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 電気回路に用いられる部品に「抵抗器(resistor)」があります。抵抗器は、(1)電流の制限、(2)電圧の分圧、(3)特定の周波数成分を取り出すための電気回路の一部、などに用いられます。例えば、直列回路にあって、電源電圧が6Vのとき、抵抗値2Ωの抵抗器を用いれば、3A、3Ωの抵抗器を用いれば、2A、6Ωの抵抗器を用いれば、1Aの電流を流すことができます。

 この抵抗器の持つ「電流の制限」という機能については、問題も数多く解いてきました。きょうは、「電圧の分圧」について述べていきます。電流には「直流」と「交流」があり(この話はそのうちに)、交流では「変圧器」を用いると望みの電圧を得ることができます。変圧器は「電磁誘導(electromagnetic induction)」という電気の現象を利用した電気機器ですが、この話もいまはしません。

 時間によって電流の流れる方向が変化しないものを直流といいます(すると、時間とともに周期的に電流の流れる向きが変化するものを「交流」ということになるでしょう)。電磁誘導という現象は、直流では起きません。そこで、望みの電圧を直流で得るには、抵抗器を用いて、電圧を分圧してやることになります。



 上の図を見てください。抵抗R1、抵抗R2 を直列つなぎしています。電源の電圧(起電力)で位置エネルギーを得た電荷粒子(「電子」)は、抵抗R1 で、位置エネルギーを少し減らします。さらに、抵抗R2 で、位置エネルギーをすべて失くします。この抵抗R1 での電圧降下と抵抗R2 での電圧低下の和が電源電圧(起電力)と等しくなります。



 抵抗による電圧低下がどの程度であるかを測定する計器が「電圧計」です。電流計が回路を断線させて、そこにそれぞれの端子を接続させるのと違い、回路を断線させることなく、抵抗となる電気部品(抵抗器、電熱線など)の両端にそれぞれの端子をつなぎます。上の図では、電源から出た電流は一本道を流れて電流に戻ってきます。分流が起こっていませんから、回路のどこでも電流は一定です。

 抵抗R1 の抵抗値は2Ωであり、そこに流れる電流の大きさは2Aですから、オームの法則 V=IR から、単位記号で表すと、V=AΩになり、V=2(A)×2(Ω)=4(V)です。抵抗R2 では、V=AΩになり、V=2×4=8(V)です。その和 4+8=12(V)で、電源電圧の 12Vと等しくなります。



 電圧計はメーターと「倍率器」という抵抗器が内部で直列につながれている計器です。倍率器は本来の回路の方に電流の大部分が流れるようにするもので、電圧計はわずかに分流された電流を測定し、そこから本来の回路の電圧を割り出しています。電圧計の内部抵抗(メーター自体の抵抗値と倍率器の抵抗値の和)に測定された電流の大きさを掛けてやれば、オームの法則から、電圧が求められ、それが本来の回路の抵抗で生じる電圧降下の値と等しいのです。その計算を電圧計はするわけではなく、本来は電流計であるメーターの目盛りを電圧の大きさの目盛りで刻んでおけばいいのです。

 では、きょうの6問です。



 前回の問題、(25)~(30)の解法です。



                   (この項 健人のパパ)

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 息子「健人」よ。「電気について学ぶ」の話は、きょうは「逆比」について詳しく述べてみます。「その3」の18問は「答えは合ってはいたがピンと来なかった」ということなので、そうすることにしました。まずは、18問めを具体的に解いて、それから一般的な話に持っていきたいと思います。

 18問めは、30Ωと60Ωの抵抗値を持った抵抗器が並列につながれた回路です。電源から1.2Aの電流が流れてきて、二手に分かれます(「分流」)。抵抗値は、「電流の流れにくさ」の指標です。抵抗値が大きいほど、電流は流れにくくなります。60Ωは30Ωの2倍、電流を流れにくくします。抵抗値は、電流の流れ道に置かれた小さな障害物群の数です。60Ωは30Ωの2倍の数の障害物が置かれています。

 「A:B」という比において、A を前項、B を後項と呼びます。例えば、3:2 であれば、前項の値は「3」であり、後項の値は「2」です。この前項と後項の値を入れ替えたもの、または前項と後項の値の逆数をとったものを「逆比」と言います。3:2 であれば、2:3、または 1/3:1/2 が逆比です。



