POWERFUL MOMが行く!
多忙な中でも,美味しい物を食べ歩き,料理を工夫し,旅行を楽しむ私の日常を綴ります。
 





 タイの医療機関は大別して4つに分けられます。
(1)国公立総合病院
(2)私立総合病院
(3)私立メディカルセンター
(4)個人診療所

 大学病院や公立病院は医療費が安く、私立病院は高い。実費診療だと、私立病院ならば安くても風邪程度で30ドル(およそ2,900円)、入院となると1日300ドル(およそ29,000円)は請求されるようです。それに比べ、シリラート病院(“โรงพยาบาลศิริราช”)やバンコク中央病院などの国公立総合病院ならば、医療費は私立病院の約1割程度といわれます。バンコクなど外国人居住者が多い都市には旅行者や外国人向けの高級な私立総合病院が多くあります。高額な医療費を請求されますが、設備も技術も一流ということはできます。旅行者は海外旅行保険に入っておく必要があります。

(参考) バンコクの私立病院で新型インフルエンザ治療に法外な請求?



 8月15日配信の毎日新聞の記事によると、新型インフルエンザによる死者が日本国内で初めて出たようです。「沖縄県は8月15日、新型インフルエンザに感染した同県宜野湾市の57歳男性が同日午前1時ごろ、入院先の病院で死亡したことを明らかにした。新型インフルエンザによる死者は国内では初めて。同県によると、男性は心臓と腎臓に持病があり、人工透析を受けていたという。

 8月15日配信の毎日新聞の記事によると、新型インフルエンザによる死者が韓国で初めて出たそうです。「韓国の保健福祉家族省は8月15日、新型インフルエンザに感染し、病院で治療中だった50代の男性が、急性肺炎などを起こし同日朝に死亡したと発表した。韓国の新型インフルエンザ患者はこれまでに約2000人に上るが、死者は初めて。男性は今月1~5日にタイを旅行。8日に発熱症状を訴え、9日に入院。14日に新型インフルエンザへの感染が確定した。

 タイの私立病院での入院患者のインフルエンザ治療の通常の費用は、1日につき2万バーツ(5万6千円)ほどかかるようです。これはタイの若い女性の平均月収ほどです。重症化して集中治療室(ICU)へ入り、人工呼吸器を使用するとなると、費用は1日5万バーツ(14万円)も通常かかるそうです。「ハイリスク群」の人たちが海外旅行に出るのであれば、インフルエンザA(いわゆる「新型インフルエンザ」)が世界的規模で流行(パンデミック)している現在の状況にあっては、必ず海外旅行保険をかけていくべきです。クレジットカード付帯の保険ではカバーしきれない場合が起こりえます。

 タイ語では、大きな建物を「ローン(ng)、“โรง”、roong」と言います。後置修飾によって造語するタイ語では、この「ローン(ng)」という語の後ろに「看護する、パヤバーン、“พยาบาล”、phayaabaan」という語を置けば、「病院、ローン(ng)・パヤバーン、“โรงพยาบาล”」になり、「学ぶ、リアン、“เรียน”、rian」を置けば、「学校、ローン(ng)・リアン、“โรงเรียน”」になります。



 タイで最初の公立病院、シリラート病院はラーマ5世(チュラーロンコーン大王)治世下の1888年に設立されました。病院名は幼くして亡くなった皇太子、シリラート・カクートパン(“ศิริราชกกุธภัณฑ์”、Siriraj Kakuthpan)にちなんで名づけられました。「タイの医療の父」と言われる「ソンクラーナカリン、“สงขลานครินทร์”、Songkla Nakarin(幼名「マヒドンアドゥンヤデート、“มหิดลอดุลยเดช”、Mahidol Adulyadej」)」は、ラーマ5世の息子であり、現国王ラーマ9世(プーミポンアドゥンヤデート、“ภูมิพลอดุลยเดช”、Bhumibol Adulyadej)の父親です。

 ソンクラーナカリンは、タイの医学の発展に尽くし、アジアでも有数と言われるタイの医療技術の基礎を作りました。設立当時のシリラート病院は非常に小規模でしたが、ソンクラーナカリンの努力でやがてタイ国内最大となります。ソンクラーナカリンが設立した医師養成のための学校(“โรงเรียนแพทยากร”、Roong Rian Paethayakorn)は独立し、医学のタイ国内最高学府、マヒドン大学(Mahidol University、“มหาวิทยาลัยมหิดล”、mahaa witthayaalai mahidol)となっていきます。

