POWERFUL MOMが行く!
多忙な中でも,美味しい物を食べ歩き,料理を工夫し,旅行を楽しむ私の日常を綴ります。
 





 12月26日、きょうは「ヒルトン」から「ホテル・ニッコー・クアラ・ルンプール」への移動です。朝起きると、まずは朝食会場での食事です。朝食会場に入るとすぐに大きなサンタクロースの像があります。クリスマスはキリスト教圏のお祝いと考えていましたが、イスラム教圏でもお祝いの行事なのですね。ヨーロッパに起源を持つ「クリスマス」は、もともとは風習だったのですから、これも許されるのかも知れません。



 ここの朝食は、合格です。レベルが高い。美味しいし、品数も多い。コーヒーも美味しい。以前は、日本を出てしまうと美味しいコーヒーに出会いことはとても少なかったのですが、最近では日本で美味しいコーヒーに出会うことが少なくなったのに反比例して、東南アジアで美味しいコーヒーに出会うことが増えました。喜んでいいのでしょうか。悲しむべきなのでしょうか。

 ヌードル・コーナー(THE NOODLE ROOM)にはオープンキッチンがあって、自分の好みの麺(3種類)を選択して「ラクサ」を作ってもらえます。このラクサ、とても満足のいくものでした。今回の旅では、ラクサは、シンガポールの「ビボ・シティ(VIVO CITY)」の「トースト・ボックス(TOAST BOX、土司工坊)」でさっそくいただいていたのですが、ここのはそれと比較してかなり美味しい。トースト・ボックスのものも決して味が劣るということはないのですが、ここのはダシがよく効いていて、入っていた鶏肉の美味しいこと!



 ヌードル・コーナーでは「チキンヌードル」も作ってもらったのですが、これは煮詰まってしまっていたのか味が濃い目でいまひとつでした。「なぜこんなにマレーシアの鶏肉はおいしいのかしら。」 その理由は、後からマレーシアに暮らす日本人から知ることになります。



 この味が保たれるようならば、またクアラルンプールに入る最初の日は「ヒルトン・クアラ・ルンプール」に宿泊して、食べ切れなかった他のメニューにも挑戦してみたいところです。宿泊コストが問題ではありますけれどね。

 「ホテル・ニッコー」への移動は、大きなバッグが2つあるので夫と相談してタクシーにすることにしました。そこで、まずは、ホテルのドアマンにタクシー料金を尋ねてみました。ホテルタクシーなら22RM(リンギット)くらいで、ホテル前で拾えば14RMぐらいなのだそうです。念のために、「ヒルトン」からほんの数分の「KLセントラル駅」にも行って、タクシー・チケット売り場で尋ねてみました。

「ホテル・ニッコーまでいくらですか。」
「お荷物はありますか。(タクシードライバーが車のトランクに積むバッグの数を聞いているようです。)」
「大きなバッグが2つ。」
「12RMです。」
「分かったわ。ありがとう。」

 2リンギット(60円ほど)の違いですが、クアラ・ルンプールではメーターを倒さないタクシー・ドライバーや故意に行き先を間違えるドライバーと揉めたことがあり、リスクを予め避けるには、タクシー料金を前払いしている「タクシー・チケット」という制度はいい方法です。さっそくホテルにとってかえし、バッグを運んできて、タクシー・チケットを購入して、アンパン・パーク周辺に移動です。「KLセントラル」から「ホテル・ニッコー」まではかなり遠い。



 ドライバーは中国系。インド系に反感があるらしく、クアラルンプールはインド系にはそうでないかも知れないが俺らには住みにくい、やはり住むには田舎がいい。インド系の奴らは、ソフト開発で金をたくさん貰っているから、こんな高いビルが立ち並ぶ、緑のない、空気の汚れたクアラルンプールに住んでいられるんだ、、、などという言葉が飛び出してきます。

 人間、虫の居所が悪いときもあるものです。私がクアラルンプールはいい街で、私は大好きなんですよ、と最初に言ったのがお気に召さなかったようです。この反応は、数年前シンガポールでやはり同じ中国系の運転するタクシーに乗ったときと同じものでした。「シンガポールはいい街ですね。」「No money, no good.(金のあるやつにはね。)」 私たちは、淡々と話しに参加し、客観的に相槌を打ち、そのうちにタクシーはホテル・ニッコーに。

 昼食は、ホテル・ニッコーのすぐ近くにある「PNB ダービー・パーク」というホテルが入っているビル(PNB DARBY PARK COMMERCIAL CENTRE)の3階にある韓国料理の店に行く予定でした。しかし、ホテル・ニッコーでもらった部屋が「禁煙ルーム」であるはずなのに、入ったすぐにタバコの臭い。どこからかタバコの臭いが入り込んだのでしょうか。禁煙ルームなのにタバコを吸った宿泊客やその来訪者がいたのでしょうか。ルーム・チェンジを要求したので、時間を使ってしまいました。韓国料理の店に着いたときには、昼の営業時間を過ぎてしまっていました。客はいたのですが、もうオーダーはストップしているということで諦めざるを得ませんでした。