 18問めの抵抗値の値の比をとると、60:30 = 2:1 になります。その逆比をとると、1:2(または 1/2:1)です。60Ωの抵抗器に流れる電流を I1、30Ωの抵抗器に流れる電流を I2 とすると、I1I2 = 1:2 になるのです。1.2A をその比で分けます。前項+後項=1+2 =3 で3つに分けます。1.2 ÷ 3 = 0.4 で、1つが 0.4A です。よって、60Ωの抵抗器に流れる電流の大きさ(強さ)は、0.4A、30Ωの抵抗器に流れる電流の大きさは、0.4×2 = 0.8 で、0.8A になります。



 上の図を用いて説明していきます。抵抗器 R1R2 にかかる電圧は、電源の電圧に等しくなります。電源の電圧を V としておきます。抵抗器 R1R2 に流れる電流の大きさをそれぞれ I1I2 とすると、オームの法則から、次の2式が成立します。

     V = I1 R1   …… ①
     V = I2 R2   …… ②
 ①式を②式に代入すると、次の式が得られます。
     I1 R1 = I2 R2

 比の性質に「内項の積は、外項の積に等しい」というものがあります。a:b = c:d という比のとき、外側にある a と d を「外項」といいます。左辺の「前項」と右辺の「後項」ですね。それに対して、左辺の「後項」と右辺の「前項」を「内項」といいます。内側にある b と c ですね。これをそれぞれかけたものは等しくなります。a×d = b×c ということです。

 この性質を逆に利用すると、ad = bc という式が成り立つときには、a:b = c:d、または、a:c = b:d という式が成り立つことになります。

 つまり、I1 R1 = I2 R2 という関係が成り立つならば、次の2つの式は成り立つのです。

     I1 : I2 = R2 : R1   …… ③
     I1 : R2 = I2 : R1   …… ④

 ④式は使い勝手がよくないので使われません。

 次の6問を、ほかの解き方もあるのですが、ここでは「逆比」を使って、工夫して解いてください。(ヒント:それぞれの抵抗器にかかる電圧は、この回路では電源電圧に等しい)



 前回の問題(19)~(24)の解法です。



                (この項 健人のパパ)

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 電圧の大きさは電流の大きさに比例しています。比例定数を“k1”とおけば、E=k1 I、または、V=k1 Iと表すことができます。しかし、電流の大きさは電圧の大きさに比例するとも言えることから、比例定数を“k2”とおけば、I=k2 E(I=k2 V)と表すこともできます。

 比例定数“k1”は、回路における電流の流れ「にくさ」を表し、「抵抗(記号R、単位記号Ω)」と呼ばれます。E=RI、または、V=RIと表すことになります。比例定数“k2”の方は、回路における電流の流れ「やすさ」を表し、「コンダクタンス(電気伝導力、記号G、単位記号S(ジーメンス)」と呼ばれます。I=GE、または、I=GVと表すことになります。



 同じ抵抗値を持つ抵抗器を2つ、直列につなぐのと並列につなぐのでは、電流の流れ「やすさ」は異なります。抵抗は通路に置かれた小さな障害物群です。一本の通路に2か所、障害物群があるのと、通路が途中で2本に分かれ、そのそれぞれに1ヶ所、障害物群があるのでは、途中で2本に分かれていた方が「電荷」が二手に分かれて進むことができて、より多くの電荷が電源から進むことができます。



 電荷が分かれて進むことができれば、電流は多く流れることができます。分流し、そして合流する電気回路では、次の式が成立します。抵抗 R1に流れる電流の大きさを I1、抵抗 R2 に流れる電流の大きさを I2 とすれば、分流する前の電流の大きさ、または合流したときの電流の大きさ I は、
    I = I1 + I2  …… ①
と表すことができます。

 この並列回路では抵抗 R1 にかかる電圧も、抵抗 R2 にかかる電圧も、電源電圧に等しく、抵抗 R1 と抵抗 R2 の合成抵抗を R とすると、次の3つの式が成立します。G1、G1、G はそれぞれのコンダクタンスです。
    I = GV  …… ②
    I1 = G1V  …… ③
    I2 = G2V  …… ④

 ②式、③式、④式を①式に代入して V を消去すると、次の式が得られます。
    G = G1 + G2
並列回路にあっては、その合成コンダクタンスは各コンダクタンスの和に等しいことになります。



