POWERFUL MOMが行く!
多忙な中でも,美味しい物を食べ歩き,料理を工夫し,旅行を楽しむ私の日常を綴ります。
 





 夫と二人で軽井沢の「丸山珈琲」の東京進出2店舗目(丸山珈琲は20数年前(1991年)に軽井沢で創業された珈琲店です)、西麻布店の「プレオープン」に行って来ました。その前日、尾山台店(2012年開店)に友人とコーヒーを買いに行った際に、「是非プレオープンに行かれては」と、スタッフの方々に勧められたのです。

 もう最高でした。フルーツジュースのような爽やかな酸味を持ったコーヒーをおいしくいただけて大変に満足しています。

 いろいろなコーヒーの試飲をさせていただきました。フレンチプレスで淹れたもの、ゴールドドリップで淹れたもの、日本に2台しかないというサイフォンを半自動化したような「Alpha Dominche(アルファ・ドミンチェ社)」のコーヒー抽出装置「スチームパンク(steampunk brewing system)」で淹れたもの(スチームパンクの日本最初の導入は、「村澤智之」氏がディレクターを務めるTHE COFFEESHOP ROAST WORKS でした)、といろいろと試飲し、最後にエスプレッソ、カプチーノで締めくくりました。




 このスチームパンクというコーヒー抽出装置は、“A $15,000 American-made machine is the latest entrant to the craft-coffee world”という記事が見つかることから、150万円程度するようです。

 抽出方法それぞれに特徴があります。私の舌が敏感過ぎるのか、フレンチプレスとゴールドフィルターで淹れたコーヒーには雑味を感じてしまいました。夫も私も一番気にいったコーヒーは、フルーツの酸味を感じる、2013年ブラジルレイトハーベストCOE(2013 Brazil Late Harvest Cup of Excellence)3位の「ファゼンダJR(Fazenda Junqueira Reis、ジュンケイラ・ヘイス農園)」でした。

 カップ・オブ・エクセレンス(COE)とは、各生産国において、その年の最高のコーヒーを選出するために開催される、国際的なコーヒー品評会(competition and auction program)です。「カップ・オブ・エクセレンス(COE)」ブラジルは、ブラジルにおける品評会です。

 その中に「レイトハーベスト(late harvest。early harvestに対する言葉)」という部門があります。コーヒーチェリー(コーヒーの木の実のこと。赤く熟したコーヒーの実がサクランボに似ていることから)を生豆に加工処理する方法のひとつに「ナチュラル精製」があり、他に水洗式(ウォッシュト)、セミウォッシュトなどがあります。ナチュラル精製は、収穫したコーヒーチェリーをそのまま自然乾燥し精製する方法で、果肉に含まれる成分がコーヒー生豆に凝縮すると言われているようです。

 水洗式精製と非水洗式精製とでは、コーヒー豆となる種子(生豆)を「乾燥させる→貯蔵庫で寝かせる→脱穀機にかける→生豆」という最終工程は同じなのですが、収穫したコーヒーチェリーをそのまま乾燥させるのが非水洗式(ナチュラル)で、果肉除去機で外皮と果肉を取り除いて、発酵漕に漬け、水洗いするのが水洗式(washed、ウオッシュト)のようです。果肉除去機で外皮を取り除いて、内果皮のぬめりを残したまま乾燥させる、「パルプトナチュラル精製」という精製方法もあるようです。

 レイトハーベストは、ナチュラル精製によって生産されたコーヒー豆だけを集めた品評会です。ナチュラル精製のコーヒーは、コーヒーが持つ自然な「コク」や「甘み」に、フルーツのような甘い香りが加わり、バランスのとれた上質な味わいが特長となります。2013年ブラジルレイトハーベストCOE第1位は、「サン・ジョアキン農園」のコーヒーでした。

 UCCは、ブラジルレイトハーベストCOE第1位「サン・ジョアキン農園」を2013年9月4日から、1杯800円で「珈琲館」などで提供していました。品質や希少性にこだわると、単一の産地(豆の生産地域と生産処理方法が明確で、ブレンドされていない)のコーヒー豆(シングルオリジン、single origin)に嗜好が向くようです。世界最高峰のコーヒーをこだわりの抽出方法で飲んでみたいという欲求が私たちにはあるのです。

(参考) 「この世で最高のコーヒーの行方」(食べログ)

 その順位は、第1位、農園“Sítio São Joaquim”(サン・ジョアキム)」、第2位、“São José”(サン・ジョゼ)、第3位、“JR (Junqueira Reis) ”(ジュンケイラ・ヘイス)でした。第3位のコーヒー豆を入手した丸山珈琲の創業者「丸山健太郎」氏は、日本スペシャルティコーヒー協会の理事であるとともに、カップ・オブ・エクセレンスの国際審査員なのだそうです(Kentaro has been a part of many of the Cup of Excellence juries over the years.)。



 コーヒーの美味しさは「焙煎で全て決まる」と思っていた丸山健太郎氏は、海外で急速に普及していた「スペシャルティコーヒー」という全く新しいコーヒーの存在を知ることになります。カップ・オブ・エクセレンス(COE)のプログラムで産地に行く機会を得て、「本当のコーヒーの品質は生産現場で決まること」を痛感した丸山健太郎氏は、2008年(3店舗目の小諸店開店の年)にグラテマラCOE第1位(スコア93.68。第2位と4ポイント近い差があった)の「エル・インヘルト(El Injerto Ⅰ)農園」のコーヒー豆を当時の史上最高価格で落札することになります。

 大手ではなく、日本の一地方のコーヒー屋が、一番高値をつけたということで、当時海外でもちょっとしたニュースになったようです。コーヒー豆の生産者からは、正当な値段をつけてくれた、という評価を受ける一方、商社などからは、素人が買い付けに手を出すから、市場価格を無視して恥をさらした、と思われたようです。2012年に始まったメキシコCOEでは、2012年の第1位「ラス・フィンカス・デル・ススピロ(Las Fincas Del Suspiro)」を落札します。

 この脈絡で、大手「UCC」のブラジルレイトハーベストCOE第1位「サン・ジョアキン農園」の独占を理解すべきなのでしょうか。業界に丸山健太郎氏の敵多し、と理解すべきなのでしょうか。生産者、商社などの中間業者、消費者、それぞれに主張があり、フェアトレード(fair trade、発展途上国の物品を適正な価格で継続的に購入することで、途上国の生産者や労働者の生活改善と自立を目指す活動)との折り合いが難しいところです。

 日本のバリスタチャンピオンの方やオーナーの「丸山健太郎」さんとお話しもして来ました。最高に楽しく、おいしい珈琲時間でした。「軽井沢本店」や星野ハルニレテラス内の「ハルニレテラス店」にも行ってみたい。こんなにおいしいのに「雨が降っているから」と出かけるのを渋った夫をまた説得しなくては!