 代案を考えてはいなかったので、2階の中国料理の店に向かいましたが、ここも追い出されました。1階に下りてくると、地階に「フード・コート」があるとの表示。飢えた我が子「健人」の空腹を満足するために、さっそく地階へ。完全にローカルな雰囲気の店が幾つか並んでいます。しかし、並んでいるのは辛そうなものを出す店ばかり。その中に「OODLES(ウードルズ)」というパスタの店があります。これならば、健人にも食べられるだろうと注文したところ、奥から日本語を話す人が出てきました。

 その人はこの店の共同経営者の「伴野正道」さん。いろいろとクアラルンプールで美味しい店を紹介してもらいました。その話の中で出てきた「クアラルンプールのチキンの美味しい理由」。

伴野さん「原則として、客に出されるチキンはその日の朝まで生きていたやつなんですよ。」
私「美味しいのは新鮮だということなんですね。」
「そうです。でも、豚肉は美味しくないんですよ。」
夫「それはなぜなんですか。」
「宗教の問題ですね。ムスリム(イスラム教徒)は豚肉を食べないから、流通する量が絶対的に少ないんです。」
「だから、質を問える状況にはないんですね。」
「あとは契約の問題がありますね。フード・コートは原則として、ハラル(イスラム教の一定の作法に従って、食材の選択が行われ、加工され、調理されたもの)を出さないといけないんですね。」
「なるほど。イスラム教は「豚」はタブーですからね。」
「ええ。契約でそうなっていなかったとしても、例えば、フード・コートで中国系が店を出したとしますね。ムスリムは食器の片付けもしてくれないのです。」
「四面楚歌といった感じになる、、、」
「そういうことです。うちも当然ハラルです。」



 夫にかかれば旅行も学問の場。調べて、観て、尋ねて、情報は複数で確認、と言ってまた尋ねて、、、こうしないと旅行は楽しめないのだそうで、変わり者の夫を持つと疲れます。私としては美味しいものを食べたいだけなのですけどね。

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 シンガポールではホップオンバスで観光を楽しんだ私たち。今回はクアラルンプール(KL)に「ホップオンホップオフバス」が導入されたそうなので、早速乗ってみようと思います。

(参考) シンガポール旅行記2004年7月15日「ホップ・オン・バス」



 ツアー・バスでは、マレー語、英語、中国語、ヒンズー語、アラビア語、日本語、フランス語、スペイン語の8か国語で、ツアー・ガイドが行われます。言語は自分で選択し、前の座席の背にあるイヤホンから予め録音されている音声が流れます。(A pre-recorded tour guide in eight languages (Bahasa Malaysia, English, Mandarin, Hindi, Arabic, Japanese, French and Spanish).

 この「ホップオン・ホップオフ・シティ・ツアー」では、クアラルンプールの主要な観光スポットを通過するときに、音声ガイドが流れます。(KL HOP-ON HOP-OFF City Tour offer a pre-recorded commentary in eight different languages that will guide the tourist through the major sights and attractions in the city.)

 ツアーバスは、午前8時30分から午後8時30分にかけて、およそ30分間隔(a half hourly)で、バス停にやってきます。(The bus runs on a 15 to 30 minutes at the stops between 8.30 a.m. and 8.30 p.m.)

 ツアーバスは、22か所のバス停を時計回りに巡っていきます。その間、およそ40ほどのツアーガイドがされます。観光客は自由に乗り降りできます。The service covers a circle route that allows tourists to start the tour and end at the same location. Along the route, there are approximately 40 attractions where the tourists can hop-on or hop-off at any of the 22 designated stops.

 バスには、運転手のほかに車掌がおり、シティ・ガイドのパンフレット(KUALA LUMPUR The Ultimate Guide)を貰うことができます。(There will be one driver assisted by a tour assistant on the bus and tourists will be given pamphlet on the city guide.)
 
 バス・チケットは、車内などで入手でき、大人料金は24時間有効のもので38リンギット(1RM=30円換算で、1,100円ほど。2008年12月では円高で、800円ほど)、48時間で65リンギットになります。子供料金は5~12歳で適用されます。(Tickets are available on the bus and also with authorized agents. Ticket For Adult: 24hrs RM38,48hrs RM65,Ticket For Student, Child (5 to 12 Years) : 24hrs RM17,48hrs RM29)





 今回行ってみたいところは、KLタワーと国立博物館(National Museum)。実は、前回、夫はKLセントラル駅から国立博物館へ徒歩でのアクセスを試みたのですが、道に迷い断念しました。私は以前の一人旅で、観光バスに乗り、この国立博物館を訪れました。ワヤン・クリット(Wayang Kulit)という影絵を楽しんだり、マレーシアの民族衣装を見たりしてとても楽しみました。マレー文化を知るには最適の施設なので、夫にも見てもらいたいのです。ここは、私のお勧めです。

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 マレーシアのクアラルンプールには、列車、バスを運行する政府出資の会社「ラピッドKL(Rapid KL,Rangkaian Pengangkutan Integrasi Deras Sdn Bhd) 」があります。そのラピッドKLのバスを利用すれば、クアラルンプール中心部(KLセントラル駅)から妻「あみ」の行ってみたいと言っている「ワン・ウタマ・ショッピング・センター(1 Utama Shopping Centre)」に辿り着くことができそうです。