 抵抗 R1、抵抗 R2 のコンダクタンスを求めてみましょう。I = GV という式を単位記号で言い換えると、A = SV (アンペア・イコール・シーベルト・ボルト)になります。それにそれぞれの値 V = 6、A1 = 2、A2 = 1 を代入すると、G1 = 1/3、A2 = 1/6 が得られます。その和は 1/3 + 1/6 = 1/2 で、1/2(0.5)です。A = 3 ですから、3 ÷ 6 = 0.5 で、合成コンダクタンスは各コンダクタンスの和に等しいことが確認できます。



 しかし、抵抗器の規格を表すのに「コンダクタンス」が使われることはありません。「抵抗値、Ω(オーム)」です。そこで、I = GV を V でといてみます。まず、式を辺々交換し、GV = I とし、その両辺を G で割ります。すると、V = I/G つまり、V = 1/G・I が得られます。それと「オームの法則」V = RI と比較すると、R = 1/G という関係がみえます。「抵抗値」は「コンダクタンス」の逆数なのです。「コンダクタンス」からみると、「抵抗値」の逆数、つまり、G = 1/R となります。



 長々と述べてきましたが、合成抵抗を求めるには、抵抗器を直列つなぎしたときには2つの抵抗値の「和」、並列つなぎをしたときには2つの抵抗値の「和分の積」になると覚えればいいことになります。例えば、3Ωと6Ωの抵抗を直列つなぎをすれば、合成抵抗は9Ω(←3+6)になり、並列つなぎにすれば2Ω(←3×6/(3+6)=18/9)になります。



 もう少し詳しく解法を図示して説明してみましょう。まず、並列部分の合成抵抗値を「和分の積」で求めます。そして、直列部分の合成抵抗値を求めると、回路全体の合成抵抗値が求められることになります。3つあった抵抗器が最終的に1つにまとめられるのです。



 我が子「健人」よ。だんだんと難しくなっていくのでしっかりと理解して下さい。本質をきちんと理解しておかないと応用力に欠けてしまいます。いつものようにコメントで答えを入れてね。



 前回の問題(13)~(18)の解法です。



                (この項 健人のパパ)

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 1A(アンペア)の電流が流れるということは、「電荷(でんか)」というものを持った粒子(「荷電粒子」)がある面を単位時間(1秒)に約6.24×1018個(624京個)通過することを意味します。これを測定するのには、「電流計」というものを使います。



 直流電流計の赤の端子(+の端子)には、電源(例えば「乾電池」)の+極側から出ている導線をつなぎ、電源の-極側から出ている導線はまず5Aと表示のある端子につなぎます(5A以上の電流が流れれば、保護回路の付いていない電流計ならば、壊れてしまいます。最大で1kgしか計れないアナログのクッキングスケールに5kgのものをのせると壊れてしまうようなものです)。振れが小さすぎるときは、500mA(0.5A)、50mA(0.05A)と適当な振れになる端子を選択します。



 回路には電流を制限する「抵抗」となるものが接続されている必要があります。導線にもわずかに抵抗はありますが、導線のみの抵抗では小さすぎて大電流が電流計に流れてしまいます。



 実は、電流計に組み込まれている「メーター(検流計)」はごくわずかの電流で動作するもので、外部から入ってきた電流は「分流器(shunt、シャント)」という抵抗値の小さな「抵抗器」にほとんど「分流」されて、メーターにはごくわずかしか流れません。



 トリプル端子のこの電流計は、例えばメーターの抵抗値をRとすると、R:R1:R2:R3=400:90:9:1という抵抗値の組み合わせが一つ考えられます。



 上の例題を見てわかるように、電流の分流が起こると、抵抗値の小さい方に大きな電流が流れています。3Ωの抵抗器に4Aの電流が流れ、2倍の抵抗値を持つ6Ωの抵抗器に2分の1の電流(2A)しか流れません。

 並列に接続されている抵抗器の抵抗値の比をとると、3:6=1:2 になります。そこを流れる電流の大きさの比をとると、4:2=2:1 になります。前項と後項が入れ替わっています。これを「逆比になる」といいます。並列部分では、抵抗値の比をとって、それを逆比にすれば、電流がどのような比で分流するかを知ることができます。

 我が子「健人」よ。次の6問を解いて、コメントの形で入れてね。

 

 前回の問題(7)~(12)の解法です。


               (この項 健人のパパ)

