(参考) 「骨粗鬆症治療薬「テリボン」の副作用にはどのようなものがあるか。」
次のようなコメントを当ブログの読者の方から頂戴しました。
2か月前に、膝上の顆上骨折で手術致しました。骨粗鬆症の検査で標準値より少し低くなっていたために、フォルテオの自己注射をすすめられ、本日で5日目です。2日目から夜眠ったかなと思う頃から痒みを伴う湿疹で眠りが浅くなりました。
(注) 大腿骨の下部で膝関節に近いところ(「遠位部」という)には、「顆部(かぶ)」と呼ばれる部分があります。「顆」とは顆粒(小さなつぶ)の「顆」で、大腿骨の下部端の丸く膨らんだ部分が「顆部(condyle)」です。その上部が「顆上(supracondyle、femoral supracondyle)です。「大腿骨顆上骨折(だいたいこつかじょうこっせつ、supracondylar femur fractures)」はその部位が骨折するもので、骨粗鬆症がある高齢者であれば、転倒などの比較的軽微な外力が加わることでも起こります。高齢化社会を迎えている現在では、大腿骨顆上骨折、大腿骨顆部骨折はその発生が増えてきており、治療が難しい骨折の一つです。
骨粗鬆症の検査では、骨の強さを維持する成分であるカルシウム、リンなど「骨塩(bone mineral)」の量を測定します。「骨密度(BMD、Bone Mineral Density)」は、単位体積あたりの骨塩の量(骨量)ですが、その単位は g/cm2 です。例えば、DXA法では測定部位を輪切りにするように2つの異なったエネルギーを持つX線を照射し、それぞれのX線がどの程度吸収されたかによって骨塩の量を測定します。つまり、輪切りにした面の単位面積あたりの骨量と考えてよいことになります。その一般的な数値はおよそ 1.0 g/cm2 です。
骨密度(骨密度は原則として「腰椎」骨密度とする。ただし,高齢者において,脊椎変形などのために腰椎骨密度の測定が適当でないと判断される場合には「大腿骨頸部」骨密度とする)の正常値は、腰椎(脊椎の下部、腰の部分。5つの椎骨からなる)では20~44歳の平均値、大腿骨近位部では20~29歳の平均値を基にしており、検査結果は例えば、YAM何%などと表現されます。
YAMとは、Young Adult Meanの略称で、「若年成人平均値」という意味です。例えば、YAM85% とは若年成年の骨密度の85%の骨密度であるということになります。80%以上だと、正常域であり、70~80%ならば、骨密度が減少しており、要注意と判断され、70%未満しかないときは、骨粗鬆症と判断されます。
骨量の検査結果は例えば、次のように出てきます。
「腰椎 L.234 を測定しました。」(腰椎(lumbar)は上から下へと第一腰椎から第五腰椎まで5つあるが、“L.234”とは第二腰椎から第四腰椎までを測定)。
「あなたの骨密度は、0.720 g/cm2 です。」
「若い人と比較した値は、71%です。」(“%YAM”と表示されることもある。「骨密度がもっとも多い、29.1 歳の骨密度を 100%としたときの比較」とする骨量検査機器のメーカもある)。この値が低くなるほど骨粗鬆症が疑われる。80%以上は心配ない。70~80%は骨密度がやや低下している。食事・運動などの生活に気をつける必要がある。70%未満は一度、精密検査を受ける必要がある)
「同世代と比較した値は、98%です。」(骨密度は年齢とともに少なくなっていくが被検者と同年齢の人の骨密度を100%としたときの比較。“%AGE”と表示されることもある)
「骨面積: 36.337 cm2 骨塩量: 26.167 g」
フォルテオとは、
「骨折の危険性の高い閉経後骨粗鬆症の外国人女性患者において、カルシウム・ビタミンDを基礎治療とし、テリパラチド20μg及び40μgを長期皮下投与した際の、新規椎体骨折、並びに新規非椎体骨折を発生した患者の割合の減少効果、また腰椎及び大腿骨近位部の骨密度に対する効果、及び安全性について検討した(ブリッジング対象試験)」という資料の<安全性>の項目の「有害事象」には次の記述があります。
テリパラチド20μg群又は40μg群の発現率が3%以上で、プラセボ群とテリパラチド投与群とのp値が0.1以下でテリパラチド投与群の方が発現頻度の高かった有害事象は、悪心(プラセボ群 7.5%、20μg群 9.4%、40μg群 17.8%、以下同様の順)、頭痛(8.3%、8.1%、13.0%) 、下肢痙攣(1.1%、3.1%、2.4%) 、嚢胞(0.9%、1.7%、3.1%)、失神(1.7%、3.1%、0.7%)、爪の障害(0.4%、1.3%、3.1%)であった。(注の終わり)
主治医に申し上げましたら、湿疹痒みが出るのは1%くらいで、まずは勘違いであろうとのことでした。
試しに1週間止めてみて、もしもフォルテオが原因ならば、2、3日おきとか4、5日おきに注射するようにとのことですが、毎日注射しなくても効果は同じでしょうか?
湿疹痒みのほかに眠くなって車の運転が困難にもなりましたが、そんな副作用もあるのでしょうか?お尋ねいたします。(2014-12-22 22:02:18)
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