田 邦子
新潮社

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先日読んだ「家族の昭和」に触発され、改めて向田邦子を読んでみることに。
本当は「父の詫び状」にしようと思っていたのだけれど、行った本屋に売ってなかったので、まずは「思い出トランプ」から。

13篇の短編小説。
タイトルの「トランプ」は13という数に由来してつけたものとのこと。
向田邦子は、本作に収められている3篇で直木賞を受賞し、その僅か一年後に飛行機事故で帰らぬ人となったのでした。

不思議だったのは、初めて読んだ小説のはずなのに、部分的に既視感を抱いたこと。
具体的には「だらだら坂」。
この話は、設定とストーリー全体に覚えがあった。
それと「男眉」の一部分。
主人公の女性が、妹がお手洗いに行き水を流す音が聞こえた時、入れ替わるように手洗いに立った夫を「嫌だな」と思ったという一場面。
よその女が入った直後に手洗いに入らなくてもいいのではないか、という心情を切り取った箇所。
この「思い出トランプ」もテレビドラマ化されているようなので、もしかしたらそれを観て印象に残っていたのかもしれません。

それにしても、上記したお手洗いの一見に代表されるような、心理描写の繊細さというか的確さは本当に素晴らしい。
一篇一篇は文庫本にして20頁足らずの分量でありながら、それぞれに味わい深く、家族の、夫婦の、人間の「業」とも表わすべき物語を印象的に紡いでいきます。
やはり向田邦子は凄い。
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国際化はツライ

2008-08-23 16:26:30 | Sports
日本、「銅」も逃す=米に逆転負け〔五輪・野球〕(時事通信) - goo ニュース

結局、3強(キューバ、韓国、米国)に対しては0勝5敗、接戦はしても肝心のところで打てない、打たれる、という形の繰り返しで、力負けと言われてもさすがに言い訳のしようがないツライ感じです。
そもそもの選手選考の過程にも遡って、星野監督に対する批判もかなり大きくなってきてますね。
ドライになりきれない星野監督の性格が、短期決戦で裏目に出たという感じでしょうか。
日本シリーズに一度も勝ってない星野監督、そんなこと始めっから分かってるだろと言われてしまうと、これまたツライところですな。
まあ五輪代表の監督が務まるだけのネームバリューがあり、しかも現役の監督に就任していない、という条件を考えると星野氏くらいしか選択肢はなかった、とも思いますが。

相変わらず国際試合になると、ストライクゾーンの違いだとか使用球の違いだとかに悩まされるようで。
条件は他チームもいっしょのはずですが、パワーより技術で勝負する日本人にとって、そういった微妙な条件の違いがより大きく影響するんでしょうね。
そういう点では、柔道がJUDOになって苦しんでいる柔道界とも共通するものを感じます。
”日本のお家芸”として世間から課されるハードルの高さ(金メダルとって当たり前、みたいな)も共通してますね。

むりやり前向きにとらえれば、国際化するとはそういうことだ、という教訓を日本人が学ぶためにはいい経験になったということでしょうか。
そう簡単には学ばないだろうけど。
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他人事ですか

2008-08-18 22:28:18 | Politcs
「支持率2割切ったら麻生政権を」 側近の甘利前経産相(朝日新聞) - goo ニュース

しかし、言うかね、こんなこと。
この人、ついこの間まで福田内閣の一員だったじゃん。
内閣支持率って、総理個人の支持率じゃなくて、あくまで内閣全体の評価なんですけどね。
その内閣の一員として支持率降下の当事者だった人間が、立場が変わったら他人事のような物言い。
こうなってくると自民党も完全に終わりだね。
最近、自分の中での麻生太郎という人の評価が急降下中ですが、こんな輩が側近だってんだから、さもありなん。
コメント (2)
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ロシアという変数

2008-08-17 10:24:25 | Politcs
グルジア紛争 「和平原則」露も署名 侵攻は継続、首都40キロに迫る(産経新聞) - goo ニュース

オリンピックの報道でかき消されてしまっているけど、グルジアの情勢はかなり危険な香りがする。
グルジアでの戦火がこれ以上拡大するのかどうかはわかりませんが、要は、プーチン・ロシアの強硬路線に国際社会のコントロールが利かなくなっているという事実がこの件により明らかになったことが深刻なのだと思う。

