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「株式会社メディアポルタ」発行の「歩くシリーズ」の1冊「歩くバンコク」という旅行ガイドに次のような記述があります。
「会おうと思って会える詐欺師は世界でも珍しいはず。王宮前広場周辺をガイドブックを手に歩いていて、ニコヤカに話しかけてくるタイ人がいたらご注意を。観光案内にかこつけてクズ宝石店・ダメテーラー・インチキ観光船に誘おうとします。」
ベトナムからのバンコク再入国3日め。きょうは「チャイナ・タウン」見学です。前日にチャイナタウンに来る予定だったのですが、バイヨーク・スカイ・ホテルの周辺で拾おうとしたタクシーにすべて乗車拒否をされ、行かれませんでした。時間は午後の4時30分頃。多分混雑する方向であり、混雑する時間帯だったのでしょう。タクシースタンドにいた人たちがかなりの数、乗車拒否をされていましたから、タクシー・ドライバーが混雑する地域に行くのを嫌がっていたのでしょう。殆どのドライバーとは話も交わさず、首を大きく振られましたが、少しは話に応じたドライバーとの会話。
夫「チャイナ・タウンに行きたいんだが、、、」
ドライバー「ん~。行くよ。200ドルだったらね。」
夫「200バーツで行くと言ってるよ。」
私「200バーツ?」
夫「200ドルと言うのは冗談だろ。確認するけど。」
私「200バーツだって高いわよ。ダメ、ダメ。ここからだと、60バーツくらいよ。メーター使わず、ボルつもりよ。」
「ダメだね。誰も行きたがらないよ。メーターだと商売にならないんだろう。多分恐ろしく混むんだろうね。彼らも生活がかかっているからね。あす朝、混まない時間帯にしようよ。」という夫の言葉で、きょうになりました。
高さ21mの大ブランコ台「サオ・チン・チャー」がある「ワット・スタット」にまず行きたいという夫の意見で、宿泊ホテルの近く「エンポリウム」の前でタクシーを拾い、向かいました。見終わったら、歩いてチャイナ・タウンに行く心積もりなんだそうです。午前の10時頃。この時間帯は、道路状況もよく、乗車拒否に遭うこともなく、100バーツほどで目的地に着きました。夫が通りを渡って、ワット・スタットの向かいから写真を撮っていると、誰かに話しかけられています。黒のポロシャツを着た人と通りを渡ってきます。
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道を渡る前。
黒のポロシャツの男「きょうはワット・スタットには入れませんよ。入れるのは、タイ人だけです。」
夫「わかっています。国王のお姉さんが亡くなったんですよね。」
男「ええ、喪に服するために、みな黒い衣装を着ているんです。だから、外国人は入れません。」
道を渡って。
男「きょう、この寺院に入れるのはタイ人だけです。」
私「ええ、知っています。」
男「オンアーン運河からこちら側は、きょうは外国人は入れません。」
私「ええ。」
男「きょう、行くのなら、(夫の持っていた地図に下線を引きながら)こことこことここなら午前中無料で入れます。」
夫「いや、きょう行きたいのはチャイナ・タウンだから、、、」
男「チャイナ・タウンは、午前中は面白くないですよ。行くなら、夕方がいいよ。」
私「いえ、いいんですよ。見るだけだし、マーケットに行きたいだけだから。」
男「午前中はマーケットは開いてないよ。」
夫「そうなんですか。」
男「このあたりはトクトクで回るといいよ。あそこにトクトクが見えるよね。黄色のナンバープレートだよね。あれは政府の公認なんだよね。白いナンバープレートのやつには乗らない方がいいよ。公認されていないやつだからね。」
夫「黄色いのが政府公認で、白いのが違法なやつか、、、」
男「きょうなら、あのトクトクは1時間で20バーツだよ。1人20バーツ、2人で40バーツ。子供はただですよ。」
黒のポロシャツの男は、やにわに手を挙げて、トクトク(トゥクトゥク)を呼びます。トクトク(トゥクトゥク)はこちらの様子を見ていたのでしょうか。すばやくやってきました。数秒の早業。