1 Utama Shopping Centre”のサイトの“WAYS TO GET HERE”を読むと以下のように書いてあります。

KLセントラル駅からならば、Rapid KL のバスの“U82”に乗って下さい。プトラジャヤ・セントラル駅からならば、、、(If you're boarding a bus from KL Sentral, take the Rapid KL Bus No. U82. If coming from Putrajaya Sentral, take Bus No. T43. 1 Utama is also connected via buses No. U86 and U89. )

 現在、首都圏(クラン・バレー、Klang Valley)では Rapid KLは、165ルートでバスを運行しています。そのルートは、シティ・バス・ルートが10本、ローカル・バス・ルートが87本、トランク・バス・ルートが65本、エクスプレス・バス・ルートが3本です。(Today, RapidKL operates 165 bus routes within the Klang Valley which consist of 10 City Bus routes, 87 Local Bus routes, 65 Trunk Bus routes and 3 Express Bus routes.)

 トランク・バスを使うと、クアラルンプール中心部(Area 1、City Centre)から出たり、中心部に入ったりできます。(Use our Trunk Bus to get into and out from the city centre.) クアラルンプール周辺の地域はエリア2からエリア6までに分類されています。今回の目的地「ワン・ウタマ」のある地域は、Klang、Shah Alam Selatan、Subang Jaya、Jalan Klang Lama、Puchong といった地域を含め、エリア6(Area 6)に属しています。



 ラピッドKLのバスチケットは、一部のチケットを除いて、終日乗り降り自由です。(All RapidKL bus tickets are ALL-DAY tickets except the Single Trip Express One Way Ticket.) 料金は、All-Day Local Bus RM 1.00、All-Day Trunk Bus RM 2.00、All-Day City Bus RM 2.00、All-Day Express Bus RM 5.00 となっています。

 あるサイトには、無料のシャトル・バスがクアラルンプール市内の一部のホテルからワン・ウタマに出ているとあります。しかし、この記述はワン・ウタマのページにはなく、ほかのサイトにも見当たりません。古い記述なのか間違いなのか、それとも正しいのかの確認がとれません。

Complimentary Shuttle BUS
There are regular shuttle bus that you can take if you stay in some hotel in Kuala Lumpur. The shuttle bus will go to Melia Hotel → Dorsett Regency Hotel → Nikko Hotel → Mandarin Oriental Hotel → Novotel Hotel → Prince Hotel → 1 Utama.




 トランク・バスは、KLセントラルからいくつもバス停で停まるのでかなり時間がかかるようです。別のアクセス方法があります。クアラルンプール市内の鉄道LRT(Light Rail Transit)のクラナ・ジャヤ線(Kelana Jaya Line)を利用して、西の終点「クラナ・ジャヤ(Kelana Jaya)」駅で降りると、無料のシャトルバスが「カーブ・ショッピング・モール(The Curve Shopping Mall)」や「イカノ・パワー・センター(Ikano Power Centre)」には出ています。



 あるサイトによれば、イカノ・パワー・センターには次のスケジュールでシャトルバスが出ているようです。妻が言うには、隣接する「カーブ(Curve)」には「ダイソー(Daiso)」が入っているようなのです。マレーシアならではのものが置いてあると面白いね、と言っています。近くには、家具の専門店「イケア(Ikea)」もあるようです。(大きくて持って帰ることができないのだから買えるわけではないのですが、見てみたいのだそうです。)

From Kelana Jaya LRT Station to Ikano Power Center: 9.00am, 10.00am, 11.30am, 1.00pm, 3.00pm, 4.30pm, 5,30pm, 7.00pm, 8.00pm and 9.30pm
From Ikano Power Center to Kelana Jaya LRT Station: 9.30am, 11.00am, 12.30pm, 2.30pm, 4.00pm, 5.00pm, 6.30pm, 7.30pm, 9.00pm and 10.30pm




 ワン・ウタマに向けてもLRTクラナ・ジャヤ駅からシャトルバスが出ているようです。1時間に1本ほど出ているようです。ワン・ウタマには、ジャイアント、マークス&スペンサー、パークソン、ジャスコなどがテナントとして入っているようです。

One Utama, 1 Lebuh Bandar Utama, Petaling Jaya, is probably the largest and most popular mall. Tenants include TGV and Golden Screen Cinemas, Jusco, Marks & Spencer, MPH Megastore, Parkson, Giant Supermarket, etc. There is a free hourly shuttle bus from Kelana jaya LRT.

 ワン・ウタマでは、ウィンドー・ショッピングになるのでしょうか。

           (この項 健人のパパ)

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 当初はタイを周遊する予定だった旅行が、タイの政情不安で行き先をバンコクからシンガポールに変更を余儀なくされました。そのために蒙った損害が6万円を超えます。しかし、それにめげていては旅行を楽しむことはできません。現在は平穏を保っているバンコクも火種が消えたわけではありません。子連れの旅なので、リスクを避けるために積極的に動いた結果の損失です。

 まず行きのエアーをタイの政治情勢がきな臭くなってきたときにバンコクからシンガポールに変更。シンガポールからマレーシアに移動することに決めました。シンガポールには幾度か行ったことがあり、そこをメインにすることに夫が気乗りしなかったからです。

