POWERFUL MOMが行く!
多忙な中でも,美味しい物を食べ歩き,料理を工夫し,旅行を楽しむ私の日常を綴ります。
 





 「担」(旧字は「擔」、dan 4声)には、「天秤棒で担ぐように作られた商売道具、商品、荷物」という意味があります。170年ほど前、担々麺を創始した四川の男は、食材と調理道具などを両天秤にして、天秤棒を担ぎ、路上を移動しながら、注文があればその場で調理をして売り歩いたといいます。江戸の街を歩き売りしていた「棒手振」(ぼてふり)と形態は同じものです。四川の人々はこれを「擔擔麵(繁体字、dandanmian 4-軽-4声、担担面)」と呼びました。

 台湾にも中国大陸と同じように「担担面(担々麺、タンタンミェン)」はあります。ただし、その名は担々麺ではなく、「擔仔麵(担仔麺、タンツーメン、タンツゥミェン、danzimian 4-軽-4声)」といいます。台湾では、天秤棒を指すのに、「擔仔」という言葉を用いるのです(中国大陸の四川では、「担担儿(タンタル、tantar 4-1声))」。

 担仔麺は海に面した台南が発祥で、漁民は台風がよく来る時期には漁には行けないので、副業として、天秤棒を担いで担仔麺を売り歩いたといいます。台南の担仔麺は、四川の担担面とは異なり、辛くはありません。具に豚のそぼろ肉を用いて、小振りの器に入れて出されるのは同じなのにです。味に対する好みが反映されているのでしょうか。

 台南の観光スポットに「赤崁樓」(赤嵌楼、chikanlou 4-3-2声)」があります。17世紀中ごろ(日本では、江戸時代)、台湾南部はオランダ人によって統治されていました。中国大陸から移り住んだ漢人は農業を営んでいましたが、重税に不満を抱き、蜂起することになります(「郭懐一事件」)。当時の移住漢人の4分の1ほども加わったというこの農民蜂起は、農民側の武器が鎌などに過ぎなかったことで、やがて鎮圧されますが、事件の再発を恐れたオランダ人は水源を持ち、食料を備蓄した城砦を築きます。それが「赤嵌楼(チーカンロウ)」です。

 中西区にある「赤崁楼」は、民族路二段にという大きな通りに面していますが、その近く、すこし東に行ったところの「台南市民族路二段180号」に「赤崁擔仔麵(Chi-kan Peddler's Noodle)」という担仔麺などの「小吃(シャオチー、小皿料理)」を提供するお店があります(營業時間:中午11點~晩上12點)。

 このお店のオーナー「曾鳳玉(Ceng Fengyu、2-4-4声)」は、台湾のテレビにもよく取り上げられた「立志伝の人(苦労と努力を重ねて志を遂げ、成功した人)」です。



 賭場を開いている家に生まれた彼女は、家を嫌い、放浪の少女時代を送ります。やがて、実家が台南担仔麺の店をやっている男性と結婚し、店を手伝い始めます。しかし、夫と姑は「六合彩」や「大家楽」と呼ばれる数字当ての違法博打に熱中し、多額の借金を作ります(而當時風行全台的六合彩、大家樂,卻粉碎了一個女人對美滿家庭的信念。)。

 彼女は子供が小さいために家を出ることもできずに夫の博打の借金を肩代わりすることになり、道端で担仔麺の屋台を始めます。売上はすぐに借金取りに取られてしまう毎日だったようです。子供が大きくなると、離婚して子供を連れて家を出ます。しかし、手元にはお金は一銭もありませんでした。自分の店を持つためには、お金が必要でしたが、信用を失墜した前夫との関係で彼女を信用してお金を貸す者はいませんでした。

 彼女は、大きな賭けに出ます。リスクを承知でヤミ金融からお金を借り、担仔麺などを出すお店を開店させます。台湾の人たちの抱いていた「担仔麺は屋台の食べ物」というイメージを払拭するために、店舗をしゃれた空間にします。レトロな空間に小学校の古い木の机と椅子を並べます(而今,老厝漆上了朱紅大牆,陳舊洗石子牆面爬滿蔓生植物,石柱下大石臼長滿圓潤的銅錢草,悠悠懷念老歌在骨董收音機旁播放,老吊燈暈黄燈光隨著陳韻流瀉至騎樓,直至毎一位過路人心頭。)。

 店舗は「赤嵌楼」に向かう観光客が行き交う通りに面していたこと、欧米人にも受け入れられる雰囲気を持ったデザインであったこと、小学5年生までしか学校に通ったことのない彼女であったが、外国人観光客に対応するために英語や日本語を学び始めたこと、もちろん上手に作った肉そぼろののった担仔麺がとてもおいしかったことなどで、商売に成功します。



 「聯合報」(2011年9月2日)の記事には次のようにあります。「阿里山公路嘉義縣中埔郷路段旁,最近新開一家大餐廳「赤崁擔仔麵」,毎天中午都有許多遊覽車停靠,大多數是陸客團,不只是當地觀光業者,不少民衆也納悶,台南小吃的擔仔麵怎會到嘉義開店,「赤崁擔仔麵」正是台南兩家本店以外,第一家外縣市分店。

 赤崁擔仔麵は、現在、3店あって、「總店」(台南市民族路二段180號 赤嵌樓旁)、「永華店」(台南市安平區永華路二段240號 台南市政府旁)、「嘉義店」(嘉義縣中埔郷金蘭村24-58號)です。話しが長くなりましたので、続きはまた。

              (この項 健人のパパ)

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )








 いざ合戦、いえ違います。敵味方の判別のつきにくい夜に合戦が行なわれることは、夜襲以外にはありえません。夜襲では旗印は立てないもの。実は、これは、台湾の台南市の海安路と和緯路の交差点付近の空き地に木曜日、土曜日、日曜日の夜になると屋台がひしめく「花園夜市」です。



 「夜市(よいち、イェーシー、yeshi、1-1声)」は、夕方から真夜中にかけて営業する屋台や露店が集まったもので、日用品や飲食のサービスを提供しています。道の両側であったり、空き地の中であったりします。日本で言うならば、大きな行事のある日に出店するたこ焼き、焼きそば、綿菓子、磯辺焼、おもちゃなどの屋台が夜、日常的に出ているようなものです。熱帯や亜熱帯地域では、昼間の暑さを避け、比較的快適な夜に外出する人が多いため、夜市がよく見られます。

 台湾のテレビ局が2008年に夜市の人気投票を行なったところ、1位に輝いたのが「台南花園夜市」だったそうです。2位が「台中逢甲夜市」、3位が「台北士林夜市」で、以下「台北師大夜市」、「基隆廟口夜市」、「高雄六合夜市」、「宜蘭羅東夜市」、「豊原廟東夜市」、「台北通化夜市」、「台北萬華夜市」と続きます。

 夜市の好きな私たちは、この中のいくつかには出かけていってます。6位の「高雄六合夜市」は『「台湾へ再び」-「高雄」は「六合夜市」かな? 』で記事を書き、7位の「宜蘭羅東夜市」は『「台湾へ再び」-「羅東」で、「羅東夜市」を覗いてみた。』、3位の「台北士林夜市」は『「台湾へ再び」-「士林夜市」を覗いてみたい。』と『「台湾へ再び」-「士林夜市」を覗いてみたい。2』、9位の「台北通化夜市」は『 「台湾へ再び」-夫に、「臭豆腐」を食べさせてみようかな。』で記事を書いています。

 台南の夜市は、「花園夜市」、「武聖夜市」、「大東夜市」、「小北成功夜市」などとありますが、台南の夜市で気をつけなければならないことは、夜になればいつでも開かれている、というわけではないことです。屋台がショバ代を払って巡って歩いているのです。例えば、月曜日は大東夜市、火曜日は小北成功夜市、水曜日は武聖夜市、木曜日は花園夜市、、、といったようにです。花園夜市は、木曜日、土 曜日、日曜日にしか開かれず、これ以外の曜日に行っても、空き地が広がるだけということになります。

