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「ぼくね、台北101の展望台には1度登ってみたいんだよね。」
その一言で、きょう(11月7日)の予定は変更です。きょうはMTR淡水線で「北投」まで行き、そこで新北投支線に乗り換えて、「新北投」で「北投温泉博物館」を見て、淡水線に戻り、その北の終点の「淡水」で降りて、川沿いの「淡水河濱道路」を屋台を冷やかして歩き、「淡水河濱道路」の中ほどにある船着場から渡し舟に乗って、淡水河の対岸にある「八里」に渡り、散歩するという予定でいました。
しかし、かなり無理を言って我が子「健人」を旅行に連れ出したので、その要求を少しは聞いてやらなくてはなりません。台北101、台北金融大楼は高さが508mと高く、およそ380mのところに「展望台」があります。展望台に行くには入場料が必要で400元がかかります。3人分だと、1,200元になります。これはもったいない。そこで、89階にある「展望台」のわずか下の85階のレストラン「欣葉101」(シンイエ・イーリンイー、Shin Yeh 101、欣葉食藝軒)なら台北市内の展望ができて、食事も楽しめるわよ、とささやいてみました。我が息子は警戒して餌の周りを泳ぎ回るなどということなどはせずにすぐにパクリと食いつきました。
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「欣葉101」のランチコースは安いものでも880元(ほかに10%の税金)します。我が家の旅行のスタイルは、現地の庶民の食べている物を食べるというもの。1食にそんなにお金をかけません。でも、展望台に行く費用が節約できるのですから、食事代は880-400=480元にしかならず、まあ納得できる水準になります。ガイド本によると予約が必要だとあるので、人気のあるレストランなのでしょう。滞在ホテル「アンビエンス・ホテル」のレセプションの女性に頼んで、予約を押さえてもらいました。「きょうは満員です。」と断られるのかとも考えたのですが、14時にあっさりと予約が入りました。ちょっと意外。
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台北101は「信義新都心」と言われる地域にあり、東西に走るMTR板南線の「市政府」駅の南側に大型ビルが立ち並んでいます。台北101には徒歩でも行けないことはないのです(新光三越信義新天地の通路をひたすら歩く)が、無料のシャトルバスが市政府駅から出ています。その列に並びます。
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台湾の人たちは列を作ります。しかし、中国大陸からの旅行者は列を作る習慣がないそうで、列を作っていても割り込みをする、大声で話をするなどで台湾にやってくる外国人観光客に嫌われ、大陸からの観光客の伸びに反比例して、それ以外の国からの観光客が減少していっているのだそうです。特に韓国からの観光客の激減振り(2009年1~3月期で約40%減だそう)が目立つのだそうです。大陸の中国人の意識の底には、長い中韓関係の歴史から、韓国の人たちを低く見るところがあり、それを感じ取って韓国人観光客の減少という結果になったのかも知れません。
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バスは数分で台北101ショッピングセンターの「市政路」(南北に走る)に面した入り口に着きます。帰りもここからバスに乗れば、MTR「市政府」駅に戻ることができます。ショッピングセンターに入ってしばらく歩いたのですが、レストラン「欣葉101」に行くエレベータの乗り場が見つかりません。「ないわね。」「ないね。インフォメーションを見つけて尋ねるか。」と話していたら、「レストランに行くエレベータ探してんの? それだったら、オフィス棟に行かなきゃだめだよ。そこの2階にレストランの受付があって、60階までエレベータで行って、乗り換えて85階まで行くんだよ。」「え、よく知っているね。」「旅行ガイド(の本)に書いてあった。」「偉いな。よく読んでるね。」「(旅行に来ていると、それしか)読む本がないから。」
(追記) 2013年11月24日に「中正紀念堂」駅から東へ向かう新線「信義線」が開通しています。「中正紀念堂」→「大安森林公園」→「信義安和」→「台北101/世貿」→「象山」とつながる7.9kmの路線です。開通以前は市政府駅から徒歩かシャトルバスを使っていたのが、信義線を利用すると台北101の真下に出ることができるようになっています。(追記の終わり)
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我が子に教えられて、オフィス棟に移動です。いかめしい顔で入り口に立っているガードマンに「レストランに行きたいのですが」と告げると無言でエスカレータを指差します。それに乗れと言うことなのでしょう。ありました、エスカレータを昇ったところに受付が。日本語を耳にして、不安げな顔になった受付の女性に夫は私の名前を中国語読みにして伝えます。予約名簿からすぐに見つかりました。ホテルのレセプションを通して、予約をしていますから、名前の漢字が伝えられていました。受付の女性が不安げな顔をしたのは、漢字の日本語読みと中国語読みの違いですぐには確認ができないことが多いからなのでしょうか。夫の中国語は、地名で通じないことが多い。「中国語には四声という高低アクセントがあって、それが違うとまるで通じないんだよ。」と夫は言います。よく私の名前が通じたものですね。