 夫はやはりタイは面白い、捨てがたいということで、帰りにクアラルンプールからバンコクに飛び、数日過ごして帰国する予定で、エアアジア(AirAsia)というLCC(Low-cost Carrier)でエアーを押さえました。このエアーは「格安」なので、チケットは買い取り(prepay)です。予約(reserve)ではないので、搭乗しなくても返金されません。

 夫がスワンナプーム空港がデモ隊に占拠されるようなことは起こらないと自信を持って言うものですから、バンコク滞在を日程に入れました。私も「ティダ・イサーン」で再度タイの東北料理を食べてみたかったのです。

(参考) 「「バンコク」旅日記7 - ティダ・イサーンで辛~い!
     「「バンコク」旅日記10 - ディダ・イサーンでさらに

 ところが、そのバンコクのスワンナプーム国際空港が反政府市民団体の「市民民主 連合(PAD)」に占拠されてしまったのです。「アリエナイ」ことが起こってしまったのです。すぐに解決するだろうと予想していた夫も占拠が長引くにつれて、タイへ行くことをリスクと考えるようになりました。そして、バンコクからの帰国も断念。日程を変更して、シンガポールから帰国することにしました。結局、シンガポール→マレーシア→シンガポールという日程になりました。

(参考) 「タイの政情不安、ついにスワンナプーム空港閉鎖にまで

 悔やんでも仕方がないことなので、楽天家の私たち2人はシンガポールとマレーシアでどう楽しむかを研究し始めることになりました。マレーシアのリゾート地をいろいろと調べ、で、結局、行き先は以前にも行ったことのあるクアラルンプールとペナンにすることになりました。私はまだペナンに心を残しているのです。「ガーニードライブ」にある「松花江餐室(ソング・リバー)」でバクテー(肉骨茶)」を食べ損ねたのです。

(参考) 「肉骨茶 in ペナン

 最初はいままでに行ったことのない観光地にしようということで、それぞれアイデアを出しては、ネットで旅行記を読み漁り、ホテル予約サイトで「口コミ情報」を読み、意見を出し合い、ネットでさらに検証。仕事から帰宅してからの作業ですから、あっという間に数週間が経ってしまいました。

 で、出た結論が以前にも行ったことのある「クアラルンプール」と「ペナン」をディープに楽しもうということになったのです。すると、ガイドブックは頼りにならず。「狭く、浅く」が旅行のガイドブックの特徴と言ってもいいくらいなのです。頼るのは、現地のサイト。的確な情報を探し出すのに非常に時間がかかります。

「クアラルンプール郊外に行ってみたいな。」
「例えば、どこ?」
「サンウェイ・ラグーンとか、マインズ・ワンダーランドとか、ゲンティング・ハイランドとか、、、」
「マインズもゲンティンも行ったでしょ。」
「サンウェイ・ラグーンはまだ行ってないよ。」
「サンウェイって、大きなプールがあるところでしょ。ペナンで本物の海が見られるのに何もそこに行かなくっても。」
「・・・」
「ワン・ウタマはどう?」
「バンダール・ウタマにある大きなショッピング・センターのこと?」
「そう。」
「・・・」
「6階建てで600以上のお店があるみたい。1日で回れそうもないわね。」
「・・・」
「クアラルンプールからどうやって行ったらいいか、調べておいてね。」
「・・・」

(参考) マレーシア旅行記2004年7月27日「マインズ・ワンダーランド」(2010年10月現在 閉鎖中)
(参考) マレーシア旅行記2004年8月1・2日「ゲンティング・ハイランズ」

(健人のパパの注)
 マレーシアの行政区画には「連邦直轄領」と「州」があります。連邦直轄領は、クアラ・ルンプール(Kuala Lumpur)、プトラジャヤ(Putrajaya)、ラブアン(Labuan)です。11の州はマレー半島に、2つの州(サバ州 (Sabah) 、サラワク州 (Sarawak) )はボルネオ島にあります。連邦直轄領「クアラルンプール」は、スランゴール州 (セランゴール州、Selangor) に囲まれています。クアラルンプールの西隣に「ぺタリン・ジャヤ(Petaling Jaya)」という特別市 (Majlis Bandaraya) があります。クアラルンプールの中心部から直線距離でほぼ10km前後、車で20分ほどの距離にあります。このぺタリンジャヤの北部に「バンダール・ウタマ(Bandar Utama)」があります。



 この「バンダール・ウタマ」には、「ワン・ウタマ・ショッピング・センター(1 UTAMA SHOPPING CENTRE)」というものがあります。住所は、1, Lebuh Bandar Utama, Bandar Utama City Centre, Bandar Utama, 47800 Petaling Jaya, Selangor Darul Ehsan (スランゴール州ぺタリンジャヤ特別市バンダール・ウタマ、バンダール・ウタマ通り 1)です。この地域には、さらに「ザ・カーブ・ショッピング・モール(The Curve Shopping Mall)」、「テスコ(TESCO)」、「イカノ・パワー・センター(Ikano Power Centre)」などもあります。(注の終わり)



 バンダール・ウタマにある「ワン・ウタマ」には、「ワン・ワールド・ホテル」があります。ショッピング・センターを十分楽しむにはここに宿泊するといいだろうと考え、1泊することにしました。この近くに「アップタウン・ホーカー・センター(Uptown Hawker Centre)」もあります。是非食べに行ってみたいところです。