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 電気回路において「抵抗」は具体的には例えば「抵抗器」です。抵抗器は円筒形、板状などの独立した形状のあるものと「集積回路(IC、Integrated Circuit)」の中に「抵抗素子」として組み込まれているものがあります。電気回路用の部品として、抵抗器は(1)電流の制限、(2)電圧の分圧 などの目的で用いられます。



 抵抗を生じさせる「抵抗体」の種類によって、金属皮膜抵抗器、酸化金属皮膜抵抗器、炭素皮膜抵抗器、巻線抵抗器などに分けられます。



 抵抗は「電荷」が通る通路にばら撒いて置かれた小さな障害物のようなものです。障害物の間を電荷は通り抜けていきますが、一定時間にその通路を通り抜ける電荷の数は、障害物の数に比例して、少なくなります。置かれた障害物の数が「抵抗値」と考えていいことになります。

 一本道に1か所、障害物の置かれている場所があるとして、その障害物の密度を2倍にすれば(例えば、2Ωから4Ωに)、一定時間における電荷の通行量すなわち「電流」は2分の1になります。また、同じ密度で障害物が置かれている通路が一本道に2か所あるとすれば、1か所しかない場合と比べて、これも電荷の通行量すなわち「電流」は2分の1になります。これが「抵抗」の持つ「電流の制限」という働きです。

 抵抗では「電位差」が生じますが、同じ抵抗値の抵抗器を2つ「直列」(一本道にする)につなぐと、電位差は電源電圧の2分の1になることが図から観察されます。



 今度は同じ抵抗値の抵抗器を2つ、途中で分れ道を作って、つなげてみましょう。これを「並列」につなぐといいます。電荷は2手に分かれて進むことができ、抵抗器1つを一定時間通過する電荷の数は同じですから、合流したときには電荷の数は2倍に増えることになります。つまり、「電流」は2倍になるのです。このとき、1つに抵抗に生じる電位差は、図から観察されるように、電源電圧と変わりません。



 我が子「健人」よ。いままで述べたことで、上の3つの回路に流れる電流の大きさは、電源の電圧が等しければ、等しいことがわかったと思う。つまり、真ん中の回路の電流の大きさを求めたければ、2つの抵抗の値を加えて、3+3=6(Ω)として、左の図として考えればいいことがわかる。右の回路でも同様で、2+4=6(Ω)として、一番左の図として考えることになる。

(参考) 「「息子へ」 ‐ 電気について学ぶ。「オームの法則」について



 抵抗を2つ直列つなぎした問題を作りました。前回の問題と同じようにコメントの形で解答してね。



 前回の問題(1)~(6)の解法です。



                (この項 健人のパパ)

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 私たちは、電池や「電線路」から電気のエネルギーを取り出し、いろいろなエネルギーに変換して、活用しています。発電所で発電された電気は、電線路を通って電気の使用場所まで送り届けられています。電線路のうち、変電所から電気を使用する家庭や企業までを「配電線」といい、それ以外の(例えば、発電所から変電所までの)電線路は「送電線」と言います。

 発電所から送電線と配電線を流れて、私たちの家庭にやってきた「電気」は、「コンセント(アウトレット)」に電気器具の「プラグ」を差し込んで取り出します。取り出した電気は、例えば、モーター(電動機)で運動エネルギーに変換します。洗濯機がそうですね。洗濯槽の底の「パルセータ」という回転翼をモーターで回転させ、水流を作り出して、衣類同士や洗濯槽との摩擦を利用して、衣類の汚れを洗剤の力も借りて落とします。

 家庭の「照明」は電気エネルギーを「光エネルギー」に、「電子レンジ」は電気エネルギーを「電磁エネルギー」に、「音楽プレーヤー」につながる「イヤフォン」や「スピーカー」は電気エネルギーを運動エネルギーに変換するものです。

 私たちは学校で「電気」のことを学びます。電気は「電荷(でんか)」というものを持った粒子(荷電粒子(かでんりゅうし)、「電子」など)が導線上などを移動する現象です。この荷電粒子がある面を単位時間(1秒)に通過する量のことを「電流」といいます。電流の大きさは、「アンペア」で表され、単位記号は“A”です。



 1Aでは、1秒間に約6.24×1018個(624京個)の荷電粒子が導線の断面を通過していきます(正しくは、電子そのものが移動するというより、バトンリレーのバトンが移動する)。「京(けい)」とは、「兆(ちょう)」の一万倍です。2012年の運用開始時に演算速度が毎秒1京回に達する予定の「次世代スーパーコンピュータ」の名前が「京」ですよね。理化学研究所次世代スーパーコンピュータ開発実施本部が開発主体となって、総事業費約1120億円が投じられることになっているそうです。

