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 衆議院は11月26日の本会議で、「新型インフルエンザ予防接種による健康被害の救済等に関する特別措置法案」を、全会一致で可決し、参議院に送付しました。この「特別措置法案」は、新型インフルエンザワクチン接種での副反応で、障害を負ったり死亡したりするなどの健康被害に対する補償などを定めています。

(追記)

 参議院は11月30日の本会議で、新型インフルエンザワクチン副作用被害補償法を、民主党などの賛成多数で(自民党は欠席)可決、成立させました。健康被害に対する公的補償や海外メーカーの免責を定めており、国内ワクチンの不足を輸入ワクチンで補う態勢が一応整ったことになります。

(追記終わり)

 この法律は、「厚生労働大臣が行う新型インフルエンザ予防接種による健康被害の救済に関する特別の措置を講ずるとともに、新型インフルエンザワクチンの使用による健康被害に係る損害を賠償すること等により特例承認新型インフルエンザワクチン製造販売業者等に生ずる損失について政府が補償することにより、新型インフルエンザ予防接種の円滑な実施を図ることを目的とする。」(特別措置法第1条)ものです。

 その第11条には、「政府は、厚生労働大臣が新型インフルエンザワクチンの購入契約を締結する特例承認新型インフルエンザワクチン製造販売業者を相手方として、当該購入契約に係る新型インフルエンザワクチンの国内における使用による健康被害に係る損害を賠償することその他当該購入契約に係る新型インフルエンザワクチンに関して行われる請求に応ずることにより当該相手方及びその関係者に生ずる損失を政府が補償することを約する契約を締結することができる。」とあり、国内生産で不足するワクチンを輸入するときに、副作用が出た場合に免責するよう求めている海外のワクチン製造メーカーに応えるための条文になっています。

 ワクチンなどの医薬品を輸入する場合、安全性を確認する臨床試験(治験)が行われ、5年程度かかります。それでは今回の状況では間に合わないため、「特例承認」という「薬事法」第14条の3の規定が利用されます。「特例承認」は、緊急時に限ってですが、日本と同程度の審査態勢が整った国であれば、承認が可能となる制度です。いままで適用された例はありません。

(参考) 薬事法第14条の3 第14条の承認の申請者が製造販売をしようとする物が、次の各号のいずれにも該当する医薬品・・・である場合には、厚生労働大臣は、同条第2項、第5項、第6項および第8項の規定にかかわらず、薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて、その品目に係る同条の承認を与えることができる。
 一 国民の生命及び健康に重大な影響を与える惧れがある疾病の蔓延その他の健康被害の拡大を防止するため緊急に使用されることが必要な医薬品・・・であり、かつ、当該医薬品・・・の使用以外に適当な方法がないこと。
 二 その用途に関し、外国(医薬品・・・の品質、有効性及び安全性を確保する上で本邦と同等の水準にあると認められる医薬品・・・の製造販売の承認の制度又はこれに相当する制度を有している国として政令で定めるものに限る。)において、販売し、授与し、並びに販売又は授与の目的で貯蔵し、及び陳列することが認められている医薬品・・・であること。


 イギリスの大手薬品メーカーのグラクソ・スミスクライン社のワクチン(製品名:Arepanrix)は9月末にヨーロッパで承認され、欧州連合(EU)加盟の27カ国で販売が認められています。国産メーカーのものと同じく鶏卵でインフルエンザのウイルスを増殖させますが、国産のワクチンでは用いない「アジュバント」と呼ばれる免疫増強剤が添加されています。厚生労働省はイギリスのグラクソ・スミスクライン社とスイスのノバルティスファーマ社(Novartis Pharma)の2社とおよそ5,000万人分の新型インフルエンザワクチンについて、購入契約を締結しています。この輸入ワクチンは、高校生と高齢者(65歳以上)への接種が予定されています。

 新型インフルエンザ予防接種を受けたことによって、
  (1)疾病が生じ、政令で定める程度の医療を受ける者には、「医療費および医療手当」
  (2)政令で定める程度の障害の状態にある18歳未満の者を養育する者には、「障害児養育年金」
  (3)政令で定める程度の障害の状態にある18歳以上の者には、「障害年金」
  (4)死亡した者の政令で定める遺族には、「遺族年金または遺族一時金」
  (5)死亡した者の葬祭を行う者には、「葬祭料」
が給付されます(特別措置法第4条、これは「予防接種法」の第12条と、「独立行政法人医薬品医療機器総合機構法」の第16条と同じものです)。

 「厚生労働大臣は、自らが行う新型インフルエンザ予防接種を受けた者が、疾病にかかり、障害の状態となり、又は死亡した場合において、当該疾病、障害又は死亡が当該新型インフルエンザ予防接種を受けたことによるものであると認定したときは、次条及び第5条に定めるところにより、給付を行う。」(「新型インフルエンザ予防接種による健康被害の救済等に関する特別措置法」第3条)

 「市町村長は、当該市町村の区域内に居住する間に定期の予防接種又は臨時の予防接種を受けた者が、疾病にかかり、障害の状態となり、又は死亡した場合において、当該疾病、障害又は死亡が当該予防接種を受けたことによるものであると厚生労働大臣が認定したときは、次条及び第13条に定めるところにより、給付を行う。」(「予防接種法」第11条)

 「独立行政法人医薬品医療機器総合機構は、医薬品の副作用又は生物由来製品を介した感染等による健康被害の迅速な救済を図り、並びに医薬品等の品質、有効性及び安全性の向上に資する審査等の業務を行い、もって国民保健の向上に資することを目的とする。」(「独立行政法人医薬品医療機器総合機構法第3条」)「機構は、第3条の目的を達成するため、次の業務を行う。一 医薬品の副作用による健康被害の救済に関する次に掲げる業務 イ 医薬品の副作用による疾病、障害又は死亡につき、医療費、医療手当、障害年金、障害児養育年金、遺族年金、遺族一時金及び葬祭料の給付を行うこと。二 生物由来製品を介した感染等による健康被害の救済に関する次に掲げる業務 イ 生物由来製品を介した感染等による疾病、障害又は死亡につき、医療費、医療手当、障害年金、障害児養育年金、遺族年金、遺族一時金及び葬祭料の給付を行うこと。」(同法第15条)

 定期の予防接種による健康被害の救済措置における給付の額は、「予防接種法施行令」において規定されています。「予防接種法」に規定する一類疾病(百日咳、ジフテリア、破傷風、ポリオ(急性灰白髄炎)、風疹、麻疹(はしか)、日本脳炎、結核)については、
(1)障害児養育年金(施行令第12条):1,531,200円(障害の状態が政令別表第一に規定する一級の場合)、1,225,200円(二級の場合)
(2)障害年金(施行令第13条):4,897,200円(一級の場合)、3,915,600円(二級の場合)、2,937,600円(三級の場合)
 (いずれの年金についても、一定の場合には、介護加算額の加算及び特別児童扶養手当等に係る減算が行われる)
(3)死亡一時金(施行令第17条):42,800,000円(法による障害年金の支給を受けた場合には受給期間に応じて減額される)

 予防接種法に規定する二類疾病(インフルエンザ(65歳以上の者、60歳以上65歳未満の者であって、心臓、腎臓、または呼吸器の機能に自己の身辺の日常生活行動が極度に制限される程度の障害を有する者およびヒト免疫不全ウイルスにより免疫の機能に日常の生活がほとんど不可能な程度の障害を有する者))については、
(1)障害年金(施行令第21条):2,720,400円(一級の場合)、2,175,600円(二級の場合)

 インフルエンザワクチンの接種など予防接種法に基づかない予防接種による健康被害については、「独立行政法人医薬品医療機器総合機構法」に規定する医薬品の副作用による障害等の場合には、同法及び「独立行政法人医薬品医療機器総合機構法施行令」に定めるところにより、副作用救済給付が行われることとなります。その給付の額は、同令において規定されており、予防接種法による給付額の55%程度(9分の5)の給付額になります(遺族一時金は6分の1程度)。
(1)障害児養育年金(施行令第9条):850,800円(障害の状態が一級の場合)、680,400円(二級の場合)
(2)障害年金(施行令第7条):2,720,400円(一級の場合)、2,175,600円(二級の場合)
(3)遺族一時金(施行令第11条):7,135,200円(同法による遺族年金の支給がなされていた場合には当該支給額相当分が減額される)
(4)遺族年金(施行令第10条):2,378,400円

 特別措置法第5条には、「給付の額、支給方法その他給付に関して必要な事項は、政令で定める。」とあり、また、「前条第1号から第4号までの政令及び前項の規定に基づく政令は、独立行政法人医薬品医療機器総合機構法第15条第1項第1号イに規定する副作用救済給付に係る同法第16条第1項第1号から第4号までの政令及び同条第3項の規定に基づく政令の規定を参酌して定めるものとする。」とあります。

(追記)

 新型インフルエンザ予防接種による健康被害の救済等に関する特別措置法施行令(平成21年12月4日政令第277号)

(1)障害児養育年金(施行令第4条):850,800円(障害の状態が一級の場合)、680,400円(二級の場合)
(2)障害年金(施行令第5条):2,720,400円(一級の場合)、2,175,600円(二級の場合)
(3)遺族一時金(施行令第10条):7,135,200円(同法による遺族年金の支給がなされていた場合には当該支給額相当分が減額される)
(4)遺族年金(施行令第8条):2,378,400円(10年を限度として支給する)


(追記終わり)