(info) AppleWorldでの「ワン・ワールド・ホテル」(ONE WORLD HOTEL)の情報。

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タイの反政府市民団体「市民民主連合(People's Alliance for Democracy、PAD)」がバンコクの国際空港、スワンナプーム空港などを占拠したことから、ウタパオ空港が代替空港となり、11月29日から12月3日まで日本への臨時便が就航していました。

しかし、日本への臨時便は、日本航空、全日空、タイ航空、バンコク航空のみしか運航されませんでした。また、日本からシンガポール航空、キャセイパシフィックを利用してきた旅行客は、予約を振り替えることができ、シンガポールや香港で日本行きへの乗り継ぎができました。スワンナプーム空港の閉鎖が解かれても、全日空は12月4日は、成田-バンコク便の953便・954便、バンコク-成田便の915便・916便すべて欠航しました。12月5日は、早朝のバンコク-成田便の954便は欠航の予定です。

全日空(ANA)
NH953便、10:50成田出発 - 16:05バンコク到着(現地時間)
NH915便 17:30成田出発 - 22:50バンコク到着(現地時間)
NH954便 08:35バンコク出発 - 16:20成田到着(現地時間)
NH916便 23:55バンコク出発 - 07:35成田到着(現地時間)


日本航空は、12月6日より、一部の便(703、704便)を除き、定期便の運航の再開を予定しています。JL703・704便は12月20日(土曜日)を除き、12月24日まで欠航するようです。

日本航空(JAL)
JL717便 10:55成田出発 - 16:00バンコク到着(現地時間)
JL703便 16:00成田出発 - 21:05バンコク到着(現地時間)
JL707便 18:45成田出発 - 23:50バンコク到着(現地時間)
JL708便 08:15バンコク出発 - 16:00成田到着(現地時間)
JL718便 22:30バンコク出発 - 06:15成田到着(現地時間)
JL704便 23:30バンコク出発 - 07:15成田到着(現地時間)


アメリカの航空会社、ユナイテッド航空、ノースウェスト航空は、ウタパオ空港から臨時便を運航せず、この航空会社を利用してタイに入った者は、帰りの便をキャンセルして他の航空会社に変更しなければなりませんでした。ユナイテッド航空のアナウンスを載せてみます。

航空券規定変更(対象航空券:2008年11月25日以前のご購入、対象期間:2008年11月25日から12月15日)

(1)すでにご旅行を開始されているお客様
復路について1回の変更が可能です。通常の変更手数料、事前購入制限、旅行適用日、ブラックアウト、最低または最長滞在制限は免除されます。旅程の出発地および目的地を、バンコク以外に変更することが可能です。変更後のご旅行は、元のご予約日から7日以内に完了する必要があります。

(2)旅行開始前のお客様(航空券が完全に未使用の場合)
同一旅程の範囲内では、1回のみ手数料と事前購入制限のかからない変更が可能です。予約クラスの変更はできません。 新しい旅程にする場合は、1回のみ変更手数料免除にて変更が可能です。新しい旅程や、元の規定および予約クラスの条件にあてはまらない旅程変更については、当初より高い運賃が適用となる場合があります。

ご利用便が欠航となった場合、運賃は全額払い戻しいたします。この規定はマイレージ・プラス特典、非公示運賃、オンライン運賃の航空券にも適用されます。


日本への便を運航している航空会社は、他航空の利用者の搭乗も受け付けるようですが、座席に余裕がある場合(自社の予約者がキャンセルするなど)に限るのは当然で、ユナイテッド航空、ノースウェスト航空を利用して日本からタイに来た旅行者には、搭乗券を手にして日本に帰国するにはある程度の期間を要します。バンコクでいまだに足止めを受けているようなのです。

私たちの今回の旅行は、最初チェンマイに入り、チェンマイ(チエンマイ)→スコータイ→アユタヤ→バンコク→プーケット→バンコクと戻ってくる旅程を考えていました。

しかし、2008年8月26日、政府退陣を要求する「民主市民連合」が集会を開き、首相府を占拠、道路を封鎖するなどの実力行動を出て、市民の抗議行動は各地に波及しました。29日には、プーケット国際空港でPAD支持者5,000人あまりが滑走路を封鎖し、同空港は閉鎖に追い込まれました。

約120便がキャンセルとなり、8月31日に空港が再開されるまでに約15,000人の乗客が足止めされることになりました。今回の事態の予兆とも言える事件でした。韓国とシンガポールは不必要なタイへの渡航を自粛する勧告を出し、オーストラリアと台湾は渡航に際して特段の警戒を呼びかけました。

この時点で、プーケットへは行かないことにしました。簡単に封鎖されてしまうようなセキュリティの空港を利用するのはリスクがあると考えたからです。陸路ということも考えないわけではなかったのですが、道路封鎖には対応できません。

今回の政争は、タクシン・チナワット(Thaksin Shinawatra)元首相に端を発していますが、彼はチエンマイの出身です。チナワット家はタイの名家の一つで、広東省出身の客家系の華僑である「丘」家が築いたものです(タクシンの中国名は「丘 達新」)。チナワット家は代々、チエンマイ周辺のシルク産業を独占し、現在は、通信産業へ進出しています。