自分の中国語が通じないのを知っているのでしょう。必ず中国語の地名を紙に書いておいて、タクシーのドライバーに怪訝な顔をされたときには渡して見せています。ならば、最初から渡せばいいものをそうはしないで、まずは中国語に挑戦です。これが楽しみで中華圏に来ているところもありそうです。いまは来年に出かける予定のイタリア語に夢中で、イタリア語会話の本がもう10冊近くあります。これでまた通じなくてがっかりするのでしょうか。懲りない人です。ベトナム語、マレー語、インドネシア語、タイ語、、、語学の本が積み上がっていきます。「そんなにあれこれ勉強してどうするの。」「君がいろんな国に出かけるから仕方がないのさ。」「・・・」
「欣葉101」のランチ・コース(Set Lunch、食藝午膳套餐)は、880元のものと1380元のものの2種類があります。880元のものは、次のメニューです。
台式三拼(たいしきさんぽう) タイワンスタイル アペタイザー三種の盛り合わせ
古味燉湯(こみとんとう) 地鶏の旬野菜入り昔風スープ
盬酥藍斑(こそらんはん) メロのこんがり揚げ
※ 「メロ」は、チリ沖、アルゼンチン沖、南極海で獲れる深海魚で、通称は「銀ムツ」。
香滷肋排骨(こうろろくはいこつ) 豚スペアリブの醤油煮込み ワンタンメンマ敷き 土鍋入り
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季節炒時蔬(きせつかいじそ) 旬の青菜の強火炒め
筒仔米糕(とうしべいこう) おこわのシーフードソースかけ パクチー添え
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馨芒果美點(せいぼうかびてん) シーズンフルーツ、ホームメイドのお菓子
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1380元のものは、次のメニューです。
四色拼盤(ししょくほうばん) 四種の冷製盛り合わせ カラスミ、エビ、イカ、エリンギ
八寶燉花膠(はっぽうとんかこう) 魚の浮き袋とナマコの煮込み
沙茶白鯧(さちゃはくしょう) マナガツオのサーチャージャン風味揚げ
五味海明蝦(ごみかいめいか) 大エビの甘酢ソース煮
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上湯炒角瓜(じょうとうかいかくか) 十角ヘチマの上湯煮
※ 「上湯煮」は、塩や色の薄い醤油であまり色のつかないように煮込んで、あっさり仕立てた料理。「シャンタン」で煮た料理。
欣葉刈包(きんようがいほう) シンイエスタイル ハンバーガー
寶島繊果點(ほうとうせんかてん) シーズンフルーツ、ホームメイドのお菓子
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生まれて初めて「カラスミ」を食べた健人は、「うにみたいな味だね。」という感想を述べ、「大エビの甘酢ソース煮」には、多くの子供と同じようにエビが大好物なので、興奮していました。
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「ウニみたいだね。」
「カラスミって言うのよ。」
「何でできているの?」
「ボラの卵巣を塩漬けして、乾燥させた物なの。」
「へえ。」
「ちょっとした高級食材なのよ。」
「そうなんだ。お高いんだ。」
「お酒の肴、お酒を飲むときにつまむ物なの。お母さんのおじいちゃんはお酒が好きでね、他に趣味がなくてね、食べ物に関心が強くて、グルメだったの。」
「それで?」
「お母さんが食べ物にうるさいのは、おいしい物を子供の頃からおじいさんに教わったからかも知れないわね。」
「ぼくもグルメになるかな。」
「将来、食べ物関係に行く?」
「わかんない。」
「食」に関心が強かった私は、食べ物関係に進むことに決め、栄養士と調理師の資格をとるときに、おいしいと言われる店を食べ歩きました。随分と料理店、レストラン、料亭、パン屋に投資をしました。いまでは高いお店には行かなくなりましたが、昔食べた料理の味は覚えているつもりです。日本の中華料理のお店のレベルは高い。それと台湾、香港、シンガポールで口にする中華料理を比べてしまいます。横浜中華街の「均昌閣」、紀尾井町の「香花苑」(すでにない)などが私が学生の頃、気に入っていたお店でした。
この2つのコースに日本円にして7,000円以上出しました。しかし、コストパフォーマンス(高いお金をかければ、高い食材を使って、高い技術を持った調理人の作ったおいしい料理が食べられるという期待)で言えば、もったいなかったかな。日本では、この値段ではこの量は食べられないのですが、正直な話、ちょっと不満が残ってしまいました。前回の台湾旅行で行った「欣葉」の本店の方が味が上に感じました。本店は、お客さんの活気があるお店でした。しかし、本来ならタイトなはずの土曜日のお昼に、「欣葉101」では、何故か空席が目立ったのが気になります。