 IBMが開発中で、アメリカ合衆国の「ローレンス・リバモア国立研究所」に設置されている「アイビーエム・セコイア(IBM Sequoia)」も、2012年に稼動予定で、演算速度が毎秒2京回(性能目標)です。

 話を元に戻します。荷電粒子は位置エネルギーを持って移動しています。荷電粒子が通過するところにその持っている位置エネルギーを奪うものがあることがあります。そこを通過すると荷電粒子はその位置エネルギーを減少させられてしまいます。荷電粒子の位置エネルギーを減少させるものを「(電気)抵抗」といいます。荷電粒子から奪ったエネルギーを熱エネルギーに変換するものが例えば「電熱線」であり、光エネルギーに変換するものが例えば「電球」です。



 電流を水の流れにたとえてみます。電源の位置から水が流れ出します。赤い線が水流です。高低差がつけてあります。抵抗に差し掛かって坂を流れ下ります。ここで位置エネルギーを幾分か失います。流れは水平に戻り、また次の抵抗という坂で流れ下ります。ここでも位置エネルギーを失います。流れが電源に戻ってきたところで、「揚水ポンプ」の働きを持った電源に元の高い位置に上げてもらい、また位置エネルギーを獲得します。

 この荷電粒子が持っている位置エネルギーの差を「電位差」といい、「電圧」ともいいます。電圧の大きさは「ボルト」で表され、単位記号は“V”です。世界で初めての化学電池(ボルタの電池)を考案したイタリアの物理学者「ヴォルタ(Volta)」にちなんで、電圧の単位は「ボルト」です。電流の単位「アンペア」は、フランスの物理学者「アンペール(Ampère)」にちなんでいます。



 上の図のような回路を用意します。抵抗を変えずに、電源の電圧を変えて、電流の大きさの変化を記録します。電流の大きさは「電流計」で計ります。その結果、例えば、上の表のようになったとします。



 横軸に電圧の大きさ(V)、縦軸に電流の大きさ(A)をとったグラフにおのおのの点、(V,A)=(1.0, 0.05),(2.0, 0.10),,,を打っていきます。



 各点を結ぶと原点を通る直線となります。ここで、電圧を E または V とし、電流を I とします。“E”としたのは、英語で「電圧」は“electric tension”(エレクトリック・テンション。「電位差」なら“electric potential difference”)と言うことからその頭文字をとっているからです。単位記号を使えば、“V”です。電流を“I”とするのは、「電流の大きさ(電流の強さ)」を“intensity of electric current”と言うことからです。

 電圧の大きさは電流の大きさに比例しています。比例定数を“k”とおけば、E =k I、または、V =k Iと表すことができます(電流の大きさは電圧の大きさに比例するとも言えることから、I=k E(I=k V)と表すこともできますが、そうはここではしません。→「コンダクタンス」)。この比例定数“k”を「(電気)抵抗」と言い、英語では“(electrical) resistance”になることから、“R”という記号を用います。単位記号は“Ω”(「オーム」と読む。ギリシャ文字のオメガの大文字)です。



 この電圧(EまたはV)、電流(I)、抵抗(R)の関係を表すE=RI(V=IR)は、ドイツの物理学者「オーム(Ohm)」が発見したことから「オームの法則」と呼ばれます。これを単位記号で書き表すと、V=AΩ(ボルト・イコール・アンペア・オーム)となります(式を立てるときは、単位記号を使ってはいけないのですが、実際に値を代入するときには、この式の方が便利)。



 このオームの法則を使って、上の問題を解いてみましょう。電圧の大きさと電流の大きさから抵抗の大きさを求める問題です。表の中の対応する値、(V,A)=(2.0, 0.10) をV=AΩの代入すると、抵抗の値が20Ωと求められます。上下に値が入りますから、分子を分母で割ることになります。電流の大きさと抵抗の大きさが入るときは、左右に値が入りますから、掛けます。「積」が電圧の大きさになります。



 我が子「健人」よ。君は理工系に進みたいと考えているようだね。きょうから夏休みに入るね。君とは生活時間が異なることになるので、君にブログで「電気」という分野の問題を出すことにした。君は私のブログを楽しみにして読んでくれているようだから、君がこの記事に気がついたら、コメントの形で答えを入れてね。

                (健人のパパ)

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