チエンマイは、タクシンの出身地で、PADが入り込む余地がないので安全だといわれています。交通手段も往路は空路なら問題がないだろうということになりました。しかし、陸路を戻って来なくてはなりません。これも今回の政争が静まるまで行かない方が、子連れなのだから、いいだろうということになりました。2008年2月11日に「「チエンマイへ」日記1 - チエンマイって? 」という記事も書いていたのですが、、、

ソンティ・リムトンクン(Sondhi Limthongkul)という人物がいます。1947年生まれ。中国名を「林 明達」といい、父親は中国の国民党員だった人物で、タイに移民すると中国語の本の印刷事業などを手がけていました。ソンティ氏は、台湾で中国語を、アメリカで英語を身につけ、1973年に帰国し、新聞編集者、雑誌発行などを経て、1983年にタイ字経済紙「プージャッカーン(Manager、経営者)」を創刊しました。

新聞の発刊から携帯電話、通信衛星と事業展開を図りましたが、1997年のアジア経済危機で経営が破綻。1990年にタイ証券取引所(SET)に上場を果たしたマネジャー・メディア・グループ(Manager Media Group Plc、MGR、経済紙の発行元)も会社更生手続きに移されます。

再建されたMGR(その後、民事裁判所は2008年11月19日に破産を宣告)は、2001年の下院総選挙で全社を挙げてタクシン愛国党を支持。2001年、タクシンは首相の座につきます。タクシンとソンティの蜜月時代はしばらく続くのですが、2005年、ソンティ氏は強硬な反首相派に転じ、テレビのトーク番組などで、政権の汚職や権力乱用を激しく批判し始めます。

この動きにチャムロン(Chamlong Srimuang)元バンコク知事らが同調し、バンコク市内で大規模な抗議集会を開催し、2006年4月にタクシン首相を事実上の辞任に追い込みました。2007年12月に下院選挙が行われます(この選挙期間中、私たちはバンコクにいました。しかし、リスクを避けて、すぐにベトナムへと移動しました。結果としては、大きな事件は起こらなかったのですが)。下院選挙ではタイ愛国党の議員のほとんどが移籍した政党「人民の力党(PPP)」が勝利をおさめ、2008年1月には同党を中心にした連立政権が発足します。

これで、タイは安定期に入り、私たちは、タイを周遊できると考えたのですが、、、

最後にこの記事を紹介しておきます。

Today the PAD movement resembles a political cult. Sondhi himself was a former cheerleader of Thaksin Shinawatra but is now a repentant man on a mission to eradicate Thaksin and his proxy from power. This gives him an almost messianic aura and mission. And there are ritual supporters have gone through over the past two years, in order to prepare them for their "final battle".

Never mind if the expression "final battle" has been used many times by leadership - like some born-again Christians who await the Judgement Day, the date can always be re-set to fit the expired deadline. (THE NATION)


         (この項 健人のパパ)

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タイの国際空港、スワンナプーム空港の閉鎖が長期化する危惧から、帰国便をバンコクからシンガポールに急遽変更しました。普段はフライトがタイトな時期ですが、なんとか座席を確保することが出来ました。

往路は、バンコクの政治情勢が不安定なことを嫌って、1か月ほど前にシンガポール到着に変えておきました。そのときに復路も変えようとしたのですが、都合のいい日の座席は取れませんでした。変更手数料は、3人で3万円ほど。往路・復路の変更が同時であれば3万円で済みますが、復路を別の機会に変更すれば、また3万円がかかります。

私「帰りどうする?」
夫「バンコク経由のままでいいんじゃない。都合のいいフライトが取れないんじゃ。」
「バンコク市内には入るつもりなの?」
「交通機関がデモなどで影響が出ると、空港に着けなくなることもあるから、空港周辺にいた方がいいね。」
「飛行機が飛ばないなんてことにならないかしら。」
「そんなことはありえないだろう。スワンナプーム空港は、バンコクの顔だよ。国際空港が機能麻痺になるなんて、考えられないよ。タイはそんな国じゃないよ。」
「そうかしら。」

タイの反政府市民団体「民主市民連合(PAD)」は11月25日、首都バンコクのスワンナプーム国際空港を占拠し、空港当局は空港を封鎖しました。タイの政治情勢に航空会社、ホテル、旅行社、旅行客は振り回されることになりました。

ホテルの予約には、「事前購入予約」というものがあります。これは、予約時に宿泊代金がクレジットカードから引きさられるというシステムになっています。キャンセルしてもその代金は返金されません(Full prepay, non refundable if cancelled or changed.)。厳しい条件のためホテルの室料は安価に設定されています。経験的には、2,000円ほどが安くなります。

Advance Purchase
Special savings. Advance Purchase rate, reservations require full prepayment for the entire stay at time of booking. Full prepayment is charged to your the credit card between time of booking and day of arrival and is nonrefundable.


