退屈日記

とりあえず日々のつれづれを。

「好ましい教養と戦後の残虐あるいは歴史への無知」について

2017-09-05 02:19:25 | Weblog
晴れ。久方ぶりに最寄りの地下鉄の駅まで歩く。

中村良夫「都市をつくる風景」を読む。

著者の「教養」にふむふむ。
孔孟から西行あるいは和辻哲郎や南方熊楠、ウイリアム・モリスやロラン・バルトなど。

「内容の正しさ」よりむしろそちらに惹かれた感じ。
少なくともここには「理系文系」といった「分類」がない。

このところ「日本奥地紀行」を書いたイザベラ・バードの名前を何度も。
読めという「お誘い」だと思うことにするか。

老舗バーのマスターから借りてきたDVDで
NHKBS1世界のドキュメンタリー「アフター・ヒトラー前後編」を観る。

ヨーロッパでようやく第二次大戦が終わったものの。
「ドイツへの復讐」や「スターリンの膨張」があり。

「ナチスによる圧倒的な暴力」が戦後「被害者による同様の行為」を生み出す皮肉よ。
ドイツ系住民やユダヤ人への「暴力」の凄まじさたるや。

「対独協力者の女性に対する公開丸刈り」の記憶があるからこそ
数年前のAKB峯岸による「謝罪としての丸刈り」が異様に見えたことは知っておこう。

「伝統ある建物」が多いはずのヨーロッパはこの時「廃墟」になった。
フランスの共産党幹部が「スターリン万歳!」と言っているのも覚えておきたい。

ソ連兵によるドイツ人女性への暴行も。
わが国で言えば関東軍が真っ先に逃げ出した満州において同様のことがあり。

それにしても。

この種の事実を知ってしまえばとても「理性」など信じる気にはなれないのも当然か。
むしろわれわれの「野蛮さ」をあらためて知るのみ。

番組そのものへの評価は微妙。
ただここに出てくる事実を知っているのと知らないのとでは「大きな差」が出るはず。

「公開絞首刑」や「公開銃殺」が記録されていて「これは中世か」と思いたくなるほど。
「アフリカあるいは北朝鮮の独裁者」を笑えない「過去」は確かにある。

わずか70年ほど前のこと。
世代で言うなら二世代ほど前の「現実」。

さて。

北朝鮮による「脅し」はさらにエスカレートしているようで。
国連による「制裁」も効果はなく。

どうやら日米が「石油輸出禁止」を求めているらしいのだけれど
それを理由にかつてわが国がかの国との戦争を始めたことを忘れたのだろうか。

「誘拐犯」相手にも「交渉人」が登場することを思えば
とりあえず「交渉の場」を作るよりないのは自明だと思うのだが。

「断固たる態度」が生み出す「危機」にもっと敏感であっていいような。
「歴史への無知」は怖ろしいだけ。
コメント
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