動くときは動くものです

 状況というのは、動くときにはあっという間に動くものです。
 23年政権を維持し、盤石の構えに見えたチュニジアのベンアリ大統領が、あっけなく亡命してしまいました。ちょっと信じられないです。大統領が向かったのはサウジアラビアだということです。

 状況が動いているうちにチュニジア人たちがどこまでのことを達成するか、注目したいものです。暫定大統領となったMohammed Ghannouchiはベンアリに忠実な人物とされていますから、チュニジア人が血を流してえた勝利が適当にごまかされてしまう危険は大です。

 写真(↑)はわたしがチュニジアを訪れた時に買った新聞 La Presse de Tunisie (1999年9月24日号)第一面です。左側の写真はベンアリ大統領が農業経営者を集めた集会についての報道で「ベンアリ:チュニジアの成功は農業部門の競争力獲得にかかる」という見出し。右側の写真は大統領が模型を見ているところで「チュニス湖:大統領、北東地域の整備にゴーサイン」とあります。

 言っては悪いですが、おもしろくないです。わたしのような人間が読んでも得るところはないものです。

 アルジェリアは1988年に多くの血を流しましたが、少なくともそれによって独立メディアを誕生させることができ、読んで面白い、意味のある報道がアルジェリア発信で得られるようになりました。わたしがときどき引用する El Watan紙もその代表的なもののひとつです(ライについてもよく報道してくれますしね)。
 アルジェリア人は、あと一息 encore un effortです。

 今回のチュニジア、アルジェリアの暴動は他のアラブ、アフリカ諸国に飛び火する気配も見せているようです。(それにしてもモロッコは、動かないだろうか・・・)

 ヨーロッパ史でいうとフランスが引き金になって各地で革命が起こった1830年や1848年の情勢を想起させるところがあると思います。
 でも現在の世界史の前線は、まちがいなくこのあたりにあるのです。

 いまアラブ、アフリカ諸国に注目して勉強しなくて、どうしますか。

[追記] ガヌーシ首相には正式な職務移譲がなされていなかったということで暫定大統領はFoued Mebazaaになっています。
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