 開催日が重複することもあり、火曜日と金曜日は大東夜市と小北成功夜市がともに開かれ、土曜日は花園夜市と武聖夜市がともに開かれます。私たちはホテルのレセプションで「きょうはどこの夜市が開かれるの?」と毎日確認です。屋台のオーナーも人気の落ちた夜市には店を出さなくなりますから、消滅する夜市も出てきます。レセプションでこんな会話がありました。

私「開元夜市はここから歩いて行ける?」
係「?」
妻「通じていないみたい。漢字で書いて見せたら。」
漢字で書いて見せるが、
係「?」
やり取りを聞いていた台湾人の宿泊客も参加して
客「?」
係「花園夜市ならやっていますよ。」
妻「花園夜市は明日行きたいの。きょうは開元夜市がいい。」
係「こんな夜市は知らない。」
客「私も知らない。」

 2009年1月20日に書かれた台湾人のblog(部落格)に「台南開元夜市【三、六】開元路崑山中學校對面」(「三」とは「星期三」の略で、水曜日のこと)という記述のあることから、「存在するが、地元の人には夜市だとは認識されていない」、「存在したが、いまは消滅してしまった」といった可能性があります。



 台南の夜市はいずれも容易にアクセスできるところにはなく、タクシーを使うことになります。宿泊ホテルは、台南駅の東にあり、花園夜市は駅の西の方にあるので、ホテルの前ではタクシーを拾わず、地下通路を通って西口(前站)へ移動し、駅前でタクシーを拾いました。いつもタクシーが行列をなして、客待ちをしています。

私「我想去花園夜市。」
運転手「(頷く)」
私「多少銭?」
運転手「一百一。」

 花園夜市からの帰りも夜市の入り口で客待ちをするタクシーを拾って台南駅まで帰った来ましたが、メーターで110元(1台湾元=2.7円換算で、270円)。往復で、台南駅からは、600円ほどで行けるようです。



 台湾旅行で夜市に通い始めた頃は、見るものすべて珍しく、いろいろと口にしたのですが、いまではほとんどのものの味を知ってしまったので、何を食べるかに日常の好みが入ってしまいます。油を多く使ったものには手が出ません。例えば、日本の焼きそばや炒飯に似たようなものは選ばなくなってしまいました。また、見るからに甘そうなものにも関心が向かず、そうすると、意外と選べるものが少ないのです。

 健人の撮影した映像

 少ない選択肢の中から選んだものもいざ食べてみると、MSG(化学調味料)の味が強く、がっかりすることが多々。夜市の食べ物はいろいろと種類が食べられるように一椀や一皿が少なめです。夕食にと考えると夜市の食べ物は市中の食べ物と比べてそれほど安くはありません。



 花園夜市で手を出したのは、日本では普通には食べられない鴨肉の入った麺「鴨肉焿」。「焿(敢えて読むなら「コウ」でしょうか。geng、1声)」とは、とろみをつけたスープのこと。普段、外食をすることが少なく、また、MSGの使われている食品を極力避ける食生活をしている私たちはMSGの味に敏感です。これは外れでした。妻も息子「健人」も一口食べて、「もういらない」と言い、「物を食べ残すことのできない世代」である私が食べきることになりました。MSGを多く使った食べ物を食べてもお腹を壊すことはないですからね。



「あら、舌を壊すわよ。」(妻)

 妻「あみ」は、一口食べてMSGの味がわかる敏感な舌をしています。私は食べ終わった後の「後味」の悪さでMSGを感じる鈍感な舌をしています。鈍感でも感じるところが厄介なところ。我が子「健人」は妻の舌に近づいていっています。



 口直しをしないと耐えられないと言って2人は、「愛玉(アイユィ)」を買うことに意見が一致したようです。「愛玉冰(アイユィピン)」は、クワ科イチジク属のつる性植物「愛玉子(中国語:アイユィツ、台湾語:オーギョーチ)」の果実から作られる硬いゼリーのデザートです。しかし、愛玉を作るのには大変な手間がかかるのだそうで、実のところ、今ではほとんどが寒天で代用されているようです。愛玉自体には味がなく、砂糖で味付けしレモン汁をかけたり、甘い緑豆スープに加えたりして、食べることになります。

私「あそこにあるよ。」
妻「ダメよ、あそこは。人が並んでないでしょう。むこうに行列を作っている店があったの。そこまで行くわよ。」
私「一回りしたときにそこまでチェック済みでしたか。」
妻「当たり前よ。」
私「・・・」

                 (この項 健人のパパ)

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )






 「台南駅(台南火車站)」の前に南北に走る「北門路」があります。その道路を北に進む(台南駅西口(前站)を背にして右方向)と数分で左手に「台南公園(2001年に「中山公園」から改称)」が見えてきます。

 台南公園(公園路と公園南路の交差点から)

 台南公園は広大な公園であり、およそ15ヘクタールという広さは16ヘクタールの広さを持つ「日比谷公園」に匹敵します。北門路と「公園南路」の交差点で左折し、公園南路を数分西に進むと、南北に走る「公園路」との交差点にやってきます。

 台南公園(北門路から)

 台南公園の公園路を挟んだ向かいには、兵工廠の跡地が未開発のままに広がっています。そこに台南を目指した長距離バスが次々とやって来て、乗客を降ろしていきます。その乗客を目当てに、タクシーが客待ちをしています。台南のタクシーは安い。100元も出せば(1台湾元=2.7円換算で、270円)、台南駅周辺のホテルには連れて行ってくれます。しかし、歩くことで街を知り、旅を楽しもうという主義の私たちは、宿泊ホテルまで徒歩です。着替えやパソコンの詰まった重いバッグをガラガラと引きずり、日も暮れた公園路を南下していきます。トホホ、、、

 日中の長距離バスの降車場

 台中駅前を15時35分に出た「長距離バス(國道客運)」の、車体が緑色の「Ubus(統聯客運)」は、高速道路「国道1号(國道一號)」を南下し、途中「新営(新營)」と「麻豆」のインターチェンジで一度降り、客を乗降させて、台南へとやって来ました。台南公園の向かい、兵工廠の跡地にバスが到着したのは、18時55分。3時間20分かかったことになります。台中-台南間の平均所要時間は、2時間30分ほどとUbusのサイトにはあったのですが(本路線全程行車時間平均為2小時30分)、この時間帯は道路が混むのでしょうか、1時間ほども余分にかかってしまいました。
 
 「台湾高鉄」を使えば、「桃園駅」から「台南駅」までは、1時間20分ほどで、1,200元(約3,200円)ほど。Ubusでは、420元(約1,100円、桃園空港-台中間240元、台中-台南間180元)になります。所要時間は、5~6時間。「旅」には多少の困難がつきものと考え、観光スポットなどの「点」を楽しむというより、移動も含めて、「面」で楽しもうという私たちは、異端なのでしょうか。

 公園路に面したバス停「台湾公園」

 長距離バスの降車場「兵工廠」には、台南の観光スポットを巡る観光客向け路線バス「台湾好行巴士」の始発停留所「台南公園」があります(路線バスは、9番と18番)。バスの運行時間内に到着したのなら、このバスを利用することもできます。料金は18元(約50円)の一律です。