 カナダの保健当局は11月24日、ワクチン接種で深刻なアレルギー反応である、アナフィラキシー・ショックが6例起こったと発表しました。ワクチン接種でアナフィラキシー・ショックを起こしたケースのすべてが、11月2日に配布されたグラクソ・スミスクライン社のワクチン「Arepanrix」(製品名)の特定のロット(17万2千人分)で起こったようです。先行する11月20日の報道では、カナダ中部のマニトバ州で、イギリスの大手医薬品メーカー、グラクソ・スミスクライン社の製造した10月出荷分の一部のワクチンに通常とは異なる頻度で重い副反応(serious and immediate anaphylactic reactions、アナフィラキシー・ショック)が発生したので、グラクソ・スミスクライン社は接種を中止するように要請したとなっていました。アナフィラキシー・ショックの発生率が通常は10万件に1件ほどのものが、その10月出荷分は2万件に1件ほどと発生率が5倍になっているようです。

 厚生労働省は11月26日、カナダにおいてグラクソ・スミスクライン社の新型インフルエンザワクチン「Arepanrix」による副反応問題の調査を、11月30日にも開始すると発表しました。厚生労働省は「Arepanrix」の3,700万人分の購入契約を締結していることから、この調査結果は「特例承認」の予定に影響することになります。

 第2回厚生労働省政策会議(平成21年10月19日)議事要旨から

 出席議員:死亡した場合の救済額について、定期1類接種なら4,280万円であるのに対し、新型インフルエンザの接種では700万円程度となっていることの妥当性はどう考えるのか。
 厚生労働省:700万円が妥当な水準か議論が必要と考えるが、季節性インフルエンザ等の他のワクチンとの整合性も検討しなければならない。今回は早急な法律の成立が求められていることもあり、次の予防接種法改正の際に、他のワクチンと一緒に検討したい。

 出席議員:今回の接種は国が責任を負うとのことだが、被害者の損害賠償訴訟を制限するということか。
 厚生労働省:被害者の損害賠償訴訟を制限するのではなく、訴訟となれば国の事業として国が賠償責任を負う。医師等に対する訴訟であれば国が求償を求めない限りは国が支払うということである。輸入ワクチンについては、ワクチン使用により生じた健康被害に関する賠償について、政府が補償する契約を締結できることとする。

 出席議員:新法は免責ではないという理解で良いか。
 厚生労働省側:被害者が新法に基づく給付額に不満なら、損害賠償訴訟を起こすことは可能である。その場合、輸入ワクチンについての製薬会社に対する訴訟であれば、国が支払いを行う。医師や医療機関に対する訴訟であっても、医師等に故意や重大な過失があれば、国が求償を求める可能性があるが、それ以外の場合は国が支払う。

(追記)

 第2回新型インフルエンザ予防接種後副反応検討会が平成21年11月30日(月)に「都道府県会館」(東京都千代田区平河町2-6-3)で開催されます。

(追記)

 新型インフルエンザ感染者の死亡については、11月30日現在で、82例目となってしまっています。神奈川県藤沢市の2歳の男児が亡くなってしまいました。基礎疾患はなかったようです。ご冥福をお祈りいたします。

11月30日(月) 2:48 発熱により医療機関受診 38.9度。タミフル処方され、帰宅
朝食を摂り、昼前に睡眠
13:00頃 40.4度
14:16 救急搬送により医療機関到着。心肺停止状態 37 0度
15:26 死亡確認
20:35 PCR検査により新型インフルエンザの感染確認

            (この項 健人のパパ)

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 ウイルス(virus、ラテン語で「毒」の意)は、タンパク質の殻とその内部の核酸からなる微小な構造体ですが、他の生物の細胞を利用して、自己を複製させることができます。遺伝情報を何が持つかで、DNAウイルスとRNAウイルスに分類することができます。DNAウイルスは、遺伝情報をデオキシリボ核酸(DNA、Deoxyribonucleic acid)が持ち、増殖の過程で生じたDNA複製のミスを修正する機構が備わっています。

 日本では、1955年の患者を最後に根絶された(WHOは1980年5月8日に根絶宣言を行った)「天然痘」は、40℃前後の高熱、頭痛などの初期症状の後に豆粒状の丘疹が生じ、全身に広がっていきます。病変は体表面だけでなく、呼吸器・消化器などの内臓にも現われ、肺が損傷を受け呼吸困難等を生じて、重篤な呼吸不全をきたし、死に至る場合もあります。この天然痘ウイルスは、DNAウイルスです。

 天然痘をワクチンによって根絶することができたのは天然痘ウイルスがDNAウイルスであったためとされます。DNAウイルスは、RNAウイルスと比較すると遺伝子の変異が少ないため、長期にわたって同じワクチンが使えたからです。

 しかし、インフルエンザウイルスはRNAウイルスです(オルソミクソウイルス科(Orthomyxoviridae、オルトミクソウイルス科、直鎖状1本鎖RNAウイルス、"ortho-"は「真っ直ぐ」、"-myxa-"は「粘っこい液体」の意))。RNAウイルスは、遺伝情報をリボ核酸(RNA、ribo nucleic acid)が持っています。DNAでは修復機構が備わっており、複製に異常(小さな変異)が生じた場合は修復されますが、RNAには修復機構が備わっていません。複製の異常は修復されないままです。

 ここに、人類がインフルエンザウイルスとの戦いを続けなければならない理由があります。インフルエンザウイルスの変異に対応して、ワクチンを新しく開発し続けなくてはならないのです。

 ウイルスの突然変異には、その変異に2種以上のウイルスが関与するか否かで「不連続変異(抗原不連続突然変異)」と「連続変異(抗原連続突然変異)」に分類されます。連続変異(抗原ドリフト(antigenic drift)、「ウイルスの小変異」)は、ウイルスの核酸がその構成要素の塩基で1単位で変異を起こすものです。ウイルスの内部には核酸が入っていますが、それを構成する塩基はアデニン (A)、グアニン (G)、シトシン (C)、ウラシル (U)です。その核酸を構成する1つの塩基が例えば、もとはAであったものがGに変わってしまうのです。

 変異が起きた部位が偶然にもウイルスの「感染性」や「毒性」に関わる重要な部位であった場合にはウイルスの性質が大きく変わることになります。また、この連続変異の起こる頻度は大きく、変異の積み重なりでウイルスの性質を大きく変えることもあり得ます。その結果、「ワクチン」が効かなくなることにもなります。

 不連続変異(抗原シフト(antigenic shift)、「ウイルスの大変異」)とは、例えば、人体内で2種のウイルスが1つの細胞に同時に感染すると、細胞内では合成されたウイルス遺伝子やタンパク質が混ざり合い、結果として元のウイルスとは異なったウイルスが新たに生じることをさします。この場合は、「ワクチン」の有効性は完全に失われます。

 ノルウェーの保健当局は、11月20日に、新型インフルエンザ感染が確認された患者3名から突然変異株(mutated version of the influenza A(H1N1) virus)を発見したと発表しました。ノルウェーの保健当局は、新型インフルエンザウイルス(pandemic flu virus)のサーベイランスの一環として、患者から採取したウイルスの分析を行ってきましたが、その中に変異株は含まれ、その多くはワクチンの有効性からは重要性を持たない「小変異」に留まっていました。

 しかし、新型インフルエンザ感染で亡くなった2人の患者と重篤化している1名の患者から発見された突然変異のウイルスは、肺などの下気道まで容易に侵入するウイルスで、重篤化を引き起こしやすいようです。そもそも、新型インフルエンザウイルスは「豚由来」であって、豚の体温はヒトの体温より2℃ほど高く、「豚由来のインフルエンザウイルス(swine flu virus)」も高温を好むようです。そのため、温度の高い下気道で増殖しやすいようです。

 ノルウェーの保健当局の観察するところによると、この大きく変異したウイルスは、感染によって患者の体内に入ったものではなく、感染者の体内で変異を起こしたようで、「変異を起こして新型インフルエンザワクチンの有効性を失わせた」ウイルスが新たな流行を準備している兆候はないようです。ホッとしますね。

           (この項 健人のパパ)



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 グラクソ・スミスクライン(GlaxoSmithKline)社の新型インフルエンザ・ワクチンに製造上のトラブルが発生したようです。カナダの保健当局は11月24日、ワクチン接種で深刻なアレルギー反応である、アナフィラキシー・ショックが6例起こったと発表しました。

 アナフィラキシーショックでは、喉の腫れや痛みなどを伴って気道が塞がれ、重篤な酸素欠乏状態、不整脈による心停止、血圧低下等が現れます。それが原因になって、死に至ることもあります。ワクチン接種によるアナフィラキシー・ショックはほぼ即時に現われるので、ワクチン接種後15分前後は接種を受けた医療機関にいることが必要だと言われています。

 アナフィラキシーは、症状の発現を速やかに察知し、一刻も早く治療をする必要があります。医療機関では症状を緩和する目的で、アドレナリンという薬が使われます。特にアナフィラキシーショックを引き起こしている時には、アドレナリン注射が行われるようです。アドレナリンは、気管支や血管に働いて呼吸困難や血圧低下等のアナフィラキシー症状を改善します。

 ワクチン接種でアナフィラキシー・ショックを起こしたケースのすべてが、11月2日に配布されたグラクソ・スミスクライン社のワクチン「Arepanrix」(製品名)の特定のロット(17万2千人分)で起こったようです。6つの州へワクチンは配布されており、ブリティッシュ・コロンビア州、アルバータ州、サスカチュワン州、マニトバ州、オンタリオ州、プリンスエドワードアイランド州では、直ちに接種が中止されました。