 「ピーツ・コーヒー&ティー (Peet's Coffee & Tea)」、「ジム・レイノルズ (Jim Reynolds) 」 、「スターバックス(Starbucks)」、さかもとこーひーの「坂本孝文」氏など、丸山健太郎氏の周辺には面白い話しがありそうです。またの機会にそれに触れてみたいと思います。

       スチームパンクと鈴木 樹さん

(参考) テレビ東京の2013年10月3日放送のWBS(ワールドビジネスサテライト)特集「広がる地方発カフェ」から

  先週、東京で開かれたコーヒーの展示会。大手から中小まで、高品質なスペシャルティコーヒーをアピールする。会場の一角にたくさんの人が集まっていた。コーヒーを淹れる職人、バリスタの全国大会。地方から腕利きのバリスタが集まった。審査は2人の技術審判がコーヒーマシンを扱う手際や正確さを採点する。バリスタはこの日のために選んだ最高のコーヒー豆で勝負をかける。4人の審査員が香りや味、見た目などを採点する。
 (審査を受けているバリスタ)「チョコレートがコーティングされたような素晴らしい甘さをお楽しみいただけると思います。」
 プレゼンテーションや気配りも評価のポイントだ。
 「第1位は、有限会社丸山珈琲の井崎英典バリスタ」
 1位と2位を丸山珈琲が獲得。優勝した井崎バリスタは大会2連破を達成した。

 丸山珈琲とは長野県軽井沢にある評判のコーヒー店。ペンションの食堂だったという店内。20席ほどの小さな店だ。こちらの客、東京からわざわざ訪ねて来たという。
 (東京から来た客)「おいしいコーヒーが飲めるっていうのを聞いて。ちょっと感動してます。」

 大会で優勝したこのコーヒー店の秘密は、、、丸山珈琲の焙煎工場。社長に案内された倉庫には、世界各地の上質なコーヒー豆が積まれていた。これが生の豆。これを焙煎する。
 「これはコスタリカですね。これは、まあ、あの、トップロットっていうことで、彼らの中でも一番選りすぐりのいいロットだったみたいですね。」
 丸山社長は良質の豆を自分の目と足で探す。カフェ経営者と共同の組織を作り、中小企業でも産地からコーヒー豆を直接購入できる組織を自ら作り上げた。焙煎はもちろん自社で行う。社員が付きっ切りで豆の状態をチェックし、火の強さや温度を調整する。焙煎時間は15分から20分ほど。お湯を注ぎ、出来栄えを確かめる。勢いよく吸い込むと口の中で霧状に拡がり、香りや味がわかるという。
 (丸山社長)「焙煎が上手くいっているかどうかのチェックですかね。まあ、あの、何か異臭がしないかとか。深煎りなんで結構チョコレートみたいな濃い目の味が出ています。」

 焙煎工場の隣りは売店で、豆を買いに来る固定客も多い。
 (静岡県から来た客)「軽井沢に年に1度くらい宿泊に来ていて、必ずここに寄ってっていう、、、」
 (レポーター)「静岡に帰ってからも結構買われるんですか。」
 「そうですね。静岡でインターネットで注文して、、、」
 スペシャルティコーヒーと呼ばれる高品質コーヒーは、産地や生産者ごとに袋詰めされて、店頭に並ぶ。自慢のコーヒー豆はインターネットでも販売し、全国に配送。個人向け販売の3割を通販が占める。
 (丸山社長)「軽井沢は日本でも有数の観光地ということで、日本全国からお客さんがいらっしゃって、豆を買われて帰られて、で、飲まれて、家でもおいしいコーヒーが飲めるということで、じゃ、通販で取ってみようか。」

 去年秋、東京、世田谷区に進出した。この場所を選んだわけは、通信販売の客がもっとも多く住んでいるからだ。通販の客が2番目に多い港区。12月に東京2号店を出す予定だ。その物件の視察に来た。2号店は席数40席の大型店舗。コーヒーに関する講習会を開くイベントルームも備える。
 (丸山珈琲鈴木樹さん)「柱からカウンターになっていまして、そのままコの字形にカウンターができます。バリスタのコーヒーが淹れてる姿をしっかりとお客さまに見て楽しんで頂けるような、、、」
 (丸山社長)「大手の方もそうですし、中規模もそうですし、いろんな方が市場に入って来ている中で、だんだん細分化が進んでいて、スペシャルティの中でも、非常に高品質なものと、ま、あの、スタンダードなものと分かれてきています。スペシャルティコーヒーの中でも、ま、あの、一番上のトップ・オブ・トップといわれている部分を進んで行きたいなと思っています。」

 地方発のコーヒー店の新しい波。私たちの選択肢はますます広がりそうだ。


(参考) バリスタ「鈴木 樹(すずき みき)」さんは、「日本スペシャルティコーヒー協会」が主催する「ジャパン・バリスタ・チャンピオンシップ(JBC)」 で、2010年、2011年と連続優勝し、2011年の「ワールド・バリスタ・チャンピオンシップ(WBC)」で世界5位、2012年のワールド・バリスタ・チャンピオンシップでは、世界4位でした。



(参考)  SBC信越放送「情報わんさか GO!GO!ワイド らじ☆カン」(月~金曜15:00~18:15)の中の毎週金曜日15時20分からのコーナー「珈琲アラウンド・ザ・ワールド」の「2013年12月20日放送分」から 