(参考) 「“มหา”、mahaa、マハー」は、造語成分で「大きい~」を意味し、「“วิทยาลัย”、witthayaalai、ウィッタヤーライ」は、「上級の専門学校、カレッジ」を意味し、この2つを合わせた「“มหาวิทยาลัย”、mahaa witthayaalai、マハー・ウィッタヤーライ」で「大学」の意味になります。「“วิทยา”、witthayaa、ウィッタヤー」で「知識、科学」を意味する造語成分となりますから、「大」+「学」=「大学」となる日本語と同じような造語方法ですね。

(参考) 「マハー」は、日本語の「摩訶不思議」の「摩訶=とても」、ヒンズー教徒の「藩主」を意味する「マハラジャ」の「マハ=偉大な(ラジャ=王)」です。古代・中世に、インド亜大陸や東南アジアにおいて公用語として用いられていた言語である「サンスクリット語」を起源とします。

             (この項 健人のパパ)

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 チェンマイ動物園が募集していた5月27日に誕生した雌の赤ちゃんパンダ(ミニパンダ、パンダー・ノーイ、“แพนด้าน้อย”)の愛称投票は、リンピン(“หลินปิง”)の人気がもっとも高く、全体の60%余りを占め、続いてクワンタイ(“ขวัญไทย”)、インイン(ジンジン、“หญิงหญิง”)、タイジーン(タイチーン、“ไทจีน”)となっているようです。この愛称の投票葉書は8月5日締め切られており、きょう8月10日に当選者が発表されることになっています(Today at 14.30 hrs, the name of the panda cub will be officially announced while Science and Technology Minister Khunying Kalaya Sophonpanich and Natural Resources and Environment Minister Suwit Khunkitti will draw lots for lucky voters of each name. )。



 一番多く選ばれた名前がこのパンダの愛称となるのですが、一番多く選ばれた名前に投票した人の中から抽選で賞金と商品が当たります。

1等:賞金100万バーツ(約300万円)、乗用車1台、中国四川省成都行きのパッケージツアー(2名分)
2等:賞金10万バーツ(約30万円)、乗用車1台、中国四川省成都行きのパッケージツアー(2名分)
3等:賞金10万バーツ、中国四川省成都行きのパッケージツアー(2名分)
4等:賞金10万バーツ
5等:賞金1万バーツ(約3万円)(Five lucky voters offering other panda names will receive 10,000 baht cash each.

(参考) パンダ・フィーバーはインフルエンザAの脅威に打ち勝てるか。



 「リンピン、“หลินปิง”、Lin Ping)」のお父さん「チュアンチュアン、創創、“ช่วงช่วง”、Chuang Chuang」の9歳の誕生日が8月6日にあって、チュアンチュアンは初めて我が娘と会うことになったのですが、10分間の対面は「グルー」と唸られたに過ぎなかったようです。我が子とスキンシップを図ろうしたのに、父親はかわいそうですね。やがて、慣れて(馴れて)はくれるでしょうが、、、

 パンダの「ライブ映像」は、ここから回線が混雑していなければ見られます。

(追記)
 The cub born to giant pandas Chuang Chuang and Lin Hui, which are on loan from China, has been officially named Lin Ping. The name Lin Ping was chosen from four names short-listed by judges from thousands of suggested names. The other three names were Ying Ying, Thai Jin and Kwan Thai.

 The name Lin Ping received the most votes from the public, according to Thailand Post. Around 22 million postcard-votes were mailed in. Lin Ping received 13.2 million votes, or about 60% of the total votes sent in on postcards, followed by Kwan Thai with 3.9 million votes, Thai Jin with 2.9 votes and Ying Ying with 2 million votes.

 The name Lin Ping is Chinese for "a forest of ice." The word ping is very similar in Chinese pronunciation to "ping", the name of Chiang Mai's major river.
 (10/08/2009、Bangkok Post)

 Panda cub gets a name
'Lin Ping' wins the competition with more than 13 million votes. About twenty-two million postcard-votes were sent in, with the name Lin Ping (Chinese for "Winter Forest") proving most popular with 13.2 million votes, followed by Kwan Thai at 3.9 million, Thai Chin at 2.9 million and Ying Ying at two million votes.
 (11/08/2009、THE NATION)

           (この項 健人のパパ)

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 タイ語のアルファベット(「コーカイ」)6番めから11番めまでです。“จ, ฉ, ช, ซ, ฌ, ญ”(チョー チャーン、チョー チン(ng)、チョー チャーン(ng)、ソー ソー、チョー カチュー、ヨー イーン)と硬口蓋音が並びます(“”のみ歯茎音)。