米国の覇権が弱体化し、ブッシュ政権も余命幾ばく、というタイミングだからこそのロシアもこういう行動に出てるんでしょうが、オバマにしろマケインにしろ大統領になった暁には、いや大統領の座を争うにあたっても、ロシアに対してどのような姿勢をとるのかという点が非常に大きなポイントになってきそうな感じです。

グルジアなどと言うと遠くの話に聞こえてしまいますが、ロシアの強硬路線という話は日本にとっても対岸の火事ではない。
ロシアは海を隔てて対岸の国、明治以来何度も戦火を交え未だに領土問題を抱えた相手なわけですから。
ただでさえ中台問題や北朝鮮などの火ダネを抱え、大国化する中国と米国のはざまで日本が微妙なポジションどりを余儀なくされている東アジアの情勢に、ロシアという予測不能な変数がもう一つ増えることは非常に厄介な話になってくるのでは。

などと思っていたら、今日の日経新聞朝刊2面コラム「風見鶏」に「巣鴨プリズンからの遺言」と題して、「暗流―米中日外交三国志」の著者・秋田浩之氏がロシアがアジアへの関与を深めようとしている兆候があることについて書いていました。
なんでも今年後半プーチン首相をはじめとするロシアの要人4人が次々と来日する予定が組まれており、これはきわめて異例なことなのだそうだ。
日本の舵取りもますます難しくなってきそうな…
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「家族の昭和」 関川夏央

2008-08-16 23:43:10 | Books
家族の昭和
関川 夏央
新潮社

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昭和ヒト桁生まれである向田邦子の「父の詫び状」を元にして戦前の「家族」の在り様を、幸田文の「おとうと」「流れる」に拠り一家の中心として女手で家族を支えた女性の生きざまを探り、そして昭和末年に鎌田敏夫脚本によるTVドラマ「金曜日の妻たちへ~恋におちて」「男女七人夏物語」を丹念に引用しながらすでに「家族」が失われ昭和という時代の終焉が予感されていた時代の「感覚」を呼び覚ます。

この他にも、吉野源三郎「君たちはどう生きるか」、そして最後に小津安二郎の映画「麦秋」「東京物語」「秋刀魚の味」などにも触れられていますが、メインになる引用元は上記の三作家の作品になります。

向田邦子の作品は読んだことはありません(実は今読み始めていますが)。
「父の詫び状」はドラマ化されてますがそちらも観た記憶はなし(ただし杉浦直樹の印象はある)。
ただ、この本でも紹介されている、向田邦子と十歳以上年上の妻子ある恋人との書簡をめぐる「向田邦子の恋文」についてはNHKスペシャルか何かでドキュメンタリーを視たことがあります。
幸田文の「流れる」については、成瀬巳喜男監督の映画化作品を観ています。
これは本当に素晴らしい映画で、今まで古今東西約千本の映画を観てますが、出来の素晴らしさという点では一番と言ってもよいくらいの作品。
映画に触発されて原作の小説も読みました。
「恋におちて」と「男女七人」についてはリアルタイムで知ってます。
いずれも中学生の頃、「恋におちて」は観た記憶はないですが一種社会現象になった印象は強く、「男女七人」は夕方の再放送だったかもしれないけど全部観たと思います。
というわけで、個人的にはけっこう馴染みがある作品が出てくるので興味深かったのですが、丁寧な引用による解説が多量にあるのでこれら作品に馴染みがない人でも付いていけないようなことはないと思います。
昭和という時代に愛着が深い著者が、昭和における「家族」の全盛期と衰退を感慨深く辿る、その過程を要約するのはなかなか難しいので、とにかく読んでみてください、としか言えません。

自分が世代的に興味深く感じたのは、「金妻」ですら最早20年以上前のものであり、既にこのような形で歴史的に検証される対象になってしまっている、という事実です。
この本での検証は昭和末年で終了していますが、その後の平成の時代においても日本の社会や家族の姿はさらに形を変えているはず。
それが客観的に検証されるようになるまでにはもう少し時間が必要なのでしょうか。
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五輪辟易