 台南駅の「南站」にやって来た台湾好行巴士

 台湾好行巴士は、2路線あって、「安平線」は、臺南公園⇔興濟宮/大觀音亭⇔火車站⇔縣知事官邸⇔東門圓環⇔延平郡王祠⇔法華寺⇔誠品書局⇔文化中心⇔巴克禮公園⇔台糖長榮酒店⇔竹溪寺⇔體育公園(五妃廟)⇔大南門城⇔孔廟⇔山林事務所⇔鄭氏家廟⇔天壇⇔赤崁樓⇔水仙宮⇔神農街⇔中正商圈⇔大億麗緻酒店/新光三越⇔ 水萍塭公園⇔市政中心⇔億載金城⇔林默娘公園⇔安平港濱歷史公園⇔原住民文化會館⇔運河博物館⇔延平街⇔安平蚵灰窯文化館⇔安平古堡⇔記洋行/安平樹屋⇔古運河⇔觀光魚市場⇔觀夕平台と巡ります。

 運行時間は、平日(月曜日~金曜日)は、「台南公園」発の時間で、9:00、10:00、11:00、12:00、13:00、14:00、15:00、16:00、17:00、18:00と9時から18時まで、1時間ごとに10本出ています。帰りは、「安平観夕平台」発で、上記の時間に1時間15分を加えた、10:15、11:15、12:15、13:15、14:15、15:15、16:15、17:15、18:15、19:15です。休日は、8時30分から19時まで30分ごとの22本となり、帰りは1時間30分を加えた時間になります。



 このバスの切符は台湾鉄道の台南駅のロータリーを挟んだ向かいにある「高雄客運南站服務台」で購入するか、バスの車内でバスの運転手から購入しなさいと案内しています。(臺南火車站前公車候車亭之高雄客運南站服務台購買,或於公車上向司機購買。

 もう1線は、「台江線」で、臺南公園⇔興濟宮/大觀音亭⇔火車站⇔香格里拉飯店⇔勝利路(小西門)⇔成功大學⇔臺南公園⇔火車站⇔新光三越⇔吳園⇔大遠百⇔赤崁樓⇔水仙宮⇔接官亭⇔望月橋⇔安平蚵灰窯文化館⇔安平古堡⇔記洋行/安平樹屋⇔古運河⇔四草大橋東⇔四草大橋西⇔四草生態文化園區⇔鹽田生態文化村⇔鹿耳門天后宮⇔鹿耳門聖母廟⇔龍山村⇔臺灣鹽博物館⇔七股鹽山と巡ります。



 行き当たりばったりで(臨機応変に?)行動する私たちは、台南に夜遅く着くことも想定して、長距離バスの着く「兵工廠」から遠くない、公園路に面した「首相大飯店」を台南での初日の宿泊ホテルにしておきました。それでも、疲れたな、バス旅は。

                      (この項 健人のパパ) 

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )






 いま、「台南」に来ています。台南は11月でも暑い。長袖のシャツを着て、街中を歩き回ると1日で汗臭くなってしまいます。人に不快感を与えるので、毎日着替えなくてはなりません。しかし、旅先ではこれが難しい。持ち運ぶ衣類は少ない方がいいと考え、下着類は4日分持ってきたのですが、シャツは2枚。これは、危ない綱渡り、現地でもう1枚買わなくてはならなくなるのでしょうか。

 宿泊しているのは、「シャングリ・ラ ファーイースタンプラザホテル 台南(Shangri-La's Far Eastern Plaza Hotel, Tainan、台湾台南市东区大学路西段89号)」。「台南駅(台南火車站)」の東口(後站、西口とは地下通路で連絡している)を出たところのすぐにあります。このホテルからすぐ近くの「育楽街」に「DIY自助洗衣店」というコイン・ランドリーがあるようなので、近々、調べに行くことにしています。あれば、いいな。

 あ、つまらない話しでしたね。さて、きょうは桃園空港から台南に長距離バスでやって来た話しをします。以前、「「台南へ」 - 台湾桃園国際空港から台南へバスで行く方法はあるの?」という記事で書いたように、「桃園国際空港臺灣桃園國際機場)」から直接台南にバスで行く方法はありません。一度台中でバスを乗り換えなくてはなりません。

 長距離バスの「桃園機場站」

 バス乗り場の「第一航站(1623)」

 南北に長い台湾を北から「基隆」→「台北」→「新竹」→「台中」→「台南」→「高雄」などの主要都市を連絡して高速道路が走っています。この総延長370kmほどの高速道路は「国道1号(國道一號、中山高速公路、南北高速公路)」と呼ばれます。この高速道路を長距離バスはひたすら南下して行きます。台北からは直接台南に入ることはできるのですが、需要の問題なのでしょうか、桃園国際空港からはバスの乗り換えになります。

 乗り継ぎのバス停である「統聯客運朝馬站」

 国道1号と12号の交差するところに台中のインターチェンジがあり、そこに乗り換えのバス停があります。「朝馬ターミナル(朝馬轉運站)」です。朝馬ターミナルと「台中駅(台南火車站)」は6kmほど離れており、台中駅に向かうこの道路は非常に混みます。私たちは台中で昼食と考えていたので、この混雑した道路に入ってしまいました。桃園国際空港のバス停を11時10分に出たのですが、台中駅に着いたのが13時40分。所要時間2時間30分ほどですが、朝馬ターミナルで下車すれば、20分ほどのロスはありませんでした。

 長距離バスの終点降車停留所の「台中車站」

 台中駅周辺では、昼食をとり、健人の希望する「電子街」に行くことになりました。電子街は予定していなかったのですが、14時40分発台南行きの「統聯客運(Ubus)」のバスは、2席しか座席が空いていないということで、我々3人は次の15時35分のバスにしか座席が取れませんでした。台中発台南行きの長距離バスの利用客は多いのですね。そこで1時間空いた時間を利用して、台中駅から徒歩数分の電子街の見物になったのです。



 その前に、昼食の話しをしますが、台中駅の近くには「建國市場」があります。非常に広大で、見てまわる時間もないので、中には踏み込まず、入口の「阿鄉雞腿排骨便當店(台中市建國路226號)」で、いろいろと注文をして見ました。タラのフライはさっぱりしていておいしかった。「排骨」は地元の人たちに人気なようなのですが、私たちにはMSG(化学調味料)の味が気になります。衣の味が特徴的でMSGが入っていなければ、おいしいと言えたのですが、、、





 ここまで書いてきて、隣で覗き込んでいた我が子「健人」が言いました。

「お父さん、電子街の記事は書かないで。僕が書くから。」
「そう、では書かないから、必ずブログに書いてね。」
「うん。」



 台中駅前では、「建国路」と「中正路」が交差していますが、その交差点の角に「Ubus(統聯客運)」の「台南」行きのバス乗り場があります。バスは時刻表通りに出発しました。

 まとまりのない文章になりましたので、長距離バスでの台南到着は次回の記事で書くことにします。

                  (この項 健人のパパ)

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )






 来月に台湾旅行を計画している妻が尋ねてきました。

妻「空港からバスで台南に行く方法を調べてくれる?」
私「新幹線で行かないの?」
「高鐵は高いし、高鐵の台南駅は市内から離れているのよ。」
「そうなんだ。」

 統聯客運(Ubus、統聯汽車客運股份有限公司、United Bus Company Ltd.)は、台湾で最大の旅客バス会社の一つで、長距離バス(「国道客運」)と台中市内の路線バス(「台中市公車」)を運行しています。しかし、桃園空港(「桃園機場」)から台南に直通バスを運行していません。桃園空港から台中までの路線と台中から台南までの路線を別に運行しています。

 そこで、一度、台中で乗り換える必要があります。バスが高速道路(国道1号線)から降りたら、乗り換える準備を始め、「朝馬」という乗換駅(「轉運站」)で一旦降ります。空港出発時刻は、統聯客運のサイトの「機場站時刻表」で確認できます。