(MC 久保正彰)「丸山社長が新しいお店を出す何かきっかけと言うか、今度はこういう店、どこにとか、いろいろ考えられるでしょう。」

(丸山珈琲 丸山健太郎社長)「そうですね、まあ、あの、まず何でお店を増やすかということで言うと、何もその、チェーン店みたいにたくさんわーと作りたいというわけではなくて、実は、その、いいコーヒーが、ま、ま、直接買い付けに行っていますよね、そうすると、やっぱりいいコーヒーがたくさんあるんですよ。で、ついついたくさん買って来てしまうんですんね。お腹空いた状態でスーパーマーケットに行くみたいな感じなんですよ、そういう喩えがいいかどうかわかんないですけど、いいものがあるとちょっともう買わないわけにいかなくなるんですよ。そうすると、常に買い過ぎなんですよ。」

(MC 岸田奈緒美)「ああ、ちょっと豆の量がお店のキャパより多め、、、」

(丸山)「で、まだまだあるんです。私はいいと思う、私が高品質だと思うコーヒーはまだまだたくさんあって、しかもまだ手を付けていない産地もあるし、いずれね、って言われているところもあるんでね。いっぱいある。で、それを売るためにはお店を作んなきゃいけない、っていう感じですね。」

(久保)「それだけおいしいコーヒーを飲んでいただきたい、ということなんですね。何かわかりますね。産地に直接行ってらっしゃるから、あ、これも、これも、ってなっちゃうんですね。」

(丸山)「で、本当はね、通販で売ればいいんじゃないか、もっと売ればいいんじゃないか、例えば、もっと大々的に販売網を作ってやればいいんじゃないか、って言うんですけど。そうは言っても、農家が本当に顔を知っている、非常に小さなマイクロな商品ですので、もちろんそういう流通に流して売るんでもいいんですけど、やっぱりちゃんとわかる形で販売するとなると、直営店ということになるんですね。で、ま、実は、丸山珈琲ってカフェと思われることもあるんですけど、事実上、豆売り店というか、豆屋さんなんで、ま、どこにお店を出すんですかと言われたら、豆が売れるところというか、そのような豆を買ってくださる方がいるところというのが答えで、西麻布も、実は港区のあの辺にはもともとうちのお客さまがたくさんいるということで、そう意味で言うと、丸山珈琲の豆を望んでいる方のいるところはどこでも、というような言い方はある意味できるかも知れないですね。」


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 2月15日の月曜日に東京都千代田区丸の内2-4-1の「丸の内ビルディング35階」にある「RISTORANTE HiRo CENTRO(リストランテ・ヒロ・チェントロ)」のイタリアンランチを「銀座テアトルシネマ 」で上映中の映画「カラヴァッジョ 天才画家の光と影」を見た後、楽しんで来ました。



 「銀座テアトルシネマ 」の近くで、食べ物にお金をかけたがらない夫の反対に遭わないイタリア料理の店を前日午前2時頃までネットで探しました。夫は書籍にはお金をかけるのですが、食べ物には栄養素をバランスよく取れれば、コストはかけない方がいいという人です。「ランチ、どこで食べようか。」の問いかけに、「え、考えてないけど。行き当たりばったりだね。目についたところでいいよ。」

 パンツェッタ・ジローラモさんが「食べちゃおイタリア」(光文社、1998年)という著書の中で言っています。

 「“食べる”ことについての、僕らみんなのスタンスは様々だ。ただ生命維持のための栄養摂取として食べる人もいれば、反対に食べることこそ人生最大の楽しみ也、という人もいる。

 夫は前者に限りなく近く、私は後者に近い。夫は食べることに関心は薄いのですが、「美味い」「不味い」は言う。夫の父親は食べることの好きだった人で、夫の子供時代、よく父親に連れられていろいろな店に行ったそうです。夫の父親は家庭でもよく料理を作るのを楽しんでいたそうで、夫がそんな人の子だとは信じられません。夫の父親は40歳代に亡くなってしまったので、私は会ったことがないのですが、食に関心が強く、旅行好きの私と趣味が一致するので、会いたかった。きっと、夫とよりも話が合ったことでしょう。とても残念です。

 私と同じで、薄味好みで化学調味料を使った味付けを嫌う夫は、外食に高いコストをかけても外れることも多いと思っているようで、それならば多少味付けに我慢しても安ければいいと考えているようです。そのうえ、食事にかける時間を削って読書をしたがる夫は、よく「松屋でいい。サラダも付いてご飯も美味しく、注文してすぐに出てくるからね」とまで言います。

 でもね、本当に久しぶりに2人で映画を見に来たのだから、いま見た映画の感想をゆっくりと落ち着いたお店で語り合いたいのよ。あなたの合理主義にはロマンがないのね。目的地から次の目的地に直線で行きたがる、それも早足で行きたがるあなたはせっかち!あなたには意味の感じられない「そぞろ歩き」も人生には必要よ。

 イタリアには「パッセッジャータ(passeggiata)」という言葉があります。法政大学工学部建築学科教授「陣内秀信」さんの「イタリア小さなまちの底力」(2000年、講談社)から引用してみます。

 イタリア都市を理解する上で、重要なキーワードとして、「パッセッジャータ」という言葉がある。日本語に訳すと 「散歩」となるが、これでは雰囲気がまったく伝わらない。日本の散歩は、自然に触れられる落ち着いた場所を、一人で瞑想にふけり、あるいは犬を連れてのんびり歩くというイメージだが、イタリアのパッセッジャータは、都市空間の中の社会化された一種の集団パフォーマンスとして成立する。

 どの町にも、夕食前のひととき、老若男女の市民がどっと繰り出し、友人たちと練り歩く華やかな街路空間というものが、必ずある。時間帯は、季節によって多少異なるが、夕方のほぼ六時から八時頃までで、お酒落して同じ道筋を行ったり来たりするのがミソである。そして居心地よく、しかも晴れがましい気分で滞留できる広場とリンクしていることが多い。町によっては、昼食前の時間帯にもやはりパッセッジャータが行われる。


 2月17日はあいにく雨が降っていました。夫と手組んで銀座周辺を「そぞろ歩き」したかったのですが、手に持つ傘が私たちの間を裂きます。相合い傘もよかったのですが、持っている傘は軽量の折り畳み傘で径の小さいもの。一つの傘に入ると肩に雨がかかってしまいます。残念!