 先行する11月20日の報道では、カナダ中部のマニトバ州で、イギリスの大手医薬品メーカー、グラクソ・スミスクライン社の製造した10月出荷分の一部のワクチンに通常とは異なる頻度で重い副反応(serious and immediate anaphylactic reactions、アナフィラキシー・ショック)が発生したので、グラクソ・スミスクライン社は接種を中止するように要請したとなっていました。アナフィラキシー・ショックの発生率が通常は10万件に1件ほどのものが、その10月出荷分は2万件に1件ほどと発生率が5倍になっているようです。

 厚生労働省は10月6日、欧州の製薬大手、イギリスのグラクソ・スミスクライン社とスイスのノバルティスファーマ社(Novartis Pharma)の2社とおよそ5,000万人分の新型インフルエンザワクチンについて、購入契約を締結しました。グラクソ・スミスクライン社のワクチンは従来の鶏卵を用いるワクチン(製品名:Arepanrix)であり、ノバルティス社のワクチン(製品名:Celtura)は、細胞培養法によるワクチンです。この輸入ワクチンは、高校生と高齢者(65歳以上)への接種が予定されています。

 今のところ、原因は分かっておりませんが、鶏卵を使ってワクチンを製造することから、卵の成分が十分に除去されていなかったのかも知れません。発生率が5倍になったとしても2万件に1件ということから、アレルギー体質が発生に関係していることが疑われます。欧州のワクチンに使われている「アジュバント」という成分が関係しているのかも知れません。

 韓国ではすばやく反応し、グラクソ・スミスクライン社との購入計画(年内に300万人分)を破棄する方向で動き始めているようです。

 カナダの保健当局が11月25日にさらに発表したところによると、新型インフルエンザワクチンの接種後に、「アナフィラキシー・ショック」を起こしたケースが24例あり、そのうちの1人が死亡したそうです。死亡したのはケベック州の80代男性で、死亡がワクチン接種と関係があるのか、他の健康上の問題によるものなのかは不明だとされているようです。

           (この項 健人のパパ)

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 妻「あみ」の計画したイタリア旅行は、KLMオランダ航空でまず「ローマ」に入り、「フィレンツェ」に移動し、さらに「ベネツィア」へ。帰国は「ミラノ」からというもの。1992年から2006年まで15年間かけて執筆した「ローマ人の物語」で有名な塩野七生の作品に「緋色のヴェネツィア 聖マルコ殺人事件」、「銀色のフィレンツェ メディチ家殺人事件」、「黄金のローマ 法王庁殺人事件」という三部作の小説があります。



 創作された2人の人物、べネツィア貴族ダンドロ家の息子「マルコ」と遊女「オリンピア」を狂言回しに、歴史上の実在の人物の運命が描かれます。「それを眼にしたのは、広場に足をふみ入れたときだった。鐘楼の下の黒山の人だかりが、・・・」で始まる「緋色のヴェネツィア 聖マルコ殺人事件」。第1部の舞台は「ベネツィア」です。「男たちは三人とも、百姓姿に身をやつしていた。服だけではなく、百姓が野良で働くときにかぶる・・・」で始まる「銀色のフィレンツェ メディチ家殺人事件」は第2部。そして、。「ローマの街の中央から少し西に寄ったところを北から南に蛇行しながら流れるテヴェレ河に面して、・・・」で始まる第3部は「黄金のローマ 法王庁殺人事件」。つまり、私たちはこの三部作の舞台を逆に辿ろうというのです。

 旅行好きの妻とは異なり、私は本の「世界」に入り込むのは好きなのですが、現実に「世界(外国)」に観光に行こうという強い意欲はありません。私にとっての外国は、言語と文化と歴史なので、その国の言語を学び、その国の歴史を知り、その過程で文化に対する理解を深めれば足りていました。

 しかし、妻は現実にその国に行かなければ満足が得られないようです。その妻に合わせて、私も出かけることになりますが、それならば、テーマを持って出かけなくては私には満足が得られません。ヨーロッパを旅行しようとすれば、アジアを旅行するときよりも費用がかかります。日本からの距離がアジアよりは遠いことから航空運賃が高いことと、宿泊施設の料金がアジアの同じ程度と比べてかなり高いことが理由です。

 その費用のかかるヨーロッパ(イタリア)への旅行が決まったのですから、かかる費用を納得できるものにしなくてはなりません。そこで考えたのが、テーマをいくつも用意すること。費用をテーマで割れば、そのテーマにかかる費用が出ます。テーマが多くなれば、1つのテーマにかかる費用は少なくなります。

 そう考えたところ、イタリアには多くのテーマが見出されることに気付きました。まず、「ローマ」では「カラバッジョ」、「バロック建築」、「ローマ法王」など多くのテーマが見出されます。これに「ローマの休日」を加えることにしました。オードリー・ヘプバーンの演じる王女アンがスケジュールに管理された生活から抜け出しローマで束の間の休日を楽しむストーリーです。

(参考) 「「イタリア」、「ジェラート」で思い出すのは「ローマの休日」ですね。

 「フィレンツェ」、「ベネツィア」にもそれぞれテーマは見出せたのですが、最後に立ち寄る「ミラノ」ではイメージが沸きませんでした。私の知っているミラノは、須賀敦子さんを通してのものしかありません。

 須賀敦子(1929年1月19日~1998年3月20日)さんは、1958年(29歳)から1971年(42歳)までイタリアで過ごします。1961年にイタリア人のジュゼッペ・リッカと結婚して、ミラノに居を構え、ジュゼッペ・リッカとともに日本文学のイタリア語訳に取り組みます。しかし、1967年にはジュゼッペ・リッカが急逝したことで、1971年に日本に帰国します。1985年から、イタリア経験を題材としたエッセイを執筆し始め、1992年(63歳)に文藝春秋社から「コルシアの書店の仲間たち」を出版します。これで彼女を知った私は、デビュー作「ミラノ 霧の風景」(1990年、白水社)も読むことになります。



 イタリアの北部には工業都市が多く、農業に依存してる南部の都市とは異なります(このいずれとも違う、中小企業や職人による伝統工芸が発達しているフィレンツェを中心とするトスカナ州やポローニヤを中心とするエミリア・ロマーニャ州は、「第三のイタリア(Third Italy)」と呼ばれます)。イタリア北部の3都市、ミラノ(Milano、ロンバルディア州)・トリノ(Torino、ピエモンテ州)・ジェノヴァ(Genova、リグーリア州)は特に工業が発達しており、「鉄の三角形」と呼ばれています。

私「帰りをなぜミラノにしたの。ローマでよかったじゃない。」
妻「ベネチアまで行ってまたローマに戻るのは無駄だと思ったからよ。」
私「ミラノって言われても、工業都市っていうイメージしかないよ。何か見るところはあるの。」
妻「あるわよ。レオナルド・ダ・ビンチの最後の晩餐があるじゃない。」
私「最後の晩餐って、ミラノにあるんだ。」
妻「ミラノのサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会にあるのよ。」
私「NHKで特集を見たことがあるんだが、CGでダ・ビンチの制作直後を復元してみせていたね。」
妻「そうなの? 見なかった。」
私「最後の晩餐は、テンペラ画の技法で描かれていて、温度や湿度の変化に弱いため、劣化が早かったみたいだね。」
妻「だから、入場者の制限が行われるのね。見るには予約が必要なの。」
私「そうなんだ。予約を取らないといけないんだ。」
妻「でね。とって欲しいの。」
私「え!」
妻「ネットで予約できるみたいなの。旅行業者も予約の代行をしているんだけど、高いのよ。5,000円以上かかるのよ。直接とれば、1,000円くらいで済むのよ。」
私「どうやったら取れるの?」
妻「それも調べてね。」
私「何の情報もなしでかい。」
妻「ガイドブックにある方法でやってみたんだけど、だめなの。なぜかわかんないのよ。頼むわね。」
私「・・・」

 いろいろ調べて分かったことは、「最後の晩餐」の電話及びオンラインでの予約を請負っていた Telearte社 が、予約に関するクレームの多発のせいで請け負い契約を解除されていました。新しい業者、Charta社 が2009年11月分の予約から請け負うことになったのですが、オンライン予約はそのページは作られているのですが、まだ開始されていず(2009年11月22日現在)、電話予約のみ受け付けられているということでした。



 最後の晩餐の予約は、サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会(Chiesa di Santa Maria delle Grazie)でなく劇場チケットの販売代行をする Charta社 が独占して請負っていることになります(Charta s.r.l. is a company specializing in ticketing and entrance controls. Founded in 1986, over the years it has become the reference point for box office management and advance sales of quality cultural and entertainment events. The solutions offered allow combined sales via Internet, Call center and authorized sales points.)。最期の晩餐のチケットセンターの電話番号は(39) 02 92 800 360です。Charta社の予約では、クレジットカードによる事前前払いが求められるようです。現在は、電話予約のみですから、正確に情報を伝える必要があり、クレジットカードでの課金ができないと申し込みがキャンセルになることになります。

CALL CENTER SERVICE:
Call now to book or buy: +39 02 92800360
Visits last 15 minutes; no more than 25 people each turn.
For bookings or information about schools or guided tours, please call the call center


 Charta社の電話オペレータは、イタリア語と英語で対応しているそうなのですが、オペレータの中には十分に英語が話せない人もいるらしく、運が悪くそんな人に当たると、ミスが発生するのだそうです。現地に行ったら予約が取れていなかった!ということもありえます。 なんとも「イタリア的」と言っていいのでしょうか。