慌てたのは夫。予想もしていなかった展開なのでしょう。「いいや、きょうは歩いて、チャイナ・タウンに行くんだから、トクトクはいらない。」「・・・」「とにかく、いらない。」 足早に、その場を後にします。振り返りもせず。
「知らなかったの。あれが有名な王宮周辺に出る詐欺師よ。偽ガイド! 旅行者を食い物にしているの。宝石店に連れて行かれて、ひどい宝石を売りつけられるそうよ。ガイド本、読んでなかった。」
「いや、読んでなかった。」
「お父さん、典型的な日本人の顔をしているから、カモだと思ったのね。」
「善良そうな顔つきはタイ人にもわかるのさ。」
「騙されやすい顔ってことね。何で連れてきたの。」
「勝手についてきたんだよ。親切なタイ人だと、途中まで思っていた。」
「葱しょったカモね。」
「いや、誘われても断ればいいのだから。」
「カメラを持っていれば、絶対旅行者だから、狙われるのよ。」
「でも、そんなことで写真も撮れないのじゃ困るんじゃないかな。断ればいいのさ。」
「そうだけどね。」
健人はビビッていました。「お父さん、写真撮るのやめてよ。」「やめないよ。ぼくたちは観光客なんだよ。写真を撮らないでどうする。」「こわいよ。」「断れば、いいのさ。暴力を振るうことはないんだから、断ればいいのさ。曖昧な態度をとるから、つけ込まれるんだから、ノーとはっきり言えばいいんだよ。」「・・・」「いいかい。ノーとはっきり言うのさ。」
しばらくして、夫の言葉。
「いい経験をしたね。こういうことがあるから、旅は面白いんだよ。個人旅行の醍醐味かな。ツアーじゃ、ツア・コンに守られているからね、こういう経験はできないさ。」
おいおい。子供が怯えているというのに、何でも喜ぶんだから。
(追記) 2015年5月22日配信のGlobal News Asiaの記事からです。
2015年5月21日、タイ観光警察はバンコクの観光名所ワット・プラケオやワットポーなどで、きょうは閉まっているなどとウソを言って、他の宝石店やレストランなどに連れて行き、バックマージンを得ていた三輪タクシー運転手ら22人を逮捕したと発表した。
カオサン通りや王宮広場近くから、エメラルド寺院(ワット・プラケオ)やワット・ポーなどに行こうとトゥクトゥクと呼ばれる三輪タクシーなどに乗り込むと「きょうはクローズだから、行っても入れない。代わりに良い場所知ってる」などと、言葉巧みにレストランや宝石店などに連れて行くという、詐欺まがいの行為は、かなり昔から有名だった。
しかし、度々摘発されても数百から1000バーツ(約4000円)程度の罰金を支払って、また元の場所に戻るというイタチごっこが続いている。こうした行為は、おそらくすでに半世紀近くも、繰り返されているのではないだろうか。タクシーのメーター不使用やボッタクリなども同様だが、被害者の事後報告でも、免許取消しなどの厳罰となるような法整備をするか、こうした行為が無くなるまで、徹底した街頭での取り締りが必要だろう。
今回、観光警察は22人をグループとして一斉摘発したようだが、これまでと同じように、罰金だけ徴収して放免という事であれば、明日からもまた同じ事が、同じ場所で繰り返されるだろう。
(追記の終わり)
2008年01月02日配信のAFPの記事からです。
タイ王室は1月2日、プミポン・アドゥンヤデート(Bhumibol Adulyadej)国王の実姉であるガラヤニ・ワッタナー(Galyani Vadhana)王女が同日午前2時54分(日本時間午前4時54分)、腹部のがんのためバンコク(Bangkok)市内の病院で死去したと発表した。84歳だった。
ガラヤニ王女は、昨年6月からバンコク市内のシリラート病院(Siriraj Hospital)に入院し治療を続けており、プミポン国王はほぼ毎日病院を訪れていた。国王は 100日間の服喪期間を宣言し、王族や王室関係者に対し、その間喪に服するよう求めた。
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