ホテルの予約センターに、今回のような状況の場合、「事前購入予約」であっても返金されるのか聞いてみました。アメリカでは、どのような場合も返金されないのだそうですが、アジアでは、ホテルによっては認めてくれるところもあるそうです。

今回、タイの政情不安を考慮して私は、「事前購入予約」という方法でホテルの予約をとらなかったのですが、今後のために、こういう場合保険でカバーできるか調べてみました。

「海外旅行保険」には「航空機遅延費用」という補償項目があります。これは、被保険者が「搭乗予定航空機が6時間以上の出発遅延、欠航、運休した場合」などで、「ホテル等客室料、食事代、国際電話料等通信費、ホテル等への移動に要するタクシー代等の費用など」を補償するものです。ただし、2万円が限度でホテル代や移動費用の領収書の提出が必要なのだそうです。さらに、戦争、その他の変乱では保険金は支払われません。

そこで今回のタイの事態の場合にどうなるのかを保険会社に尋ねてみました。今回の場合、「航空機遅延費用」は支払われるようです。では、私たちもこの保険に入って出かけるべきか。すでに空港閉鎖という事態が生じてから、保険加入をしたのでは支払われないとのこと。保険加入後に生じた事態にしか、保険は適用されません。まあ、当然ではありました。ただし、封鎖が解かれたがまた封鎖された場合は適用にはなるそうです。

ソムチャイ首相の辞任を求めて、スワンナプーム国際空港などを占拠している反政府市民団体「民主市民連合(PAD)」は12月2日、憲法裁判所によって与党3党の解党判決が出たことで、「2空港と首相府の占拠を3日午前10時をもって解除する」と発表した。しかし、スワンナプーム空港当局(AoT)は同日、空港システムの点検を行う必要があるとして、今月15日まで旅客便運航の停止を継続すると発表した。(The Constitution Court on Tuesday banned Prime Minister Somchai Wongsawat from politics for five years and dissolved the ruling People Power party (PPP) and two other coalition parties, Chart Thai and Matchimathipataya, over voting fraud cases. The People's Alliance for Democracy agreed on Tuesday night to get out of the Suvarnabhumi and Don Mueang airports within 24 hours. (Bangkok Post))

タイの国際空港の安全は、今後は保証されるのかというと、どうもそうではないようです。いまだ、人質にとられているようなのです。「民主市民連合(PAD)」は、タクシンの息のかかった政治家が政権に残ると再度空港を占拠することもありえると発言しています("The next government must sincerely agree to introduce new politics and must not be a puppet regime for Thaksin Shinawatra. Otherwise, it continued, the airports may be seized and shut down again. " said a statement by the PAD. The leading candidates as new prime minister are unacceptable to the PAD. They are controversial Bangkok politician Chalerm Yubamrung and ex-commerce minister Mingkwan Sangsuwan, both considered to be close to the fugitive ex-premier Thaksin. (Bangkok Post)

与党側は解党判決に備えて新党「タイ貢献党」を設立しており、活動禁止処分を受けていない議員(与党役員が5年間の禁止処分を受けた)は新党に移籍したうえで、新首相を擁立する方針だ。(Members of Parliament unaffected by the bans on three political parties and 109 leading politicians have vowed to continue the current regime under a different name for the dissolved People Power. The Puea Thai (For Thais) party is expected to be a haven for politicians from the three banned parties, and a new premier will likely be named well within the 60-day limit after the court announcement. (Bangkok Post))

タイの政情不安は解消されそうもありません。いつどこで予想外の事態に遭遇するか知れません。タイを訪れるのはしばらく諦めることにします

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タイの首都バンコクの国際空港、スワンナプーム空港の閉鎖が続いています。タイの反政府市民団体「民主市民連合」が空港施設の座り込んだことにより、空港当局が11月25日に閉鎖を決定しました。それから1週間以上経ちます。

12月1日、タイの反政府市民団体「民主市民連合(PAD)」の最高幹部チャムロン(元バンコク知事)氏は、首相府の爆弾事件で多数の負傷者が出たことを受けて、首相府の占拠に参加していた支援者の大半をスワンナプーム空港とドンムアン空港の2空港に合流させた。(The People's Alliance for Democracy yesterday abandoned Government House and moved protesters to Don Mueang and Suvarnabhumi airports. Maj-Gen Chamlong Srimuang, one of the PAD's core leaders, told protesters encamped at Government House to move to the two international airports the PAD had taken over. )

12月1日、タイの観光相は反政府市民団体「民主市民連合」がスワンナプーム空港とドンムアン空港の2空港を占拠していることで、タイに足止めになっている外国人旅行客は35万人に上っていることを明らかにした。(The top official at the tourism ministry said on Monday that 350,000 foreign visitors and Thai tourists are stranded inside Thailand by the airport closure, and the number is increasing daily.)

スワンナプーム空港の封鎖は数日中に解かれるのでしょうか。12月2日にタイ憲法裁判所の判決が出て、与党「国民の力党」など3党に解党命令が出されて、首相ら党役員が5年間の被選挙権剥奪を命じられれば、辞任を拒否しているソムチャイ首相も辞任せざるを得ず、12月5日のプミポン国王の誕生日までには危機的状況を脱するとする観測もあります。

しかし、空港の封鎖が解かれてもすぐに以前の状態に戻るとは考えられません。まず、空港施設がどの程度の損傷を受けているかがわかっていません(Noboby knows how badly the airports have been affected by the occupation by thousands of People's Alliance for Democracy (PAD) supporters.)。技術者が複雑で厳格なチェックをし、必要ならば修理をしなければならず、証明書の更新も得なければならないのだそうです(... staff would have to go through complicated and stringent checks, make repairs if needed and get re-certification ...)。