 統聯客運(Ubus)の桃園機場での台中車站(「台中朝馬轉運站」で乗り換えになる)行きの時刻表は、以下になります。台中車站までの平均的な所要時間は2時間30分ほどです。途中下車するのでやや短くなります。
(始発バス)06:10、
(7時から11時までは1時間間隔)07:00、08:00、09:00、10:00、11:00、
(11時から12時20分までは40分間隔)11:00、11:40、12:20、
(12時20分から12時50分まで30分間隔)12:20、12:50、
(12時50分から14時50分まで20分間隔)12:50、13:10、13:30、13:50、14:10、14:30、14:50、
(14時50分から12時50分まで30分間隔) 14:50、15:20、15:50、16:20、16:50、17:20、17:50、18:20、18:50、19:20、19:50、20:20
(20時20分から21時40分まで40分間隔)20:20、21:00、21:40、
(21時40分から23時40分まで30分間隔)21:40、22:10、22:40、23:10、23:40、
(最終バス)00:00

 台中車站(「台中朝馬轉運站」までは20分ほどかかる)から台南の終点「兵工廠站」(台南公園の西側の降車場)まで行く時刻表は、以下になります。台中駅出発時刻は、統聯客運のサイトの「台中車站時刻表」で確認できます。兵工廠站までの平均的な所要時間も2時間30分ほどです。

(0時5分から5時5分までは1時間間隔)00:05、01:05、02:05、03:05、04:05、05:05、
(5時5分から23時35分まで30分間隔)05:05、05:35、06:05、06:35、07:05、07:35、08:05、08:35、09:05、09:35、10:05、10:35、11:05、11:35、12:05、12:35、13:05、13:35、14:05、14:35、15:05、15:35、16:05、16:35、17:05、17:35、18:05、18:35、19:05、19:35、20:05、20:15(前車の10分後に出発)、20:35、21:05、21:35、22:05、22:35、23:05、23:35

妻「空港からバス、何本も出ているのね。」
私「そうだね。12時から3時頃までがピークだね。」
「台南まで5時間くらいで行くのね。」
「そうだね。」
「朝早く空港を出て、台中で少し遊んでから台南に行くのはどう?」
「いつ空港に着くの?」
「深夜に着くから、空港近くのホテルで一泊なの。」
「早起きはきついな。」
「あら、10時に出ても12時頃には台中よ。そこでお昼を食べて、、、」
「台中に名物料理はあるの?」
「知らない。調べてよ。」
「・・・」

 一年を通して夜に寒さを感じるほどには気温が低くならない台湾、香港、東南アジアの中華圏には「夜市(yeshi、4-4声、イエシー)があります。人口は265万人を超え、大阪市ほどの人口を擁する台湾第3の都市「台中市」(中華民国の直轄市)にも、「逢甲夜市(Fengjia Yeshi、2-3-4-4声、フォンジャー・イエシー)という規模が大きく有名な夜市があります。

 夜市には「大腸包小腸(dachang bao xiaochang、4-2-1-3-2、ターチャンパオシャオチャン)」を売る店があります。「大腸で小腸を包んだ食べ物」と聞くとゲテモノのように聞こえますが、大腸はもち米の腸詰め、小腸はソーセージ(中国語で「香腸」(xiangchang、1-2声、シャンチャン))を意味しており、ホットドッグの具材のロールパンがもち米に替わったものと考えれば、イメージができそうです。

 この大腸包小腸は、いまでは台湾のどの夜市でも目にすることができるようなのですが、その発祥は台中なのだそうです。(大腸包小腸 已経是遍布全台湾的各大小夜市。但是発源地是在台中。)しかし、この「もち米ホットドッグ」、けっこうボリュームがあるそうで、これを食べてしまうと他の物にはもう手が出なくなるようです。どうしようかな。

 いまから4分の1世紀ほど遡る1985年頃に、逢甲夜市で店を開いた「施圣英(Shi Shengying)」は、緑茶、紅茶といった飲み物を扱っていましたが、当然ありきたりで競争力がありませんでした。そこで、愛玉、山粉圓、キンカン、レモンの4種類を混ぜ合わせて、口に爽やかな「四合一」を創り出したところ、お客に大いに受け入れられたといいます。いまでは、逢甲夜市に4店舗を持つまでになっているようです。

 「愛玉(aiyu、4-4声、アイユイ)」は、愛玉子(台湾語:オーギョーチ)という植物の果実から作られるゼリー状の食べ物です。普通にはレモンシロップなど甘みのあるシロップをかけて食べます。葉を食用にするバジル(バジリコ)の種「山粉圓(shanfenyuan、1-3-2声、シャンフェンユェン)」は、コンニャクマンナン(グルコマンアン)を多く含み、水分を含むとゼリー状になります。

妻「ねえ、話しが脱線してきていない?」
私「調べろっていうから。」
「長距離バスの話題でしょ。その話し、書くんだったら、別の記事にしたら。」
「・・・」
「大体ね、夜市は早くても午後3時頃から始まるのね。お昼は無理よ。」
「・・・」

 国光客運も桃園空港-台中、台中-台南間で長距離バスを運行しています。「桃園國際機場」発、「朝馬站」経由、「台中」行きの便数は、統聯客運と比べるとかなり少なく、06:30、12:30、14:25、15:25、16:05、17:40、18:35(金曜日・日曜日は19:00)、19:50、20:35、22:00、22:40の11便です。料金は240元(日本円で600円ほど(2011年10月8日現在))です。

 「台中」発、「朝馬站」経由、「台南」行きのバスの出発時刻は、月曜日から木曜日と金曜日から日曜日では異なります。月曜日から木曜日の時刻表をみてみると、06:10、07:10、08:10、09:10、09:45(月・金・土・日の増発便)、10:10、10:45(月・金・土・日の増発便)、11:10、11:45(月・金・土・日の増発便)、12:10、13:10、14:10、15:10、16:10、17:10、17:45、18:10、19:10、20:10、21:10、21:45と増発便を除いても18便はあります。

 金曜日から日曜日にかけては便数が多くなり、06:10、06:45、07:45、08:45、12:45、13:45、14:30(金・日の増発便)、14:45、15:30(金・日の増発便)、15:45、16:45、18:45、19:45、20:30(金・日の増発便)、20:45と倍近い便数となります。料金は170元(日本円で430円ほど)で、桃園空港から台南には、1,030円ほどで移動できることになります。

 急ぎの旅でなければ、台中で遊んでから台南に入ることはできそうです。実際の行程は以下の記事にあります。

(参考) 「「台南へ」 - 時間はかかるけれども、安価に移動できるのはバスですね。

(参考) 「「台南へ」 - 自由気ままにバス旅で、台南へ。でも、少し疲れたかな。

               (この項 健人のパパ)

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )






 礁溪の「山泉大飯店(Sun Spring Resort)」の副総理で支配人のジェシーさんに「國立傳統藝術中心はとても面白いですよ」と勧められ、前回の台湾旅行(2008年10月)では行こうとしてみたのですが、時間切れで行くことができませんでした。今回の台湾旅行ではジェシーさんのオフのときにその案内でようやく見学することができました。Thank you very much for your kindness, Jessie. We had a very good time in Jiaosi, Yilan and Luodon.