TICKET PRICES:
Full: 6,50 € (+ advance booking 1,50€)


            (この項 健人のパパ)

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 厚生労働省新型インフルエンザ対策推進本部の「新型インフルエンザの発生動向~医療従事者向け疫学情報~」によれば、国立感染症研究所は、7月27日より11月15日までの新型インフルエンザによる受診者数(発症し、かつ医療機関を受診した患者数)を約898万人と推計しています。これは感染者数ではありません。感染しても発症しない人(「不顕性感染」)もいますし、感染し発症しても、医療機関を受診せずに自宅療養をした人もいると思われます。少なくとも900万人以上がインフルエンザA(いわゆる「新型インフルエンザ」)に感染したわけです。日本の人口がおよそ1億3千万人ですから、全人口の少なくとも7%の人が新型インフルエンザに感染したことになります。言い換えれば、14人に少なくとも1人は罹患し、免疫を持つに至っていることになります



 「集団免疫(herd immunity)」という言葉があります。集団の構成員の一定数が免疫を獲得すると、集団の中に感染患者が出ても、集団の中で感染が阻止されることを意味し、その結果、子供や老人などの免疫力が弱い(「免疫学的弱者」、「ハイリスク群」)者たちが感染を免れることができることを言います。

 インフルエンザワクチンは集団において一定以上の接種率があると「集団免疫」としての感染防止効果があると言われています。三重県保健環境研究所は、インフルエンザワクチンの集団免疫について検討するため、1999~2000年シーズンと2000~2001年シーズンのインフルエンザワクチン接種状況とインフルエンザの流行状況について調査を行い、2001年に「集団入所福祉施設等におけるインフルエンザ様疾患の発生動向調査とインフルエンザワクチンの効果」という研究報告にまとめています。

 調査対象は、三重県内の集団入所福祉施設および長期療養型病床をもつ病院などの入所者で、1999~2000年シーズン216 施設、2000~2001年シーズン243 施設でした。そのうち、老人福祉施設(1999~2000年シーズン57.9%、2000~2001年シーズン59.3%)が最も多く,過半数を占めています。インフルエンザ発病者の人数は1999~2000年シーズンは780人(発病率4.2%)、2000~2001年シーズンは298人(発病率1.5%)です。

 2000~2001年シーズンは、1999~2000年シーズンと比べ、インフルエンザ発病者の人数が3分の1程度になっていますが、これはインフルエンザの流行の度合いによるものと思われ、インフルエンザワクチンの接種率(1999~2000年シーズンは59.1%(総計18,441人のうち接種者10,893人)、2000~2001年シーズン70.7%(総計20,101人のうち接種者14,202人))の上昇によるものと理解するわけにはいきません。

 そこで、外部との交流が少ない環境でワクチンの接種者と非接種者の発病率に違いがあるかを見てみることにしましょう。1999~2000年シーズンでは、接種者10,893人のうち発病したのは、234人で発病率2.1%、非接種者7,548人のうち発病したのは、546人で発病率7.2%、その差は3.4倍です。2000~2001年シーズンでは、接種者14,202人のうち発病したのは、147人で発病率1.0%、非接種者5,899人のうち発病したのは、151人で発病率2.6%、その差は2.6倍です。この数字を見る限り、ワクチン接種が感染予防に役立つことがみてとれます。



 この発病率の有意な違いは、「集団免疫」も関係していることを判断するために、施設ごとの接種率と発病率の関連を見てみましょう。接種率が70%以上だった施設数は1999~2000年シーズンで115施設、そのうち発病率が0%だったのは、81施設。70%にあたります。接種率が70%以下だった施設数は101施設、そのうち発病率が0%だったのは、47施設。47%にあたります。発病率の差は23%で、かなり大きい。2000~2001年シーズンでは、接種率が70%以上だった施設数は163施設、そのうち発病率が0%だったのは、136施設。83%にあたります。接種率が70%以下だった施設数は80施設、そのうち発病率が0%だったのは、44施設。55%にあたります。発病率の差は28%です。

 三重県保健環境研究所の「保健環境研究部年報 第3号」の研究報告では、「インフルエンザワクチン接種率の高い施設ほど発病率が低くなる傾向が認められ、特にワクチン接種率が70%以上の老人福祉施設では、発病率が有意に低くなった。」という「まとめ」になっています。つまり、「集団免疫」が有効に働いて、発病率を大きく抑えるのは、ワクチンの接種率が70%以上であるとこのデータからは言えるのでしょう。

(インフルエンザの感染を予防するのは、ワクチンの接種だけではありません。ウイルスの施設内への侵入を防ぐには、外来者の立ち入りを制限する、外来者や施設内従業員にウイルスを持ち込ませない(マスク着用や手洗いの励行など)、発病者を集団からいち早く隔離する、などの手段もあります。インフルエンザワクチンの接種率が高いのは、感染症予防の意識の高い施設であると考えられ、必ずしもワクチンの接種率の高さが発病率の低さを保証するものとも言い切れません。)

 「第1回新型インフルエンザ予防接種後副反応検討会」が2009年11月21日、厚生労働省で開かれ、新型インフルエンザのワクチン接種による副反応(副作用)についての報告がなされました。11月16日までに寄せられた副作用報告は約450万件の接種に対し877件だったようです。この877件のうち、入院相当の重い副作用は0.002%(10万件に2件)の68件。11月20日までに報告された接種後の死亡例21件のうち調査中の2件を除く19件は、基礎疾患のあった人で、年齢は50歳から90歳代。

 死亡例21件中4件は、新型インフルエンザワクチン接種との関連が否定できないとされ、心臓、腎臓、呼吸器などに障害のある人への接種は慎重な判断が必要だということになったようです。インフルエンザに感染すると重篤化する可能性の高い「ハイリスク群」の人たちへのワクチン接種が躊躇されることになれば、この人たちはどうすればよいのでしょう。インフルエンザに感染して重篤化するリスクとインフルエンザワクチンを接種して危険な状態に陥るリスクを選択しなければなりません。命を守るはずだった「ワクチン」に命を奪われることになるのです。しかし、「インフルエンザに感染して重篤化するリスク」は、「インフルエンザワクチンを接種して危険な状態に陥るリスク」よりは高いと考えられますから、ワクチン接種を選択することになるのでしょう。

 この「ハイリスク群」の人たちを守るには、「集団」が「免疫」を獲得することが一番と思われ、新型インフルエンザワクチンが有効性を持つならば、速やかに多くの人に接種が行われることを希望してやみません。

 新型インフルエンザワクチンの安全性について、「第1回新型インフルエンザ予防接種後副反応検討会」の報告によれば、季節性インフルエンザワクチンの場合、2007年度の入院相当の副作用報告は122件で、0.0003%。100万件に3件の割合になります。そのうち、死亡は4件。新型インフルエンザワクチンの場合、これまでのところ、入院相当の副作用報告は68件で、0.002%。10万件に2件の割合で、季節性インフルエンザワクチンの場合の8倍ほどにもなります。死亡例中4件は、接種との関連が否定できないとされています。季節性インフルエンザワクチンの場合より報告頻度が高いのですが、「因果関係がないと考えられる場合も報告しており、単純比較はできない」としたのが専門家の意見であり、新型インフルエンザワクチンの安全性は季節性インフルエンザワクチンの安全性と大きく変わりはないと判断されたようです。

(参考)新聞報道された「新型インフルエンザワクチン接種後に亡くなられた人たち」

・岐阜県の糖尿病や高血圧、心筋梗塞などの基礎疾患があった70歳代男性が接種約3時間半後に心筋梗塞で急死。
・長野県の間質性肺炎などの基礎疾患があった80歳代の女性が接種の翌日に死亡。
・富山県の肺気腫の基礎疾患があった70歳代の男性が接種の翌日に急性呼吸不全で死亡。
・長野県の慢性呼吸不全の基礎疾患があった80歳代の男性が接種5日後に呼吸不全で死亡。
・滋賀県の肺気腫と胃癌の基礎疾患があった80歳代の男性。ワクチンか持病のどちらかが死亡の原因。
・富山県の脳梗塞と燕下性肺炎の基礎疾患があった80歳代の男性。ワクチンで発熱した可能性があるが、死亡との関連は低いという。
・栃木県の肝細胞癌の基礎疾患があった60歳代の男性。ワクチンとの関連はないという。
・静岡県の慢性腎不全と腎癌の基礎疾患があった70歳代の女性。ワクチンとの関連はないという。

 厚生労働省は11月20日、医療従事者約2万人を対象にした新型インフルエンザワクチン副反応(副作用)調査の中間報告をまとめています。その中で、424人に接種後の異常が見られたとしています(因果関係が疑われると医師が判断したのはそのうちの337人)。異常の発生率は1.7%ほどになります。
 入院相当の異常は6人(発生率0.03%、1万人に3人)で、意識低下、嘔吐・吐き気、両足の筋肉痛などだったようです。入院相当とは考えられなかった異常は、接種1週間以内の高熱が39件、3日以内の蕁麻疹が28件だったそうです。

(追記)

 Dr. Joel Kettner, Manitoba's chief public health officer, said Thursday that GlaxoSmithKline has asked that the October batch be taken out of circulation because it produced serious and immediate anaphylactic reactions in one out of 20,000 vaccinations, compared with one out of 100,000 in other shipments. “We’ve been asked by the manufacturer GSK to not use this vaccine at this time pending further investigation,” he said.(Friday, November 20, 2009, Winnipeg Free Press)