 リストランテ・ヒロ・チェントロでは、リクエストして窓際の席にしてもらいました。真下の方には東京駅が見えます。新幹線も見えます。小学5年生の我が子「健人」は、いま、夫からのお下がりであるデジカメに夢中で、小遣いで3,000円のJR東日本の「土・日きっぷ」を買っては、土・日に新幹線に乗ってムービーを撮りに出かけています。次回は、健人を連れてきて、上から眺める新幹線を見せてあげようかな。



 ヒロ・チェントロでは、「カメリエール(cameriere、ウェイター)」にいろいろと質問してみました。最初に出てきたパンの脇に小皿に入ったオリーブオイルが付いていたので、尋ねてみました。

「フルーティな香りがするし、軽い感じのオリーブオイルだけどが、どこのものなの?」
「いま、瓶をお持ちしますね。」
「イル・レッチェート(IL LECCETO)と読むのかしら。」
「そうですね。当店ではこれを使っています。」

 イル・レッチェート(IL LECCETO)社のオリーブオイルは、トスカーナ州シエナ郊外の65軒の栽培農家(olivocoltore)からなる協同組合によって生産されるエクストラバージンオリーブオイルなのだそうです。無農薬で栽培されたオリーブを手摘みで採取して、ノンフィルターで仕上げているようです。「ノンフィルター」は、数か月かけてゆっくりと雑物を自然沈殿させ、その上澄みを出荷するもののようです。

 遊離オレイン酸の割合が低いので、酸化しにくく、安定した高品質なオイルなのだそうです。フラントイオ種(Frantoio、40%、フルーティな品種)とモライオーロ種(Moraiolo、40%、辛みのある品種)、レッチーノ種(Leccino、20%、繊細な味と香りのある品種)が合わさっているようです。日本では、250mlほどのものが1,500円程度で売られているようです。

 パンにはお塩がかかっており、そのパンを夫が気に入りました。そこでまた質問。

「このパンにかかっているお塩、どこのものなの? 私もお塩に凝っていて、何種類も揃えているの。」
「厨房の話ですと、メキシコ産が97パーセントで、それに日本の塩を3パーセントとブレンドしているそうです。」



 Pranzo A(プランツォ、昼食、1,500円)をいただきました。メインディッシュ(Primo Piatto)は「飯蛸とハニーキャベツのプッタネスカソーススパゲッティーニ」か「本日のスパゲッティーニ」(菜の花と地鶏のスパゲッティーニ)でした。2人だったので、それぞれ取ってみました。



 「スパゲティ・アッラ・プッタネスカ (Spaghetti alla Puttanesca)」は、アンチョビなど小魚(その代わりに今回は飯蛸)に、トマトソース(Salsa Pomodoro、サルサ・ポモドーロ)、ケイパー(cappero、カッペーロ、カッペーロの実をワインビネガーと塩で漬け込んだもの)、オリーブ、赤唐辛子、黒胡椒などで味付けしてあります。



 「飯蛸とキャベツ」の方は、パスタにキャベツなのでどんな味なのかとちょっと警戒しながら注文したのですが、キャベツの甘みが意外にも唐辛子などの香辛料とマッチして、ドライトマトも入っており、おいしいと感激しました。「菜の花と地鶏」の方は、3種類のチーズがからめてあり、ソースにケイパーを加えてあり、チーズを重く感じさせないで、こちらもおいしくいただけました。欲を言えば、もう少しお肉の量があったらうれしいと思います。



 「甘い」という意味と同時に「甘味」という意味も持つ「ドルチェ(dolce、複数形はドルチ(dolci))」は、デザートです。そのデザートは、「マスカルポーネ (mascarpone、クリーム・チーズ。ティラミスの材料)」がイチゴ(fragola、フラゴーラ)にかかっています。

 イタリアは東端でスロベニアと国境を接しています。国境を接するのはフリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州で、州都は「トリエステ(Trieste)」です。このまちに、フランチェスコ・イリー(Francesco Illy)の創立した(1933年)「イリカフェ社(illycaffè S.p.A)」があります。イリカフェ社は、エスプレッソマシン専用のコーヒーを製造・販売する企業です。厳選されたアラビカ種のコーヒー豆を100%使用して、苦味と酸味の絶妙なバランスを作り出す「イリー・コーヒー」は、多くのバールで使われています。

 イリカフェ社はブラジルのセラード地区(広大な高原エリア。ブラジル全土におけるコーヒー豆の生産量の約15%を占める)の現地農園に技術者を派遣し、栽培から販売までを指導しているそうです。そこで生産された高品質コーヒーは市場価格以上の値段で買い取られるので、他の生産者も高品質コーヒーの栽培に挑戦することになり、セラード地区以外でもクオリティーの高いコーヒーの生産が進んでいるのだそうです。



 食後のコーヒーに、デカフェのカプチーノを頼んでみました。私たち2人はコーヒーが好きなのですが、午後に飲むとその日の夜は眠れなかったり眠りが浅かったりするように少し前からなってしまいました。お昼を過ぎたら、カフェインレスのコーヒーしか悲しいことに飲めません。

「コーヒーはどこのものなの?」
「イリーです。」
「ああ、やっぱり。お願いがあるの。デカフェがあったら、それにしてもらいたいんだけど。」
「ございますよ。」
「まあ、嬉しい! 置いてないところが多いのよ。」
「健康志向の外国人のお客さまが注文することがあるものですから。」

 カプチーノ、美味しくいただきました。映画も満足、お食事も満足。いい一日でした。でも、この夫、心の中では思っているかも知れません。「松屋」に入ったなら、栄養的には同等で、1,800円ほど浮いて、それで本が1冊買えたのに、と。「食」も絵画、彫刻、建築と並んで、れっきとした文化なのですよ。「読む」だけでなく、「食べて」も文化を学ばなくっちゃね!