(参考) 「台湾へ再び」-「羅東」の「国立伝統芸術センター」へ



 台湾の東北部で、南北と西の3方を山に、東を海に囲まれた「蘭陽平野」を中心とした地域は宜蘭県という行政区画になります。台湾島を東西に分ける脊梁山脈である「中央山脈」に水源を持つ「蘭陽渓」の沖積作用により形成された蘭陽平野は肥沃な土壌で農業が盛んです。しかし、冬の北東からの季節風の時期には、ぐずついた天気になることが多く、雨が多い。

 宜蘭市の降水量
01月 160mm
02月 180mm
03月 130mm
04月 130mm
05月 220mm
06月 190mm
07月 146mm
08月 240mm
09月 440mm (9月から11月にかけて雨が多い。東京都の雨の多い8月の降水量は390mm)
10月 440mm
11月 360mm
12月 190mm

 それでも、今回、「山泉大飯店」にいる間に雨に降られることはありませんでした。私の普段の心がけが良かったかな。それとも、お客さんに親切なジェシーさんの普段の心がけが良かったのかな。多分、後者でしょうね。

 宜蘭県は最近まで、海岸沿いまで山地が迫る地勢のために台北からのアクセスが悪く、開発が遅れていました。そのために、「礁溪温泉(しょうけいおんせん、チャオシーおんせん)」は日本人にはあまり知られていません。しかし、2006年に北宜高速道路の雪山トンネルが開通し、台北市内と宜蘭県の入り口の礁溪郷まで車で30分ほどで結ばれるようになりました。

 「礁溪」から「羅東」へ向かう列車の中でジェシーさんに尋ねてみました。

「あなたのホテルに泊まるお客さんで多いのはどこの国の人ですか。」
「台湾人ですね。」
「大陸の人たちは?」
「います。ツアーですね。」
「他には?」
「韓国人、日本人です。」
「韓国に留学経験があって韓国語には不自由しないから、お客さんが韓国人だと不便はないでしょう。日本語はどうですか。」
「すこしならね。」
「日本人は温泉が部屋に引いてあるから喜ぶでしょう。」
「そうですね。ツアーで花蓮に行く途中で立ち寄ってくれるんです。」
「日本人の個人客は少ない?」
「ええ、見所はあるのですが、、、」
「チャオシー自体も設備やホテルが充実してきていますよね。」
「新しいホテルやコンドミニアムが建築中です。」

 私たちは「山泉大飯店」を足場として台湾北部を観光して巡るという旅のスタイルを提案してみることにします。基隆市の「八堵」駅から宜蘭県蘇澳鎮の「蘇澳」駅に至る台湾鉄路管理局の鉄道路線を「宜蘭線(ぎらんせん、イーランせん)」といいます。「礁渓」駅 から南下すると、(4.7km)→「四城」→(3.7km)→「宜蘭」→(5.8km)→「二結」→(1.2km)→「中里」→(1.8km)→「羅東」と停まっていきます。

 「呉沙」という人物がいます。呉沙(1731年~1798年)は「清國」の福建省漳州に生まれます。40歳を過ぎた頃(1773年、乾隆38年)に台灣に移住します。呉沙は、「淡水」と「基隆」で、台湾に古くから居住する人たち(平埔族。台湾先住民のうち平野部にすむ民族を指す総称。噶瑪蘭族(クバラン族)、凱達格蘭族(ケタガラン族)など。MRT新北投駅から歩いて約10分のところに「凱達格蘭文化館」がある)と交易をします。

 1787年に、呉沙は一群の移民を率いて蘭陽平野の開墾を始めます。福建省の漳州移民を中心として、泉州族と客家族を加えて、武力で現地の開発を進めます。アメリカ大陸に移民したイギリス人などのヨーロッパ人がネイティブアメリカン(インディアン)と抗争を繰り広げたのと同じような状況があったわけです。しかし、呉沙はやがて古くから居住する人たちとの友好関係を築き上げ(その転機になったのは天然痘が古くから居住する人たちの間で流行したときに呉沙が薬を提供したことだと言われる)、共存関係を保ちながら開墾を続けます。呉沙は「宜蘭の開拓の父」と言われることになります。

 南アメリカ(ラテンアメリカ)に移民したスペイン人やポルトガル人は、北アメリカ(アングロアメリカ)に移民したイギリス人などと異なり、積極的に先住民との婚姻をすすめます。ヨーロッパ人とラテンアメリカの先住民(インディオ)との混血である人々はメスティーソと呼ばれます。少数派となっていく先住民は、そのアイデンティティを犠牲にして、多数派になっていくしかなかったのです。台湾では、高山族と異なり、平埔族はこの道を選択します。

 「呉沙」(その子「呉化」)によって拓かれた宜蘭県の観光地は、まず、「羅東(らとう、ルォードン)」を紹介してみましょう。羅東で訪れるといい場所は、「国立伝統芸術センター(「國立傳統藝術中心)」と「羅東夜市」だと思います。「国立伝統芸術センター」に行って、夜になったら「羅東夜市」に行くというのはどうでしょう。「羅東夜市」では、ショッピングで(私の感想では)面白いものに遭遇しなかったのですが、食べ物ではいろいろなものに出会いました。「羅東夜市」の話は次回にすることにしましょう。



 羅東駅は西口と東口があります。「羅東夜市」などのある羅東の中心部に行くには西口(前站)で、「国立伝統芸術センター」に行くには東口(後站)になります。駅前の乗り場からタクシーで行くなら200元ほどがかかります。少し歩けば、「国立伝統芸術センター」に行くバスも出ています。ただし、本数は少ない。今回はタクシーで行きました。



 2004年にオープンした「國立傳統藝術中心(国立伝統芸術センター)」は、総面積24haあり(東京ディズニーランド 51ha、東京ディズニーシー 49ha)、劇、音楽、舞踏、工芸、雑技などのテーマに沿って、21の建物と景観エリアが設置されています。人形劇や台湾オペラなど台湾の伝統芸能や台湾各地の工芸を楽しむことができます。統一グループがコンペで運営委託権を得て、運営しています。統一グループは、台湾などで、「セブン-イレブン(ライセンス契約、台湾全土に4,800店舗ほど)」、「スターバックス(合弁、220店舗ほど)」、「ミスタードーナツ(合弁)」、ドラッグストア(药妆店)の「健是美(300店舗ほど)」などの事業を展開しています。

 夫の話してくれたことを盛り込んで記事を書いていたら、長くなってしまいました。国立伝統芸術センターの話は次回に続いてしまいます。それではきょうはこの辺で、、、

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )






 「山泉大飯店」での2日めにジェシーさんが「宜蘭(イーラン、Yilan、ぎらん)」に美味しいお店があるので案内してあげると言ってくれました。宜蘭駅から徒歩10分ほどのところにの宜蘭初の総合ショッピングモール「蘭城新月広場(LUNA PLAZA)」があります。その6階から11階はホテル(「蘭城晶英酒店(SILKS PLACE YILAN、シルクスブレイスイーラン)」)で、5階までは大型スーパーとデパートが入店しています。大型スーパーとは、「カルフール(Carrefour、家樂福)」です。



 カルフール(Carrefour S.A.)は、世界各地にスーパーマーケットチェーンを展開している売上高で世界2位のフランス企業です。日本では、2000年に日本法人のカルフール・ジャパン株式会社を設立し出店します。しかし、業績が悪化し、2005年にカルフールブランドを残し(6店舗)、イオンに売却します(カルフールブランドは2010年3月10日にライセンス契約の終了で消滅)。

 しかし、日本では水の合わなかったカルフールも台湾では元気です。台湾全土に65店も出店しています。そのカルフールが宜蘭の「新月廣場」に入っています。そのすぐ脇(西側)にジェシーさんがお勧めの「武藏坊日本料理」があります。いま、地元の人たちに人気のあるお店なのだそうで、台北からも「雪山隧道」を通って1時間以上かけてやってくるのだそうです。



 「武藏坊日本料理」は、「羅東」(宜蘭縣羅東鎮公正路130號)で「何 錫侑(か せきゆう、He Xiyou)」が1997年に始めます。それに先立ち、何錫侑は日本の懐石料理の真髄を極めるために単身で日本に向かいます。東京都武蔵野市にあってJR東日本と西武鉄道が停まる「武蔵境」に3年暮らし、その腕を磨いたことから、開いた日本料理の店の名を「武蔵坊」と名づけます。



 2006年には、兄の後を追って日本で修業した弟の「何政憲」が「宜蘭」(宜蘭市舊城南路縣府一巷8號)に「宜蘭店」を開きます。2008年には何錫侑にその腕を認められて、「黄達文」の店が「武藏坊日本料理礁溪店」(宜蘭縣礁溪卿中山路二段198號)となります。



