そもそも論者の放言

ミもフタもない世間話とメモランダム

「裏金問題」から見えてくること

2007-03-14 23:32:52 | Sports
希望枠撤廃が確実に、現行ドラフト白紙に(日刊スポーツ) - goo ニュース

裏金裏金と言うが、政治家や公務員ではないので贈収賄に当たるわけでもなく、賭博などに絡んだ金銭授受でもない。
従って、そこに違法性があるわけではない。
では、何がいけないのか。

スポーツの世界に金を持ち込むのがいけないとの意見もあるかもしれないが、そんなことを言ったらあらゆるプロスポーツ、スポーツビジネスを否定することになる。
では、何がいけないのか。

けっきょく、自分たちが作ったルールを自分たちで破っていることが問題なのだ。
球界あげてドラフト制度というルールを作り、人材獲得に関する公正な市場機能を確保することで、年俸・契約金の非合理的な高騰の防止と戦力均衡による競技の魅力向上を目指しておきながら、自らその思想に唾棄するような行為をはたらいている。
全体の利益よりも、個別の球団の利益やスカウト個人の功名心など、狭い範囲の思惑が優先されてしまっている。
いったんこういう悪い流れができてしまうと、なかなか自浄作用というのは働かないもの。
「希望枠」の撤廃へと動き始めているようだが、そこで聞かれるのは「ウエーバー制になると選手がますます大リーグに流出してしまう」だの「FA取得期間は国内球団間での移籍のケースのみ短縮する」だの、姑息な保護主義的政策ばかり。
「選手が大リーグに行ったら日本のプロ野球の魅力が落ちる」のではなく、「日本のプロ野球の魅力が劣るから選手が大リーグに行く」のだということが全く自覚できていない。
既得権益の延命ばかり追求しているようじゃ、これはもう堕ちるところまで堕ちるしかないのかな、と思えてくる。

現状の「プロ野球界」がこのまま衰退していったとしても、それは野球というスポーツの衰退を意味するわけでもなく、いったんスクラップ・アンド・ビルドの過程を経ない限り、日本のプロ野球の再生はないのかもしれない。
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