 日本語には、「濁音」と「清音」の対立があります。有声子音を持つ濁音の「が」と無声子音を持つ音節の「か」は別の音として認識されます。例えば、「かんけん(官憲、換券、漢検)」、「がんけん(頑健、癌研)」、「かんげん(還元、甘言、諌言)」は日本人は耳で区別できます。有声・無声の区別は「声帯の振動」の有無です。英語でもこの区別はあり、kの音とgの音は区別されます。come と gum は別の言葉です。

 ところが、タイ語にはこの対立がありません。鶏(カイ、“ไก่”、kay)を「ガイ、gay」と発音しても、声調に誤りがなければ通じます。タイ語には対立がないのですから、タイ人の耳は言葉を覚える幼い頃にこの2つの音を区別することをやめてしまいました。

 タイ-英辞書を作るときに、タイ語をアルファベットで表す必要が出てきます。日英辞書を作るときに、発音記号は日本ほど一般的ではありませんから、やはりアルファベットで表記する必要があるのと同様です。そのとき、タイ語の/k/と/kh/(hは気音を表す)の対立をアルファベットで表す必要があります。多くの辞書は、/kh/→k、/k/→gと置き換えを行います。「有気・無気」の対立を「有声・無声」の対立のすり替えるのです。

 入門期の中国語学習者は中国音をカタカナで表します。そのとき、同じように「有気・無気」の対立を「有声・無声」の対立にすり替えます。アルファベットで表記する「ピンイン」自体が、そのすり替えを行っているからです。

 タイ版チキンライスを「カオマンガイ、“ข้าวมันไก่”、khaao man kai」で覚えました。これを英語表記すると、“khao mun gai”と綴る場合もあります。これを逆手にとって、「ガイ」という音は、無気音で発音すればよい、ということにもなります。



 日本語では、「チ」(無声音+母音)と「ヂ(ジ)」(有声音+母音)も区別されますが、タイ語は異なります。無気音の“”(チョー チャーン)は、「ジャケット、“แจ็คเก็ต”、jaekket」で覚えました。これを「チェッ ケッ」と発音してもタイ人には通じることでしょう。



 有気音の“”(チョー チン(ng))(高子音字)を覚えるのには、一人称代名詞「チャン、“ฉัน”、chan」を利用することにしました。有気音であることを意識して、発音する必要があります。



 有気音の“”(チョー チャーン(ng))(高子音字)を覚えるのには、「チェンマイ、チアンマイ、“เชียงใหม่”、Chiang Mai」です。チェンマイは、タイ北部で最大の都市です。寺院が多く、古都(ラーンナータイ王国、“อาณาจักรล้านนา”)としての風格があるので、日本では「タイの京都」と呼んだりもします。何度も訪れようとしたのですが、いまだ実現していません。



 日本人は「二重子音」が苦手です。外国の地名や外来語の「二重子音」を「短母音」や「長母音」に読み替えてしまいます。「チェインジ(change)」は「チェンジ」(短母音化)に、「メイル(mail)」は「メール」(長母音化)に読み替えます。「チアンマイ」も「イア」という二重母音を嫌って短母音化し、日本人は「チェンマイ」と読み替えています。

 “”は、「パクチー、“ผักชี”、phak chii」でも出てきています。



 “”(ソー ソー)は、“”によく似ています。昔は、音韻学的に関連があったのが、長い歴史の中でその関連が失われたのかも知れません。脇道や路地を意味する「ソイ(“ซอย”、soi)」で覚えました。



 「ペプシ、“เป๊ปซี่”、pepsii」の第2音節にも出てきました。



 10番めの“”(チョー カチュー)はとばしておきます。“”(ヨー イーン)は、日本を意味する「イープン、“ญี่ปุ่น”、yiipun」で覚えることにします。中世の王様が長いガウンを引きずり、家来を従えて歩いているようにも見えます。



 「インフルエンザ、“ไข้หวัดใหญ่”、khay wat yai」でも出てきました。



 次回は、歯茎音です。



           (この項 健人のパパ)

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 英語の辞書を引こうとするとき、a,b,c,...のアルファベット順を知らないと非常に効率が悪くなります。目的の語を見つけるまでが一苦労です。同じようにタイ語の辞書で、目的の語を見つけようとすると、同様にタイ語の並び順を覚えておく必要があります。