 「武藏坊日本料理」は「礁溪店」もあるのですが、ジェシーさんに紹介されたのは「宜蘭店」の方でした。「礁溪店」はホテルから徒歩で10数分のところにあり、礁溪駅の近くなので散歩がてら見に行ってきました。メニューは「宜蘭店」とは違います。それぞれが独自のメニューを出しているのでしょうか、次回の台湾では「羅東店」に行ってみるのもいいのかも知れません。



 「武藏坊日本料理宜蘭店」は、店員さんの対応も非常に良いもので、台湾人のblogでも味や価格とともに好評価を得ています。「台湾に行って、日本料理?」という考え方もあるかも知れませんが、異国で台湾人の考える「日式料理(日本料理)」を味わってみるのもいいものでしょう。



 ジェシーさん、いろいろと美味しいお店を紹介していただいてありがとうございます。コース料理、とても美味しかったですよ。





(追記) 「武藏坊日本料理宜蘭店」は現在は「九穀日本料理」と店名を変え、営業しております。(追記終わり)

(参考) 「九穀日本料理」のサイト


コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )






 日に日に暖かくなってきています。それでも風が吹くと、まだまだ寒い。こんな時は「温泉」ですよね。カラダの芯から温まりたい。でも、なかなかそんな時間は取れません。きょうは、気分だけでも「温泉」ということで、昨年(2009年)11月に行った台湾の「山泉大飯店(Sun Spring Resort)」を思い出すことにします。

 宜蘭縣礁溪郷礁溪路六段36號(No.36, Sec.6, Jiao-Si Rd., Jiao-Si Township, Yilan County, Taiwan)にある山泉大飯店は、「礁溪」駅から徒歩で8分ほどのところにある温泉リゾートです。礁溪温泉は、台北から特急列車で2時間ほどのところにあり、台湾では2番目に大きい温泉街です(台湾最大の温泉街は、台北からMRT(地下鉄)で約30分ほどの「新北投」)。



 礁溪温泉は、以前は台北からは鉄道で行くしかなかったのですが、2004年(1991年に着工)に高速道路用トンネルの「雪山隧道」(台湾で第1位、世界第5位の長さ)が開通したことで、2007年からは台北から高速バスが走っています。その1つ、首都客運の「首都之星(Capital Star)」は台北から1時間もかけずに「山泉大飯店」の前に停まります。

(参考) 「台湾へ再び」-「礁溪温泉」で、ジェシーさんに再会



 台北の地下鉄の捷運「市政府」站を「出口3」から出ると、「忠孝東路五段」という通りに沿ってバス停が並んでおり、出口右手の屋根をつけてあるのが宜蘭方面に行く「首都客運」の「首都之星」のバス停です。そこの列に並ぶと、係員が前の方から行き先を尋ねて廻っており、「宜蘭」直通と「礁溪」経由「羅東」行きなどのルートの振り分けをしています。

(参考) 「台湾へ再び」-「礁溪温泉」に、「首都之星」というバスで(2008年版)

 次から次と到着するバスへ定員分のカードを渡しながら振り分けていきます。別の係員が切符を売りにもやってきます。バスの中で飲めるように水のサービスがあり、配りにやってきます。行き先を尋ねられれば、EasyCardと「礁溪温泉 山泉大飯店」と書いた紙を見せます。運転手にも「礁溪温泉 山泉大飯店」と大きな文字で書いた紙を見せます。これで「礁溪温泉」の常設のバス停から徒歩で10分ほど手前の臨時の「山泉大飯店」の前で降ろしてくれます。

(参考) 「台湾へ再び」-台北から礁溪へのバス



 台湾にも非接触型ICカード乗車券(日本におけるSuica、ICOCA、PASMO、PiTaPa、Kitacaのようなもの)の「悠遊卡(悠遊カード、EasyCard)」があります。を乗車時と降車時にカードリーダーにタッチします。 旅行者が利用できる「悠遊カード」は、MRT駅の有人窓口や台湾の「ファミリーマート」などで購入でき、500元(2010年2月のレートで1,400円ほど)です。地下鉄(MRT)の乗車料金が2割引になるなどの優遇がありますが、100元分(280円分)はデポジットです。デポジットはMRT駅の有人窓口でのカード返却時にカードの残額と共に返金されます。



 台北から礁溪温泉までは「首都之星」で90元(250円ほど)。往復して500円ほどです。台北市内にホテルをとるよりは礁溪(チャオシー)で温泉を楽しみながら、台北に観光に出かけるというスタイルもいいのではないでしょうか。「山泉大飯店」のフロントにあらかじめ伝えておくと、「首都之星」はホテルの前で停まってくれます。正規の「礁溪」のバス停まで徒歩で10分ほどかかりますから便利です。バスは捷運「市政府」站が終点ですから、そこで地下鉄に乗り換えれば、アクセスのいいこと限りなしです。

(参考) 「台湾へ再び」-「山泉大飯店」で、「ハウス・ツアー」?



 温泉郷は、台北からMRT(地下鉄)で約30分ほどの「新北投」もありますが、礁溪は「國立傳統藝術中心」のある「羅東(らとう、ルォードン)」や「宜蘭 (ぎらん、イーラン)」も観光先に選ぶならば、便利です。鉄道ですぐにアクセスできるからです。「國立傳統藝術中心」にも「宜蘭」にもジェシーさんのOFFに一緒に行ってきましたので、その報告はまた次回にでも。

(参考) 「台湾へ再び」-「羅東」の「国立伝統芸術センター」へ

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )






 「ぼくね、台北101の展望台には1度登ってみたいんだよね。」

 その一言で、きょう(11月7日)の予定は変更です。きょうはMTR淡水線で「北投」まで行き、そこで新北投支線に乗り換えて、「新北投」で「北投温泉博物館」を見て、淡水線に戻り、その北の終点の「淡水」で降りて、川沿いの「淡水河濱道路」を屋台を冷やかして歩き、「淡水河濱道路」の中ほどにある船着場から渡し舟に乗って、淡水河の対岸にある「八里」に渡り、散歩するという予定でいました。

 しかし、かなり無理を言って我が子「健人」を旅行に連れ出したので、その要求を少しは聞いてやらなくてはなりません。台北101、台北金融大楼は高さが508mと高く、およそ380mのところに「展望台」があります。展望台に行くには入場料が必要で400元がかかります。3人分だと、1,200元になります。これはもったいない。そこで、89階にある「展望台」のわずか下の85階のレストラン「欣葉101」(シンイエ・イーリンイー、Shin Yeh 101、欣葉食藝軒)なら台北市内の展望ができて、食事も楽しめるわよ、とささやいてみました。我が息子は警戒して餌の周りを泳ぎ回るなどということなどはせずにすぐにパクリと食いつきました。



 「欣葉101」のランチコースは安いものでも880元(ほかに10%の税金)します。我が家の旅行のスタイルは、現地の庶民の食べている物を食べるというもの。1食にそんなにお金をかけません。でも、展望台に行く費用が節約できるのですから、食事代は880-400=480元にしかならず、まあ納得できる水準になります。ガイド本によると予約が必要だとあるので、人気のあるレストランなのでしょう。滞在ホテル「アンビエンス・ホテル」のレセプションの女性に頼んで、予約を押さえてもらいました。「きょうは満員です。」と断られるのかとも考えたのですが、14時にあっさりと予約が入りました。ちょっと意外。



 台北101は「信義新都心」と言われる地域にあり、東西に走るMTR板南線の「市政府」駅の南側に大型ビルが立ち並んでいます。台北101には徒歩でも行けないことはないのです(新光三越信義新天地の通路をひたすら歩く)が、無料のシャトルバスが市政府駅から出ています。その列に並びます。