さらに、新しく空港をスタートさせる時のように、複雑なITシステムを再起動されなければならなく、調整もされなければなりません(The complex IT systems at the two airports will have to be rebooted and calibrated, just like when you start-up a new airport.)。スワンナプーム空港の地上設備も代替空港のウタパオ空港に運び出されていて、再搬入しなければなりません(Ground handling equipment and other support facilities which were moved out from Suvarnabhumi to U-tapao airport would also have to be moved back to Suvarnabhumi. )。

さらに、さらにです。空港運用の安全を図るために、空港が再開されるには、スワンナプーム空港の運用会社AoTはまず、空港が国際空港の標準に達していることの認証を受ける必要があるようです。Civil Aviation Organisation の判断基準に従って、民間航空局によって空港施設のチェックを受けなければならないのだそうです。(Before the operations can resume, the AoT will first need to ensure that the airports are back up to standard. They will have to be checked by the Department of Civil Aviation under the yardstick established by the International Civil Aviation Organisation, an agency of the United Nations.

一体いつ正常に戻るのでしょうか。"It could take days, weeks or even months, only God knows how long." のようです。

英文の出典:Bangkok Post

         (健人のパパ)

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 カントリーリスク(country risk)という言葉があります。海外へ投融資や貿易を行うに際して、相手国の政治・経済・社会環境の変化のために、例えば内乱や革命、政情不安などで、収益を損なう危険の度合いを言います。カントリーリスクの一つに、チャイナリスク(China Risks,China's Business Risks)があります。中国の政治・経済・社会環境の変動が理由で、例えば1989年の天安門事件、2005年の反日運動、2008年の食品中毒問題などで、外国企業が中国国内で経済活動を行うに際して、損失を被るリスクを言います。

 チャイナ・プラス・ワン(China plus one)という言葉もあります。チャイナリスクを回避するためのリスクマネジメントの手法の一つです。中国に投資をしても集中させず、平行して他の国、例えばタイ、ベトナム、インドなど他の新興諸国にも一定規模の投資を行い、生産拠点を複数化させて、リスクの分散を図ることをいいます。

 しかし、11月に入って、タイでスワンナプーム国際空港が封鎖され、インドで同時多発テロが起こり、日系企業もリスクマネジメントで苦労を強いられています。「インドリスク」という言葉はすでに存在しますが、「タイリスク」や「タイランドリスク(Thailand's Business Risks)」という言葉も普通に使われるようになってしまうのでしょうか。

 タイ陸軍のアヌポン・パオチンダ(Anupong Paochinda)司令官は、以前から、軍が行動を起こしても、「反タクシン派」のバンコクの旧支配層や中産階級と「タクシン支持派」の地方や都市の低所得者層との対立の溝を埋めることはできない(The military cannot heal fundamental political rifts between the Bangkok elite and middle classes and the poor rural and urban majority.)と発言しています。

 11月30日、タイの反政府市民団体の「民主市民連合(PAD)」がスワンナプーム国際空港などを占拠して5日目に入っています。同日深夜、ソムチャイ首相の退陣を要求してPADが同じく8月から数千人を動員して占拠を続けている首相府で、投げ込まれた手榴弾の爆発によりPAD支持者の少なくとも46人(51人という報道もある)が負傷しました(The grenade blasst occurred around midnight at Government House, where thousands of supporters of the People's Alliance for Democracy (PAD), who have occupied the prime minister's compound since August in a bid to unseat him, were attending a rally.)。

 民間の空港施設が殆どない軍民共用空港のウタパオ国際空港は、まったくの無秩序だといいます(There was chaos at U-Tapao, a military airbase with almost no civilan flight facilties.)。この状況を経験した日本人をはじめとする外国人は、タイに戻っては来ないでしょう。何万人という国外に出ようとする人たちによって、ウタパオ国際空港は混乱をきたしています。空港の外には搭乗を待つ乗客のためにテントが張られ、簡易トイレが設置され、難民の収容施設の観を呈しているようです。空港に向かう道路は、数キロに渡って渋滞しているようでもあります。(Tens of thousands of stranded passengers have been squeezing into the only terminal at U-tapao airport to catch flights out of the country. Tents have been erected outside the terminal to provide shelter to the passengers and more mobile toilets have been installed.  Traffic to the airport, in Rayong's Ban Chang district, has been backed up for several kilometres. )。

 航空会社は今回の事態の補償に応じず、宿泊費も帰国のための新たな航空券の購入も自己負担になっています。足止めされた外国人は、推定で、日本人1万人を含んで合計10万人。みなさんが無事に帰国されることを望んでやみません。

       (この項 健人のパパ)

バンコク国際空港閉鎖に伴い、日本航空ではタイ(ウタパオ空港)より日本への臨時便を運航している。すべて、深夜ないしは早朝便である。

12月1日
JALウェイズ8738便 ウタパオ(現地時間02:00発) ⇒ 名古屋中部国際空港(日本時間09:15着)
JALウェイズ8718便 ウタパオ(現地時間05:00発) ⇒ 成田国際空港(日本時間12:45着)
12月2日
JALウェイズ8728便 ウタパオ(現地時間03:00発) ⇒ 関西国際空港(日本時間10:10着)
JALウェイズ8718便 ウタパオ(現地時間06:00発) ⇒ 成田国際空港(日本時間13:45着)


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