 日本語の辞書は、あ、い、う、え、お、か、き、、、の順に項目が並びます。これは音韻学に基づいています。同じように、タイ語の辞書もほぼ音韻学に基づいて語が並びます。

 まずは「軟口蓋音」です。日本語でも「あ」行の次に音節を構成する子音が軟口蓋音の「か」行が来るのと同じですね。無気音→有気音の順に並び、同じ音価であれば、中子音字→高子音字→低子音字の順に並びます。表は、中子音字を黒字に、高子音字を赤字に、低子音字を青字にしてあります。()内は前の文字と子音字の類別は同じなのですが、古代インド語を音写するときに使われる外来語用文字ということで緑字にしてあります。



 1番めから5番めまでは、軟口蓋音の“ก,ข,ค,ฆ,ง”(コー カイ、コー カイ、コー クワーイ、コー ラカン、ゴー グー)です。復習していきます。

 “”(コー カイ)は、「コーヒー(カーフェー)、“กาแฟ”」で覚えました。第1音節は中子音字+声調無符号+平音節で「中平調」、第2音節は低子音字+声調無符号+平音節で「中平調」です。



 “”(コー カイ)は、タイ版チキンライスの「カオマンガイ、“ข้าวมันไก่”)」で覚えました。第1音節は中子音字+声調符号「マイトー」+平音節で「下降調」、第2音節は低子音字+声調無符号+平音節で「中平調」、第3音節は中子音字+声調符号「マイエーク」+平音節で「低平調」です。







 「カノム、“ขนม“”、お菓子」でも出てきました。



 低子音字の“”(コー クワーイ)はまだだったようなので、「コンドミニアム、“คอนโดมิเนียม”、khoendoominiam」で覚えることにします。長ければ、「コンドー、“คอนโด”、khoendoo」とも言うので、それで覚えるのもいいでしょう。



 「コンドミニアム」とは、日本語で言うところの「マンション」です。英語の“mansion”は「大邸宅」を意味し、分譲形式の中高層の集合住宅を指しません。どこで入れ替わってしまったのでしょうね。

 “”(コー ラカン)は一旦とばしておいて、次は“”(ゴー グー)です。 この子音は、日本語では語の第1音節の子音に使われることは稀で、比較的年齢の高い人が「学校」と言うときに現れます。タイ語など多くの東南アジアの言語では、普通に第1音節の子音に使われます。「欧米人」を意味する「ファラン(ng)、“ฝรั่ง”、farang」の第2音節の末子音で出てきています。



 この話、退屈でしょうが、まだ続きます。次回は、タイ語のアルファベット(「コーカイ」と言います)6番めから11番めまでです。





           (この項 健人のパパ)

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 「バンコク、“กรุงเทพมหานคร”、Krung Thep Mahanakhon」を流れる「チャオプラヤ川、“แม่น้ำเจ้าพระยา”、Mae Nam Chao Phraya)の西岸に「トンブリー、“ธนบุรี”、Thon Buri」という地区があります。「ワット・アルン」は、そのトンブリーで最初に暁(朝日)が差し込んでくる場所であったことから、インドの暁の神「アルナ(Aruna)」(インド神話の「ガルーダ(Garuda)」の兄)にちなんで名づけられました。



 「ワット・アルン、“วัดอรุณ”、Wat Arun」は、5基の仏塔からなります。大仏塔の高さは70メートルほど、台座の周りは200メートル以上もあるそうです。他のタイ仏教寺院とは趣を異にしますが、それはこの寺院が古代インドの世界観を具現化していて、中心の大仏塔を須弥山(しゅみせん、須弥山を中心に太陽、月、星が水平に回り、須弥山の東西南北に一つずつ大陸があり、南にあるのが、われわれの住む大陸「贍部洲(せんぶしゅう)」であるとする)に見立て、その周りを4つの小塔が取り囲んでいるからです。

 タイ文字には鶏の頭をした文字が8文字あります。その中の横幅の広い3文字を取り上げてみます。“”(チョー カチュー、樹木のch)、“”(ノー ネーン、小僧のn)、“”(ヨー イーン(ng)、女のy) の3文字です。暗記法です。能年(のうねん)という名の女性がいて、その女性の体格は相撲取りのよう。会社のエレベーターに数人が一緒に乗ったところ重量オーバーで警告音がなります。一人が言い出します。「超過重(チョーカジュー)の要因(ヨーイーン)は能年(ノーネーン)で~す。」 つまんないか。