 カナダ中部のマニトバ州で、イギリスの大手医薬品メーカー、グラクソ・スミスクライン社の製造した10月出荷分の一部のワクチンに通常とは異なる頻度で重い副反応(serious and immediate anaphylactic reactions、アナフィラキシー・ショック)が発生したので、グラクソ・スミスクライン社は接種を中止するように要請したようです。アナフィラキシー・ショックの発生率が通常は10万件に1件ほどのものが、その10月出荷分は2万件に1件ほどと発生率が5倍になっているそうです。

           (この項 健人のパパ)

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 「ヒト」に対して危険が生じる可能性のある化学物質などはヒトに適用する前にまず「動物」に対してこれを用いて実験する必要があります。その実験に用いられる動物はヒトに近い方がヒトにとって適切なデータが得られる可能性が高いので、主に哺乳類が用いられています。しかし、この動物実験はしばしば動物福祉や倫理上の問題から非難を受けます。そこで、研究機関や医薬品などの製造業では動物実験を最小限に抑制し、細菌や昆虫といった他種の生物や「培養細胞(cultured cells)」などに置き換えていっています。

 「培養細胞」は、人為的に生体外で培養されている細胞のことで、長期間にわたって、体外で維持され、一定の安定した性質を持つようになった培養細胞は、「細胞株(株化細胞、cell line)」と呼ばれます。例えば、アフリカミドリザルの腎臓上皮細胞に由来する「ベロ細胞 (Vero cell)」は、さまざまなウイルスのワクチン製造に使うことができ、サノフィパスツール社(フランス)は1980年代からベロ細胞を用いて不活化ポリオウイルスワクチンなどを製造しているそうです。

 カリフォルニア大学のマディン(S.H.Madin)とダービー(N.B.Darby)は、ウシとヒツジの腎臓(kidney)から細胞株を作ることを試みました。2人はその細胞株の作成に成功し、「彼ら2人の名前+動物種(bovine:牛の、ovine:羊の、canine:犬の)+器官」の頭文字を使って、ウシの細胞株は「MDBK(Madin-Darby Bovine Kidney)」、ヒツジの細胞株は「MDOK(Madin-Darby Ovine Kidney)」と名づけられました。さらに、イヌ(コッカー・スパニエル)の腎臓からの細胞株の作成も試みました。この試みにも成功し、その細胞株は「MDCK(Madin-Darby Canine Kidney)」と呼ばれます。

 インフルエンザワクチンを製造するには、インフルエンザのウイルス株を細胞の中で増殖させる必要がありますが、今までは「孵化鶏卵(発育鶏卵)」が用いられてきました。日本にはインフルエンザワクチンの製造メーカーは4社(「財団法人化学及血清療法研究所」(熊本市)と「財団法人阪大微生物病研究会」(大阪府吹田市)、「学校法人北里研究所生物製剤研究所」(埼玉県北本市)、「デンカ生研株式会社」(東京都中央区))ありますが、現状ではすべて発育鶏卵を使って製造しています(「財団法人阪大微生物病研究会」が4年後に「細胞培養法」でインフルエンザワクチンの量産を始める計画を立てている。「財団法人化学及血清療法研究所」は、グラクソ・スミスクライン社と細胞培養技術によるパンデミックワクチンの生産技術開発を目的とした基本的な提携方針の確立に向けて合意している)。

(参考) 「人獣共通感染症と「豚インフルエンザ」、「鳥インフルエンザ」

 しかし、この「鶏胚細胞培養法(purified chick embryo cell culture、PCEC)」は、操作性の悪さ(ウイルスフリーの無菌な有精卵をすぐには用意できない、「孵卵器」が必要、など)やアレルギー(「卵アレルギー」の問題)、強毒株に対応できない(卵が死んでしまう)などの問題があり、組織培養ワクチンへの移行が急がれていました。イヌ腎臓由来のMDCK細胞は、インフルエンザウイルスを効率良く増殖させることが知られています。

 国内のインフルエンザワクチンの製造メーカーは、「鶏胚細胞培養法」で季節性のインフルエンザワクチンを製造し(例年の8割程度)、また新型インフルエンザワクチンを製造していますが、必要量には足りず、2009~2010年シーズンの新型インフルエンザワクチンの大半を輸入しなければなりません。

 組織培養法は、鶏胚細胞培養法とは比較にならないほど生産効率は高く、MDCK細胞は液体窒素で冷凍保存できるので、ウイルスフリーの無菌な有精卵と違って必要量の調達が容易です。さらに、鶏卵でウイルスの増殖を行わないことから、明らかな鶏卵・鶏肉によるアナフィラキシーの経験のある卵アレルギーの人にも接種できる利点もあります。

 ヨーロッパでは、2年前から季節性インフルエンザワクチンを細胞培養法で製造しています。厚生労働省は10月6日、欧州の製薬大手、スイスのノバルティスファーマ社(Novartis Pharma)とイギリスのグラクソ・スミスクライン社(GlaxoSmithKline)の2社とおよそ5,000万人分の新型インフルエンザワクチンについて、購入契約を締結しました。そのうちのノバルティス社のワクチン(製品名:Celtura)は、細胞培養法によるワクチンで、1,250万人分の予定です。この輸入ワクチンは、高校生と高齢者(65歳以上)への接種が予定されています。

 そこで、「深刻な」卵アレルギーを持っている高校生は、新型インフルエンザワクチン接種の際に、グラクソ・スミスクライン社の輸入ワクチンを選択せずに、ノバルティスファーマ社のワクチンを選択すると「卵アレルギーによる」アレルギー反応は起こらないものと考えられます。

(参考)厚生労働省のページから(一部改変)

 細胞株を用いた細胞培養による製造法は、ワクチンの製造方法の一種であり、鶏卵による培養よりも、生産効率は高いとされるが、インフルエンザワクチンではこれまで世界で広く使用されるには至っていない。また、一部の海外ワクチンについては、製造に使用される細胞に癌原性は認められないものの、腫瘍原性(tumorgenicity)があるとされており、使用等に当たっては、特に慎重を期すべきとの懸念も専門家から示されている。

(参考 終わり)
(参考)

 ノバルティスファーマ社のワクチンは現在、スイスとドイツで承認を受けていますが、まだ現実には接種は始まっていません。厚生労働省は、ノバルティスファーマ社製のワクチンの接種が開始された後に、副反応の状況などを確認する調査団をスイス、ドイツに派遣する予定のようです。

(参考 終わり)

 国内製造の新型インフルエンザワクチンとグラクソ・スミスクライン社の新型インフルエンザワクチンは、その製造過程で鶏卵を使ってウイルスを増殖させることから、ごく微量ですが鶏卵成分を含みます。そこで、鶏卵に対して強いアレルギーを有する小児では、アレルギー反応を起こし、重篤な場合にはアナフィラキシーショックを起こすことも理論上はあり得ます。

 アナフィラキシーショックでは、喉の腫れや痛みなどを伴って気道が塞がれ、重篤な酸素欠乏状態、不整脈による心停止、血圧低下等が原因になって、死に至ることもあります。ワクチン接種によるアナフィラキシーショックはほぼ即時に現われるので、ワクチン接種後15分前後(30分は必要だとする意見もあります)は接種を受けた医療機関にいることが必要なのかも知れません。

 アナフィラキシーは、症状の発現を速やかに察知し、一刻も早く治療をする必要があります。医療機関では症状を緩和する目的で、アドレナリンという薬が使われます。特にアナフィラキシーショックを引き起こしている時には、アドレナリン注射が行われるようです。アドレナリンは、気管支や血管に働いて呼吸困難や血圧低下等のアナフィラキシー症状を改善します。

 鶏卵や鶏肉によって明らかにアナフィラキシーを起こしたことがない卵アレルギーの子どもがワクチン接種による卵アレルギー反応でアナフィラキシーを起こすケースはないと言われていますが、ワクチン接種で他の要因でアレルギー反応を起こすことがありえますから、アレルギーに関するかかりつけ医のところで医師と相談しながらワクチン接種を受けることが一番よい選択かもしれません。

 新型インフルエンザワクチンの国内製造メーカーの1つ「学校法人北里研究所生物製剤研究所」はそのサイトで、Q&Aを設けて「卵アレルギーの子供にインフルエンザワクチンを接種してもよいでしょうか?」という質問に答えています。

 ワクチンは発育鶏卵の尿膜腔で増殖したインフルエンザウイルスを原材料として製造しています。近年は高度に精製されていますがごく微量の鶏卵由来成分が残存し、これによるアレルギー症状がまれに起こることもあります。
 また、卵アレルギーの人は接種要注意者に該当しますので、健康状態及び体質を勘案し、診察及び接種適否の判断(皮内テスト、インフルエンザにかかった場合のリスクとワクチン接種に伴う副反応とのバランスの考慮)を慎重に行い、注意して接種する必要があります。


           (この項 健人のパパ)

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 ウイルスは、人に病気を起こさせる「病原性を持った構造体」、つまり「病原体」ですが、それが人体にとどまらないようにすれば「発病」しないし、とどまったとしてもその滞在期間を短いものにすれば「重症化」しません。

 人体の免疫機構は、一度侵入してきて排除した病原体を記憶しておき、二度目にその病原体が侵入を試みるとすぐさま排除することができます。病原体の増殖を阻止する免疫反応は、「液性免疫」と「細胞性免疫」に分けられます。