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 仕事帰りに新京成線の常盤平駅南口の近く「セブンタウン常盤平」にある「アルトポンテ(Alto Ponte)」でジェラート(gelato)を戴いてきました。ジェラートは、イタリア語で「凍る」を意味する“gelare”(ジェラーレ)の過去分詞形から派生した名前がついた氷菓です。



 氷菓の空気含有量を「オーバーラン」と言いますが、一般的なアイスクリームのオーバーランは60%~100%なのだそうです。オーバーランが低いと「ねっとりした重みのある」味になり、高いと「フワッと軽い」味になります。アイスクリームミックス(牛乳、乳製品、糖類、安定剤、乳化剤、香料、着色料)1リットルに空気1リットルを含ませると、オーバーランが100%のアイスクリームができます。

 ジェラートは、一般的なアイスクリームと比べて、空気含有量が35%未満と少なく、「ねっとりした重みのある」味になります。日本における氷菓は「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」によって分類されています。乳固形分15%以上(うち乳脂肪分8%以上)が「アイスクリーム」と名乗れるのであって、乳脂肪分が4~8%である「ジェラート」は一般的なアイスクリームの約半分であり、比較的低カロリーなのですが、省令による分類では「アイスミルク」(乳固形分10%以上(うち乳脂肪分3%以上)になります。

 「生乳」のみを使う本来の方法でアイスクリームを作ると、生乳は乳脂肪分3~4%ですから、アイスクリームではなくアイスミルクに分類されることになります。では、アイスクリームと名乗る氷菓はいかにしてこの基準をクリアしているかというと、生乳に生クリームを混ぜることになります。

 生クリームの好きな人は、アイスクリームを好むことになりますが、生クリームをそれほど好まない人はジェラートがいいでしょう。それも生クリームを加えていないものがいいことになります。アルトポンテのジェラートは、新鮮なノンホモジナイズドの低温殺菌牛乳を使用して、添加物を使用せずに作られています。卵も使われていません。そのため、さっぱりとした仕上がりになっています。



 高橋牧場(船橋市豊富町1312-4)は、アンデルセン公園(船橋市金堀町525)内に「牧場のあいす屋さん」を開き、牧場産の搾りたて牛乳をアイスクリームに加工して販売しています。しばらくは、公園内のみだったのですが、東葉高速鉄道「八千代緑が丘」駅前(千葉県八千代市緑が丘1-1-1、公園都市プラザ1階)にアイスクリームショップ「牧場のジェラート屋さん アルトポンテ」を開店し、“牧場の手作りアイスクリーム”を販売するようになりました。さらに新京成線の「常盤平」駅前にも開店しました。高橋牧場の息子さん「裕武」さんと少しお話をしてきました。「本物の味が忘れられていくのが残念です。だから、残そうとしているのです。」

 お店で戴いたのは、イタリアのシチリア島の塩を使用したジェラート。シチリア島はブーツの形をしたイタリア半島のつま先で今にも蹴飛ばされそうになっている島です。夫とわが子「健人」には、お店でシンプルな味をアドバイスしてもらって、「小倉」と「ミルク」を買って帰りました。 北海道の酪農家で育った夫は、乳製品にあまり「おいしい」を言いません。搾りたての牛乳を飲んでいたそうですから、まあ当然でしょう。でも、このジェラートには「なんでも混ぜて複雑な味にすればいいというものじゃないんだよ。これは、素直な味でいいね。」とご満悦。

 喜んでもらって嬉しいですね。

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 私はコーヒーがこよなく好きです。出されたコーヒーが美味しければ、その店の、そのホテルの評価が上がります。高品質のコーヒーは、「プレミアムコーヒー」、「グルメコーヒー」、「スペシャルティコーヒー」などと呼ばれます。「スペシャルティコーヒー(specialty coffee)」は、「ユニークな香気を持つコーヒー(beans with unique flavor profiles)」で、「品種」、「栽培地域」、「栽培方法」、「精製方法(完熟度、乾燥方法、乾燥度等_)」、「淹れ方」などでコーヒー豆が持つ特色が引き出されます。

 1995年、タリーズコーヒーの創業者である松田公太さんが米国を訪れたときに、その当時流行しはじめていた「スペシャルティコーヒー」と出合いました。この文化を日本で広めたいと考え、米国タリーズ創業者との直接交渉を行い、日本での営業権を手にしたのだそうです。

 タリーズコーヒー日本第1号店が銀座にオープンしたのは1997年8月。きょう、8月7日は日本のタリーズコーヒーの誕生日(創業記念日)なのだそうです。12歳になったんですね。♪Happy Birthday! 私は、スターバックスのコーヒーよりもタリーズのコーヒーの方が好きです。



 きょうはイオン与野ショッピングセンター(埼玉県さいたま市中央区本町西5-2-9)に用事があったので、「タリーズコーヒーイオン与野ショッピングセンター店」に寄ってみました。ここイオン与野SCには、スターバックスコーヒーも入っています。1階がスターバックスで、2階がタリーズです。




 anniversary swirkle(アニバーサリー・スワークル)と名づけられた「チョコチョコバナナスワークル」(500円)をいただきました。エスプレッソショットをシェイク、ダブルチョコアイスをシェイク、ホイップクリームをON、バナナピューレをONと入り口の表示にありました。コーヒーとホイップクリームは合いますし、チョコレートとバナナも合います。その2つを繋ぐのはホイップクリームにチョコレート。美味しかったです。



 本日、コーヒースクール開催!の表示を見て知ったのですが、タリーズは「コーヒースクール」を開催しているのですね。予約制なのだそうで、開催日が決まったら電話をもらうことにしました。コースは3つあるそうで、私は「エスプレッソ」が好きだから、「コース3」にしようかな。仕事のOFFと重なれば、参加してみようと思います。

 タリーズコーヒーのサイトには、コーヒースクールの案内が載っています。

course 1 簡単!おいしい! コーヒーの淹れ方・楽しみ方
course 2 なるほどなるほど! コーヒー豆知識と選び方
course 3 めざせバリスタ! エスプレッソマシンの使い方・楽しみ方
01 はじめに   「エスプレッソ」 実は、苦いだけはでなく、本当に味わい深く美味しい飲み物なのです。コース3では、そのエスプレッソの美味しさに迫ります!また、カフェラテやカプチーノも自分で作って味わってみましょう。エスプレッソマシンを持っている人も無い人も、コーヒーやカフェが好きな人なら十分楽しめる内容です。
02 エスプレッソを抽出する   まず、エスプレッソの基本知識をお話します。そして、実際にエスプレッソの抽出をしてみましょう。心地よいアロマを実感してみてください。
03 ミルクのスチーミングをする   スチーミングとは、熱い蒸気を使ってミルクを泡立てながら温めていくことです。カフェで「シュワーッ!」と蒸気の噴出す音を聞くと思います。それがスチーミングです。キメの細かいクリーミーな泡立てができるかどうかが勝負どころです!
04 バリスタ実践   いよいよ実践です!「エスプレッソ抽出⇒スチーミング⇒カフェラテ&カプチーノ作成」の一連の流れにチャレンジ!そして、カフェラテにチョコレートソースを使ってお絵描きをしてみます。素敵なオリジナルラテ作りに挑戦してみましょう。