 「アルン、“อรุณ”、arun」は「夜明け」という意味です。頭子音字は、中子音字の“”(オー アーン(ng))ですが、子音が“อร”と連続しています。“อรุณ”をそのままアルファベットに変換すると、“?・run”です(声門閉鎖音のIPA表記を?で代用)。これに母音を補って、音節構造(頭子音+母音+(末子音))にしなくてはなりません。“อรุณ”という2音節語における先頭の2つの子音の連続“อร”(?r)は、二重子音ではありません(?で始まる二重子音はない)。そこで、1番めの子音“”(/?/、オー アーン(ng))に/a/を付けて、第1音節を“”として、/a/と読み、子音字の種別に関係なく、「中平調(平声)」にします。第2音節“รุณ”は、/run/と読み、低子音単独字“” /r/の前に接する“” /?/が中子音字なので、“run”は、「平音節」の中子音字の声調規則が適用されますが、「中平調(平声)」のままです。



 “อรุณ”(arun)の/n/は、“”(ノー ヌー)が使われず、“”(ノー ネーン)が使われています。arun(←aruna)がインド起源の語だからでしょうか。

          (この項 健人のパパ)

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 ロシア語が使うキリル文字のひとつ“И”(イー)に似たタイ文字があります。“”(トー タハーン、兵隊のth)、“”(トー モントー、モントー婦人のth)、“”(ホー ヒープ、箱のh)の3文字ですが、駱駝のようにも見えますね。

 まず、低子音字の“”(トー タハーン)ですが、タイ式ボクシング「ムエタイ、ムアイタイ、“มวยไทย”、Muay Thai」で出てきました。



 確認のため、「タイ、“ไทย”、thai」という語で覚えます。タイに行ってタイ文字を読もうというのに「タイ」が読めないのではね。声調は、低子音字+声調無符号+平音節なので、「中平調(平声)」です。



 バンコクから車で約3時間、マレー半島を南下すると、タイ王室の避暑地として名高い「ホアヒン、フアヒン、“หัวหิน”、Hua Hin」があります。温暖な気候、豊かな自然を持っていたことから、1928年にラーマ7世の別荘が建てられて以来、タイの富裕層、ヨーロッパの旅行者や長期滞在者に人気の高い、タイ有数のリゾート地になりました。

 高子音字“”(ホー ヒープ)は、「低子音単独字」を「高子音字化」する記号としての働きもありますが、/h/という音も表します。それを“หัวหิน”で覚えることにします。「フア、“หัว”、hua」は「頭」という意味で、「ヒン、“หิน”、hin」は「岩」という意味ですから、“หัวหิน”は、「岩の頭」?



 声調は、第1音節、第2音節ともに高子音字+声調無符号+平音節なので、「上昇調(上声)」です。



        (この項 健人のパパ)

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 妻「あみ」が2日連続の仕事で東京都江東区の「住吉」に出かけました。1日めは仕事場の周辺の事情がわからなかったので、食事をとれる店が見つからず、パンを買って済ませたのだそうです。その後で、人に尋ねたところ、「アルン」というタイ料理の店を教えてもらったそうです。翌日は、昼食をそこでとるのだと言って、楽しげに出かけて行きました。

 今年の旅行の行き先をめぐって、3人の意見が食い違っており、我が子「健人」は「香港」、私は「タイ」、妻は「ベトナム」を主張しています。でも、タイ料理には強く関心のある妻は、「タイ」にも心動かしています。いま、タイではインフルエンザAが猛威を振るっており、出かけるのは大きなリスクを負います。感染すると帰りの飛行機への搭乗を拒否されます。密閉空間では確実に感染を拡大させるからです。

 タイ料理を食べて、気分だけでもタイを味わいたいのでしょう。私も時間があれば、一緒に行きたかった。妻「お店では、地元のお客さんと話しをしたんだけど、このお店は最近オープンしたばかりなんだって。口コミで教えてもらえたのでラッキーよ。それに、住吉駅周辺は食べるお店が少なくて、とも言ってたわ。」



(ここから妻「あみ」)
 今日は、「アルン」というタイ料理店でランチを食べて来ました。カオマンガイ(タイ版チキンライス)とサラダ、タイのラーメンがついて750円。鶏肉はやわらかくておいしく、生姜風味のチキンライスもおいしくいただいて来ました。バンコクがとても懐かしい気持ちにさせられました。2人の小学生の子供を連れたご夫婦も来ていました。旦那さんは辛いものが苦手らしく「辛い!辛い!」と食べていたのですが、奥様は辛いものが平気らしく、「私、辛いもの好きだから、代わりに食べるわよ。」と料理を取り替えていました。辛いものが好きで平気な夫と次回は行こうかしら!本格的なので、香辛料のよくきいているメニューもあるようです。お店にはタイ人の男性も働いているようでした。
(ここで終わり)