 液性免疫(体液性免疫、 humoral immunity)は、血清中に溶解して存在する「抗体」などを中心とした免疫機構です。白血球の1種で、免疫機構の一部を担うアメーバ状の細胞である「マクロファージ(Macrophage)」は、人体に侵入した「ウイルス」などを捕食し酵素により消化します。その際、各種のサイトカインを放出して、特定のT細胞を活性化させます。マクロファージは、捕食し消化した「ウイルス」などをいくつかの断片にして、自己の表面に表出させます(「抗原提示」)。「ほら、こんなやつを捕まえて食べちゃったよ。たぶん、ウイルスだよね。」という感じでしょうか。
 
 途中をはしょりますが、やがてその情報はリンパ球の一種であるB細胞というものに伝わり、B細胞はウイルス(抗原)対応する抗体を作成して、放出することになります。その抗体は抗原(ウイルス)に結合し抗体-抗原複合体を作ります。マクロファージはこの抗体-抗原複合体になったことによって認識しやすくなったウイルスを貪り食べます。「この標識のついたやつは気にしないでいくらでも食べちゃっていいんだよね。」という感じでしょうか。ウイルスの増殖は抑えられることになります。

 細胞性免疫(cell-mediated immunity)は、B細胞により産生される抗体が関与しない免疫機構で、細胞障害性T細胞 (Cytotoxic T Lymphocytes) や1型ヘルパーT細胞 (Th1)、マクロファージ等の免疫細胞がウイルスに感染した細胞などの破壊を行うことになります。

 ある特定抗原(例えば「インフルエンザウイルス」)の侵入により生成された抗体は,その抗原と同一あるいは類似のものとしか反応(抗体-抗原複合体を作る)しません。「相手を選ぶ」わけです。その際、抗原全体を見て「選ぶ」わけではなく、抗原の一部分のみを見て認識して結合します。この抗体結合部分を「抗原決定基」(エピトープ、epitope、antigenic determinant)といいます。

 アメリカのラホイアアレルギー免疫研究所(La Jolla Institute for Allergy & Immunology)の研究では、ある種のT細胞が反応する「抗原決定基」は、季節性インフルエンザのAソ連型ウイルスには78個あるそうなのですが、そのうちの54個がインフルエンザA(いわゆる「新型インフルエンザ」)にも見つかったといいます。季節性インフルエンザと新型インフルエンザのウイルスの「抗原決定基」におよそ70%の相同性があることから、多くの人が新型インフルエンザのワクチンを1度接種すれば、細胞性免疫が関係して、免疫を充分に獲得できるのではないかとする感染症の専門家もいるようです。

 "What we have found is that the swine flu has similarities to the seasonal flu, which appear to provide some level of pre-existing immunity. This suggests that it could make the disease less severe in the general population than originally feared." (Alessandro Sette, Ph.D., director of the La Jolla Institute's Center for Infectious Disease.) (16-Nov-2009、EurekAlert!)(「新型インフルエンザウイルスと季節性インフルエンザウイルスには類似点があります。そのことは、その人が季節性インフルエンザに対する何らかの免疫を持っていれば、当初より恐れられていたほどには新型インフルエンザに罹患しても重篤化しないことを示唆しています。」)

 "T cells recognize the virus inside cells, so they are responsible for clearing the infection once you have it, Nobody knows what level of immunity is sufficient for protection. But if infected, our data suggest that T cells in those who have previously been exposed to influenza may make the infection less severe."(Bjoern Peters, an assistant member of the division of vaccine discovery at the La Jolla Institute for Allergy and Immunology in La Jolla)(17-Nov-2009、ABC News)(「T細胞は細胞の中のウイルスを認識します。一度でもインフルエンザに感染したことがあると、T細胞はインフルエンザウイルスを排除します。感染予防にどの程度の免疫が必要かはわかりませんが、感染しても以前感染を経験しているT細胞は発病しても重篤化させないように働くことはデータが示しています。」)

 埼玉県の「感染症情報センター」が発表する「感染症発生動向調査 2009年第45週」によれば、11月2~8日(第45週)の県内のインフルエンザ定点医療機関を受診したインフルエンザ感染患者数が、平均36.46人と前週から2.93人減少したようです。10月に本格的な流行が始まって以降、増加が続いていましたが、初めて減少に転じました。

 2008~2009年シーズンと同様の経過を辿るとすれば、このまま減少して、あと2ヶ月ほどでほぼ終息を迎えることになります。しかし、医療機関の休日という要因がこのグラフに影響を与えるため、「この週は祝日(文化の日)があったことを加味すると、このまま減少傾向が続くと判断するのは早計。」という意見もあります。

 小学生低学年のインフルエンザの予防接種が感染者数の減少時に始まり、その感染予防効果が有効であるならば、インフルエンザ感染による死亡者の数も急速に減少することになるでしょう。しかし、第46週(11月9日~11月15日)の定点医療機関から報告されたインフルエンザの患者数は9,197人(定点当たり37.08)で、前週(第45週)の9,043人(定点当たり36.46)から微増し、県全体で流行発生警報レベル基準値(30.00)を超えた状況が続いています。



 厚生労働省によると、インフルエンザが原因で休校・学年閉鎖・学級閉鎖の措置を取った小中高校や幼稚園、保育所が、11月8日~14日では17,210施設だったようです。祝日が影響して少なかった前週(11月1日~7日)からは+2,061施設で、前々週(10月25日~31日)からは-612施設でした。

 地域別では、流行が広がっていた大都市圏が横ばいか減少傾向にあり、かわって、その周辺で増加傾向にあるようです。厚生労働省は「気温が下がるにつれて感染が再び拡大する恐れがあり、引き続き感染の予防が大切になる」としています。インフルエンザの流行は、例年3か月ほど続いて、終息へと向かいます。10月に入って急速に感染者を増やした2009~2010年のインフルエンザの流行は1月には終息へと向かうのでしょうか。それとも、季節性インフルエンザが例年終息する時期の4月を待たなければならないのでしょうか。

         (この項 健人のパパ)

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 ウイルス (virus) は、生命の最小単位である「細胞」を持たないので、生物学上は非生物とされますが、他の生物の細胞を利用して、自己を複製させて増殖します。微小な構造体で、タンパク質の殻とその内部の核酸からなります。しかし、タンパク質の殻を持っていることから、人体はこれを認識し、排除する仕組みである「免疫機構」を働かせることができます。

 ウイルスは、人に病気を起こさせる「病原性を持った構造体」、つまり「病原体」ですが、それが人体にとどまらないようにすれば「発病」しないし、とどまったとしてもその滞在期間を短いものにすれば「重症化」しません。

 人体の免疫機構は、一度侵入してきて排除した病原体を記憶しておき、二度目にその病原体が侵入を試みるとすぐさま排除することができます。免疫機構は一度目の侵入には弱く、二度目の侵入には強いのです。この人体の免疫機構を利用したのが、「ワクチン」です。擬似的にウイルスの一度目の侵入を免疫機構に体験させ、その記憶を維持させて、二度目の侵入に備えるのです。

 急性で一過性のウイルス感染症には、「麻疹(はしか)」などの全身感染症(全身性ウイルス感染症)と「インフルエンザ」などの局所感染症があります。全身感染症では、ウイルスが呼吸器の粘膜や消化器の粘膜から侵入し、そこで増殖します。その後、血管に入り全身へと広がっていきます。そうして、そのウイルスの標的とする器官に達するとそこで爆発的に増殖します。



 その結果、器官の機能が不全に陥り、「発病」です。全身感染症では、ウイルス抗原はウイルス血症(ウイルスが血液を介して全身に広がっている状態)で全身の免疫系を刺激することになるので、全身で免疫記憶が生じ、ウイルスが再び人体に侵入を試みても、侵入を試みた粘膜表面で阻止されて、標的器官にまで達することができません。ですから、全身感染症である「はしか(麻疹)」には通常は2度はかかりません。そこで、はしかに感染するのを防ぐには、ワクチン接種が非常に有効な手段になります。
 
 それと異なり、局所感染症である「インフルエンザ」は、ウイルスが呼吸器の粘膜にしか感染せず、ウイルス血症を起こすことはありません。そのため、免疫刺激は弱く、免疫記憶は長期間は持続しないといわれています(自然感染とワクチン接種では免疫刺激に大きく違いがある)。これが毎年インフルエンザワクチンの接種を受けなければならない理由のひとつです。

 さらに、ワクチンには副作用(副反応)があり、副反応がゼロであるワクチンを作ることは不可能であると言われています。免疫機構が人により異なることがあるからです。ひとつの例として、ゼラチンに対するアレルギーのある幼児がゼラチンを含むワクチンを2度接種されることになると、1度目には副反応が出なかったとしても、2度目には重篤なアナフィラキシー・ショックを起こすことがありえます(現在では、インフルエンザワクチンはゼラチンを含まない。現在の添加物は、チメロサール、ホルマリンなど)。

 そこで、ワクチン接種を考えるとき、ワクチンの接種によるリスクとワクチンの接種を受けなかったことにより感染症に感染して重篤化してしまうリスクを考量しなければなりません。特に「ハイリスク群」にとっては深刻な選択になります。

 アメリカでは、25歳の女性が季節性インフルエンザワクチンの接種を受けたところ、約10日後にインフルエンザの症状があらわれ、その後、中枢神経系の障害により不随の筋肉収縮が起こる運動障害である「ジストニア(dystonia)」になり、まともに歩くことも、会話や食事も不自由な状態になっていることが報告されています。専門家によると、季節性インフルエンザワクチンの接種で重度の副反応(副作用)が出る可能性は100万人に1人ほどなのだそうです。