 バリスタ(barista)は、エスプレッソなどのコーヒーを淹れる職業についている人を言います。バリスタはコーヒーに関する知識と技術を持ちます。小川珈琲株式会社(本社/京都市)の社員である岡田章宏(おかだあきひろ)さんは「ジャパンバリスタチャンピオンシップ'08-'09兼ワールドバリスタチャンピオンシップ 2009 日本代表選考会」のチャンピオンです。ワールドバリスタチャンピオンシップ2009は、4月16~19日にアトランタで開催されました。

2009 World Barista Championship Ranking Order(PRELIMINARY ROUN)です。
1, Michael Phillips, United States, 670.5(決勝で、3位)
2, Sammy Piccolo, Canada, 637.5(決勝で、619.5で準優勝)
3, Gwilym Davies, United Kingdom, 598.5(決勝で、623で優勝)
4, Attila Molnar, Hungary, 596(決勝で、6位)
5, Colin Harmon, Ireland, 595(決勝で、4位)
6, Lee Jong Hoon, Korea, 591.5(決勝で、5位)

7, Raul Rodas, Guatemala, 576
8, Carl Sara, New Zealand, 568
9, Flor de Maria Gochez Ayala, El Salvador, 563
10, Akihiru Okada, Japan, 558.5

 島根県安来市門生の「カフェロッソ( CAFE ROSSO)」のオーナーの門脇洋之さんは、ワールドバリスタチャンピオンシップ2005(開催地:シアトル)では準優勝を獲得しています。日本にも凄腕の人たちがいるんですね。

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 「東京おもちゃショー2009」が東京ビッグサイトで、2009年7月16日(木)~19日(日)(16~17日 商談見本市(バイヤーズデー)、18~19日 一般公開(パブリックデー) の会期で開催されました。

 いま、蕎麦、のり巻き、パンといった料理や、アイスクリーム、チョコレート、グミなどといったお菓子を調理することができる「クッキングトイ」がブームなのだそうです。パンを作るには、「メガハウス」の「こねパン」(3,990円、2008年4月発売開始)がありますが、タカラトミーのホームベーカリートイ「ぱぱっとパン屋さん」(3129円、2009年11月初旬発売予定)が「東京おもちゃショー2009」に出品され、人気を集めたそうです。

1.粉を入れ、レバーを回して、粉をふるって下のボウルに落とす。
2.ボウルに卵などの材料を足し、レバーを回して、粉とかき混ぜる。
3.そのまま電子レンジで温めて、発酵させる。
4.発酵した生地を成形して、オーブンで焼く。
材料を入れてからパンが焼き上がるまでは40分程度なのだそうです。電子レンジを使って発酵を促すことで時間を短縮して、普通なら約2時間半ほどはかかるパンが約40分でできるわけです。

(参考) 子供でも簡単に作れるパン

 パンと言えば、新宿で勤務していた頃は、メゾンカイザーのパンをよく買っていました。今日は、魚藍坂の近くに用事があったので、メゾンカイザーの高輪本店(東京都港区高輪1-4-21)に寄って来ました。

 店内にはテレビのカメラクルーがいたので、「どうしたのですか?」と尋ねたら、「中山秀征」さんがMCを務める日本テレビの「おもいッきりDON!」のテレビの取材だそう。取材の目的は、子供のおもちゃの「こねパン」で本当にまともなパンが作れるか、なのだそう! パテシエの方は、汗だくで粉を攪拌してました。大人の男性が子供用の道具を扱うのですから、とても大変そうでした。

 木村周一郎さん

 このおもちゃのルーツは、昔のパン捏ね機の原理を利用したものだそうで、昔の機械の写真を私も見せてもらいました。「こねパン」については、「やじうまミニレビュー メガハウス「こねパン」~子供が生地こね作業から参加できる、パン作り玩具 Reported by 安部 陽子」という記事が詳細です。(→→→

 ブログに書きたいのでと言うと、心良く撮影に応じていただけました。「おもいツきりDON!」の放送予定は、明日8月7日の12時15分頃だそうです。残念!仕事だわ。どなたか、テレビを見て報告してくれませんか?

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以前からとても美味しいお醤油を作っていると知ってはいたのですが、口にしないまま過ごしてきました。先日(2009年4月3日)、夫が日高市に用事で出かけるというので、その車に同乗して「埼玉県日高市田波目(たばめ)804」にある「醤遊(しょうゆ)王国」に寄ってもらいました。



ここ醤油王国は、「埼玉県坂戸市多和目(たわめ)475」に本社と坂戸工場がある「弓削多(ゆげた)醤油株式会社」が運営しています。「弓削多醤油」は、国内産の小麦と大豆を原料に使用し、木桶で発酵・熟成させる天然醸造による醤油づくりを行っています。大豆は県内産を主体に北海道、青森、岩手、秋田県産を使用し、小麦は県内産を主体に青森、岩手県産を使用しているのだそうです。

市販されている醤油の大半は外国産原材料を使い、短期間で醸造することが主流となっております。弓削多醤油では、国内産原材料の中でも特に、大豆の国内消費量の約0.018%しかない有機JAS認証大豆、小麦の国内消費量の0.009%しかない有機JAS認証小麦を使用し、木桶の中で1年以上醗酵・熟成したこだわりの醤油「弓削多有機しょうゆ」を醸造しております。 (「弓削多醤油」のサイトから)



醤油の主原料は「大豆」、「小麦」、「塩」で、麹菌、乳酸菌、酵母による発酵過程を経て生成されます。この過程で醤油はアルコールやバニリン(vanillin、バニラの香りの主要な成分)等の香気成分による「香り」、大豆に由来するアミノ酸による「旨み」、小麦に由来する糖による「甘み」を持つようになります。