 高子音字“”(コー カイ、卵のkh)は、この「カオマンガイ、カウマンカイ、“ข้าวมันไก่”、khaao man kai)で覚えることにします。薇(ぜんまい)頭のタイ文字は、/kh/の“”と“”、/ch/の“”、/th/の“”、/s/の“”と5文字あります。“”(コー カイ)と“”(チョー チャーン(ng))は、似ていますね。



 声調は、次のルールに従って決められます。この“ข้าวมันไก่”という3音節語は、すべての音節が平音節です。“”は高子音字、“”は低子音字、“”は中子音字です。その結果、第1音節は「下降調」、第2音節は「中平調」、第3音節は「低平調」になります。



         (この項 健人のパパ)

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 タイ文字には鶏の頭をした文字がスリムな形の “” (k),“” (th),“” (ph) の3文字、横幅の広い“” (ch)、“” (n)、“” (y) の3文字、ノッポの“” (d)、“” (t) の2文字があります。

 今回は、スリムな鶏頭(とりあたま)の“”(コー カイ、鶏のk)、“”(トー トゥン(ng)、袋のth)、“”(ポー サンパァオ、ジャンク船のph)の3文字を覚えることにします。この3文字、書き出しの部分が異なるだけです。書き出しの円形部分、「文字頭」がないか、内側に付くか、外側に付くかの違いになります。しかし、この円形部分で判断しようとすると、上手くいかないときもあります。



 タイの若者世代の手書き文字やデザイン文字では、この「モヤシの頭、“หัวถั่วงอก”、hua thua ngawk」が嫌われて、直線か、内側にやや曲がるか、外側にやや曲がるかの違いになっている場合もあります。若者は、「モヤシの頭を断固として拒否する、“หัวถั่วงอก ยืนกระต่ายขาเดียว”」のだそうで、若者の間ではモヤシの頭のない書体が流行っているようです。
 


 中子音字の“”(コー カイ)はすでに、「コーヒー(カーフェー)」で出てきました。



 高子音字の“”(トー トゥン(ng))は、「タノン、“ถนน”、thanon」で覚えます。

 バンコクの道路は碁盤の目のような構造をしていません。魚の骨のような構造をしており、太い背骨にあたる道路を「タノン、“ถนน”」、そこから両脇に出る小骨にあたる道路を「ソイ、“ซอย”」と呼びます。この道路構造は、渋滞を招きます。あるソイから隣にあるソイに移動しようとすると、一度「タノン」に出なくてはなりません。ソイとソイを結ぶ道路はないことが多いのです。ソイには行き止まりのところも多いのです。一方通行も多く、目的の場所を少しでも車で通り越してしまえば、延々と遠回りを余儀なくされることもあります。

 バンコクのタクシー乗り場で、さほど遠くない場所なのに時間帯によっては乗車拒否にあうことがあります。拒否はされないのですが、料金交渉のとき、距離に比して法外な料金を言うドライバーもいます。この道路事情を理解すると、タクシードライバーの気持ちも分かります。選択肢がないのですから、交通渋滞を起こしている道路を通らなくてはならないことがわかれば、無駄に時間がかかるので乗せないのが賢明だと言えます。

 碁盤の目の構造をしていれば、A地点からB地点まで移動するのには、最短距離でも幾通りかの方法があります。ところが、魚の骨のような構造では、A地点からB地点まで移動する最短距離は、1通りしかないのです。「タノン(大通り)」は行政が作り、「ソイ(脇道)」は土地所有者の自由な開発に任せてあるためだと言われます。そのような道路構造になったのは、運河が多く、碁盤の目状にするには橋を無数に架けなくてならなく、経済的に無理であったせいだとも言われます。


 この“ถนน”という語は、子音字が3つ連続します。母音記号が1つも付いていません。“ถนน”をそのままアルファベットに変換すると、“th・n・n”です。これに母音を補って、音節構造(頭子音+母音+(末子音))にしなくてはなりません。“ถนน”という2音節語における先頭の2つの子音の連続“ถน”(thn)は、二重子音ではありません(thで始まる二重子音はない)。そこで、1番めの子音“”(/th/、トー トゥン(ng))に/a/を付けて、第1音節を“”として、/tha/と読み、子音字の種別に関係なく、「中平調(平声)」にします。