 中国ではこれまでに1,000万人以上がワクチンの接種を受け、1,200人あまりに発熱などの副反応があり、そのうちの15人が重症化したようです。2009年11月13日、中国衛生部は新型インフルエンザのワクチン接種後に2人が死亡し、そのうち1人は心臓が原因の突然死と見られ、もう1人については調査が進んでいると発表したそうです。

 日本では、新型インフルエンザワクチンの接種を受けて、11月2日、岐阜県の糖尿病や高血圧、心筋梗塞などの基礎疾患があった70歳代男性が接種約3時間半後に心筋梗塞で急死し、11月11日、長野県の間質性肺炎などの基礎疾患があった80代の女性が接種の翌日に死亡し、11月12日、富山県の肺気腫の基礎疾患があった70代男性が接種翌日に急性呼吸不全で死亡し、11月15日、長野県の慢性呼吸不全の基礎疾患があった80歳代の男性が接種5日後に呼吸不全で死亡しています。(副反応を起こす年齢層は、10歳未満と70歳代が多いそうです。予防接種後に心肺停止や、肝不全などで死亡する例は、年間5人前後だそうです。)

(11月21日 追記) 2009年11月21日午前中にに「第1回新型インフルエンザ予防接種後副反応検討会」が厚生労働省で開かれました。午後には何らかの発表があるものと思われます。 (追記 終わり)

 いずれも持病が死因であり、接種と死亡の因果関係は評価できないケースと言えます。今後は、きわめて稀なケースではあるのですが、健康な人に副反応の報告もあるのだとも思われますが、その数がゼロか極めて少ないものであることを願ってやみません。私たち家族はそのリスクを承知で接種順位が回ってきたら、新型インフルエンザワクチンの接種を受けようと考えています。

(参考) 「インフルエンザワクチンの安全性と有効性の壮大な臨床試験が

(参考) 「「集団免疫」と「集団接種」と「ワクチンの有効性」と「接種禍」と

            (健人のパパ)

(追記)

 2009年11月18日配信の毎日新聞からです。

 宮城県は11月17日、50代男性が新型インフルエンザに感染し死亡したと発表した。県などによると、男性は15日に39度の発熱があり黒川郡の医療機関を受診。翌16日、発熱が40度となり再受診したところインフルエンザと判明。17日に重症化し仙台市内の医療機関に搬送されたが、肺炎で死亡した。仙台市衛生研究所の遺伝子検査(PCR検査)で新型インフルエンザ感染が確認された。神経疾患の基礎疾患があった。

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 大阪府は、府民からの新型インフルエンザに関する相談を電話(06-6944-6791)とFAX(06-6944-6602)で、平日の午前9時から午後6時まで受け付けており、外国人に対しても平日の午前9時から午後5時45分までトリオフォンによる通訳を介した3者通話での対応をしています(06-6943-8530)。対応できる外国語は、英語、中国語、韓国・朝鮮語、ポルトガル語、スペイン語、ベトナム語、フィリピノ語、タイ語の8言語です。

 その相談件数は、8月計(21日間) 1,745件、9月計(19日間) 2,299件、10月計(21日間) 3,458件と増加傾向にありましたが、11月に入ると急増し、8日間ですでに11,434件に達しています。

 インフルエンザA(いわゆる「新型インフルエンザ」)は、流行のピークを迎えつつあると考えられ、その感染者の年齢の中心が低年齢化してきています。第44週(10月26日~11月1日)では、全国5,000か所にある定点医療機関で確認された感染者のうち、5~9歳の割合が全体の36.7%を占め、これまで最多だった10~14歳の33.4%を上回ることになりました。これは季節性のインフルエンザと同じ傾向で、2008~2009年シーズンの5~9歳の割合が全体の36.2%とほぼ同じです。

(参考) 「インフルエンザ」や「流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)」など25種類の感染症は、「定点把握対象疾患」といい、医療機関の中から選定した「定点医療機関」からのみ報告されます。それゆえ、発生数は「全数」ではありません。「定点医療機関」は、関係医師会等の協力を得て、医療機関の中から可能な限り無作為に選定され、人口および医療機関の分布等を勘案して、できるだけ該当都道府県全体の感染症の発生状況を把握できるよう考慮されています。(参考終わり)
 


 大阪府立公衆衛生研究所 大阪府感染症情報センターの発表したデータによると、第45週(11月2日~11月8日)では、感染者の年齢の中心は9歳までにあり、全体の57%に達します。5歳から9歳まで見ると、5歳児 692、6歳児 723、7歳児 713、8歳児 697、9歳児 711と合計で3,536となり、全体の38.8%を占めます(大阪府のインフルエンザ定点医療機関数は305)。

 しかし、4歳未満でも、1歳未満 114、1歳児 243、2歳児 320、3歳児 396、4歳児 600とその合計は1,673になり、全体の18%です。最近では、11月7日、京都市の1歳男児(1歳8か月、基礎疾患なし)、11月7日、埼玉県の3歳男児(基礎疾患なし、インフルエンザ脳症で死亡)、11月9日、北九州市の3歳女児(基礎疾患あり、急性肺炎で死亡)、11月9日、東京都の2歳男児(基礎疾患あり、急性肺炎で死亡)、11月13日、三重県の1歳未満の女児(9か月、急性心不全で死亡)がかわいそうに亡くなっています。

 2009年11月13日配信の産経新聞からです。

 三重県は11月13日、伊賀市内の9カ月の女児が新型インフルエンザに感染し、死亡したと発表した。女児は発熱後、一度平熱に戻ってから死亡したという。新型インフルエンザの疑いによる死亡は全国で62人目、三重県では初めて。
 県健康危機管理室によると、女児は5日に高熱を出し、市内の医療機関で解熱剤の投与を受けた。熱は39.8度に達し、翌6日の簡易検査で新型インフルエンザの疑いが判明した。熱は一度下がったが、12日夜に急変し、13日午前1時ごろ、急性心不全で死亡したという。


 厚生労働省は、満1歳から小学校就学前の小児、小学校低学年(小学3年生まで、平成13年4月1日生まれまで)の小児の新型インフルエンザワクチンの接種開始を、当初12月以降としていましたが、流行の中心がこの年齢層になったことを受けて、接種時期を前倒しするよう自治体側に求めることになりました。

 しかし、沖縄県では、既に優先接種を始めた基礎疾患を抱える人からの接種希望が殺到しているため、小児の開始時期は予定通り12月17日としています。これと異なり、大阪府では、11月14日に、ワクチン接種が小学3年生までの子供に対して始まりました。東京都でも1歳から6歳に限定して、ワクチン接種を11月16日から開始する予定なのだそうです。ほぼ1か月の前倒しです。

 新型インフルエンザ用のワクチンがこの年齢層に接種されれば、A型インフルエンザ感染の流行が収まる方向に向かうと思われますが、ワクチンが不足していることから(ワクチンを製造するにはインフルエンザウイルスを鶏卵の中で増殖させる必要があるが、新型インフルエンザのウイルス株の増殖能力が低いため、ワクチン製造メーカーから出荷される量が予想を20%ほど下回っている)、期待通りにはいきそうもありません。小さなお子さんをお持ちの親御さんの心情を思うと、辛いものがあります。

 米疾病対策センター(CDC)が11月12日に発表したところによると、今年4月から10月17日までの約半年間で、新型インフルエンザによるアメリカ国内での死者は推定値で約3,900人に及び、感染者は推定値で2,200万人に上るのだそうです。CDCによると、例年、季節性インフルエンザで年間約3万6千人が死亡しているそうです(そのうちの9割が65歳以上)。新型インフルエンザによる死者は、今のところ季節性インフルエンザのほぼ10%ほどですが、「超過死亡者数」という考え方があり、3,900人という数字は、インフルエンザ感染を直接の死因にするもの(これは約1,000人)ではなく、推定される「超過死亡者数」の中間値をとったもののようです。日本では、「インフルエンザ感染を直接の死因」とすれば、シーズンによって大きく変動がありますが、ここ数年の平均値は約800人で、「超過死亡者数」では、約10,000人です。

 Since the outbreak began in April, states have reported 2009 H1N1 hospitalizations and deaths to CDC. Cumulative reports of laboratory-confirmed 2009 H1N1 hospitalizations and deaths for the same period used in this analysis (April through October 17, 2009), are 17,283 hospitalizations and 1,004 deaths.
 CDC estimates that between about 2,500 and 6,000 2009 H1N1-related deaths occurred between April and October 17, 2009. The mid-level in this range is about 3,900 2009 H1N1-related deaths.


 Flu-associated mortality varies by season because flu seasons often fluctuate in length and severity. CDC estimates that about 36,000 people died of flu-related causes each year, on average, during the 1990s in the United States with 90 percent of these deaths occurring in people 65 years and older. This includes people dying from secondary complications of the flu.