弓削多醤油の特徴
 ・国内産の丸大豆、国内産の小麦、海水を干してできた天日塩、これらを原材料にしています。
  (当社では国産原料の醤油ばかりを造っていますが、全国的には全醤油量の0.2%しかありません)
 ・杉製の木桶で天然醸造。1年間の長期熟成。
  (当社にもタンクがあります。仕込む季節や醤油の種類によってはタンク仕込みも行います)
  (有機しょうゆ、木桶仕込しょうゆ、吟醸純生しょうゆなどは木桶で発酵・熟成しています)
 ・加熱殺菌も精密ろ過もしていない、酵母菌・乳酸菌が生きた生醤油をつくっています。
  (このような醤油は要冷蔵ですし、全国的にも大変めずらしいものです)
  (吟醸純生しょうゆ、重ね仕込み純生しょうゆ、醤遊王国2階のしぼりたて生醤油が該当します)
(「弓削多醤油」のサイトから)

醤油醸造では「脱脂加工大豆」が多く用いられています。製品の一括表示内に原材料「大豆」と表示されているものは、未加工の大豆である丸大豆を使用していることを表し、脱脂加工大豆が使用されている場合は「脱脂加工大豆」と表示されます(JAS法に基づく加工食品品質表示基準)。原料に丸大豆(脱脂加工していない大豆)を使用する場合、丸大豆には未処理の油脂が大量に含まれているため、これらの油分は仕込工程中に分離しますが、やがて脂肪酸とグリセリンに分解されていき、コクと風味のある美味しい醤油を作っていくそうです。



原料の「大豆」は水に浸し(浸水)、水を含んで十分に膨らんだ(膨潤、ぼうじゅん)ところで、圧力をかけて蒸し煮(蒸煮、じょうしゃ)します。生の大豆蛋白質が最終工程に残ると製品の濁りにつながるので、加熱温度や時間などには留意する必要があります。このタンク内で大豆の浸水、膨潤、蒸煮が行われます。運がよければ、(満遍なく熱が通るように)回転しながら蒸し煮がされているところが見られるそうなのですが、きょうは大豆のタンクへの投入が見られただけでした。



小麦は焙煎し、割砕して粉末状にします。焙煎するのは、醤油酵母は小麦の澱粉が生(なま)だとを栄養源として利用(「資化」)できないからです。これも動いてはいませんでした。焙煎が行われていれば、香ばしい匂いを多分嗅げたのでしょうが、、、



「製麹(せいきく)工程」で使われる「麹室(こうじむろ)」です。蒸煮大豆と割砕小麦を約1:1で混合したものに「種麹(たねこうじ)」を加えて混ぜ、高湿度下で3~4日程度培養を行い「醤油麹(しょうゆこうじ)」を作ります。表現は悪いかも知れませんが、柔らかくした大豆と熱を通した小麦にカビ(「ショウユコウジカビ」など)を生えさせるわけです。



醤油麹に塩水(「弓削多醤油」では主にメキシコ産の天日塩を使っているそうです)を加え、「諸味(もろみ)」を作ります。諸味は醸造タンクに移されます。麹菌の酵素によって蛋白質はアミノ酸に、デンプン質は糖に分解されていきます。「弓削多醤油」は醸造タンクに「木桶」を使っています。覗き窓の近くの木桶には「昭和七年」の文字が見えました。奥にはもっと古い木桶もあるそうです。諸味の入った木桶を上から眺めると、表面がカビに覆われているようにも見え、見た目、きれいではありませんが、人間はカビの生命活動を上手に利用しているのです。



諸味に乳酸菌や酵母が作用し、発酵・熟成していきます。その「諸味(もろみ)」を「圧搾布」(「濾布(ろふ)」)に包んで加重し、固体と液体を分離します。その液体を「生揚げ(きあげ)」とか「生しょうゆ」といいます。固体は「醤油粕」です。



「弓削多醤油」では、この濾布を200枚積み上げて自重で、固体と液体を分離します。さらに機械でも加重するそうですが、自重で染み出してきた醤油は、雑味がないのだそうで、「醤遊王国」の2階で「しぼりたて 生しょうゆ」として売られています。360mlで630円しますから、決してお安くない。



そこで「軽食コーナー」で味見です。お昼時だったので、350円で「たまごかけごはん」をいただきました。まずご飯に直接お醤油をかけて食べるのだそうです。それから、溶いた卵をかけても食べます。普段、ご飯にお醤油をかけることもたまごかけご飯も食べないのですが、これは美味しかった。家でも夫が「この食べ方はちょっと抵抗があるな。」と言いながらも、「これがなくなるまでは仕方ないよね。」と自己弁護して、あったかご飯に買ってきたこの「しぼりたて 生しょうゆ」をかけています。殺菌をしていないので長期保存はできないし、冷蔵庫などの冷暗所に保存しなければいけません。たしかになるべく早く使い切ってしまう必要があります。



これは「醤油ソフトクリーム」です。夫は妙な味のソフトクリームが好きで、観光地に行くと、「塩ソフト」「桜ソフト」「生姜ソフト」「山葵ソフト」、、、などを買います。その夫の談。「想像通りの味だったな。ソフトクリームには隠し味として醤油が使われているそうだから、意外な味、という感じはないね。」

それって、美味しかったの? それとも、、、

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今日、夫の生まれ故郷、北海道から宅配でジャガイモが届きました。夫のいとこが送ってくれたものです。

私がおいしいと思ったジャガイモでも夫は誉めたことがありません。今日、その理由がわかりました。

金時」という品種のジャガイモを生まれて初めて、食べました。(夫の母に品種を教えてもらい、ネットで調べました。)私は、初めサツマイモかと思いました。「男爵」とは違い、紫色で大きさも大きめでした。

私はこの「金時」を洗って、適当な大きさに切り、器に入れ、ふたをし、レンジを10分かけてから、ゲランドの塩を入れた沸騰したお湯の中で茹で、串が通ったら、お湯を茹で溢し、再度なべの水分を飛ばし、「金時」をホクホクさせました。

学校から帰ってきた息子「健人」に食べさてたら、「おいしい、最高だね!今までこんなの食べたことがなかった。」と興奮状態でした。シンプルな味付けで(素材のおいしさを味わうことができる)ここまでおいしいとは! 感動しました。

仕事から帰ってきた夫に食べさせたら、「うん、美味しいね。茹で立てにバターを乗せて食べるともっと美味しいんだよ。」と、サラッというだけ。感動がない!