 第2音節“นน” /non/(母音規則:「頭子音」+「末子音」という表記は「頭子音」+o+「末子音」という音になる)は、声調符号がなく、頭子音の“”(ノー ヌー)が低子音字で、「平音節(末子音が破裂音でない)」なので、本来は低子音字の声調規則が適用され、声調は「中平調(平声)」になるはずです。ところが、高子音字に対応字を持たない低子音単独字は、子音文字連続のとき、前に接する子音字の種別に従って、声調が決まります。ここでは、低子音単独字“” /n/の前に接する““” /th/が高子音字なので、“non”は、「平音節」の高子音字の声調規則が適用され、「上昇調(上声)」になります。

 低子音字“”(ポー サンパァオ)は、「プーケット、“ภูเก็ต”、phuuket)で覚えるのがいいですね。第1音節“ภู”は、「中平調(平声)」(←低子音字+声調無符号+平音節)、第2音節“เก็ต”は、「低平調(低声)」(←中子音字+声調無符号+促音節)になります。



 タイ南部にあるプーケットで7月19~20日に東南アジア諸国連合(ASEAN)外相会合が開催されます。ASEANの基本条約である東南アジア友好協力条約(Treaty of Amity and Cooperation in Southeast Asia、TAC)に米国が加盟することになります。

           (この項 健人のパパ)

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 今回覚えるタイ文字は、“”(チョー チン(ng)、シンバルのch)と“”(チョー チャーン、象のch)です。“”はすでには、「パクチー(“ผักชี”、phak chii)」の第2音節に出てきました。この薇(ぜんまい)頭のタイ文字は、/kh/の“”と“”、/ch/の“”、/th/の“”、/s/の“”と5文字あります。こうも似た文字が多いと覚えるのに努力が必要ですが、外国人が日本語のひらがなを覚えるときに同じような苦労をするだろうと考えると、覚えるしかないのでしょう。ひらがなの“”と“”、“”と“”、“”と“”、“”と“”、“”と“”、“”と“”などはよく似ていますね。1画増やす、終わりの画を丸めるなどで別の字にするところなどタイ文字は日本語のひらがなと同じです。例えば、“”(ロー リン(ng))と“”(ソー スゥア)、“”(フォー ファン)と“”(ロー チュラー)などです。



 日本語で話し手を指す代名詞(一人称代名詞)は、わたし(わたくし、あたし、あたい)、わし(わい、わて、あて)、ぼく、おれ(おら、おいら、おい)、うち、じぶん、などさまざあります。この1語で、話し手の性別、年齢、階層がわかることもあり、さらに聞き手との関係を知ることができるときもあります。友だちとは「ぼく」、「おれ」という語を使っていても、会社の上司に対しては「わたし」や「わたくし」という語を使うでしょう。また、小さな子の父親であれば、役割名称の「お父さん」を使って、子に話しかけるでしょう。

 タイ語でも、日本語と同じように、年齢の上下、地位・身分の上下、親疎の度合いや性別、場面などを考慮して、自分の呼び方を決めます。英語のように、“ I ”(アイ)1語で済まないのです。タイ語の人称代名詞は数が多く、その使い方も複雑ですが、“”(チョー チン(ng))を覚えるのに、親しい間柄(相手が目上であれば通常使わない)で使われ、男性よりも女性が使う頻度が高い一人称代名詞「チャン、“ฉัน”、chan」を利用することにします。「ディチャン、“ดิฉัน”、dichan」という語もありますが、かなり形式ばった感じがあるそうで、“ฉัน”ほどには使われないそうです。




 この語“ฉัน”は、高子音字“”(チョー チン(ng))から始まり、声調符号はなく、平音節であることから、本来ならば「上昇調(上声)」に発音されるべきなのですが、実際には「高平調(高声)」で発音されるようです。タイ語の実際の会話では、文字と音とのずれが見られるそうです。特に声調と母音の長さのずれが大きいようです。



 男性が使う1人称代名詞は、「ポム、“ผม”、phom」(上昇調←高子音字+声調無符号+平音節)です。女性が自分をへりくだって呼ぶ1人称代名詞に「ヌー、“หนู”、nuu」(上昇調←擬似高子音字+声調無符号+平音節)があります。目上の人と話すときによく使われるそうです。

 アフリカ中南部(ケニア、タンザニア、南アフリカなど)のサバンナや半砂漠地帯に生息するウシとカモシカ(すらっとした脚)を合わせたような体型をしている「ヌー (gnu)」という草食動物がいます。食料となる草原を求めて集団で大移動することで知られています。女性は目上の人と話すときに自分がこの「ヌー(gnu)」になったつもりで、「ヌー、“หนู”」と言えばいいのかも知れません。 違うかっ!?(お笑いコンビ「ものいい」の吉田サラダのノリで)