2008-08-16 17:03:07 | Society
テレビをつけるとオリンピック、オリンピックで…
ニュースも五輪一色。
NHKの朝のニュースも、7時から30分間くらいオリンピックの話題しかやらないし。
どこの国でもこんな感じなんですかねえ。

正直、同調できない、というか、同調したくない気分です。
もちろん結果は気にならないわけじゃないし、ところどころ観戦はしてますが。
普段は大会があっても大して話題にもならない競技が、オリンピックのときだけ「国民的関心事」になったり、勝てば英雄負ければ国賊のように言われたり。
そういう風潮に対する違和感が、年齢を重ねるとともに増していっています。

Yahoo!スポーツの北京オリンピック特設ページで、個々の記事に対してコメントが投稿できるようになってます。
ゴミみたいなコメントばっかりですが、世間的な感覚というものを知ることができる点では興味深い。
「センターポールに日の丸を掲げるのが国益だ」
「血税を使ってるのだから、負けたら批判するのは当然だ」
といったトーンのコメントをよく目にします。
へえ、こういう感覚なんだ…と。

自分も日本人なので、日本選手が金メダルを獲ればそりゃ嬉しいし誇らしい。
だけど、それは「国益」と呼ぶようなものなのか?
確かに強化費として何がしかの税金が投入されているのは確かなのだろう。
だけど、勝てなかったイコール税金の無駄遣いということになるのか?

なんだかあらゆることが「鬱憤晴らし」になってしまってますな。
それが所詮「鬱憤晴らし」でしかないということを自覚した上でのそれであれば、まだ救いがあるんですが。
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1円も出さない?

2008-08-10 23:04:53 | Politcs
麻生氏、株300万円までの配当益非課税など優遇税制提唱(読売新聞) - goo ニュース

麻生氏いわく、”政府が1円も出さない景気対策”だそうだが、減税すれば歳入欠損を補う財源が必要になることくらい、中学生でも分かる話。
さすがに麻生さんもそれくらい理解した上での言葉のあやだとは思いたいですが。

小泉内閣の閣僚時代から、この人の経済政策って全く見えてこなかったけど、ここにきて、一方ではプライマリーバランス達成延期や竹中路線批判、他方では証券優遇税制と、ますます訳わからないことになってます。
こんな人が次期首相候補ナンバー1とは、いやはや…
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ストリートビューが面白い

2008-08-08 23:30:50 | Diary
Googleマップの新機能「ストリートビュー」が非常に面白い。
やり始めると何時間でも遊んでいられそう。

試しに、結婚前、今から4年半前まで住んでいたアパートのあたりを散策してみると、当時借りていた駐車場がつぶされていて大きな建物が。
どうやらフィットネスクラブみたい。
なんだよ、当時建ってれば、徒歩3分でフィットネスに通えたのに…。

次に、同じくヨメさんが住んでいたアパートのあたりに移動。
あんまり変わってないねえ、などと言いながら、当時閉店が決まっていた最寄りのスーパーマーケットの跡地が何になっているのか見に行くと、
…なんと、こちらもフィットネスだったのでした(別の会社だけど)。

夫婦で笑ってしまいました。
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夏にやるスポーツじゃない

2008-08-07 23:50:29 | Sports
日本は米国に敗れる サッカー男子1次リーグ(共同通信) - goo ニュース

結果ももちろん残念なんですが、それよりも観ていて何ともつまらないゲームでした。
というか、サッカーってこんなクソ暑い真夏にやるスポーツじゃないよね、やっぱり。
NHKの実況はやたらとアメリカの選手の動きが鈍いと繰り返してましたが、日本の選手も負けず劣らず足が止まっているように見えましたが。

もうさ、むりやり五輪でサッカーやるのやめたらどうなんでしょう。
むしろ冬季五輪でやったほうがいいかも。
いや、もっと気候のよい季節にU-23W杯をやりゃいいだけの話なんですけどね。

それにしても森本の1トップってどうなんでしょうね?
まったくボールが収まってなかったように見えたけど。
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