退屈日記

とりあえず日々のつれづれを。

「圧倒的な情熱の結果とスペインの物語」について

2018-01-24 02:29:12 | Weblog
晴れ。昼に風が強く冷たく。

堀内二彦「増補改訂版 The eyes」を見て読む。

とりあえず圧倒的な情報量に驚きつつ十二分に味わえない自らを思う。
もっとじっくり付き合うべきだったのに。

俳句も交えつつ文章のところどころに見えるユーモアが素敵。
本書には著者のすべてが込められているよう。

あらゆる生き物たちの目の構造もさることながら
それ以外の分野に関する知識も盛りだくさん。

「好奇心に従って生きることの楽しさ」を実感させてくれる作品。

ルーベン・マムーリアン「血と砂」(’41)を観る。

有名な闘牛士の血を引くやんちゃな少年が長じて一流の闘牛士になる。
遊び上手な上流階級の女に迷った挙句改心するもののというお話。

いかにもなスペイン。
ヴィンセント・ゴメスのギターはナルシソ・イエペスによって「禁じられた遊び」に。

タイロン・パワーには案外魅力を感じず。
むしろ「これが最後のシーズンだ」と繰り返すジョン・キャラダインがいい。

スクリーンのサイズや劣化した画像のせいかもしれないけれど
「愛人」リタ・ヘイワースよりも「妻」リンダ・ダーネルが見栄えする感じ。

「運命」を予感するナジモヴァの母や「かつての英雄」ガルバートのJ・キャロル・ナイシュ、
「評論家」クーロのレアード・クレガーや「パトロン」ドン・ホセのペドロ・デ・コルドバ。

主人公にすがるフォルチュニオ・ボナノヴァと姉リン・バリの「寄生虫夫婦」もなかなか。
そしてマルロのアンソニー・クインよ。

血縁を経ずとも「悲劇は繰り返される」予感を残して。

オリジナルはヴァレンチノ主演で1922年の作品。
リタ・ヘイワースの役はニタ・ナルディ。

「女神マカレナ」は妻の心を理解するけれど「男神キリスト」は無情。
母、妻、愛人いずれをとっても「男=少年」より「うわて」というのが「ラテン系」なのか。

ある意味で「正しい」ことに間違いはないのだけれど。
南部セビリアから北部マドリードまでの「距離の遠さ」は「男女の仲」に似て。

友人ナシオナル同様に「読み書きを学ぶ機会を奪われたこと」を訴えるフアン。
「大衆」を罵るガルバートにはオルテガ・イ・ガセットの「面影」がなくもない。
コメント
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