 「ヌー?」(沖縄方言(うちなーぐち)で「何か?」)

         (この項 健人のパパ)

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 タイではインフルエンザA(いわゆる「新型インフルエンザ」)の感染者(7月15日現在 4,469名)や死亡者(7月15日現在 26名)が日々増加しています。タイ政府は、感染者数のこれ以上の増加を抑えるため、15日から19日まで、バンコクの都立学校の休校措置をとっています。感染者の70%以上が20歳以下であり、学校が感染場所になっていることから採られた処置のようです。

 これまでに確認された感染者の年齢層別内訳
1歳~10歳…22.1%(1歳~ 5歳… 4.9%、 6歳~10歳…17.2%)
11歳~20歳…53.4%
21歳~30歳…11.4%
31歳~40歳… 5.0%
41歳~50歳… 4.1%
51歳~60歳… 2.1%
60歳以上… 0.8%

 「インフルエンザ」は、タイ語では何と言うのでしょう。日本語では、「インフルエンザ」を以前は「流感(流行性感冒)」と呼んで、風邪の一つと考えてきました。タイでも同じで、風邪の一つと考えます。タイ語で「風邪」は「ワット、“หวัด”(wat)」と言います。「寺」を意味する「ワット、“วัด”(wat)」と音は同じなのですが、声調が異なります。「寺」の「ワット」は、声調符号は「無符号」で(子音字の上に乗っている記号は短母音/a/を表す「母音記号」)、頭子音字“”(ウォー ウェーン)が「低子音字」で、「促音節(短母音)」なので、低子音字の声調規則から、「高平調(高声)」になります。



 「風邪」の「ワット」は、頭子音字“”の前に高子音字化の記号“”(ホー ヒープ)が付くため、“หว”で高子音字として扱われ、高子音字の声調規則から、「低平調(低声)」になります。「寺」参りは気分(音程)がハイ、「風邪」にかかれば気分はローと言ったところでしょうか。



 インフルエンザの症状の特徴は悪寒、全身倦怠感、筋肉痛をとともに発熱することです。タイ語で「熱」は「カイ、“ไข้”、khay」と言います。熱を伴う感冒を「カイ・ワット、“ไข้หวัด、khay wat」(熱風邪)と呼ぶことになります。それに「ヤイ、“ใหญ่”、yai」が付いて、「大きな熱風邪、カイ・ワット・ヤイ」=「インフルエンザ、“ไข้หวัดใหญ่”、khay wat yai」となるようです。



 タイのインフルエンザ感染者が前日より412名増えて、4,469名になったことを伝えるタイ語のニュースには、タイ語がずらっと並びます(当たり前か、、、)。

 กระทรวงสาธารณะสุข เปิดเผยจำนวนตัวเลขผู้ติดเชื้อไข้หวัดใหญ่สายพันธุ์ใหม่ 2009 วันนี้เพิ่มอีก 412 ราย รวมยอดสะสมเป็น 4,469 ราย ขณะที่ นพ.มล.สมชาย จักรพันธุ์ อธิบดีกรมควบคุมโรค กล่าวว่าวัคซีนลอตแรกที่สั่งซื้อเตรียมฉีดให้กับกลุ่มแพทย์ พยาบาล ผู้ป่วยโรคเรื้อรัง และผู้บริหารระดับสูงของประเทศก่อน

 こんな文章がそのうち読めるようになるのでしょうか。タイ語学習を山登りに喩えると、ようやく山が見えるところ(麓にはまだ着いていない)までやって来たと言えそうです。

 タイの保健省は、タイ人の3,000万人ほどが今後3年間(長くて3年間流行が継続するとの見通しの上に立って)にインフルエンザAに感染し、そのうちおよそ1,200人が死亡するという予測を示しています(Up to 30 million Thais are likely to contract influenza type-A (H1N1) with about 1,200 people likely to die from it, the Public Health Ministry forecasts.)。感染が見込まれる3,000万人のうちの3万~13万人の感染者が重篤な症状になり、病院での入院治療措置が必要なるだろうと見てもいます。タイ文字を読むために学習を始めましたが、バンコクやチェンマイ(チエンマイ)の街角で学習したことを活用できずに、過ぎてしまうのでしょうか。

               (この項 健人のパパ)

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