 台湾の人たちは列を作ります。しかし、中国大陸からの旅行者は列を作る習慣がないそうで、列を作っていても割り込みをする、大声で話をするなどで台湾にやってくる外国人観光客に嫌われ、大陸からの観光客の伸びに反比例して、それ以外の国からの観光客が減少していっているのだそうです。特に韓国からの観光客の激減振り(2009年1~3月期で約40%減だそう)が目立つのだそうです。大陸の中国人の意識の底には、長い中韓関係の歴史から、韓国の人たちを低く見るところがあり、それを感じ取って韓国人観光客の減少という結果になったのかも知れません。



 バスは数分で台北101ショッピングセンターの「市政路」(南北に走る)に面した入り口に着きます。帰りもここからバスに乗れば、MTR「市政府」駅に戻ることができます。ショッピングセンターに入ってしばらく歩いたのですが、レストラン「欣葉101」に行くエレベータの乗り場が見つかりません。「ないわね。」「ないね。インフォメーションを見つけて尋ねるか。」と話していたら、「レストランに行くエレベータ探してんの? それだったら、オフィス棟に行かなきゃだめだよ。そこの2階にレストランの受付があって、60階までエレベータで行って、乗り換えて85階まで行くんだよ。」「え、よく知っているね。」「旅行ガイド(の本)に書いてあった。」「偉いな。よく読んでるね。」「(旅行に来ていると、それしか)読む本がないから。」

(追記) 2013年11月24日に「中正紀念堂」駅から東へ向かう新線「信義線」が開通しています。「中正紀念堂」→「大安森林公園」→「信義安和」→「台北101/世貿」→「象山」とつながる7.9kmの路線です。開通以前は市政府駅から徒歩かシャトルバスを使っていたのが、信義線を利用すると台北101の真下に出ることができるようになっています。(追記の終わり)



 我が子に教えられて、オフィス棟に移動です。いかめしい顔で入り口に立っているガードマンに「レストランに行きたいのですが」と告げると無言でエスカレータを指差します。それに乗れと言うことなのでしょう。ありました、エスカレータを昇ったところに受付が。日本語を耳にして、不安げな顔になった受付の女性に夫は私の名前を中国語読みにして伝えます。予約名簿からすぐに見つかりました。ホテルのレセプションを通して、予約をしていますから、名前の漢字が伝えられていました。受付の女性が不安げな顔をしたのは、漢字の日本語読みと中国語読みの違いですぐには確認ができないことが多いからなのでしょうか。夫の中国語は、地名で通じないことが多い。「中国語には四声という高低アクセントがあって、それが違うとまるで通じないんだよ。」と夫は言います。よく私の名前が通じたものですね。

 自分の中国語が通じないのを知っているのでしょう。必ず中国語の地名を紙に書いておいて、タクシーのドライバーに怪訝な顔をされたときには渡して見せています。ならば、最初から渡せばいいものをそうはしないで、まずは中国語に挑戦です。これが楽しみで中華圏に来ているところもありそうです。いまは来年に出かける予定のイタリア語に夢中で、イタリア語会話の本がもう10冊近くあります。これでまた通じなくてがっかりするのでしょうか。懲りない人です。ベトナム語、マレー語、インドネシア語、タイ語、、、語学の本が積み上がっていきます。「そんなにあれこれ勉強してどうするの。」「君がいろんな国に出かけるから仕方がないのさ。」「・・・」

 「欣葉101」のランチ・コース(Set Lunch、食藝午膳套餐)は、880元のものと1380元のものの2種類があります。880元のものは、次のメニューです。

台式三拼(たいしきさんぽう) タイワンスタイル アペタイザー三種の盛り合わせ
古味燉湯(こみとんとう) 地鶏の旬野菜入り昔風スープ
盬酥藍斑(こそらんはん) メロのこんがり揚げ
 ※ 「メロ」は、チリ沖、アルゼンチン沖、南極海で獲れる深海魚で、通称は「銀ムツ」。
香滷肋排骨(こうろろくはいこつ) 豚スペアリブの醤油煮込み ワンタンメンマ敷き 土鍋入り



季節炒時蔬(きせつかいじそ) 旬の青菜の強火炒め
筒仔米糕(とうしべいこう) おこわのシーフードソースかけ パクチー添え



馨芒果美點(せいぼうかびてん) シーズンフルーツ、ホームメイドのお菓子




 1380元のものは、次のメニューです。

四色拼盤(ししょくほうばん) 四種の冷製盛り合わせ カラスミ、エビ、イカ、エリンギ
八寶燉花膠(はっぽうとんかこう) 魚の浮き袋とナマコの煮込み
沙茶白鯧(さちゃはくしょう) マナガツオのサーチャージャン風味揚げ
五味海明蝦(ごみかいめいか) 大エビの甘酢ソース煮



上湯炒角瓜(じょうとうかいかくか) 十角ヘチマの上湯煮
 ※ 「上湯煮」は、塩や色の薄い醤油であまり色のつかないように煮込んで、あっさり仕立てた料理。「シャンタン」で煮た料理。
欣葉刈包(きんようがいほう) シンイエスタイル ハンバーガー
寶島繊果點(ほうとうせんかてん) シーズンフルーツ、ホームメイドのお菓子




 生まれて初めて「カラスミ」を食べた健人は、「うにみたいな味だね。」という感想を述べ、「大エビの甘酢ソース煮」には、多くの子供と同じようにエビが大好物なので、興奮していました。



「ウニみたいだね。」
「カラスミって言うのよ。」
「何でできているの?」
「ボラの卵巣を塩漬けして、乾燥させた物なの。」
「へえ。」
「ちょっとした高級食材なのよ。」
「そうなんだ。お高いんだ。」
「お酒の肴、お酒を飲むときにつまむ物なの。お母さんのおじいちゃんはお酒が好きでね、他に趣味がなくてね、食べ物に関心が強くて、グルメだったの。」
「それで?」
「お母さんが食べ物にうるさいのは、おいしい物を子供の頃からおじいさんに教わったからかも知れないわね。」
「ぼくもグルメになるかな。」
「将来、食べ物関係に行く?」
「わかんない。」

 「食」に関心が強かった私は、食べ物関係に進むことに決め、栄養士と調理師の資格をとるときに、おいしいと言われる店を食べ歩きました。随分と料理店、レストラン、料亭、パン屋に投資をしました。いまでは高いお店には行かなくなりましたが、昔食べた料理の味は覚えているつもりです。日本の中華料理のお店のレベルは高い。それと台湾、香港、シンガポールで口にする中華料理を比べてしまいます。横浜中華街の「均昌閣」、紀尾井町の「香花苑」(すでにない)などが私が学生の頃、気に入っていたお店でした。

 この2つのコースに日本円にして7,000円以上出しました。しかし、コストパフォーマンス(高いお金をかければ、高い食材を使って、高い技術を持った調理人の作ったおいしい料理が食べられるという期待)で言えば、もったいなかったかな。日本では、この値段ではこの量は食べられないのですが、正直な話、ちょっと不満が残ってしまいました。前回の台湾旅行で行った「欣葉」の本店の方が味が上に感じました。本店は、お客さんの活気があるお店でした。しかし、本来ならタイトなはずの土曜日のお昼に、「欣葉101」では、何故か空席が目立ったのが気になります。



コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )






 昨日、発熱した健人を連れて病院に行ってきたのが疲れたのでしょうか、宿泊ホテル「喜瑞飯店(AMBIENCE HOTEL」で朝食をとった後に急に眠気がさしてきました。「ちょっと、15分くらい寝るわね。」と言って、ベッドに入りました。ところが、目覚めたのは12時過ぎ。きょうは、「基隆(キールン)」観光に出かける予定です。「起こしてくれなかったの。」「疲れを取りに出かけてきたのだから、眠いときは寝てなくっちゃね。」