わかりました。休日にそうしてあげます!

しかし、夫はどんな食生活をしていたのでしょう。
「今から考えると貧しい暮らしだったよ。その当時は、それが当然だと思って「貧しい」とは思っていなかったけれどね。」と夫は言いますが、漁港に揚がったばかりの「魚」・「蟹」・「ウニ」、、、収穫したばかりの「野菜」、おやつ代わりだったという「もいですぐ茹でたトウモロコシ」・「炉辺で焼いたトウモロコシ」、「味噌をつけて食べるもぎ立てのキュウリ」、「抜いてすぐかぶりつく大根」、「家の後ろの栗林から拾ってきて囲炉裏にくべて焼いた栗」、、、

「季節のものしか食べられなかったんだ。それも殆ど毎日同じものを食べることになるんだよ。」
「蟹が取れる時期になると毎日蟹だよ!感動はないね。」
「本当に美味しい食材ではないとしても、毎日違ったものが食べられることは幸せと思わなくっちゃ。選択肢があるのは、喜びだよ。」
「なんと言っても、いまはお米が美味しいね。昔は美味しい米は出荷していたから、ぼくらが食べる米はね、くず米というマズ~イお米だったんだ。」
「保存がきく食材は、いいものは食べられなかったね。当時は冷凍技術が未発達だったから、魚のような腐りやすい物はウチのじいさんがただで貰ってきていたようだけどね。」

なんと言っていいんでしょう。美味しい食材を口にできた夫をうらやましいと言うこともできないような気もします。

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今日はスキルアップの研修で大宮に出掛けて来ました。夫との待ち合わせの時間があったので、久しぶりに大宮高島屋に立ち寄りました。

「ありがとうの気持ちを全館に。
2007 大宮タカシマヤ 開店記念祭
開催場所:大宮タカシマヤ 各階」が開かれていました。

★[ビオマルシェ]料理教室
■10月26日(金)午後3時
■地下2階 ビオ・マルシェ
■講師:有機野菜生産者 粂川米子氏

私が興味を持ったのは、この売り場でした。地下2階の「有機野菜の店 ビオ・マルシェ」。「ずいき」が目に留まりました。久しく目にしていませんでした。「ずいき(芋茎)」は、里芋の葉柄(ようへい)です。乾燥させたものを「芋がら」といいます。



普段、「芋がら」は、なかなか手に入れることが出来ません。私の祖母はこの芋がらを味噌汁に入れたりしていました。私はこのお味噌汁、大好きでした。祖母は毎日、鰹節を削って丁寧にだしをとってくれる人でした。私の味覚が敏感になったのは、祖母のおかげなのかも知れません。

懐かしさのあまり、「これはどんな風に料理するのですか。」と係りの方に聞いてみました。すると、今日の料理教室の講師だった「粂川米子」さんを紹介されました。



パンフレットにはこんな風に紹介されています。
粂川米子さんは、栃木県の有機農家。有機米をはじめ、にんじん・里いも・ラディッシュ・ピーマン・おかひじき等の有機農作物を栽培されています。4月に開催した前回は、粂川家に伝わる「手軽でおいしい農家の料理」をご紹介いただき、ご好評をいただきました。今回も手軽でおいしいお料理を、前回同様、野菜・米作りのことや有機農業、食育のことなどのお話も交えながらご紹介いただきます。

生産農家の方がこのように情報発信をなさることは非常によいことだと思います。農産物や水産物の「食品偽装」がマスコミでよく取り上げられていますが、このような地道な活動がやがて実を結び、生産者の顔の見える食品が広く流通することを望んでいます。

きょうの「農家の料理教室」で作られたという「ずいきのごま酢和え」を試食させていただきました。

そのレシピです。
「材料」
 ずいき       300g
 塩          30g
ごま酢
 すりごま・砂糖・酢  各大さじ 2
 しょうゆ      大さじ 1
 塩         少々
「作り方」
① ずいきは、皮をむき3~4cmに切る
② ①を塩でよくもむ
③ ②を熱湯で茹で、ザルにあけ冷ます
④ ごま酢を作り③にあえる


帰宅して早速、味噌汁に「ずいき」を入れてみました。祖母を思い出すお味でした。「おいしい!」とおかわりを小学生の息子に要求されましたが、すでに皆で飲み干した後でした。

明日は、「ずいきのごま酢和え」か別のずいき料理を私のアレンジで作ろうと思います。

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「まめ屋」(埼玉県川越市仲町5-13)で買った「ぬれあま」という紫花豆の煮豆は、絶品でした。甘すぎず、軟らかく、味に嫌味がなく、どうしたらこのように煮ることができるのでしょうか。

まめ屋の「豆」は、スナック感覚のものが多い。それだけで十分に食べられます。お茶があった方がさらにいいですけどね。



これは「まめ屋のさくさくあずき」です。茹でたあずきをフリーズドライ処理をしたものです。軽く、ポップライスのような食感です。

「まめ屋の揚げえんどう」も購入しましたが、これはよくある味かな。



川越に観光にいらしたら、観光コースにある「仲町交差点」の角の「小江戸川越 まめ屋」にどうぞ。この「まめ屋」は、西新井大師の参道(東京都足立区西新井1丁目9-13)にも支店(西新井店)があるようです。

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今日は、我が子「健人」を連れて、夫と「おいしいおせんべい」の小島米菓さんに行って来ました。社長さんともいろいろなお話もして来ました。「私は80歳です。」とおっしゃるのには、びっくりしました。



生活クラブからの依頼がきっかけで、化学調味料抜きのおせんべいを製造しはじめたそうです。原材料は、国産米にこだわっており、それが食べておいしいと思える理由の一つのようです。

私がスーパーで買い物をして車に帰って来ると、夫と子供がおいしいと1袋食べ終わっていました。大食漢の二人には、いつもおいしい物を先に食べられてしまいます。そんな事もあるかと思って、今日はたくさん買っておいてよかった。

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