(参考) 「ひとり歩きする数字-インフルエンザによる死亡者、年間1万人

 11月13日現在で、日本での新型インフルエンザでの死者は62人。この数字が大きく膨れないことを願ってやみません(日本の人口は、約1億3千万人。アメリカ合衆国の人口約3億2千万人と比べれば、その40%ほど。3,900人の40%は、1,600人ほど、1,000人の40%は400人になります)。

                (この項 健人のパパ)

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 「ぼくね、台北101の展望台には1度登ってみたいんだよね。」

 その一言で、きょう(11月7日)の予定は変更です。きょうはMTR淡水線で「北投」まで行き、そこで新北投支線に乗り換えて、「新北投」で「北投温泉博物館」を見て、淡水線に戻り、その北の終点の「淡水」で降りて、川沿いの「淡水河濱道路」を屋台を冷やかして歩き、「淡水河濱道路」の中ほどにある船着場から渡し舟に乗って、淡水河の対岸にある「八里」に渡り、散歩するという予定でいました。

 しかし、かなり無理を言って我が子「健人」を旅行に連れ出したので、その要求を少しは聞いてやらなくてはなりません。台北101、台北金融大楼は高さが508mと高く、およそ380mのところに「展望台」があります。展望台に行くには入場料が必要で400元がかかります。3人分だと、1,200元になります。これはもったいない。そこで、89階にある「展望台」のわずか下の85階のレストラン「欣葉101」(シンイエ・イーリンイー、Shin Yeh 101、欣葉食藝軒)なら台北市内の展望ができて、食事も楽しめるわよ、とささやいてみました。我が息子は警戒して餌の周りを泳ぎ回るなどということなどはせずにすぐにパクリと食いつきました。



 「欣葉101」のランチコースは安いものでも880元(ほかに10%の税金)します。我が家の旅行のスタイルは、現地の庶民の食べている物を食べるというもの。1食にそんなにお金をかけません。でも、展望台に行く費用が節約できるのですから、食事代は880-400=480元にしかならず、まあ納得できる水準になります。ガイド本によると予約が必要だとあるので、人気のあるレストランなのでしょう。滞在ホテル「アンビエンス・ホテル」のレセプションの女性に頼んで、予約を押さえてもらいました。「きょうは満員です。」と断られるのかとも考えたのですが、14時にあっさりと予約が入りました。ちょっと意外。



 台北101は「信義新都心」と言われる地域にあり、東西に走るMTR板南線の「市政府」駅の南側に大型ビルが立ち並んでいます。台北101には徒歩でも行けないことはないのです(新光三越信義新天地の通路をひたすら歩く)が、無料のシャトルバスが市政府駅から出ています。その列に並びます。



 台湾の人たちは列を作ります。しかし、中国大陸からの旅行者は列を作る習慣がないそうで、列を作っていても割り込みをする、大声で話をするなどで台湾にやってくる外国人観光客に嫌われ、大陸からの観光客の伸びに反比例して、それ以外の国からの観光客が減少していっているのだそうです。特に韓国からの観光客の激減振り(2009年1~3月期で約40%減だそう)が目立つのだそうです。大陸の中国人の意識の底には、長い中韓関係の歴史から、韓国の人たちを低く見るところがあり、それを感じ取って韓国人観光客の減少という結果になったのかも知れません。



 バスは数分で台北101ショッピングセンターの「市政路」(南北に走る)に面した入り口に着きます。帰りもここからバスに乗れば、MTR「市政府」駅に戻ることができます。ショッピングセンターに入ってしばらく歩いたのですが、レストラン「欣葉101」に行くエレベータの乗り場が見つかりません。「ないわね。」「ないね。インフォメーションを見つけて尋ねるか。」と話していたら、「レストランに行くエレベータ探してんの? それだったら、オフィス棟に行かなきゃだめだよ。そこの2階にレストランの受付があって、60階までエレベータで行って、乗り換えて85階まで行くんだよ。」「え、よく知っているね。」「旅行ガイド(の本)に書いてあった。」「偉いな。よく読んでるね。」「(旅行に来ていると、それしか)読む本がないから。」

(追記) 2013年11月24日に「中正紀念堂」駅から東へ向かう新線「信義線」が開通しています。「中正紀念堂」→「大安森林公園」→「信義安和」→「台北101/世貿」→「象山」とつながる7.9kmの路線です。開通以前は市政府駅から徒歩かシャトルバスを使っていたのが、信義線を利用すると台北101の真下に出ることができるようになっています。(追記の終わり)



 我が子に教えられて、オフィス棟に移動です。いかめしい顔で入り口に立っているガードマンに「レストランに行きたいのですが」と告げると無言でエスカレータを指差します。それに乗れと言うことなのでしょう。ありました、エスカレータを昇ったところに受付が。日本語を耳にして、不安げな顔になった受付の女性に夫は私の名前を中国語読みにして伝えます。予約名簿からすぐに見つかりました。ホテルのレセプションを通して、予約をしていますから、名前の漢字が伝えられていました。受付の女性が不安げな顔をしたのは、漢字の日本語読みと中国語読みの違いですぐには確認ができないことが多いからなのでしょうか。夫の中国語は、地名で通じないことが多い。「中国語には四声という高低アクセントがあって、それが違うとまるで通じないんだよ。」と夫は言います。よく私の名前が通じたものですね。

 自分の中国語が通じないのを知っているのでしょう。必ず中国語の地名を紙に書いておいて、タクシーのドライバーに怪訝な顔をされたときには渡して見せています。ならば、最初から渡せばいいものをそうはしないで、まずは中国語に挑戦です。これが楽しみで中華圏に来ているところもありそうです。いまは来年に出かける予定のイタリア語に夢中で、イタリア語会話の本がもう10冊近くあります。これでまた通じなくてがっかりするのでしょうか。懲りない人です。ベトナム語、マレー語、インドネシア語、タイ語、、、語学の本が積み上がっていきます。「そんなにあれこれ勉強してどうするの。」「君がいろんな国に出かけるから仕方がないのさ。」「・・・」

 「欣葉101」のランチ・コース(Set Lunch、食藝午膳套餐)は、880元のものと1380元のものの2種類があります。880元のものは、次のメニューです。

台式三拼(たいしきさんぽう) タイワンスタイル アペタイザー三種の盛り合わせ
古味燉湯(こみとんとう) 地鶏の旬野菜入り昔風スープ
盬酥藍斑(こそらんはん) メロのこんがり揚げ
 ※ 「メロ」は、チリ沖、アルゼンチン沖、南極海で獲れる深海魚で、通称は「銀ムツ」。
香滷肋排骨(こうろろくはいこつ) 豚スペアリブの醤油煮込み ワンタンメンマ敷き 土鍋入り



季節炒時蔬(きせつかいじそ) 旬の青菜の強火炒め
筒仔米糕(とうしべいこう) おこわのシーフードソースかけ パクチー添え



馨芒果美點(せいぼうかびてん) シーズンフルーツ、ホームメイドのお菓子




 1380元のものは、次のメニューです。

四色拼盤(ししょくほうばん) 四種の冷製盛り合わせ カラスミ、エビ、イカ、エリンギ
八寶燉花膠(はっぽうとんかこう) 魚の浮き袋とナマコの煮込み
沙茶白鯧(さちゃはくしょう) マナガツオのサーチャージャン風味揚げ
五味海明蝦(ごみかいめいか) 大エビの甘酢ソース煮



上湯炒角瓜(じょうとうかいかくか) 十角ヘチマの上湯煮
 ※ 「上湯煮」は、塩や色の薄い醤油であまり色のつかないように煮込んで、あっさり仕立てた料理。「シャンタン」で煮た料理。
欣葉刈包(きんようがいほう) シンイエスタイル ハンバーガー
寶島繊果點(ほうとうせんかてん) シーズンフルーツ、ホームメイドのお菓子




 生まれて初めて「カラスミ」を食べた健人は、「うにみたいな味だね。」という感想を述べ、「大エビの甘酢ソース煮」には、多くの子供と同じようにエビが大好物なので、興奮していました。



「ウニみたいだね。」
「カラスミって言うのよ。」
「何でできているの?」
「ボラの卵巣を塩漬けして、乾燥させた物なの。」
「へえ。」
「ちょっとした高級食材なのよ。」
「そうなんだ。お高いんだ。」
「お酒の肴、お酒を飲むときにつまむ物なの。お母さんのおじいちゃんはお酒が好きでね、他に趣味がなくてね、食べ物に関心が強くて、グルメだったの。」
「それで?」
「お母さんが食べ物にうるさいのは、おいしい物を子供の頃からおじいさんに教わったからかも知れないわね。」
「ぼくもグルメになるかな。」
「将来、食べ物関係に行く?」
「わかんない。」

 「食」に関心が強かった私は、食べ物関係に進むことに決め、栄養士と調理師の資格をとるときに、おいしいと言われる店を食べ歩きました。随分と料理店、レストラン、料亭、パン屋に投資をしました。いまでは高いお店には行かなくなりましたが、昔食べた料理の味は覚えているつもりです。日本の中華料理のお店のレベルは高い。それと台湾、香港、シンガポールで口にする中華料理を比べてしまいます。横浜中華街の「均昌閣」、紀尾井町の「香花苑」(すでにない)などが私が学生の頃、気に入っていたお店でした。

 この2つのコースに日本円にして7,000円以上出しました。しかし、コストパフォーマンス(高いお金をかければ、高い食材を使って、高い技術を持った調理人の作ったおいしい料理が食べられるという期待)で言えば、もったいなかったかな。日本では、この値段ではこの量は食べられないのですが、正直な話、ちょっと不満が残ってしまいました。前回の台湾旅行で行った「欣葉」の本店の方が味が上に感じました。本店は、お客さんの活気があるお店でした。しかし、本来ならタイトなはずの土曜日のお昼に、「欣葉101」では、何故か空席が目立ったのが気になります。



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