 健人の熱は、きのう「台安医院」でもらった解熱剤「アセトアミノフェン」が効いたのでしょうか、平熱に戻っています。それでも無理はさせられないので、いつもなら街を目的地まで歩くことが多いのです(夫は歩くのが尋常じゃなく好き!)が、今回はホテルの前からタクシーを拾うことにしました。長安東路と新生北路の交差点のすぐ脇にあるホテルから忠孝西路と重慶北路の交差点のすぐ脇にある国光客運の「台北西站」までです。しかし、元気をすっかり取り戻している健人が発した一言、「お昼どうするの?」

 そうです。昼食のことを忘れていました。さっき朝食を食べたばかりの気持ちでいたのは、朝食後寝てしまった私だけのようです。しかし、これから昼食に時間をかけると、ますます基隆に行くのが遅くなります。台北駅(「台北車站」)の向かいに新光三越があります。そこの地下にフードコートがあったはずです。タクシーの目的地を台北駅の前にしてもらいました。

 健人にメニューを選ばせたのですが、あれこれ見て回って、「日本で食べられるようなものは食べたくないよね。でしょ。何がいいかな。」「チキンライスは?」「それって、シンガポールでしょ。」「じゃ、これ。」「それは、タイ料理!」「健人、マックがある。」「だめ。」「オムライスの店もあるわよ。」「日本にもある。」「ケンタッキーもあるわよ。」「しばらく、脂っこいものはだめなんでしょ。」確かにお医者さんにそう言われました。「お父さんはラーメンがいいな。」「ぼく、いらない。」

 そんなことを話しているうちにお店巡りは2周めに入ります。いつまで経っても決まりません。「どんどん遅くなるから、お母さんが決めるからね。」 夫は「富士鉄板で、お肉もいいな。ちょっと高いけど。」とふざけ始めます。食べ物にこだわりのない夫は何でもいいのです。2人を座席に座らせて適当に買ってきました。

 新光三越から国光客運の「台北西站」までは徒歩数分です。前日に国光客運のサイトで「基隆」行きのバスが出るのは「台北東站」から「台北西站」に変更になっているのを確認していました。最新の情報の入手には、パソコンが手放せません。私のホテル選びの条件の一つに「インターネットができること、できれば無料で」ということはしっかりと入っています。



 基隆行きのバスは1時間に数本と頻発していて、出発時刻を気にする必要はありません。基隆までの所要時間も40~50分程度と午後からでも十分に日帰りできます。料金は大人で(「全票」)55元、往復切符(「来回票」)を買うと100元です。300円程度で、行って帰ってこられるのです。宿泊ホテルから台北駅まで85元かかりましたから、それよりもわずかにかかる程度です。

 「台北西站」の重慶北路に面した乗り場から13時50分に出発したバスは、道路が混雑する時間帯でないのか、スイスイと走り続けます。その心地よさにまた眠気に誘われウトウトとしてしまいました。乗り物好きの健人と夫は一番前の座席に陣取り、カメラを構えています。興奮していて何かを話し合っている2人を前に見ながら、私は夢の世界に、、、

 「え、もう着くの。」(夫)「そうだよ、もうキールンだよ。」(健人)。2人の声で夢の世界から引き戻されました。14時20分頃。なんと30分ほどで着いてしまいました。目を開けると、目の前に港が広がっています。降車場が港のすぐ脇です。バスを降りるとそこがすぐ港です。沖縄に旅行したときに、夫が「沖縄から台湾に行くのも面白いね。基隆という港町に着くんだよ。」と言ったのを思い出しました。





 基隆観光、まずは 基隆市仁三路90号にある、パイナップルケーキ(「鳳梨酥」)の老舗「李鵠餅店」です。基隆は鳳梨酥発祥の地で、ここ「李鵠餅店(リーホウ・ケーキ・ストア、Lee Hou Cake Store)」は、台北には支店がないそうで、台北からわざわざ買いに来る人もいるのだそう。「李製餅家」という店も基隆にはあり(台北にも支店がある)、こちらの方はさっぱりとした味で日本人好みなのだそうですが、台湾人には圧倒的に李鵠餅店のものが好まれているらしいので、いくつか買うことにしました。



 つぎは、愛三路と仁三路の交差点付近にひろがる常設の屋台街である「基隆廟口夜市」です。日没してからが盛況を迎える夜市ですが、昼頃から店は開いているのだそうです。開漳聖王を祀る「奠濟宮」を中心にしたそう大きくない屋台街でした。健人は基隆発祥の、泡のようなふわふわしたカキ氷である「泡泡冰 (パオパオビン)」を食べたいと言い出します。でも、かわいそうだとは思うのですが、病み上がりの身にはリスクがあるので、屋台のカキ氷は遠慮してもらうことにしました。





 台北と比べて、蒸し暑かった基隆で、カキ氷を食べたい気持ちもわかるので、さきほど目に留めておいた夜市の入り口付近にあった「鮮芋仙」でカキ氷を食べることにしました。この店は台北にもあちこちにあり、前回の台湾旅行で夫が「入ってみたいね。」と言っていたお店でした。夫にそのことを言うと、「そんなことを言ったかな。だいたいロゴにすら記憶がないね。」との返事。無責任男の夫は、自分の言ったことを覚えていません。



 私が栄養士の資格をとるために短大に行くという進路を決めたのも、当時近所に住んでいた夫の「これからは、資格の時代だから、ただ大学に行くというよりは資格の取得を目指した方がいいよ。」という言葉でした。それを言うと、「そんなことをアドバイスしたかな。覚えていないな。」だって。自分の言葉に無責任な男には、私の夫になるという試練を与えてやってます。

 「鮮芋仙」のカキ氷は実にいろいろな種類があって、どんぶりに盛られて出てきます。これがそれほど甘くなくておいしい。普段、冷たいものは胃にトラブルを起こすといって口にしない夫ですが、気に入って、私たちの残したのも平らげてしまいました。知らないよ、あとでお腹の調子が悪いと言い出しても、、、



 「鮮芋仙」は正しくはカキ氷のお店ではなく、豆花(豆腐のデザート)や芋圓(イモでできたお餅)などの台湾の伝統的なスイーツを食べさせるお店。それが「熱」ではなく、「冷」を注文すると、カキ氷の上に乗って出てくるのです。日本の小豆より甘さ控えめの「紅豆」、ハスの実の「蓮子」、プチプチ食感の「珍珠」もおいしい。夫が気に入るのも十分理解できます。

 健人のカキ氷が食べたいという要望をかなえて、「夜市」に戻ります。お店の数は少ないが、まともな料理が並んでいます。私がさっき歩いたときに食べてみたいと思ったのは、店舗番号5番の「呉記」の「蟹のみぞれあんスープ」。早速「おこわ」(油飯)と一緒に注文していただきました。



 「蟹のみぞれあんスープ」は、50元で、海藻らしいもの(黒い糸のよう)、いか(?)、しいたけ、たけのこの千切り、かに(申し訳程度、健人に食べられてしまったよう)が入っていて、あっさりしたしょうゆ味のスープで、油を多く使う台湾料理に抵抗のある日本人の私たちにもなじむ味です。「みぞれ」というのは、日本では大根おろしをさすのですが、それは入ってはいず、台湾では片栗粉のとろみをいうのかも知れません。



 基隆は漁港ですから、海鮮料理が有名です。他の夜市では、食べられない「旗魚焿」を買い求めてみました。「旗魚焿」は、かじきまぐろの身を何かのすりみに混ぜて込んだものが入っているスープです。ホテルでの夕食にするつもりで、持ち帰りにしました。これもくどくなく食べやすかったのですが、多分かじきの臭みを消すためににんにくが入っていました。健人は、にんにくが効きすぎと言って、一口だけで食べるのを止め、夫も冷たい物の食べすぎでダウンしてたので、結局私がほとんど食べることになりました。おいしかったのですが、仕事、仕事の毎日で痩せたのにまた太ってしまいそう。あ~あ。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )



« 前ページ